稲田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年6月7日

(平成25年6月7日(金) 10:37~10:49  於:合同庁舎4号館6階620会議室)

1.発言要旨

 冒頭、私からは、行政事業レビューの公開プロセスの実施について、本日の閣僚懇において、来週10日から28日にかけて各府省において開催される行政事業レビュー公開プロセスに関連して発言を行いました。
 公開プロセスは、インターネット中継等を活用した公開の場で、外部の有識者が、各府省の担当者と質疑を行いながら事業の執行状況の点検や改善策の検討を行う取組であり、無駄の削減はもとより、行政の質の向上や説明責任の確保の観点からも重要な機会であります。各大臣には、公開プロセスの取組状況を把握するとともに、この機会に事業の効率的、効果的な実施に向け十分な見直しや改善が行われるようしっかりと取り組んでいただくよう依頼をいたしました。
 先日もお伝えをいたしましたが、全ての府省でインターネット中継等による公開が行われる予定であり、皆様にも是非議論を御覧いただきたいと思います。また、私も10日の内閣府の公開プロセスを傍聴する予定でありますので、是非取材をしていただければと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)毎日新聞の宮島です。お疲れさまです。
 規制改革会議の答申がまとまりました。大変お疲れさまでした。市場プラス自民党の議論の件なんですけれども、市場のほうで、どうしても農業改革であるとか解雇規制の部分であるとかが入らなかったことを、ちょっと不足しているんじゃないのか、そういう形の意見があります。一方で、今朝方、大臣も御出席されていた自民党の会合の中で、ある議員は、「自民党はいつから三木谷のポチになったんだ」と、「むしろやり過ぎじゃないのか」という声もあります。改めて大臣として今回の答申の意義、プラス特に今回の薬のインターネットの販売解禁の意義を改めて教えていただけますでしょうか。
(答)まず、私はやっぱり今回、規制改革会議の審議が約4か月という非常に短い期間でありましたけれども、大変精力的に取り組んでいただいて、また総理からの指示の健康・医療、そして環境、それからエネルギー、雇用、それに創業という分野を、四つのワーキンググループを設置して、非常に精力的に取り組んでいただいたというふうに思います。そして、国際先端テスト、総理の指示でもありますし、自民党の公約でもあった、日本が規制の最先端にあるということを検証するためにやった国際先端テストも、非常に私は意義があったと思います。
 今御指摘の農業の問題ですとか保険外併用療養の問題ですとか、ちょっと踏み込み不足であるというような御指摘がありますけれども、それは次の課題としてきちんと改革の姿勢は見せていきたいと思います。
 また、中に130項目様々なことが書かれておりますけれども、私は非常に意欲的な項目もあって、踏み込み不足というふうに指摘をされているとすれば、私の発信がまだまだ足りないということでもあろうかと思いますので、そういう発信もちゃんとやっていきたいなと、これから思っています。
 今御指摘のインターネットの薬の販売のことについて、今日、私、自民党の部会、オランドさんの歓迎式典があったので途中で抜けてしまったので、いつから三木谷のポチになったかという、その厳しい指摘があったことは聞いていなかったんですけれども、私はやっぱり今回、最高裁の判決があって、そして今、その判決以前に、省令でもって1類、2類をインターネットで販売できないとしていたことは、それは法律の委任の範囲を超えている。そして、このインターネット販売を含む売り方の問題というのは、まさしく憲法上の職業選択の自由の中の営業活動の自由の憲法上の権利であって、それを制約するのは目的に照らして必要最小限度じゃなくてはならないということを、理由中の判断ですけれども指摘をしているわけですね。そして、その中で最高裁が、やっぱりインターネットであるか、対面であるかによって危険性、安全性ということに差異はないという政府部内の意見もあったということも、その憲法上の権利に触れる前に指摘をしているわけですから、私はやっぱり今回は、最高裁の判決を受けて、インターネットであるか、対面であるかは問わず、もちろん安全性の確認というのは必要だと。今回、25品目については、秋の検証に向けて、きちんと安全性を確保した売り方をする。これは別にインターネットではだめだということを前提にするわけじゃなくて、インターネットであろうが、対面であろうが、店舗であろうが、そういう売り方はきちんとしましょうということを検証するということを決めたというのは、安全性を確保しつつ、最高裁の判断にのっとった私は合理的な提案であるというふうに思っておりますので、その点も、今おっしゃったような不当なというか、違った批判については説明をちゃんとしていかなきゃいけないなというふうに思います。
(問)フジテレビの和田でございます。おはようございます。
 今の関連なんですけれども、いよいよ規制改革2期目ということになるんだと思うんですが、今も農業と混合診療というお話が出ましたが、ちょっと下品な聞き方をさせていただきますが、このところ、日経平均が大きく下がっているわけですけれども、この日経平均をガーッと押し上げるような材料になるような何かテーマを今大臣はお持ちでしょうか、いかがですか。
(答)やっぱり株価は安倍政権になってから本当にどんどんと上がっていきました。そして、今少し下がっていることをいろいろと言われているわけですけれども、私は、解散時に比べて、それでもやっぱり随分上がっているというふうに思います。そういう意味で、安倍政権の経済政策に対しては、期待はまだまだあると思います。
 ただ、今、先ほどの質問にもありましたように、規制改革の会議の中で、本当に真剣に取り組んで、そして提言、提案も、いいものもまとめていただいているので、その発信はちゃんとやっていかなきゃいけないし、そして4か月という短い期間なので、まだまだ取り組まなければいけない課題はあると私もその中で認識しました。その代表として農業と保険外併用の問題なども言いましたけれども、私は規制改革でも、一つ一つ結果を出していく、本当に地味かもわからないですけれども、そういう不断の挑戦だというふうに思いますので、そういうことに着実に取り組んでいくという姿勢もまた発信していきたいなと思います。
(問)何か1期目の発信以外に、2期目でおっしゃった農業と混合診療以外に、これぞというような点はございますか。
(答)これは、次のステップへの中でも書いたんですけど、私はやっぱり今回思ったのは、法律自体に規制がなくても、それを省令レベルで何か強化しているとか、そういうものも、運用での強化ということが案外あるなということを感じました。また、規制改革会議のメンバーの中から、やっぱりそれぞれの各省がですよ、行政事業レビューじゃないですけど、それぞれの各省が自分たちのやっている規制が、果たしてもう社会に合わなくなったんじゃないかとか、本来の法律の範囲を超えているんじゃないかとか、あと地方公共団体のやっている規制が、じゃ、法律の裁量を超えているんじゃないかということは不断に一番よくわかっている、各省がですね、規制を見直すという、そういうシステムというのも是非作っていきたいなというふうに思っています。
(問)共同通信の中久木です。
 公開プロセスについてなんですけれども、来週から始まりますが、この公開プロセスで取り扱う事業は各府省で3から5とか数個に限られていて、選ぶ事業も各府省が選ぶということで、その無駄撲滅に向かってどこまで実効性があるのかという声も出ているんですけど、この指摘に対してどのように。
(答)行政事業レビューというのも、まさしく各府省の自立的な取組として、自分たちの事業を全部見直すというものですね。その中で、じゃ、何を公開するかということも、私は各府省の自立に任せているわけです。今回66事業が対象にされているわけですが、約半数の31事業が重点的に外部チェックの対象とされている前年度新規事業、若しくは今年度終了予定事業というふうになっております。私は、やっぱりそういう各府省が自分たちのその事業の中で、これをきちんとレビューしているということを国民の皆様方にもわかってもらうためにいい機会だと思うんです、隠すんじゃなくて。ですから、そういう意味において、対象66事業ですけれども、きちんと公開して説明責任を果たしてもらうということが重要ではないかなと思っています。そういう意味で、各府省が自立的に選んだ事業を公開するということで、まずやってみようと思っています。

(以上)