森内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年4月15日

(平成26年4月15日(火) 9:07~9:23  於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

<「子どもの貧困対策に関する検討会」(第1回)の開催について>
 おはようございます。私からは3点申し上げます。
 まず、「子どもの貧困対策に関する検討会」(第1回)の開催について御報告いたします。
 本検討会は、4月4日開催の子ども貧困対策会議におきまして決定されました、「子どもの貧困対策を総合的に推進するための大綱の案の作成方針」に基づき、内閣府特命担当大臣の下に開催するものです。第1回会合を4月17日に開催し、私も出席して挨拶をさせていただく予定です。開催日時等の詳細及び検討会の構成員は配付資料のとおりです。
 法案審議における衆議院厚生労働委員会における委員会決議では、大綱の作成に際しては、有識者、当事者、支援者などの関係者の意見を会議で把握することが求められており、本検討会の構成員は、これを踏まえたものであります。
 今後は、本検討会で広く関係者の意見を聴取しながら、「大綱案に盛り込むべき事項」について検討し、本年7月を目途とする大綱の策定に向けて取りまとめを進めてまいります。

 

<中部電力の家庭用電気料金値上げ認可申請について>
 次に、中部電力の家庭用電気料金値上げ認可申請について申し上げます。
 本日、物価問題に関する関係閣僚会議が開催されまして、中部電力の家庭用電気料金値上げ認可申請の査定方針が正式に決定されました。この査定方針は、中部電力の申請に対して、燃料費や広告宣伝費などの原価において更なる削減に踏み込むなど消費者庁の意見が十分に反映されたものであると考えております。

 

<車座ふるさとトークの開催等に係る佐賀県及び福岡県への出張について>
 次に、車座ふるさとトークの開催等に係る佐賀県及び福岡県への出張について申し上げます。
 4月19日土曜日に車座ふるさとトークなどに出席するため、佐賀県及び福岡県を訪問します。
 佐賀県での車座ふるさとトークでは、「消費者の安全・安心のための地域づくり」をテーマに佐賀県の消費者問題関係者と、地域の見守りネットワークや消費者教育の推進などについて意見交換を行いたいと思います。このほか、古川康佐賀県知事との会談やメニュー表示に係るホテル関係者との懇談を行います。
 また福岡市におきましては、本年4月1日時点で待機児童ゼロを達成しておりまして、その福岡市において保育園の視察などを行う予定になっております。
 以上でございます。

2.質疑応答

(問)4月4日に質問させていただいたネオニコチノイド系の規制緩和についてなんですが、「人体への影響は確認できない」と国会答弁、11月27日の福島みずほ参議院議員の質問に対して答えていらっしゃいますが、この点について、前回は答弁について確認できないということで、後日御回答いただけるということだったんですが、改めて回答いただきたいんですが。
(答)平成25年11月27日の参議院の消費者特委において、私が次のように答弁をしております。「消費者庁としては、現時点においてこの農薬における残留農薬によって消費者の体に危害を及ぼしたという事例は確認できませんでした」というふうに答弁をしております。その答弁のとおりでございます。
(問)それに対して東京女子医大の平久美子医師や前橋市の青山美子医師は、農薬散布後に被害が出た実例や、果物やお茶を大量摂取した子供達から被害が出たという論文を出したり、国際学会で発表している。そういう健康被害の実例についてはどうお考えになっているんでしょうか。これは健康被害ではないというふうに御覧になっているんでしょうか。
(答)私の答弁は、消費者特委において消費者大臣として答弁しておりまして、消費者庁としては、PIO-NET等の苦情事例を把握しているわけでございますが、その中に「消費者の体に危害を及ぼしたという事例が確認をできませんでした」というふうに答弁をいたしました。
 この健康被害の科学的な分析については食品安全委員会で担当しておりますけれども、食品安全委員会のほうでは、御指摘の論文については承知をしておりますけれども、現時点におきましては、科学的な分析としては、ネオニコチノイド系農薬を食品から摂取することにより人への健康被害が生じるという科学的な事実を確認していないということであります。
(問)それはお認めになっているのでしょうか。要は、厚生労働省でクロチアニジン、ネオニコチノイド系の農薬の規制緩和をしようとしている。健康被害があるかないかの認識は非常に重要だと思うんですが、ないというお立場に立てばもっと甘くしてもいいということになるとは思うんですが、実際はあるという指摘もある、学者とか住民団体の方とか市民運動の方が指摘しているんですが、これはないという立場に立たれて、規制緩和してもいいというお考えなんでしょうか。
(答)食品安全委員会としては、科学的な分析からADIを定める立場でございますけれども、厚生労働省がこのADIの範囲内でどう設定をするかということにつきましては厚生労働省の御判断でございますけれども、更なる様々な分析の結果、このADIそのものを見直すというような指示等がありました、諮問等がありました場合には、食品安全委員会も、このADIについてまた更にこれは検討していくということになると思います。
(問)消費者庁の担当大臣として一言最後にコメントいただきたいんですが。
(答)担当大臣として申し上げますと、食品安全の担当大臣と消費者担当大臣は別の立場でございます。今は私が両方兼任しておりますけれども、食品安全委員会というのは内閣府のほうの特命担当大臣として担当をしております。その立場で申し上げますと、現在申し上げましたとおり、ADIの範囲内の基準については、その範囲内で厚生労働省が設定をするということであれば、それは厚生労働省が判断するものだというふうに考えます。
(問)森大臣、閣議の後で総理と少し面会されていたと思うんですが、どういった話をされたのか、あるいは総理から指示があれば教えてください。
(答)総理からは、女性の活躍推進について、総理も国内又は国外に様々な発信をしておりますけれども、担当大臣の私からも、現在行っている施策や今後の検討方針に組み入れられました更なる課題についても、更に海外に向けても発信をしていこうというお話がございました。それに対して私のほうで、各国に駐在をしている日本から派遣された大使等が、各国においてアベノミクスの中のウイメノミクスについてお問い合わせをいただくということが増えているようでございまして、私のほうでそういった情報を入手しておりますので、今現在、各国において各国の、例えば英語等で取組、具体的な施策について発信できるような資料を準備しているということを申し上げました。
(問)そうすると総理からは、結局もっと女性の活躍について海外に発信すべきだというような指示があったということなんでしょうか。
(答)はい、国内外ですね。先日の女性の輝く会議でございますけれども、これから国内、特に地方において総理も一緒になってムーブメントを起こしていこうというようなことが決まったわけでございますが、それもあわせて海外にも向けて発信をしていこうという御指示がございました。
(問)関連でお伺いしますけれども、その発信というのは、6月に成長戦略をまとめることになっていると思うんですけれども、その時期までにというような時期的なめどがあるのかということが1点と、それから今後更なる課題とおっしゃいましたが、昨日始まった配偶者控除の見直しの話等もそこに含まれるのか、この2点をお伺いします。
(答)時期的なことは特に指示はありませんでした。現在も私のほうで英文の資料をつくって発信をしている部分がございます。例えば、東日本大震災の教訓を生かして、女性の目線で防災・復興活動を行っていくマニュアルでございますが、これは各国から大変高く評価をされているところでございます。こういった取組を更に加速をさせていこうということで指示がありましたので、特に時期的な締切りのようなものが示されたわけではございません。秋ごろには女性の活躍に関する国際会議を開こうということで、それも決まっておりますので、そういった動きとあわせて発信をしていこうというふうに思います。
(問)商品先物取引の不招請勧誘禁止緩和についてなんですけれども、消費者団体とか弁護士会からとても大きな反対の声、運動が生まれようとしている中、大臣は前々回だったと思いますが、関係省庁との間でしっかりした協議を申し入れていきたいという、この取組についての進捗状況をお願いします。
(答)これについては、前回も申し上げましたように、経産省、農水省と事務方レベルでは話合いが行われておりますが、更に正式な協議の場を設けるよう、今、日程調整をしているところでございまして、私としては速やかに協議の場を設定していただきたいと思っているところでございます。
 繰り返しになりますけど、規制改革実施計画の閣議決定においては、「顧客保護に留意」というふうにしっかり文言で記載をされておりますので、消費者の利益を擁護する観点から消費者庁としてはしっかり意見を申し上げていきたいというふうに思っております。また先週8日には、消費者委員会から「深く憂慮し、その再考を求める」という意見書も出されておりますので、同委員会の意見にもあるとおり、商品先物取引における不招請勧誘規制は、長年にわたる深刻な消費者被害に対応すべく国会における慎重な審議を経て導入をされたものであります。こういった過去の改正の経緯や消費者庁が把握している苦情件数などのデータを示していきたいというふうに考えています。
(問)先週、消費税率引上げ後初めての物価モニター調査のデータが出たと思うんですけれども、まだ速報だということで、便乗値上げ等はまだ確実にあるか見られないというような分析でしたが、大臣の受け止めを教えてください。
(答)今回の物価モニター調査の結果でございますけれども、個々の品目で見るとばらつきがあるんですが、全体の単純平均では0.1%上昇しておりまして、これは最近の消費者物価の動きと大きく違わないというふうに考えております。いずれにしても速報値でございまして、集計作業を行っている途中でございますので、今後公表予定の確報値を見ていく必要があるというふうに考えています。
(問)中部電力の電気料金の値上げの関係なんですが、最終的に3.77という数字ですけれども、先ほど大臣のほうからも、「消費者庁の意見が十分に反映された」というお言葉もありましたが、大臣としての所見をお願いいたします。
(答)そうですね、今回は消費税が値上げされた後の初めての電気料金の値上げでございますので、消費者に与える影響等を考えて、消費者庁としてはしっかり意見を申し上げてきたという経緯があります。その中で、削減もかなり踏み込んでおりますし、当初の申請から抑えてきたというような経緯が見られたところでございます。最終的には4%を切って3%台ということになりまして、この値上げ幅の圧縮率も、今までの各電力会社の平均と遜色ないものになりましたので、消費者庁としては、消費者庁の意見を十分反映させていただいたというふうに評価をしております。

(以上)