稲田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年5月30日

(平成26年5月30日(金) 9:23~9:40  於:中央合同庁舎第8号館1階S103記者会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 本日、内閣人事局の発足にあわせ、国家公務員制度担当大臣を拝命しました。内閣人事局の事務のうち、国家公務員制度及び行政組織に関する事務を担当することになります。
 内閣人事局は、国家公務員の人事管理に関する戦略的中枢機能を担う組織として、幹部職員人事の一元管理に関する事務に加え、人事管理に関する制度についての企画立案、方針決定、運用を一体的に担うことになります。
 本日の閣議においても、総理から、内閣人事局がその役割を果たし、政府としてしっかり成果を出していくことが重要とのお言葉があったところであり、内閣人事局が期待された役割を果たせるよう努力してまいります。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)フジテレビの和田でございます。おはようございます。
 今の関連ですが、総理が思わず看板の字をごらんになって、「みずみずしい」とおっしゃっていましたが、御自身の書かれた看板の文字の評価と、それから今のお話と重なりますが、これからの抱負、それから事務的なことで恐縮ですが、職員の数はおよそ、ごめんなさい、170人程度と今日伺ったのですが、その3点をお伺いしたい。
(答)まず1点目ですけれども、内閣人事局という看板の字を書いたのですが、一気に全く練習なしに書いたので、字の上手下手は別として、勢いがあったかなと。特に「人」という字がちょっと勢い余ってはねたみたいになってしまったのですけれども、でも、思いを込めて書いたつもりでありますので、そこにはやはりこの組織がきちんと機能してほしいという字をあらわしたつもりでおります。
 2点目は、この人事局にかける抱負ですね。今日も総理おっしゃっておりましたけれども、この内閣人事局をつくることによって、今まで省庁縦割りであったのを、政府一丸となって内閣の重要課題に取り組む人事戦略、そしてそれを実施する体制をこの内閣人事局でつくっていきたいというふうに思います。組織ができてこれからの運用こそ大切だというふうに思っておりますので、その点についてはしっかりと取り組んでいきたいというふうに思っています。
 3点目の人数については、そのとおりで約170。

 (事務方)170というか160というか、ちょっと四捨五入で微妙かもしれません。

 (フジテレビ・和田記者)170程度と事務局からは。

 (事務方)事務局から言っているなら、そのとおりだと思います。
(問)日経新聞の兒玉です。
 公務員制度改革についてなんですが、まだ労働協約権の問題とかいろいろ課題も残っていると思うのですけれども、今後、公務員担当大臣ですか、すみません、公務員制度担当大臣。
(答)国家公務員制度担当大臣。
(問)(日経新聞・兒玉記者)失礼しました。制度担当大臣としてどのように取り組んでいかれるのかお願いします。
(答)私が担当する分野は、一つは、人事行政についての人材戦略を確立する。また、組織管理については、内閣重要課題への柔軟かつ迅速な対応を組織面から後押しをするということですよね。要するに、一元管理以外の今回、総務省から移管をした機構、定員、それから人事院からの級別定数というのは、まさしくポストをつくったり、そして、そのポストの重要性を決めたりという、まさしく器と椅子を決めるという役割ですから、非常に戦略的な人事を行う上での基盤を内閣で担うということなので、非常に重要な役割だというふうに認識をしております。
 今御指摘になった基本法との関係ですね、基本法との関係では、協約締結権の問題が残っておりますので、これについては、国会審議で申し上げましたように、まだその協約締結権を付与するということを国民の理解を得る形で提示する段階にはありませんけれども、この点についてもきちんと取り組んでいくということでございます。
(問)毎日新聞の小田中ですが、すみません、別件になって恐縮ですけれども、昨日、安倍総理のほうから、ストックホルムで行われた日朝局長級会談・協議の中で、拉致問題について再調査を実施するということが発表されました。その点について、福井県としては拉致被害者の方、また特定失踪者の方いらっしゃるわけで御関連もあるかと思うのですけれども、お受け止めをお伺いできますか。
(答)今御指摘になったように、福井県、拉致被害者もいらっしゃいますし、拉致の疑いのある行方不明者もいらっしゃいます。私自身も実際に拉致が行われた現場にも行ったことがありますし、そういった支援する方々の要請も受けております。更には、安倍内閣において、この拉致問題の解決というのは安倍内閣の最重要課題ということで、総理も魂を込めてずっとその第一次安倍内閣、その前から取り組んでおられましたし、私自身も、この拉致問題が大きく報道される以前の弁護士時代から、この問題については本当に主権の侵害であり重大な人権侵害でもありますので、一人の国民としてもずっと解決を望んできた立場でもあります。
 今回、自分は担当大臣ではないので、その内容は報道でしか承知をしておりませんけれども、安倍内閣として、そして日本の国民として、やはりひとつ大きな前進になるというふうに期待をしたいというふうに思います。
(問)(毎日新聞・小田中記者)関連でなんですけれども、ここは所掌外なので申しわけないんですけれども、一方で、今回合意している内容の中では、調査開始時点において、日本独自で行っている制裁について解除する旨の記載がされました。拉致関係者の方からすると、その調査が進むことを期待する一方で、これまでの北朝鮮の動きから見て、調査開始時点において独自制裁を解除することについては、ちょっと早過ぎるのではないかという指摘もあるかと思うのですけれども、その点について御所見があればお願いします。
(答)担当ではないので、具体的には申し上げる立場ではありませんけれども、やはり今までのいろんな経過というものを踏まえて強力なカードを切って、もちろん総理も官房長官も古屋大臣も切られるというふうに思います。
(問)(NHK・森田記者)ちょっと人事局の話に戻ります。これも改めてになるのですけれども、今回、人事局設置で局長も政務の副長官になり、政治主導というのがかなり印象づけられたと思うのですけれども、これによって今後この人事がどう変わっていくか、あと、その政治主導が強化されることについての懸念というのもやはり根強くあるので、そこに対しての疑問の声に答えるためにどうされていくかというのをあわせてお願いします。
(答)大きな600人規模の審議官以上の人事をチェックするということでありますけれども、あくまでも人事権者は大臣にあります。そして、その名簿の作成に当たっても、適格性審査、そして人事評価など非常に客観的な要素を入れていくことによって、複数のチェックが行われることで客観性とか公平性というものは担保していかなければいけないというふうに思います。そして、何よりもこの内閣人事局で一元管理をして人事をやっていくことの目的は、戦略的な人事を実施する。そして、内閣の重要課題を推進をしていく。今までの縦割り行政では、もはや日本は再生することはできないという、いわばもう崖っぷちの気持ちでもってこの内閣人事局というものの運営に当たっていかなきゃいけないというふうに思っておりますので、決して懸念されるようなことはないし、あってはならないと思っております。とにかく組織をつくったけれども、ここからの運用にかかっているというふうに思っております。
(問)朝日新聞の藤原です。
 審議官に定塚(由美子)さん、今日正式に任命ということだと思うんですけれども、女性の審議官の定塚さんにすることに対して、改めてどんなことを期待されるかというところと、まさに女性の登用をいかに促進するかというところ、すみません、先日の質問とまた重複になってしまうのですが、人事局のまさに最重要課題の一つではあると思うんですが、まず一つ、この夏の人事に向けてと、それから今後の人事局の第一発目の仕事として、女性登用促進をいかに担保していくか、組織として基本方針の改定なんかも含めてどのように今後検討されていくかということをお聞かせください。
(答)定塚審議官に来ていただきました。彼女自身も男女共同参画の課長もされておられましたし、また、御自身も子育てもしながらずっとこの霞が関で頑張ってこられた方でありますので、そういった御自身の経験も生かされながら女性の登用に取り組んでいただけるものというふうに確信をしております。
 そして、今回やはり内閣人事局をつくった意味は、内閣の抱える重要課題を人材戦略という意味からきちんと実現をしていくということですから、安倍内閣が女性の登用・活用ということを中核に置いている以上、この内閣人事局において適材適所、そして能力のある女性をきちんと登用する。と同時に、子育てをしながらも霞が関できちんと働くことができる環境整備というものをつくっていかなきゃいけないというふうに思っておりますし、それも方針の中にかなり多くのページを割いて具体的に書いているところでございます。
(問)(フジテレビ・和田記者)すみません、先日、混合診療で意見が出されて、これで一段落かなという気がするのですが、今後の課題という意味では具体的に何かお持ちでらっしゃいますか。
(答)課題というか、やはり今回総理も併用療養の仕組みを変えて、拡大を患者起点で法律改正をするということでおっしゃっていただいているわけであります。
 今、併用療養では評価療養、選定療養と二つの場合があるわけですけれども、それとは別に、患者のほうから申し出をして、そして患者起点で、評価療養というのは、いわゆる保険適用するかどうかを評価するものですけれども、患者の治療というところに着目をして、患者の申し出により、患者の選択によって併用療養を受けられるということでありますので、その治療の選択肢を増やして仕組みを新たにつくるということであります。あと、できるだけ迅速に、それから身近な医療機関でも受けられるようにという趣旨で今回提言をしていただいておりますので、この規制改革の提案に従って今後の細部については詰めていくことになろうかというふうに思います。
(問)(フジテレビ・和田記者)ごめんなさい、質問の仕方が悪かったかもしれないんですが、ほかのテーマという意味であるかどうかということについて。一段落かなという気が私はするんですが。
(答)一段落というか、本当に規制改革で議論しているテーマというのは非常にたくさん多岐にわたりますので、一段落ということでもないのですけれども、でも、これで農業についての提言、それから医療、そして雇用については三位一体改革ということで、大きな分野についての提言はまとまったということで、その方向性で頑張っていきたいというふうに思っています。

(以上)