森内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年11月22日

(平成25年11月22日(金) 8:59~9:19  於:合同庁舎第4号館6階605号室)

1.発言要旨

<犯罪被害者週間の実施について>
 おはようございます。
 まず、犯罪被害者週間の実施について申し上げます。
 本日の閣議において、私から、来る11月25日から12月1日までの1週間において実施する犯罪被害者週間について発言を行い、各閣僚に対し協力をお願いしました。
 犯罪被害者週間は、期間中の集中的な啓発事業等の実施を通じて、犯罪被害者等が置かれている状況や、犯罪被害者等の名誉、生活の平穏への配慮の重要性などについて国民の理解を深めることを目的とするものです。
 内閣府では、本週間に合わせ、国民が犯罪等による被害について考える機会として、犯罪被害者週間イベントを中央と地方で開催することとしております。今年の開催地は、中央イベントが東京都、地方イベントが島根県と大分県です。お手元にこのようなポスターが配付されていると思いますが、詳細は事務方にお問い合わせください。

 

<ガス湯沸器事故御遺族との面会について>
 次でございますが、ガス湯沸器事故御遺族との面会について申し上げます。
 本日の午後、平成17年に東京都港区で発生したガス湯沸器による一酸化炭素中毒事故の御遺族である上嶋さんとお会いする予定になっています。上嶋さんは、消費者庁発足時から、消費者事故の原因究明を行う機関の必要性を訴えてこられました。上嶋さんには、このような御経験を踏まえて、ガス湯沸器の事故に限らず、消費者安全調査委員会の活動全般についても貴重な御意見をいただけるものと期待をしております。

 

<「ふくしまオーガニックフェスタ」の出席について>
 次でございますけれども、「ふくしまオーガニックフェスタ」の出席について申し上げます。
 明日、福島県郡山市で開催されます「ふくしまオーガニックフェスタ」に出席をいたします。このフェスタは、地方消費者行政活性化基金を活用いたしまして、風評被害の防止に資するよう、消費者と生産者との交流、理解を促進するための事業の一環として行われるものであり、先日、「東北未来がんばっぺ大使」をお願いした女優の秋吉久美子さんにも御参加いただく予定であります。このフェスタを通じ、食品の安全性に関する消費者の理解が一層促進されるように期待をしております。
 以上でございます。

2.質疑応答

(問)東京都の猪瀬知事が、徳洲会から5,000万円の献金を受けていたということが明らかになっていますが、これについての大臣の受け止めを教えていただけますか。
(答)所管外でもございますし、詳細を確認しておりませんので、申しわけございませんが、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
(問)消費者の集団訴訟法案についてなんですけれども、参議院に送られてから3週間経っていますが、いまだに審議が開かれていません。野党のほうからは、自民党の国対が秘密保護法案の成立を急ぐあまりに審議してもらえないというふうに話しておりますが、これについて大臣の受け止めをお願いします。
(答)国会等での審議日程においては、国会、国対でお決めになることだと思います。私、担当大臣としては、一日も早く御審議をいただいて成立をさせていただきたいというふうにお願いをしているところでございます。
(問)西山事件に関する判例には、違法な非合法な行政行為は秘密として保護されないというものがありますが、今回の秘密保護法案には、違法な行政行為をチェックする第三者機関の設置が不可欠だというふうに、同時に設置することが不可欠だというお考えでよろしいですか。
(答)違法な行為は、そもそも別表にも当たりませんし、条文で3要件を定めておりますが、特定秘密の要件には当たらないというふうに考えます。そのような事項を、違法な事項を特定秘密に指定してもそれは無効であります。そのことを第三者である有識者の御意見を聞いてしっかりとその指定についても基準、手続を定めていくということを予定しております。
(問)沖縄密約はまさに非合法な違法な密約だったと、それを外務省の谷内元事務次官が廃棄したという疑いも強まっているわけで、こういう密室での行政、国家の違法行為をチェックする機関がないと、幾ら秘密にしないといっても、そういう行為がまかり通るおそれが過去にもあったわけですから、これからもあるんじゃないですか。
(答)違法な行為は特定秘密として指定することができない仕組みになっておりますが、そのチェックにつきましては、先ほどの有識者会議のチェック、その他、情報公開法、それから民事訴訟法、刑事訴訟法のインカメラ手続もございます。ですので、そのような中でしっかりとチェックしていただきたいと思います。万が一違法な行為、特定秘密に指定されているときに、そのようなものを取材行為、取得行為等をしても、それは処罰されるものではございませんし、公益通報した場合には、適法に保護されます。
(問)西山事件で密約はなかった、違法ではなかったというお考えなんですか。
(答)過去の事件については、申しわけございませんが、コメントをしておりません。
(問)自民党や公明党、それからみんなの党、維新の会で、秘密保護法案の修正合意した内容で、独立した立場で秘密の検証・監察する機関、ここでは検討するというふうになったと思うんですけれども、今後、その検証・監察する機関をどこにどのような形で、どのようなメンバーからなるような機関を設置することになるのか、その辺政府のお考えを教えてください。
(答)修正協議で決まりました内容につきましては、国会での慎重審議を経て大変建設的な修正意見をいただき、その協議がまとまったということは大変喜ばしいことと思っております。その内容につきましては、政府としてもしっかりと尊重してまいりたいと思います。この第三者機関ということについても、今後の御意見をしっかり聞いて検討してまいりたいと思います。
(問)先ほどの質問に関連してなんですけど、違法行為を特定秘密に指定した行政機関の長に対する罰則を設けるべきとの意見があります。これについて大臣はどうお考えになりますか。
(答)違法行為を特定秘密に指定することはできませんし、指定をしても無効でございます。行政機関の長は政治的な責任を負うものと思っております。
(問)話は別になるんですが、先日、ケネディ大使がいらっしゃったときに、お昼御一緒されていたと思うんですけれども、ここでどういったやりとりがあったかというのと、大使の印象を教えていただきたいんですが。
(答)大使は大変チャーミングな方でいらっしゃいました。ニューヨークに住んでいらっしゃったので、私もニューヨークに住んでいた経験があるので、そういったお話もいたしました。それから、私としては、男女共同参画担当大臣、そして女性活力担当大臣として、女性の権利向上についての安倍内閣の取組を御説明いたしました。そして、アベノミクスの成長戦略の中核に女性の活躍というものが置かれているということが世界的に大変評価をされているということを申し上げました。そうしましたら、大使から、国連での総理の演説のことをおっしゃられまして、私もニューヨークに住んでいたので、国連での総理の演説について内容をお聞きしたし、大変力強く思っていますというようなお話がございました。私からは、APECの会議においても、各国の男女共同参画担当大臣がアベノミクスの中に女性の活力推進を位置づけていることについて、今まで人権問題、平等問題として男女共同参画が世界の中でも語られてきた中で、安倍内閣においては、その男女共同参画という人権問題も当然のこととして、更に経済成長戦略の中に位置づけたということは高く評価をされまして、APECの最後の取りまとめ報告書も当時用意されていた原案をわざわざ書き換えて、日本の取組というものを書き加えて最後に合意をされましたので、そういったAPECでの評価についてもお話を申し上げまして、大使から、高い評価のお言葉をいただきました。
(問)大臣は中学時代に、貸金業者の違法な取立てにあって、その間に弁護士が入ってぴたりと止まって弁護士になられたという経歴がありますが、第三者の法的なチェックがないと、強者はやりたい放題違法行為をやる、繰り返すという実感をされたお立場としてもう一回お聞きしたいんですが、違法行為を政府が違法な行政行為を政府が否定した場合、これどうやって明らかになるわけですか、そのイメージが全くわかないんですが。チェック機関がないと明らかにならないんじゃないですか。
(答)当時、貸金業法もございませんでしたので、貸金業者でも何でもない違法な行為をする方々からの違法な取立て行為と、行政機関の行為とまた別な次元だとは思いますけれども、私は、その話とは一緒にできないと思いますが、お尋ねは、行政機関が違法行為をした場合については、様々な観点でチェックをされるべきというふうに思っております。それが現行制度で情報公開法、それから公文書管理法、そして民事訴訟、刑事訴訟におけるインカメラ制度、又は情報公開審査会によるインカメラ制度等々が定められていると思います。これらについては、特定秘密保護法案でも全て適用がされます。そのような現行の制度をしっかりと運用していくことが必要だと思います。
 更に、その上に私が担当大臣になってから有識者の会議というものを設置させていただきました。新たに条文に加えさせていただきました。それはやはり私は第三者の目というものが必要であるというふうに思ったからです。行政機関の恣意というのはやはり取り除くために、有識者会議がしっかりと基準を決めて、そして、それを定期的に有識者会議に報告する、毎年の特定秘密の指定件数、これが各省庁ごとによって何件指定されたのか。現行の特別管理秘密、いわゆる特管秘というのがございますから、それに比して、一体多いのか少ないのかというのも明らかになるわけです。省庁ごとにどのくらいになるかというのも明らかになる。そして、それが別表の事項の何番に当たるのか、何番に当たるものが何件あるのかということも公表をするつもりでございます。そして、それが有効期間が何年に定められているのか、そして、解除をしたら解除した件数も公表してまいります。それをまた有識者会議がチェックをして、また御意見を賜る。そして、その御意見に従ってまた新たな行政権の執行をしていくという中で、しっかりとその行政権の恣意が排除されていかなければならないというふうに思っております。
(問)個別の秘密をチェックしないと、ざる法になるんじゃないですか、沖縄密約と同じように。内容、第三者機関を設置して今回の法律にセットで盛り込まないとバランスを欠く法案になるんじゃないですか。個別の内容、件数じゃなくて、個別の内容を第三者がチェックしないと、ざる法に等しいんじゃないですか。
(答)御存じのとおり、個別の秘密を全て公開に明らかにしてまいりますと、それは……
(問)だから第三者、チェックする機関を入れて、秘密が広く知れ渡らないようにする中でどうやってチェックするかというのが一番ポイントなんじゃないですか。そこが抜け落ちているんじゃないんですかと。
(答)その仕組みが、今申し上げましたとおり、各それぞれのインカメラ手続というものでございますが、例えば、刑事裁判におけるインカメラ手続というのは、裁判官以外の者が見ることができないけれど、裁判官は個別の秘密の中を見ることができるわけです。それがインカメラ手続です。裁判官が秘密の内容の中まで見て、そこに恣意がないかということがチェックできるわけです。そういう刑事裁判におけるインカメラ手続、民事裁判におけるインカメラ手続、情報公開審査会におけるインカメラ手続というのが全て定められております。更に、今回は国会の秘密会から御要請があった場合には、国会法104条の規定よりも更に進んで、これはもう原則御提供しなければいけない。提供というのはもう特定秘密を渡すわけでございますから、国会の中で秘密会の中にメンバーとして入っている国会議員の皆様、その秘密の内容まで全て見れるわけです。個別の秘密の内容が見れるわけです。そのような中で行政の恣意がないかということをチェックしていただくということが可能であるというふうに思っています。
(問)ちょっと確認させてください。今、国会に秘密を提供するというお話があったんですけれども、そのほかにも公文書管理法とかそれぞれのケースで、ということをおっしゃいましたけれども、確認なんですけれども、その手続でインカメラ審査が行われるところに対して行政機関の長は必ず特定秘密を提供しなければならないんですね。行政機関の長が提供しないということはあり得ないと思っていいんですか。
(答)それは国会審議の中でも申し上げましたけれども、原則提供いたします。特に国会については、国会の自立権がありますので、秘密会であれば、秘密会よりも外に漏れることはないわけでございますので、それは原則御提供いたします。そして、その漏れないための仕組みというのも具体的に国会で定めていただきたいと思っています。例えば速記官とか秘書の方とか、そういうものの取扱いをどうするのかということは国会の中で定めていただきたい。行政機関のほうはそれに口出しすることはございません。
 ただし、私、一つ例外があるとすればということで国会答弁の中で申し上げたのは、サード・パーティールールというのがございまして、第三者から特定秘密の提供を受けたとき、つまり外国から、例えば拉致実行犯の情報があったということで、外国がそれを入手した。だけど、これは日本人が拉致されていることについての情報だということで、情報提供いただいたとします。そのときに、その外国のほうが、これは秘密の保護をしてください。誰々と誰々にしか見せないでくださいということを指定してくる場合がございます。そういう場合で、例えば、日本の拉致担当の部署に限ってくださいねという場合もございます。そういう場合に限りですけれども、私は各国がその情報共有をこれからどんどんできるようになると思いますが、そのときに、その国の国会にさえも見せてはいけないというような縛りをしてくるということはほとんど考えられないと思いますので、国会に対しては原則出せると思います。ただ、国会以外の場合も10条には書いてありまして、その他の場合ということで、地方公共団体に対する場合とか様々な場合がありますので、そういうときはサード・パーティールールなどが適用される場合もありますというふうに今、それが10条に書いてある最後のところの条件になります。

(以上)