森内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年8月30日

(平成25年8月30日(金) 10:20~10:41  於:合同庁舎4号館6階605会見室)

1.発言要旨

<少子化危機突破タスクフォース(第2期)の報告について>
 おはようございます。
 今日は私から発表することがたくさんございます。6点ございます。
 まず、1つは少子化危機突破タスクフォースの報告です。
 昨日、17時から第2期少子化危機タスクフォースの第1回会合を開催いたしました。
 第1回のタスクフォースでは、本タスクフォースの趣旨を御説明をさせていただき、そして第1期での議論の報告、そして各委員から御発言をいただいたという流れでございます。
 今後の進め方としては、本タスクフォースの下に二つのチームを作って、第1期のタスクフォースの取りまとめを政府のほうで、総理を会長とする少子化社会対策会議で緊急対策として取りまとめたところですので、それをどうやって実現させていくか、法律の改正、また法律の制定、そして予算の獲得ということを議論をしていくということを話し合いました。

 

<消費者委員会の委員の改選について>
 次に、消費者委員会の委員の改選について申し上げます。
 第2次消費者委員会の委員の任期がこの8月末で満了となります。
 第2次消費者委員会におかれては、2年間で全63回にのぼる委員会会合を開いていただきまして、各種の有益な建議、提言を取りまとめていただきました。委員の皆様に深く感謝申し上げます。
 9月1日発令予定の第3次消費者委員会の委員については、お手元にお配りをしてあるとおり、再任2名を含め10人を選任いたしました。第3次消費者委員会におかれましても、これまでの委員会の実績を踏まえつつ、さらに充実した調査、審議を行われることを期待をしております。

 

<消費者委員会の事務局長の人事について>
 次に、消費者委員会の事務局長の人事について申し上げます。
 消費者委員会の原早苗事務局長は、明日、8月31日付で退任をされます。原氏は事務局長を4年の長きにわたり務められておりまして、その貢献は大きいものでございますけれども、今般任期が到来したので、退任をされるものでございます。これまでの御貢献に深く感謝を申し上げます。
 そして、後任の事務局長については、当面、小田克起内閣府大臣官房審議官が兼務することといたしましたけれども、民間からの登用について、引き続き今後の課題として検討させていただきたいと思っております。
 また、事務局長以外の事務局職員についても、民間からの登用を増強するという方向で今調整をしているところでございます。

 

<食品中の放射性物質に関するコミュニケーターの養成研修について>
 次に、食品中の放射性物質に関するコミュニケーターの養成研修の実施について御報告申し上げます。
 消費者庁が行っている風評被害対策の一環として、食品と放射能に関するコミュニケーター養成研修を開始いたしましたので、御報告をいたします。
 消費者庁は、食品と放射能について、一昨年3月11日の原子力発電所の事故以降、これまでに250回以上のリスクコミュニケーションを行ってまいりました。今年度は新たな取り組みとして、地域住民の身近で食品と放射能に関する正確な情報の提供ができる。そして、生産者とともに情報提供ができるコミュニケーターの養成、これを予算を付けて準備をしてまいりましたけれども、この研修の第1回目を千代田区北の丸の科学技術館において実施をいたしました。
 9月から東日本を中心として、今年度全国で計25回、約2,000名のコミュニケーターを要請することを目標にしております。今後、養成研修を受けた方がコミュニケーターとして身近な場において、疑問や不安に答えることを通して、より多くの消費者の方々の理解が深まることを期待をしております。

 

<海外出張について>
 次に、海外出張について申し上げます。
 9月1日から5日までの日程でフランスを訪問いたします。今回の訪問では、フランスの少子化担当、そして男女共同参画担当、そして消費者担当の大臣と会談をすることを予定しております。
 そして、後半はAPEC首脳会議が10月に開催をされるのに先立ち、9月6日から8日までの間で「APEC女性と経済フォーラム2013」が開催されます。これはインドネシア共和国、バリ島で開催されますので、そちらのほうに行きまして、同フォーラムでは女性と経済に関する閣僚級の皆様方が一堂に会しますので、そこで議論を行うということで私も出席して、日本再興戦略、安倍内閣の成長戦略でございますが、それに女性の活躍推進が1丁目1番地に掲げられているということなどについて発表し、議論をしてまいると、そういう予定でございます。

 

<車座ふるさとトークの報告について>
 次に、最後になりますけれども、「車座ふるさとトーク」について御報告をします。
 おととい、28日、水曜日に横浜市の認定こども園、ゆうゆうのもり幼保園において、「車座ふるさとトーク」を開催し、10名の育児中の保護者の方にお子様と一緒に御参加いただき、育児について日ごろの思いをお伺いすることができました。
 パパ、ママとの懇談会ということで銘打っておりましたが、残念ながらパパは1名も参加できないということで、大変に残念に思い、また男性の育児参加について、進めなければならないなという思いも新たにいたしました。
 お母様方から出た意見では、入園する前のゼロ歳、1歳、2歳の時期に大変つらかった、夫が残業で帰らず、ずっと子供と一対一で一緒にいて、実家のお母さんたちがとても遠い場所にいたので、なかなか相談できなかった。そういう子育てママの孤独、不安ということについてお話がございました。
 そういうときに、ちょっとした相談を受ける場所等があれば解決することができると思いますので、そういった相談などの支援の場所を増やしていきたいと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)海外出張についてお伺いします。
 フランスをまず選ばれた理由と、どういった成果を期待されているか、2点お願いします。
(答)時間がない中で、本当は複数の国に行って調査をしたいのですけれども、少子化対策に効果を上げた国のうちの一つということで、フランスを選ばせていただきました。特に出生率が下がっていたところからV字回復したという部分を担当の大臣にお伺いをしてまいりたいと思います。
 先ほど「車座ふるさとトーク」で、子育て中の母親の孤独についての御意見をいただいたところなのですけれども、フランスにおきましては、ヨーロッパの他の国でもあるのですけれども、子育て中のお父さん、お母さんが気軽に立ち寄れる相談所がございます。日本で言えば保健所のようなもので、そこで予防接種や健康診断もできるのですけれども、それ以外に子育ての相談やお母さん同士のコミュニケーションなどが、お子様も一緒になって遊べるような施設の中でできるということですので、そういったフランスの例などを伺ってまいりたいと思っています。
(問)原発事故の風評被害のことでお伺いします。
 先ほどリスコミの話も出ましたが、先日汚染水の問題を受けて、福島県漁連が試験操業の中断を決断しました。昨日、全漁連も政府のほうに消費者の理解を得るように、国内外に情報発信してほしいし、風評被害の対策をしてほしいという要望を出しております。担当大臣としてどのように取り組まれるおつもりかということを一つ伺いたいのと、もう1点は地元の漁業者から、今回の問題に対して政治家の姿が見えないというような声も出ています。地元の大臣として、また担当大臣として、地元の漁業者の方、消費者の方に直接働きかける、訴えかけるおつもりがあるかどうか、2点お願いします。
(答)県漁連には、汚染水の問題が出て、すぐに私行っています。ただ、マスコミさんが書いてくださらなかったのが残念ですが、それで政治家の姿が見えないということになっているのかもしれませんけれども、県漁連の野﨑会長に汚染水の問題が発覚した直後に、福島県いわき市に行きましてお会いをいたしまして、そしてさまざまな御要望を伺いました。
 その中で、消費者庁として漁連会長からの御要望も踏まえまして一つしたことは、復興協議会というものが漁連と政府との間で作られているのですが、その場所に消費者庁を正式なメンバーとして入れさせていただいて、より広く風評被害払拭のための対策を政府として前向きにできるようにということでメンバーになり、その後開かれた会合にもメンバーとして参加をしております。
 また、県漁連の他にも、農業者の方からもさまざまな御要望をいただいておりますので、私のほうで東電と規制庁を大臣室に数回呼びまして、汚染水の現状と対策について報告をさせ、そして消費者庁として風評被害払拭の立場から意見を申し上げたところです。
 それは、風評被害払拭について、政府としても私が大臣に就任して初めて、風評被害払拭のための特別の予算を作って、農業者、漁業者の皆様とともに、血のにじむような風評被害払拭対策を展開してまいりました。リスクコミュニケーションの前提として、全国調査もして、消費者の意識、生産者の意識を調査して、そして検査したものは安全であるというPRのパンフレットを作ったり、生産者の皆様方とそういうキャンペーンを開いたりして、少しずつ、一歩ずつ進めてきたものが、汚染水が流出した、漏えいしたというニュース一つで水の泡になってしまうわけです。
 そのことを厳しく東電に申し渡しましたし、規制庁のほうにも規制官庁としてだけではなく、さらに専門家として一緒になって汚染水の対策、又は汚染水だけでなく、廃炉作業全体に目を配って、この風評被害払拭の対策に水を差すような事態が出ないように、しっかりと廃炉作業を進めていってほしいということを私のほうから申し渡したところでございます。
(問)昨日の全漁連の要望の中でも、諸外国に対してもいろいろ情報提供を国がしてほしいということですが、今回のパリへの出張の中で、在留邦人や現地の漁業関係者からも、風評被害対策については話を聞かれるということですが、具体的にはどういう人たち中心に聞かれるのでしょうか。
(答)今回の出張の前半、後半ともに、風評被害払拭対策、それから消費者大臣としての視察も入れております。
 まず、フランスにおきましては、フランスのプレスとの懇談、それから日本から行っているプレスと懇談をしまして、風評被害の払拭のための正確な情報の提供というものをしたいと思っています。
 それから、日本食材店の視察をする予定で調整中でございまして、そこで日本食品の販売の状況、風評被害の現状などを視察してまいりたいと思います。
 その他に、全ての私と対談する大臣の方には、フランスでも4大臣、そして後半、APECでもたくさんの大臣と会いますし、3大臣は特別にバイ対談といって二国間対談をしますけれども、その大臣たちに正確な情報を提供し、風評被害の払拭、それから日本への復興の協力について呼びかけたいというふうに思っています。
 特にAPECのほうで二国間対談をする国では、日本の農産品について、一部向こうから言えば輸入規制をしているわけでございますので、そういったところを担当大臣ではなくて、女性の会議に来る大臣ではございますけれども、しっかりと訴えてまいりたいと思っています。
(問)昨日の概算要求で、地方の消費者行政活性化交付金が10億円にとどまりました。森大臣は例年60億強を確保したいということで、昨年大変頑張って、ほとんどの場所で取っていただいたのですが、今後それについてどのようにお考えになっているか、大臣としての思いがあればお教えいただきたい。
 それから、もう1点ですが、事務局長の退任の後、また、ここで審議官が後任を務めるということなのですが、それは当面ということなのでしょうか。
 それと、事務局が資料要求権限を使いたがらないというようなことが、委員の中から事務局体制の在り方、委員会自体の在り方について、いろいろ御意見が出ていました。その件についてちょっとお考えをお教えください。
(答)まず、予算要求でございますけれども、地方の基金、これについては昨年は当初と補正合わせて約65億を獲得いたしまして、その前の年度よりも多い額を獲得できました。初めて当初予算を5億円獲得したということが大きな成果だったと思っています。それまでは基金は全部補正で取っていました。補正ではなくて、当初予算で獲得していきたいという思いの中で、まず5億円を獲得し、今度は、今年は10億円ということで、それをじわじわと幅を広げていくということで頑張ったわけでございます。
 さらに、必要な額については、もちろん補正予算や基金の延長など、考えられるあらゆる手段を駆使して、十分な金額の確保を図っていきたいと思っています。
 もう一つは、消費者委員会の事務局長でございますが、小田さんについては当面の間というふうに考えておりますけれども、大事なことは、今おっしゃったとおり、消費者委員会の機能がしっかりと果たされていく、外から消費者庁に向かって、消費者行政をしっかりと運営していってくれるような建議等をしていただくということが重要でございますので、有用な人物を引き続き探していくということだと思います。
 小田審議官については、今までも事務局を補佐しておりましたので、継続性がございますし、しっかりとその任を果たしていただけるというふうに思っています。
 消費者委員会と消費者庁の在り方については、消費者行政の在り方検討会についても、やはり問題を提起する声がございましたので、私としてはその部分を今までと同じようなやり方ではなかなかうまく機能していかないなと思っておりますので、さまざまな工夫をしてまいりたいと思っています。
(問)昨日の概算について、目玉といった大臣の思い、概算全体について大臣がここに特力を入れたという思いがありましたら、教えてください。
(答)消費者の部分でございますね。当初の枠を広げてチャレンジしたという地方消費者行政を充実するというところへの思いというのが一番強いところでございます。
(問)9月1日で消費者庁ができて4年になります。この間の消費者行政の歩みを大臣はどのように評価されているのか、この4年でできたこと、逆にできなかったことというのをどう整理されているのか、ちょっと伺えればと思います。
(答)大変難しい質問ですね。
 私は、消費者庁の創設のときにかなり深くかかわった人間でございますので、そういう意味では、理想がかなり高いので、そこから見ると、まだまだできていない部分が多いとは思いますが、現実に動かすということはなかなか大変なことだろうと思いますので、民主党政権の間の3年半も含めて、新しい省庁を作って、そしてそれを動かしてきたということは、そのことについてそれなりの評価をしております。
 実は今回海外に出張いたしまして、OECDの方とも会うのですけれども、その中でこの日本の新しくできた消費者庁、それから消費者委員会について、OECDから見てどうなのかということも、質問項目に入れておりまして、海外の消費者庁、消費者委員会との比較や問題点、それから今後の対応策なども安全面、取引面、双方含めて議論してまいりたいと、フランスの消費者相とも会いますので、そちらも同じように議論してまいりたいと思っています。

(以上)