稲田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年4月11日

(平成26年4月11日(金) 8:35~8:44  於:合同庁舎4号館6階620会議室)

1.発言要旨

 おはようございます。冒頭、私からは本日の閣僚懇談会におきまして、私から各行政機関における歴史資料として重要な文書の保有の確認について発言をいたしました。
 今般、文部科学省において教育勅語の原本など、歴史資料として重要な文書を保有していることが新たに判明し、今後、これらの文書について国立公文書館への移管に向けた手続きを進めることとなりました。
 各行政機関においても、今回の事例のように公文書管理法に基づく行政文書ファイル管理簿に登録されていないものの、歴史資料として重要な文書を保有していることも考えられます。公文書管理法の施行を徹底する見地から、この機会に改めて確認を行っていただくよう各閣僚にお願いをしたものです。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)毎日新聞の小田中です。冒頭の発言のところですが、不勉強で申し訳ありませんが、確認で、文科省の資料というのはどういう資料があったのでしょうか。
(答)教育勅語の原本が見つかったとのことです。
(問)(毎日新聞・小田中記者)改めて公文書のものがあるかどうか確認ということですが、具体的にいつまでという話はありますか。
(答)いつまでということではないのですけれども、今回も文部科学省への、今見つかったというよりも少し時間があったようですし、公文書管理法の趣旨からしても、この様に重要な文書が行政機関に眠っているということもありますので、それを確認していただいて、きちんと移してもらうということであります。
(問)(毎日新聞・小田中記者)分かりました。話は変わって、公務員制度改革法案の関係ですが、昨日、内閣委員会の方で可決されまして、今日この午前の会議の方でかけられて可決成立する見込みですが、改めて、基本法ができてから6年越しでの法の制定となるわけですけれども、今回、本会議前ですけれども受け止めをひとつ伺いたいのと、あと組織体をこれから作っていくわけですけれども、どういう点に留意して組織を作っていくべきだと考えますか。
(答)今回、公務員制度改革は、橋本行革で積み残しになったものでもあり、また第一次安倍内閣において実際に公務員制度改革に着手し、平成20年(6月13日法律第68号)に改革基本法が制定されてプログラム法があったわけです。それに基づいて自民党でも1回、民主党でも2回法案を提出して廃案になったという経過があります。
 今回、法案が成立することによって公務員制度改革の一つの基本法に基づく集大成の法案が成立するということでありますけれども、行政の縦割りの弊害を排して、幹部人事の一元化をすることによって省益ではなくて国益に資する政策の実行という面で、その人材戦略という面において重要政策の推進に弾みがつくと思いますし、また、国益の観点から職務にまん進する官僚を幹部候補育成課程ということで養成していくという意味において、一つの集大成でもありますし、新たな局面というか、迎えることになるのではないかと思います。
 組織については、やはり衆・参で非常に良い議論をしていただきました。今回、人事院からも、それから総務省から機能移管をするわけですけれども、きちんと機能移管をしたことで実効性があり、機動的な人材戦略の実施ができるように動かしていかなければなりません。あと懸念事項もいくつも、600人規模の幹部人事を一元化することにより情実的な人事が横行するのではないかという質問等もあったわけですけれども、そういうことがなく、きちんと客観的な資料に基づいて、そして適材適所を実現でき、それをきちんと国民に対しても説明できる組織にするということで、法案は今日成立したとしても、ここからの運用ということ、また政令等を詰めていかなければいけないものも含めてきちんとやっていきたいと思います。
(問)共同通信の中久木です。関連ですが、先ほど大臣も言及されましたけれども、今回の改革によって政治主導による人事が可能になる一方で、政権による恣意的な人事も行われる懸念も示されています。公正と中立性をどのように担保されていくのか、お考えをお願いします。
(答)今回の内閣人事局の幹部人事一元管理については、第一次安倍内閣で入れられた人事評価を基にして、その職務遂行能力については適格性審査をかけて、また任命権自体は大臣に残して、任免協議を内閣総理大臣、官房長官にすることができるというように、仕組みの上で非常に公平性とか公正性が担保できる仕組みになっています。そこは制度の趣旨をきちんとし、これに対して人事をやっていくということで理解をいただけるというか、公正・公平な人事、そしてその時々の重要政策にあった戦略的な人事が可能になるのではないかと思っています。
(問)日経新聞の兒玉です。今回の法案では労働協約権の部分が引き続き検討ということで残りました。今後どういうふうに労働協約権の部分に対応していかれるべきか、大臣の御見解についてお願いします。
(答)労働協約締結権についても今回の衆・参の質疑でかなり大きなウェートを占めていました。改革基本法の第12条(労働基本権)の中で協約締結権の中で自律的労使関係を措置するということが書かれているわけです。私の意見交換会の中でも、それから民主党が平成23年に提出した際にもこの労働協約締結権については、いろいろな懸念が示されたところであります。私の意見交換会の中でも労働協約締結権を付与することによる懸念というものも示されております。
 法第12条の中では費用と便益をきちんと国民に示して理解を得ることが条件になっておりますので、今後、費用と便益について各界から意見を伺って、出せる段階になれば国民に提示していくということで、慎重に検討していきたいと思っています。

(以上)