森内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年1月28日

(平成26年1月28日(火) 10:29~10:45  於:消費者庁6階記者会見室)

1.発言要旨

 <消費者安全調査委員会による評価書の公表について>
 おはようございます。
 私からは、まず、消費者安全調査委員会による評価書の公表について申し上げます。先週24日の消費者安全調査委員会で、ガス湯沸かし器による一酸化炭素中毒事故について、経済産業省の調査結果に対する評価書が決定、公表されました。今回の評価書については、御遺族を始め様々な声をいただいてまいりました。そうした声を真摯に受け止めつつ、調査委員会には今回の評価書の決定に至るまでに得た経験・知識を今後の調査活動にも活かしてほしいと思います。
 また、先日も申し上げましたが、効率的に調査・審議を進め、消費者の安全確保により効果的に貢献していくため、調査委員会における調査業務の改善や円滑化について、様々な改善を行ってまいりました。
 具体的には、まず一つ目は、幅広い分野の事案に対応できるよう、食品・化学・医学等事故調査部会の設置、そして専門委員の追加任命など、調査体制を充実しました。
 二つ目には、多角的な調査による総合的な再発防止等の検討ができるよう、調査対象の選定手法を多様化いたしました。つまり、テーマ選定というのができるように、個々の事案選定以外にテーマ選定というような方法を設けたり、又は選定の手続を、これまで全て全体会議にかけていたものを事前にある程度絞り込みをして、その理由とともに全体会議にお示しをして決定をいただくということで、選定の時間を短縮し、より選定した後の調査のほうにしっかり時間をかけて、またスピードアップも図れるようにしてまいりました。
 それから、三つ目でございますが、被害者等に向き合う事故調査として、やはり被害者の皆様に、この消費者事故調がどのような調査をしているか、その進捗状況等が一切情報がないというような御指摘がございましたので、私のほうで連絡担当官、正式名称「申出者等連絡担当官」を設置いたしまして、被害者等に緊密に連絡をできるようにいたしました。
 これらの取組の第一歩として、引き続き不断の見直しを行っていくよう、事務局を指導してまいりたいと思っております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)特定秘密保護法についてお聞きしたいんですけれども、秘密を漏えいした人が起訴された場合に、秘密の内容が明らかにならないように、外形立証という形で漏えいした情報が特定秘密であったことを証明するという、大臣の答弁でおっしゃっていると思うんですけれども、外形立証によって秘密の内容を裁判中伏せ続けることができるのかどうか。結局、公開の裁判の立証過程の中で、その情報が特定秘密であるということが結局明らかになってしまうことについて、大臣はどういうふうにお考えなっているのか、ちょっとお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
(答)特定秘密であること自体は明らかになっても、これは構わないと思っています。その特定秘密の情報の中身ですよね。例えば、この文書が特定秘密に指定されたとして、これの文書の一言一句、またこの形状も、これをそのまま公開法廷で皆様にお示しして裁判をすることができるかどうかと、そういう問題だというふうに思っています。
(問)すみません、その過程で、それが特定秘密であるということを証明するには、結局、内容に踏み込まざるを得ないのではないかと思うんですけれども、その辺はいいがなんでしょうか。
(答)特定秘密であるかどうかということは、特定秘密というふうに指定をされている手続等を説明する。つまり、いわゆる外形立証において証明は可能であるというふうに考えております。今までも、現行法でも同じようにされております。つまり、様々な規定ありますが、例えば国家公務員法の守秘義務違反、これが問われた裁判においては、その秘密の内容を提出することなく、外形立証において立証が行われているわけです。
(問)また特定秘密の関係です。先週24日に国会が開会されたわけなんですけれども、この関係で国会周辺をデモの市民の方々が多数取り囲まれて運動されていたというふうに、これについてどう感じたのというのが1点で、あと、総理の施政方針演説の中で、特定秘密保護法に関する行は特になかったわけですけれども、前国会から継続審議となっている情報公開法の改正案ですとか公文書管理法の改正案、こういった関連する法案の取り扱いについてはどのようにすべきかというふうに大臣はお考えか、お聞かせください。
(答)1点目でございますけれども、国会が開会をいたしまして、様々な国民の皆様から、また特定秘密保護法についての御意見等がありました。こういった国民の皆様の御意見、御懸念、御不安にはしっかりと応えてまいりたいと、その御懸念の払拭、そして誤解を解いて、この法律について御理解いただけるように、しっかりとこれからも様々な機会を捉えて、また、様々なツールを使って御説明をして、丁寧に御説明してまいりたいというふうに思います。また、現在始まりました諮問会議等もしっかりと、これは有識者の皆様のお声ですから、そこをお聞きして、また国民の皆様の声に応えるような、これからの施行に向けての準備、これも進めてまいりたいと思います。
 2点目でございますけれども、今お尋ねの法案の国会での取り扱いにつきましては、国会の事柄でございますので、国会運営上の事柄でございますので、国対のほうでお決めになると思いますので、政府のほうでその運営については何か言うべきではないというふうに思っておりますけれども、私は、国会審議の中でも御答弁申し上げてまいりましたとおり、情報公開というものをしっかりやるということで、この特定秘密保護法は、現行法はしっかり情報公開法適用あります。それから、公文書管理法にも適用があります。そういったこともしっかり御説明をしながら、また国会等のほうで動きがあれば、それにはお応えをしてまいりたいというふうに思います。
(問)消費者安全調査委員会の件で、結果的に経済産業省の調査結果を追認する形で、独自の調査をしないということですね。その後の記者会見で遺族の方が納得できないというような発言をされていましたけれども、このパロマの事故というのは消費者庁創設の契機となった大きな事故だと思うんですけれども、結果的に遺族の納得できないというような答えが出たことに対して、大臣はどのように受け止められているのかというのを教えてください。
(答)この報告をするに当たっては、途中で一度、御遺族の方から御意見ございまして、その場で私のほうで指示をして、早い報告を停止いたしまして、その後、担当官をつくって、被害者・御遺族の皆様としっかり連絡をとった上で、また、一方では早急な調査という要請も踏まえながら、今回の報告になったというふうに承知をしております。
 その内容ですけれども、経済産業省に措置を求めたものでございます。この評価の過程においては消費者事故調の独自の情報も得ておりまして、実質的にみずから調査を行っております。そして、事故の背景・要因の解明を行いまして、更に必要となる事項について、経済産業省に措置を求めたものと承知をしております。
 いずれにせよ、それでもなお、また御遺族の方から御意見をいただいているわけでございますので、今回得られた経験・知識を今後に生かして、引き続き消費者安全の確保のため、この消費者事故の調査というのは、その目的というのは、先週も記者会見でも申し上げましたけれども、民事上の損害賠償責任とも別であるし、刑事上の刑罰を科すという、その目的とも別であって、行政上の目的、つまり消費者行政上、このような事故は二度と起こしてはならないと、その事故の防止のためにどのようにしていくかという、その目的のために調査をするものでございますので、そこがしっかりと目的が達成できるように、熱心な御議論をしていただきたいというふうに希望しております。事務局が調査委員会のこういう目的達成のための調査を十分にサポートできるように、私としては事務局をしっかり指導してまいりたいというふうに思っています。
(問)関連です。先ほど、不断の見直しを図っていくと、改善されていくということで、その中に原則非公開の今の事故調のあり方、これに対して検討される予定はあるか。つまり、被害者・御遺族の方、弁護団の方の中に、今回の評価書について、非公開にする必要はなかったんだということを御意見されている方がいらっしゃる。そういう指摘あります。これについてどうかということ。
 それともう一つが、アクリフーズの事件のことなんですが、それと消費者政策のこと、今後のことなんですけれども、安全、一つは情報収集のあり方ということ、一元的な情報収集。情報について迅速な、スムーズな収集が滞っていたんじゃないかというのが感想です。ですので、その報告義務とかそういうことは、何か新しい制度等をお考えなのかということが一つと、それとリコール体制ですね。自主リコールでいいのか。販売者、流通業者、あるいは自治体等の責務を含めた、あるいは役割を盛り込んだリコール制度の制定について、消費者団体等の意見もありますし、それについて何かお考えあるかどうかということです。
(答)まず一つ目の、消費者事故調の審議の中で公開・非公開にするかどうかということでございますけれども、いただいた御意見も踏まえながら、検討をすべき事項の一つであるとは思っております。他省庁が持っている事故調査の過程でも、一部公開をする場合もございまして、私、それを国会議員として傍聴したこともございますけれども、様々な工夫をして、御遺族の方にも納得が得られる形で、先ほど言った本来の目的である、同様の消費者事故を二度と起こしてはならないんだということを、そういった視点でしっかりと調査目的を果たしていけるようにしてまいりたいと思います。
 2点目のアクリフーズの冷凍食品への農薬混入事件でございますけれども、これについては、担当が厚労大臣ではございますけれども、消費者のほうへの情報提供という部分で、私も社長を大臣室に呼んで、しっかりと意見を述べさせていただいたところなんでございますけれども、情報を消費者のほうに知らせるまで時間がありました。また、消費者庁を含めた行政機関への報告までも時間がありました。ここを迅速に報告していただけるということが何より重要でございます。これは、この農薬の問題に限ったことではなく、あらゆる消費者事故について迅速な行政機関への報告、これを確保できるような制度設計というのを今後も検討していかなければならないというふうに思います。
 リコールについても御質問がございましたけれども、食品ではなく、消費生活用製品安全法などでは、これはリコールについて行政機関が命令をする制度もあるわけです。ですから、御質問の地方自治体を含めた行政機関のリコールについての責務についても、検討をしたいというふうに思います。また、担当大臣に申し述べたいと思います。

(以上)