森内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年6月21日

(平成25年6月21日(金) 9:05~9:26  於:合同庁舎4号館6階605会見室)

1.発言要旨

<「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」の公布日について>
 本日の閣議において、去る6月19日に成立した「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」の公布日を6月26日とすることになりましたので、お知らせをいたします。
 この法律は、障害者権利条約の締結に向けた制度改革の一環として、本年4月26日に国会に提出したものであり、衆議院、参議院ともに全会一致で可決され成立したものです。
 本法の立案の過程においては、障害当事者の皆様を始め様々な方面から、差別のない社会を望む声をいただきました。本法の成立は、我が国における障害者差別の解消に向けた歩みを大きく前進させるものであると考えております。約3年後、平成28年4月1日の施行に向けて、今後、関係省庁とも連携しながら、基本方針の作成や法律の周知徹底に着実に取り組んでまいります。

 

<男女共同参画白書及び男女共同参画週間について>
 「男女共同参画白書」について申し上げます。(今、現物をお出ししますので。)
 本日の閣議において、「男女共同参画白書」を閣議決定いたしました。これは概要なのですけれども、この白書は、男女共同参画社会基本法に基づき、毎年国会に提出するものです。本年は、成長戦略の中核である女性の活躍を特集しました。女性を取り巻く状況、人々の意識や行動等を分析し、若者・女性活躍フォーラムでの議論を含めて今後の取組の方向性も示しております。
 例えば、この概要の43ページでございますけれども、女性国家公務員の採用・登用、国の審議会等における女性委員の登用促進に積極的に取組を要請したことが書いてあります。人事院総裁のほうに、海外に留学や赴任したときの配偶者の同伴について、休業が取れるようにという要請をいたしましたけれども、ちょうど一昨日、新しく人事官に女性から任命されました一宮なほみ人事官が大臣室に御挨拶に見えられましたので、女性の人事官として、女性国家公務員の配偶者への同伴休業について更にお願いをしたところでございます。
 また、東日本大震災と原発事故がありましたので、復興に向けた、また、防災活動の中での女性の参画というのが、一層推進するようにということを書いてあります。概要の54ページでございますけれども、先般発表しましたとおり取組指針、ガイドラインを防災の中に女性の視点、男女共同参画の視点を入れるようにということを、特に私のほうで取りまとめて地方自治体と共有したということも書いてございます。
 それから、次に、男女共同参画週間のほうですけれども、6月23日から29日まで「紅一点じゃ、足りない。」をキャッチフレーズに男女共同参画週間を実施し、全国で広報啓発活動を集中的に展開します。
 ポスターがパズルの中に、緑のパズルの中に1個だけ赤いピースがあるポスター、そこにありますが、あれなのですけれども、これが、なかなかかわいいでしょう。これ、20代の女性が「紅一点じゃ、足りない。」というキャッチフレーズを考えてくれたということで、勝間和代さんなど選考委員の選定によってこの方が選ばれたのですけど、20代の女性ということで、本当に男女共同参画週間にメッセージ性があるなと思っておりますが、これをポスターにして広報啓発活動を全国で展開します。
 先週末、福島県の男女共同共生センターに行ったときもこれが貼ってありました。週間中の6月28日には、男女共同参画社会づくりに向けて、全国会議を開催します、6月28日ですね。そして、功労者に対する総理表彰等も行います。閣議では、私から、これについて御紹介をして、改めて各閣僚に一層の取組を要請いたしました。

 

<食育推進全国大会の開催について>
 次に、食育推進全国大会の開催について申し上げます。
 明日からの6月22日、23日の2日間にわたり、広島県において、第8回食育推進全国大会を開催します。食育推進全国大会は、毎年、食育月間である6月に開催をしていますが、今回、広島で行います。「お(い)しい広島,たのしい日本~食育を科学しよう!」をテーマとして開催をします。私自身も、22日の開会式に広島に行きまして、主催者挨拶及び食育推進ボランティアの表彰を行う予定であります。また、食育の一環として、食品中の放射性物質に関するリスクコミュニケーション、これを始めとした科学的観点からの情報発信を行うということで、食育に関する国民の理解を深めるための様々な取組を推進します。そして、約60の団体にブース出展をしていただくほか、講演会、それから全国からパネリストの方をお招きしてパネルディスカッション、ステージプログラムなど盛りだくさんの内容になっております。
 これで広島に行きますので、福島県から広島県に母子避難をしている方々の母子避難者の会の皆様とも別途時間を設けて意見交換を行うということになっております。

 

<配偶者暴力防止法案について>
 ここにないのですが、昨日、DV防止法が参議院内閣委員会で可決をいたしましたけれども、これに関連して、被災地におけるDVと児童虐待が非常に増えていると……参議院における可決は今日の本会議。そして、DVと児童虐待の被災地における数値が、例えば福島県だと、児童虐待が1.6倍というふうに、昨年度比1.6倍というふうに激増しております。そこで、内閣府では、福島県においては、相談窓口を継続をしていくというふうにいたしました。そして、岩手県、宮城県については、引き続きバックアップ支援をしていくということで、面接、訪問、グループ活動というのを協力支援をしていくというふうにいたしました。これがその説明の紙でございます。

 

<消費者白書について>
 次に、消費者のほうでございますが、本日、白書がめじろ押しでございまして、「消費者白書」を閣議決定をいたしました。これは初めての消費者白書です。こちらでございますけれども、昨年改正されました消費者基本法に基づきまして、それに基づく初めての法定白書でございます。消費者問題の現状や、昨年度の消費者政策の実施状況について取りまとめをしております。
 こちら概要でございますけれども、例えば、概要の41ページに、消費者政策の主な進展として、様々な消費者政策を御紹介しております。
 今回の消費者白書は、高齢者の消費者トラブルを特集いたしまして、高齢者の相談が増加をしている状況、それから金融分野を始めとした悪質商法による高齢者の被害、これが深刻となっている状況について報告をしております。

 

<消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめ結果の報告について>
 次に、「消費者事故に関する国会報告」、こちらも閣議決定をいたしました。こちらでございます。これは消費者安全法に基づいて、消費者事故等に関する情報の集約及び分析の結果を取りまとめたものでございまして、平成24年度下半期に消費者庁に通知された消費者事故6,210件のうち重大事故等は686件で、そのうち最も多いのは車両や家電製品等の火災でございました。
 今後とも、消費者事故等に関する情報を適切に集約・分析し、消費者の皆様へ分かりやすい情報提供に努めてまいります。
 私からは以上でございます。

2.質疑応答

(問)「消費者白書」についてなんですけれども、高齢者の被害の特集ということで、非常に深刻だというふうに大臣もおっしゃいましたが、これはどう受け止めて、何に取り組むべきかというところを伺いたいのですが。
(答)高齢者の被害は、件数もそうなのですけれども、1人当たりの被害金額が非常に大きいというところが深刻でございます。ですので、高齢者のそういった財産を狙った悪質商法をいかに防いでいくかということでございますが、本人に対する啓発も、例えば、老人会とかそういったところで一層周知・啓蒙していくとともに、そのステークホルダーというか、高齢者と関わりのある施設の皆様や、例えば、後見人等も入ると思いますけれども、そういった関わり合いのある皆様の、今まで消費者庁が接触していた範囲を更に広めて、一緒になって、啓蒙だけではなく防止のための取組について検討してまいりたいと。その中から出てまいりました御意見をもとに、また、新たな政策や制度等を構築していくということもあるいはあるかもしれませんけれども、そういった取組をしていきたいなというふうに思っております。
(問)この問題に関しては、大分前から言われていて、いろいろ取組も進んでいますが、ずっと増えていって、ますます増えていって、ちょっと無力感も現場にあるようですけれども、そのあたり、スピーディーに実効性のあることをやるぞという意気込みを改めて聞かせてください。
(答)そうですね、成年後見人制度等についての様々な御意見もいただいておりますので。今私申しましたのは、今まで啓蒙は広報でございましたけれども、更に高齢者に関わり合いのある、高齢者の皆様の身近にいる皆様とともに、どういった取組が効果的であるかということを一緒になって話し合って検討したいと思います。その中から様々なお知恵や意見が出てくると思います。それを新たな政策又は、あるいは場合によっては、制度等の新設や見直しもあるかもしれませんけれども、そういったことにつなげて効果的な防止、そして高齢者の財産被害に対する抑制効果につながるような政策を検討してまいりたいと思います。
(問)ありがとうございます。
(問)今日は、参議院本会議で食品表示法が採決されて、可決成立すると思うのですが、大臣の受け止めを聞かせてもらえますでしょうか。
(答)そうですね、長い間の課題でございましたので、ようやく法案が成立するということで一歩進めるのかなと思っております。ただ、これから施行までの間に指針も作っていかなければなりませんので、それもまた非常に課題が多うございます。しかし、その様々な課題について今回の国会の審議の中で、与野党を含めて議員の皆様から様々な御示唆も御意見もいただいて充実した審議が、限られた時間の中ではありましたけれども審議をいただいたと思っております。そこにおける国民の代表である国会議員の皆様の御意見、それから、さらには、今後、消費者団体や様々な関係者の皆様の御意見をしっかり取り入れて、なるべく早い形でまた取組を進めていかなければならないなと思っています。
(問)自民党の高市早苗政調会長が、17日の神戸の講演で、東日本大震災で悲惨な原発事故を起こした福島原発を含めて、それによって死亡者が出ている状況にはないといった発言を、一転して陳謝するという一連の動きに、被災地を中心に批判の声が強いようですが、福島選出の議員として率直に現状をどのように、どのような認識なのかをお尋ねしたいと思います。
(答)私は、翌朝すぐに高市政調会長に直接お会いをしまして、2人だけでお会いをいたしまして、直接抗議をさせていただきました。福島県におきましては、原発事故が起きまして、「原発さえなければ」というふうに書いて自ら命を絶たれた方がおられます。又は、原発事故による農作物の出荷制限も、通知をされた翌朝に自ら命を絶った農家の方もいらっしゃいます。そのほか、本当に多くの方が命を落としています。本当に避難がうまくできずに、病院において取り残された方もいます。それから、避難をした体育館で、冷たい、寒い体育館で、避難をしてすぐに体育館で亡くなられたお年寄りもたくさんいます。そういう現状をしっかりと認識をいたしておれば、その言葉は、福島県の御遺族や県民からすれば、非常にやはり傷つく言葉です。そのことに対して、私は政調会長に抗議をいたしまして、また、この場では与党の一員といたしまして、福島県民を初め国民の皆様に、非常にそのお気持ちを傷つけたということに対しておわびを申し上げます。
(問)ありがとうございました。

(以上)