森内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年6月20日

(平成26年6月20日(金) 9:13~9:28  於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

<男女共同参画週間について>
 おはようございます。
 まず、男女共同参画週間について申し上げます。
 6月23日から29日まで、「家事場のパパヂカラ」をキャッチフレーズに男女共同参画週間を実施し、全国で広報啓発活動を集中的に展開します。また、週間中の6月27日には、東京の日比谷公会堂において、民間企業経営者にも参加いただき男女共同参画社会づくりに向けての全国会議を開催するとともに、同日夕方からは、総理大臣官邸において功労者に対する総理表彰等も行います。
 本日の閣僚懇では、私から男女共同参画週間について御紹介しつつ、女性の活躍推進について改めて各閣僚に一層の取組を要請いたしました。

<消費者庁におけるテレワークの取組について>
 次に、消費者庁におけるテレワークの取組について御報告します。
 毎月19日は育児の日ですが、今日も育児の日の翌日の記者会見でございます。昨年の3月19日、私からワークライフバランスの実現に向けたメッセージを、育児の日にちなんで消費者庁全職員に発出し、それ以降、その実現に向けた取組を行うように事務方に指示をしてまいりました。そして、今日お手元にお配りをしたとおり、育児の日にちなんで、今年度の新たな取組として、消費者庁におけるテレワークの実施について御紹介します。
 昨年度来、業務の効率化を図るために、管理職を中心にタブレット型端末を貸与してテレワークの取組を実施してまいりました。今年度はこれに加えて新たに在宅型のテレワークを実施します。具体的には、この4月に出張した佐賀県の先進事例も参考にしつつ、夏季期間中、既にタブレット型端末が配布されている管理職から試行的に実施をします。そして9月以降、子育て・介護等により在宅型テレワークを希望する職員への導入を始めます。対象者を段階的に拡大をしてまいります。
 こうしたテレワークの取組が職員のワークライフバランスの実現、家庭、子育てとキャリアの両立を後押しすることを期待しています。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)テレワークの取組のことをお伺いしたいんですけれども、子育て期の女性職員の就業継続とか、あるいは男性職員の育児休業を取る上でこのテレワーク注目されているところですけれども、今回こうした取組を始められる背景とかを改めて教えてください。
(答)政府としては、女性の活躍推進、そしてワークライフバランスの実現というものを推進して、推奨して企業にも要請しているんですが、隗より始めよということで、霞が関から手本を示していかなければなりません。その中で、担当大臣である私がまず実行しようということで消費者庁から始めたいというふうに思っております。
 女性の活躍推進の関係で、私のもとに各省庁横串を通した女性活躍推進のチームをつくっております。そこでそれぞれ各省庁の施策などを今までヒアリングしてきておりまして、その中にもなかなか学ぶべき施策もあったわけでございますけれど、テレワークについてはさほどなかったように思います。そこで、消費者庁としては先進事例を示すべく、佐賀県に出張したときにいい事例もありまして、佐賀県では佐賀県県庁で、まず管理職にテレワークを試行させた。これはなぜ管理職にというと、子育て期や、また介護などの職員にテレワークを実施させるためにも、管理職がどんなものなのかということについて理解がないとなかなかその部下に仕事をさせて、それをマネジメントすることができませんので、まず管理職にやってもらったというところを大変これはいいなと思いまして取り入れさせていただきました。
 また、昨日は育児の日だったんですけど、内閣府育メンの会というのがありまして、そのメンバーの皆様とお昼御飯を一緒に食べました。育メンの会では、母の日の育児レポート、母の日にパパが家事、育児するという、今日も「家事場のパパヂカラ」と書いてありますけれども、男性が育児をしたレポートを集めて、それを取りまとめているのですが、昨日私と一緒にお昼御飯を食べて、そのレポートを出していただいた皆さんとお話をしながら懇談をいたしました。その中で出てきた意見としても、女性の育児中の職員がなかなかやはり早く帰ることも難しい場面があるということです。それは、やはり工夫によって乗り切っていくことができると思います。そういう中で、このテレワークということも一つのツールにしていただきたいと思って始めます。
(問)少子化の関係で2問まとめてお伺いしたいのですけれども、1問目が、前回の会見で少子化タスクフォースのほうの第3期を開きたいというような方向を示されたかと思うんですけれども、具体的なスケジュールとか内容とか決まっていたら教えてください。
 それから第2問目が、昨日来、東京都の都議会のほうで、女性の都議に対して「結婚もしていないのに」というような野次が飛んだというような件がありまして、みんなの党の会派のほうが抗議をしたという件がありましたが、大臣のこれについての受け止めと、あと、もし、都の案件ですが、どのような対応を求めていくかというのがあれば教えてください。
(答)少子化危機突破タスクフォースの第3期ですけれども、これは近々に開催したいと思っておりまして、7月初めには開催したいと思って準備を急がせているところです。少子化危機突破タスクフォースでは大綱をつくっていく要素について御意見を伺ったり、長時間労働の解消などの働き方やフィンランドのネウボラのような、生まれてからずっと親子関係をきちっとフォローできる行政の仕組みについても検討していきたいと思っています。それによって、先般、厚木市の事件がありましたけれども、児童虐待の早期発見ですとか、それから行方不明の児童の早期発見、早期救出といったことにも一つの効果があると思います。
 それから税制ですね、少子化に資する税制というものが様々考えられると思いますけれども、自民党のほうでも家事・育児支援税制というものが話題として出たようでございますが、そういったものについても、少子化を反転させた諸外国の例も参考にしながら研究するチームをつくりたいなと思っています。
 もう一つの質問でございますが、東京都都議会による野次についてでございますけれども、本日様々な報道が出ておりますことは承知をしております。これが事実であるとしたら、私は絶対あってはならないことだと、許されないことであるというふうに思っております。この真偽については、報道ベースでしか私は承知をしておりませんけれども、都議会の運営にかかわるものでございますので、都議会においてしっかりとこれは検討して、再度こういったことが起こらないようにしていただきたいと思います。
(問)テレワークに関してなんですけれども、特に育児中の女性の職員の残業が多いということで多少報道とかもされていますが、例えば大臣答弁、議会での答弁をつくるというので、やはりすごい残業が多いというふうなことがあると思うんですけれども、それに対してテレワークというのは有効なのかどうか、そこら辺、大臣のお考えをお聞かせください。
(答)有効だと思います。私が金融庁にいるとき、下の子が保育園で上の子が小学校1年生だったと思いますけれど、課長補佐でしたから、担当の課長補佐が主に答弁の書をつくるわけなので、国会答弁の当番に当たった日は朝まで帰れませんでしたから。よく私冗談で「9時、5時勤務」と言っていたんですけど、朝の9時から朝の5時までの勤務でございまして、これは本当に育児中の女性にとっては本当に大変でした。ベビーシッター代も、夜は昼間の2倍になりますからね、そういったことでお給料が全部ベビーシッター代でなくなるような形で、やはり子供にも本当によくないと思いますし、何とか早く帰れる仕組みをつくりたいというふうに思います。
 そして、答弁の作成に関しては、これは工夫をすれば早く帰っても作成をすることができると思いますし、それからもう一つの側面としては、国会議員からの通告を早くするという、この二つを進めていくことが大事だと思います。
 前半の部分については、金融庁が今やっているんです。私が元いた金融庁なんですけど、そのころは全くなかったんですが、今はすっかり変わりまして、女性の課長や課長補佐が子供がいる場合は、保育園のお迎えの時間までに帰らせているということでした。
 そのときに、テレワーク的な仕組みなんですけれども、端末等を使って、セキュリティをしっかりかけた形で答弁の作成や連絡ができるようにしておりまして、また決裁等が、課長であれば決裁ですけれども、決裁ができるようにしているということでございました。そういったことを、今セキュリティの仕組みもいろいろ様々ありますので、工夫していけばできるものというふうに思います。
 また、育児、介護、病気ということは、人生の中でどなたでも来ることがあり得るものです。その個人だけの問題ではないと思います。その方が早く帰ったり、テレワークをしているときに周りの者がそれで自分に負担がかかるというふうに受け止めがちなんですけれども、そういったところを皆でチームで工夫して乗り切っていく仕組み、金融庁等ではその課長の下にいる若い男性の、まだ小さい子供がいない職員がそこを補うような形にして乗り切っているということでございました。そういった仕組みをつくって、それをマネジメントする育ボスですね、その上に立つ上司がしっかりと帰らせる。そしてまた残った者に、よく理解をしてチームでやるといったことを進めていくことが大事だと思います。そういう意味で、消費者庁では育ボス研修も実施しておりまして、私も育ボス研修のほうにも顔を出したいというふうに思っています。
 また、国会議員のほうが通告を早くするという後半の部分でございますが、これについては、自民党のほうは2日前までに通告を出すということを決めて、私も参議院議員の一人でありますが、先日、参議院議員自民党総会に行きましたら、国対委員長自らマイクを取って、「みんな必ず2日前に通告を出すんだぞ」というふうに指令を出しておりました。私は国会議員のときに通告を早く出すように心がけておりましたが、難しいのは、委員会自体が立ち上がるのが2日前ではなくて前の日とか当日に急にやるということが決まることもあるわけなんですが、そういったときの通告の出し方、簡単でもいいから、まず最初出していただくというようなことを国会のほうでも工夫をしていっていただければというふうに思います。

(以上)