稲田内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年1月25日

(平成25年1月25日(金) 11:19~11:35  於:合同庁舎4号館1階108会議室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 まず、規制改革会議について、昨日、第1回規制改革会議を開催いたしました。会議においては、安倍総理から諮問を行うとともに、委員の方々から経済社会の構造改革を進める上で必要な規制の在り方に関し御見解を賜りました。幅広い分野における議論に精通した委員の方々に御参加いただけたことで、充実した議論を進めていけるものと確信をいたしました。
 また、総理からは、経済活性化のための規制改革という目的を明確に示されました。官房長官及び甘利大臣からも御発言をいただき、日本経済再生本部及び産業競争力会議との連携・協力に向けた第一歩を踏み出せたものと思います。規制改革会議の有益な御意見を反映した改革を実現できるよう、担当大臣として最大限取り組む所存でございます。
 また、昨日、第3回の給与関係閣僚会議が行われました。その結果、高齢層職員の昇級抑制については、次の昇級日である平成26年1月1日から人事院勧告どおりに改定すること。また、平成25年度における地方公務員の給与については、国家公務員の給与減額支給措置を踏まえ、各地方公共団体において速やかに国に準じて必要な措置を講ずるよう要請するとの結論を得、その旨、昨日の臨時閣議において決定したところでございます。
 閣僚会議の場において、私からは、今回の勧告は高齢層国家公務員の昇級を抑制し、人件費の縮減に資する内容であること。また、労働基本権を制約する上での代償措置の根幹をなす人事院勧告制度は尊重することが基本であることから、人事院勧告どおりに実施することが適当であること。平成25年度における地方公務員の給与については、国家公務員給与の平均7.8%の削減措置を踏まえ、各地方公共団体において速やかに国に準じて必要な措置を講じていただく必要があることを発言いたしました。
 また、本日、日本経済再生本部が開催されました。会議の席上、私から、規制改革会議の初会合において、規制改革は成長戦略の一丁目一番地の課題である。規制改革会議と日本経済再生本部及び産業競争力会議の連携・協力が重要であるとの指摘があったことを御報告いたしました。また、規制改革担当大臣として、伝統を守りながら創造するための不断の改革が重要であり、大胆かつ迅速に規制改革を実現できるよう取り組む旨の発言をいたしました。 
 最後に、総理から、成長戦略の策定方針に関し、各大臣に指示が出されました。規制改革については、雇用関連、エネルギー・環境関連、健康・医療関連を規制改革の重点分野にし、特に、健康・医療の大胆な改革を推進する。そして、成長戦略分野の育成、投資先としての日本の魅力の最高水準への引上げの観点から、国際先端テストの導入に向け取り組むことについて指示を受けました。
 以上でございます。

2.質疑応答

(問)読売の池田です。
 今の御発言の中にあった、国際先端テストの導入について総理から指示があったということですが、それはどのような場で進めていくのでしょうか。新たにそのための会議をつくったりとか、そういうこともお考えなのでしょうか。
(答)国際先端テストの導入は、やはり日本が国際社会から魅力ある投資先であると認識してもらうためにも大変重要だと認識しておりまして、この国際先端テスト導入について何が必要であるかということについては、今、事務方にも指示しておりますし、また規制改革会議においても、その問題がこれから先、議論されるものと思っております。
(問)つまり、規制改革会議でも先端テストを行うという理解でよろしいのですか。
(答)規制改革会議の中の議論としても、国際先端テストの導入が議論されるものと認識しております。
(問)共同通信の中久木です。よろしくお願いします。
 冒頭発言にありました公務員の給与削減に関してなのですけれども、地方公務員の給与削減要請に関しては地方から反発も出ていまして、菅官房長官などは「頑張っているところと頑張っていないところが一律というのはちょっと不自然だ」という発言もあるのですけれども、この一律の削減についての大臣の御見解をお願いします。
(答)そうですね、ただ、地方公務員の給与の削減については、地方の自主性に求められておりますけれども、国家公務員の給与削減7.8%に準じてお願いしたいと、私の立場からは思っております。
(問)朝日新聞の鈴木です。
 大臣の所管でないので恐縮なのですけれども、ハーグ条約についてお伺いします。
 ハーグ条約については、アメリカ中心に各国から、日本に対しても締結を求められていて、日本政府として先日の日米外相会談のほうでも、締結に向けた前向きな発言が外相のほうから行われていると思います。
 ただ、一方で、国内でも、また自民党内でも、親子の関係を決めることになるので様々な御意見があると思います。
 大臣としては、このハーグ条約については、締結をすべきかどうかを含めてどういったお考えをお持ちでしょうか。お聞かせください。
(答)所管外であるのでコメントは差し控えたいと思いますが、野党時代も私は法務部会の立場として、国内的な法整備をどこまでできるのかという観点から議論してまいりましたので、いろいろな利害関係、そしてまた論点もあろうかと思いますので、そういったことを、議論を詰めていくべきだと思っております。
(問)慎重に判断したほうがよいというお考えでしょうか。
(答)慎重にというよりも、やはりどのように国内的に法整備ができるかということも関連してきますし、また国際社会における日本の立場や、また親子関係についても非常にいろいろな利害関係が出てくるかと思いますので、きちんとした議論を踏まえて結論を出すべきだと思っております。
(問)時事通信の大沼ですけれども、行政改革推進会議のほうは月内立ち上げだというふうに大臣は言われていましたが、その方針について今のところ変わりはないでしょうか。
(答)そうですね。何回もお答えしていますように、昨年の暮れに民主党下における行政改革実行本部と、そして刷新会議を閣議で廃止し、また総理からは、早急に立ち上げるようにということの指示を受けておりますので、できるだけ早い時期にということで、今、進めているところであります。
(問)別件ですが、間もなく新政権が発足して1か月たちますけれども、大臣の見解、これまで1か月、どうだったかというところ、いかがでしょうか。
(答)個人的には、いろいろ、慣れないこともありましたけれども、周りの方々に助けられてというか、何とか自分の与えられていることについては順調に進んでいるのではないかと、自分の中では思っております。また、安倍政権全体については、非常に国民の皆さん方からも期待が高いですし、また、政権を奪還したことに決しておごれることなく、次の参議院選も控えていて、非常に引き締まった議論ができているのではないかと思います。
(問)フジテレビの和田でございます。
 全く初歩的なことでお恥ずかしいのですが、行革のほうなのですが、これは組織の立て方としては、総理をヘッドにしたようなものがあって、その下に純粋に民間の方々でつくる組織ができるというようなイメージなのでしょうか。
(答)そうですね。行革の本部を立ち上げて、その下に民間の有識者などを中心とした会議を立ち上げるというようなイメージになるのではないかなと思います。
(問)もう一点なのですが、規制改革のほうなのですけれども、こちらというのは6月ぐらいになるのか何なのか、大きな取りまとめというものが一つあって、それ以外に随時、必要なこと、まとまったものは上がってくるというような感じになるのでしょうか、進め方としては。
(答)規制改革会議は、日本経済再生本部や、あと産業競争力会議と、やはり密に連絡をとって改革を進めていくということになろうかと思いますので、その取りまとめの時期も、やはり連携をとっていくということになるのではないかと思っております。そして、本当に規制改革は非常に重要な一丁目一番地というふうに言われておりますので、できるものから結果を出していきたいと思っています。
(問)個別に必要なもの、でき上がったものは、大きな取りまとめの前に上がってくるというようなこともあるわけですか。
(答)ちょっと、どういう議論がなされ、そしてどういう成果が挙げられるかということも、今後の議論にかかってくると思いますので、そういう順番的なことについては、まだ私から申し上げられる段階ではないと思います。
(問)共同通信の中久木です。
 大臣は、行政改革推進会議で独法改革と、あと特別会計改革を行う考えを示されていますけれども、この二つをどういうスケジュール感で、あるいはどういう優先順位で進めるお考えか、まずお願いします。
(答)まだちょっと、今、本当に会議の立ち上げに向けて、早急にということで準備をしておりますので、今おっしゃった独法改革や特会改革、また無駄撲滅など、幾つかは私からテーマを申し上げましたが、そういうテーマの策定自体も会議の中で議論されますし、その優先順位などもまだ申し上げられる段階ではないと思います。
(問)独法改革をめぐっては、昨年1月の閣議決定で、法人数を65に削減するとか、あるいは特別会計を統廃合して11にするとか、方針は示されているのですけれども、こういう方針をゼロベースで検討するというお考えなのでしょうか。
(答)ゼロベースというか、民主党政権下で行われた改革の方向性と大きく違わないところもあるかと思いますし、まずそこも検証しながら見直しをしていきたいと思っています。
(問)読売の池田です。
 先ほど、政権発足1か月という話がありましたけれども、2点伺いたくて、安倍総理の安倍カラーというものが、これまで出ているというふうに大臣のほうでお感じになられますでしょうか。その1点目、まず。
(答)総理が総裁時代に、今回の選挙戦において一番大きくおっしゃっていたのは経済の再生、強い経済をまず取り戻すということをおっしゃっていて、矢継ぎ早に日本経済再生本部や経済財政諮問会議、また産業競争力会議、規制改革会議など立ち上げて、また日銀との協調など、共同声明を出されたり、私は非常に多く発信されているし、それがよい方向に向いていると思っております。安倍カラーは、十分出ているのではないかと思います。
(問)もう一つだけ。大臣御自身の1か月を振り返って、規制改革ですとか、動き出したり成果も出ていますけれども、御自身の発信力という点で、恐縮なのですけれども、なかなかアピールの部分で御苦労されているのかなと思う部分もあるのですが、御自身はどうでしょうか。
(答)やるべきことを一つ一つ着実にやることが、私の仕事だと思っていまして、発信については、もう正に自然体でこれからも、今までもそうですけれども、いきたいと思っております。

(以上)