稲田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年10月4日

(平成25年10月4日(金) 10:20~10:36  於:合同庁舎4号館6階620会議室)

1.発言要旨

 まず、冒頭、私からは行政事業レビュー及び基金シートについては、今年4月の閣議決定等に基づき実施され、先般それぞれのシートが各府省より公表されました。
 まず、行政事業レビューについてですが、先般公表された平成24年度実施事業の点検結果等が記載されたレビューシートは全部で4,906事業となっています。また、本年の行政事業レビューでは外部有識者のチェック対象を重点化し、1,098事業について外部チェックが行われ、指摘事項の多くは具体的な改善を求めるものとなっています。現時点での集計では、各府省の自律的なレビューの取組により、「廃止」や「縮減」、「執行等改善」などの見直しがなされた事業は1,996事業となっており、各府省が集計した平成26年度概算要求への反映額を機械的に足し上げると3,069億円となっております。このように、行政事業レビューは、国の事業の見直しに一定の役割を果たしているものと考えますが、引き続き、各府省の取組を精査してまいります。なお、この他に平成25年度新規事業について532事業、平成26年度新規要求事業について495事業のレビューシートが各府省において公表されております。
 次に、本年度からの新たな取組である基金シートですが、執行状況等について把握を行った基金事業のうち、基金シートで公表したものが128、行政事業レビューシートの形式で公表したものが92の合わせて220のシートが公表されております。基金シートにつきましても、基金の運用や基金により実施されている事業が効率的かといった観点から精査を進めてまいります。
 秋以降の行政事業レビューについては、本年4月の行政改革推進会議において、同会議が、各省の点検結果が十分なものとなっているか、点検結果が適確に概算要求に反映されているか等のチェックを行い、チェック結果が予算編成過程で活用されるよう意見の取りまとめを行うことといたしております。
 加えて、今月1日に閣議決定された「消費税率及び地方消費税率の引上げとそれに伴う対応について」においては、「国民に負担増を求める際に、各分野の歳出において無駄があったり、優先順位の低いものに予算措置が行われているといった批判を招くことがないよう、政府全体として取り組む」とされ、行革は今後の優先課題の一つとして掲げられており、引き続き、行政の無駄の削減に向けた取組を着実に進めていく必要があると思います。
 今後、具体的にどのような形で行政改革推進会議がチェックを行うかについては、今月15日に同会議の民間議員の皆様にお集まりをいただき、御検討いただくことにしております。議員の皆様から忌憚(きたん)のない御意見を出していただいて、今後の進め方をまとめていく所存でございます。
 以上です。

2.質疑応答

(問)テレビ朝日の吉野と申します。
 今日行われる規制改革会議についてお伺いしたいと思います。労働者派遣制度の見直しについて取りまとめられるかと思うんですけれども、まず1つ目が大臣はこの件についての受け止めをお伺いしたいと思います。もう1問ございまして、この中で日雇い派遣の抜本的見直しなどが提案されるかと思うんですけれども、これによって非正規雇用が拡大するのではないかという指摘もあるわけなんですけれども、それには大臣はどのようにお考えになりますでしょうか。
(答)今日、午後1時から御指摘のとおり規制改革会議の本会議が開催されます。それに先立ちまして、ワーキンググループで厚労省のヒアリングとか、厚労省で出された派遣についての報告書について様々な検討がなされているところでございます。と同時に、平成24年の改正について今御指摘になった日雇い派遣の問題ですとか、見なし契約の問題、幾つかの論点についても話し合いがずっとなされてきておりますので、そういった点も含めて、提言がなされるのではないかと思っております。
(問)大臣の率直な御感想は。
(答)私は、ちょうど国会の会期中でないということもありまして、できる限りワーキンググループの議論にも参加をしてきたところです。やはりこの間の報告書において、規制改革会議が求めていた点がかなり反映されている部分もあるかと思います。やはり規制改革会議としては、多様な働き方というものを認めていく必要があるのではないかと、そういう切り口での提言になると思っております。
(問)熊本日日新聞の高橋と申します。
 先日、日本プロゴルフ協会の理事に続いて副会長までが指定暴力団の幹部とゴルフをプレイしていたことが発覚しています。この協会というのは公益法人の認定を今年受けているんですけれども、大臣の率直な受け止めと今後どのように指導監督されるのか、その2点をお聞かせください。
(答)報道については承知をいたしております。そして、理事についての報告聴取など事実関係の把握は法令上の公益認定等委員会が中心となって行うということになっておりまして、先日、報道された理事に関する件については、今、報告聴取、報告を求めるということになっております。今般判明した副会長に関する件についても同委員会について事実関係の把握が行われているものと承知いたしております。徹底した事実解明と再発防止策が講じられることが重要であると思っておりまして、現在、同委員会で事実の把握とそして理事に対する報告聴取を待ちたいと思っております。
(問)時事通信の大沼です。
 公務員制度改革に関して、先程自民党の平場で行われて、まだまだ厳しい意見がかなり出た感じですが、改めて大臣の秋の臨時国会の冒頭提出に向けての意気込みをお願いいたします。
(答)今日の党での御議論について、まだ報告を受けておりませんので、その点についてはコメントできないんですけれども、今まで今日を含めて3回、丁寧な議論をしていると思います。そして、何度も申し上げていますけれども、この公務員制度改革は改革基本法というプログラム法があって、それを実施する法律に落としていくということで、そのプログラム法の基本法自体の期限はもう7月にすべてのことが終わるということになっていたので、私はもう議論は十分尽くされていると思います。もちろん党内での議論、それから懸念についての御意見についてはそれを払拭するような運用ということはこれからも考えていかなければならないと思いますけれども、やはり来夏の人事に間に合わせるためにはこの秋の国会での成立というのが私は必要であると考えておりますので、タイトな日程ですけれども、冒頭の提出に向けて努力を続けていきたいと思っています。
(問)もう1点、先程大臣は総理のところに行かれていたと思うんですが、この件だと思うんですけれども、大臣からどういったお話をされて、総理から新たな指示があったのかどうか、お聞かせください。
(答)この件について行ったわけではなくて、冒頭お話をした秋の行革事業レビューの問題、様々な行革案件について総理に御報告をいたしました。その上で、現在の公務員制度改革の進捗状況については、お話をし、またこの秋の臨時国会で成立を是非させたいという意気込みはお話をしてきたところです。
(問)総理からは。
(答)総理からは頑張ってくださいということです。
(問)朝日新聞の明楽です。
 公務員制度改革についてなんですけれども、まだ、党内などでも議論は十分に尽くされてないという意見もある中で、どの段階で大臣としては最終的な判断をして、法案提出を目指そうとお考えなのかというところと、もう1点、大臣は甘利法案よりは後退はないとおっしゃっていますが、だとすれば改めて、議論が平行線のまま法案提出になるのではないかと思うんですが、その点はどういうふうにお考えでしょうか。
(答)今日の党の議論には私は参加してないんですけれども、前回は600人規模についてのお話がありました。600人規模についてはやはり私は基本法に基づけば、審議官以上であるし、あと反対派のおっしゃっている、それがチェックできるのかという問題については、私は任命権は大臣に残しているところですので、御懸念されている点について、運用上の様々な配慮が必要かと思いますけれども、その点についての議論は尽くされているというふうに思います。
 機能移管の問題についても、私はやはり人事行政の消極的な使命というよりむしろ積極的な政府一体となった人材戦略というものを実施していくためには、21年法案のときに考えていた人事院や総務省からの機能移管というのは必要であるというふうに考えておりますので、今日、どういう議論が機能移管についてあったかは承知いたしておりませんけれども、かなり議論が煮詰まっているのではないかと思っております。その上で、法案提出に向けての決断の時期ですけれども、先程申し上げましたように、秋の国会で、成立させるためにはなるべく早い時期に法案を提出していきたいと思っております。
(問)運用上の配慮というのは具体的にはどういったことを考えていらっしゃるのでしょうか。例えば、その600人の中でも200人と400人で濃淡をつけるとか。どういったことなのか。
(答)全部が全部べたっとチェックするわけではない。そして、出していただく書面とか、資料、それはそのときどきの政策の重要性とか、人事の重要なポストの判断によって、それはすべて画一にマニュアル化されたものではなくて、柔軟な対応というのは必要になると思います。
(問)毎日新聞の宮島です。
 公務員制度改革とちょっとずれてしまって恐縮なんですけれども、早期退職制度、国のほうで11月から始まります。大臣、直接の御担当ではないかもしれませんけれども、天下り規制が行われて、公務員の方々の年齢構成が相当いびつになっている弊害が指摘されている中で、公務員制度の改革という観点から、この早期退職制度がどのような期待があるのか、ちょっとお伺いできませんでしょうか。
(答)これまで早期退職の慣行の是正というものに取り組んで、平成19年の国家公務員法改正では再就職斡旋の禁止、いわゆる天下り禁止を導入し、天下りの弊害除去に努めてきた一方で、公務員の年齢構成がどんどん高齢化していくという問題があるかと思います。
 この中で、組織活力の維持向上を図るために、新陳代謝を促す措置が重要であるという観点から昨年の退職手当法の改正により早期退職募集制度を導入したというふうに承知いたしております。うまく新陳代謝が進む上でも、またこういった制度がうまく機能することで意欲と能力のある高齢者層の職員が新たな職場で活躍することができて、また部内では新陳代謝が進んで、若手の人材の投与が進んでいく環境ができるという、そういう趣旨であると認識いたしております。
(問)関連して、御認識等はよく分かりまして、一方で、各省庁から出てきている要項を見ると、早期退職の募集人数が若干名とか、極めてちょっとシャビーな募集の仕方である。これがピラミッドの是正になるのかなという気がしなくもないんですけれども、そこの点はいかがお考えでしょうか。
(答)各省の詳細について承知はしてないんですけれども、具体的には募集数についてはそれぞれの組織の年齢構成、また定年退職者数との見合いなどから決まっていくものではないかと思っておりますが、ちょっと数の大小についてはコメントを差し控えたいと思います。

(以上)