森内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年3月1日

(平成25年3月1日(金) 11:13~11:42  於:合同庁舎4号館6階605会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 今朝、閣議が大変盛りだくさんでございまして、閣議自体も大分時間を延長してやったのですが、私からは3つ御報告がございます。
 1つは、今日から自殺対策強化月間。3月ですので始めます。本年度は新しい大綱に基づいて啓発と併せて支援策、これを重点的に実施します。期間中、関係省庁、地方自治体、関係団体、民間団体等と連携して、心の健康相談、多重債務、法律相談等の全国一斉相談を行います。また、本日から7日まで都道府県、政令指定都市と連携して、全国一斉こころの健康相談統一ダイヤルを実施します。ダイヤルの番号は、0570-064-556、おこなおうまもろうよこころ、でございます。昨年の自殺者数は15年ぶりに3万人を下回ったところでありますが、依然として多くの方が自殺で亡くなられていることに変わりありません。また、若年層、生徒、児童、いじめや体罰等を背景とした子どもたちの自殺等が報道されたところではございますが、若年層の自殺死亡率、これを見ると増加傾向にあり、深刻な状況にあると言えます。昨日も民間団体のライフリンクの代表と御遺族の方2名と面会させていただきまして、自殺の実態とそれを踏まえた政策提言についてお話を伺いました。
 自殺で亡くなった方は、もうものが言えないのだというお話がございました。ですから、命を失う前に、対策をとっていく。そして、亡くなられた方の御遺族の状況も深刻でございます。偏見等がある中で、経済的にも大変になる。そういう御遺族の方の御支援もしていきたいと思いまして、自殺対策の重要性を改めて認識いたしました。また、自殺が3万人を下回ったときの発表のときもぶら下がり記者会見で申し上げましたけれども、被災地の自殺、これについても引き続き注視をしてまいりたいと思います。数的には、3月に震災があったその2か月後に多くなっている傾向がありますが、その後また下回っております。数字的には下回っておりますが、昨日も清水さんと話したんですけれども、自殺に至るまでの様々な要因、これはライフリンクの方が分析して白書にまとめてくださったんですが、震災の場合はそれに複数該当するのです。例えば、家を失った、家族を失った、仕事を失った、というものが一遍に来るわけです。そして、ライフリンクの皆さんのまとめによりますと、御遺族の方、523人に聞き取りをされたそうです。その傾向を分析しますと、自殺を考え始めてから自殺するまでの間の期間が長いのです。2年とか3年あるわけなんです。そういう方が多い傾向にあるというお話を伺ったのですが、そうだとすると、被災地についても引き続き注視していく必要があるという意見交換をしたところでございます。
 政府においては、自殺対策強化月間の実施に努めてまいりますので、格別な御協力をいただきますように、よろしくお願いします。
 次の御報告ですが、男女共同参画局におきまして、フェイスブックを開設いたしました。若者や30代、40代の子育て女性に見ていただきたい、更に働き盛りの男性等、フェイスブックユーザーを意識して情報をお届けしてまいります。私がいつも申し上げているとおり、やはりすべての世代の方、子育てをしている方だけでなくて、その周りの方すべての方に子育ての重要性を認識していただきたいという思いも込めまして、女性の活躍やワーク・ライフ・バランスの推進が一人ひとり、男性も含めた一人ひとりにとって身近で大切な問題であるということを理解していただき、一緒に考えるきっかけとしたいと思います。
 また、本日からこの公式フェイスブックを通じて、なぜ女性の活躍が進まないのか、女性の活躍を進めるにはどうすればよいのか等、女性の活躍推進に関する御意見を募集してまいりますので、皆様の御体験に基づく多様なアイデアが寄せられることを期待します。
 また、ここには書いてありませんが、よく私は男性から、「もう既に女性は大分活躍しているんじゃないの」ということを言われるのですが、男性側はそう思っているのに、女性のほうは大変壁を感じているという、その認識のギャップについてもこのフェイスブックを通じて、お互いの認識の理解を深め合っていけるとよいと思います。
 それから、お寄せいただいたアイデアを官邸でやっております「若者・女性活躍推進フォーラム」、そちらの議論に取り入れていきたいと思います。この「若者・女性活躍推進フォーラム」は、5月を目途に産業競争力会議への提言をいたしますので、そこに入れていきたいと思います。
 次に、3つ目ですけれども、リコール情報周知徹底に向けての取組について。この間もTDKのことについて御質問もいただきましたけれども、一昨日、2月27日からTDK株式会社はチラシやポスターも用いて、リコール製品である加湿器の回収を進めています。消費者庁においても、地方自治体の消費者行政担当部局に対して、当該チラシやポスター等を受付窓口等に設置するなど、消費者の方々に注意を促すように依頼しました。
 是非、マスコミの皆様におかれても、死亡が出た重大事故でございますので、更なる消費者への周知のための広報に御協力をください。
 また、今回の事故を受けて、消費者庁の事務方に対して、私から指示をいたしました。1つは、リコール品の事故の公表制度の見直しでございます。1回公表して終わりということではなくて、重大なもの、また重大な事故を繰り返しているものについて、リコール情報を定期的に再公表をすること。また、リコールの実態調査を行うこと。2つ目に、消費者庁リコール情報サイトのメールサービスの普及、これを各省が有している情報の伝達手段を活用して促進すること。つまり「消費者庁のホームページを見てください」と言ってもなかなか御覧になっていただけませんので、メールでそれぞれの施設等に送るということで、消費者庁からのメールを受けませんかと呼び掛けて、メールアドレスをこちらのほうに登録していただければ、重大事故があったときに、その先にメールをお送りいたします、そういったことの普及をすることを含め、経産省等の関係府省と連携して、こういった様々な周知のための施策、アイデアを出し合って、取りまとめて頑張ろうと、準備が整ったものからどんどん実施に移すよう、指示をしたところです。
 例えば、小売店の店舗で現在もこういったものを公表していただいているのですが、そういった電気屋さんの公表の仕方等も含めて、新しい施策を考えてまいりたいと思います。リコール情報の周知の強化施策の取りまとめに先立ちまして、まず来週早々にも過去1年間で重大事故が生じたリコール製品のリスト、これを公表したいと思いますので、また各社御協力をいただきたいと思います。
 私から、この3点です。

2.質疑応答

(問)3点目のリコール製品の関係で、公表制度の見直しとおっしゃいましたけれども、これは消費者庁内部でやられている、火曜日と金曜日に出している公表制度のことを言っていらっしゃるんでしょうか。
(答)ちょっと曜日までは私は分かりませんが。

(事務方)それだけでなく、重ねて再公表とか、そういうようなことをもう少し強化するということです。

(答)はい、そうですね。それと消費者庁だけでなくて、関係省庁が行っている取組も含めて全部検討していくということです。事業者とか、生産者、小売店等の事業者に向けたお願いも含めてということです。
(問)あともう1点。来週早々にも公表予定の過去1年間のリスト、これはいつからいつまでなんでしょうか。
(事務方)1月末ぐらいまでのもので過去1年と考えております。
(問)ちょっと不勉強で恐縮なんですけれども、フェイスブックの開設というのは、ほかの府省とかで前例はあるのでしょうか。
(事務方)フェイスブックは既に財務省、あるいは経産省、農林水産省、5、6省ぐらいやっていると思います。
(問)内閣府としては初めてですか。
(事務方)政府広報室がフェイスブック公式の場所を持っております。
(問)本日、横浜市長が大臣のもとに来訪ということなんですけれども、来訪の目的と内容がわかれば教えてください。
(答)待機児童ゼロを実現した自治体ということで、それを含めた子育て施策、それから女性の活躍推進施策、こういったことの意見交換ができればと思って、大変楽しみにしております。
(問)待機児童問題に関しては、杉並区、足立区等、都市部を中心に今、認可保育所に入園できないお母様方が異議申立書を提出しているという状況があるんですけれども、少子化担当相としてどのように今の現状を見ておられるか、もしお考えなどがあれば教えてください。
(答)待機児童の数は3年間連続して、実は減っているようではございますが、減ったとはいえ、依然として2万人を超える待機児童が全国におりまして、それが恐らく一定の地域に集中しているということで、大変な問題だと思います。つまり大都市部に集中しているということで、改めまして、待機児童解消に向けた取組を強力に推進しなければならないと強く感じまして、今朝の閣議の後も田村厚労大臣とこの件に関して、立ち話をしてからまいったのですけれども、内閣府において準備を進めている子ども・子育て支援新制度、これでは市町村が事業計画を策定し、計画的に保育等を整備することとしておりますけれども、報道では異議申立を行ったお母様たちが私たちの声を反映した実施計画をつくってほしいと紹介されておりました。
 地方自治体においても、安心こども基金を積み増しまして、これを利用できるように24年の補正予算でしたところでございますが、その安心こども基金を用いて、保育所等の整備事業や保育所の受入児童数の拡大によって、待機児童解消を進めていただきたいと思います。
 それから、子ども・子育て3法、これが自公民の合意でできました。この法律に書いてある子ども・子育て会議、これが私が担当でございますが、これを近々に設置をいたしますので、ここでお母様方の悲痛な叫びである当事者の声を反映した計画を策定するなど新制度を活用した早期の待機児童解消に取り組んでいきたいと思っているところでございます。
 ここには書いてありませんが、待機児童の解消も大変深刻なんですけれども、地域によってこの保育の状況というのが本当に異なってきていまして、大都市は待機児童の解消が本当に深刻な問題ですけれども、一方、過疎地域のほうに行きますと、子どもの数が少なくて産婦人科や小児科医のいるところまで行くのに大変だという、そういう悲痛な声もある。産む場所がないという。今、大雪ですけれども、大雪対策は大変で、今日も閣議でたくさんその話があったのですけれども、雪が降るともう道路が通れなくなって、産婦人科まで遠くまで行けないという問題がございます。そういうふうに地域ごとに安心して子どもを産み育てるということに対する環境の整備ですね、様々な課題が山積しておりますので、地域の状況に、皆様の声によく耳を傾けて、それぞれ施策を打ってまいりたいと思っています。
(問)リコールのことで2件。
 案を取りまとめるというのは、それは消費者庁の中に検討会みたいなものを立ち上げられてやるのかどうか。それを大体いつ頃スタートして、いつ頃おまとめになるか、大まかで結構ですので、めどがあれば教えていただきたいことと、もう1つは、先ほどおっしゃられた、それに先立ってやるという公表の見直し等は、これまでにあったことの見直しだと思うんですけれど、これから始めるアイデアを取りまとめる作業においては、これまでにないような抜本的な制度とかが作られる可能性があるという認識でいいんでしょうか。
(答)そうですね、まず、何かチームを立ち上げるかという話ですけれども、もう既に担当課がありますので、担当課の中で検討をさせております。そして、今までの、既存の制度の見直しが結局は新しい施策だと思っております。例えばさきほど言ったように、今は定期的に公表しております。それは1回で終わりなのです。見たらホームページは後で消費者の皆さんはずっとさかのぼって自分で見てくださいとなっているわけです。そうではなくて、それを見直して新たにもう1回公表する、再公表というのを今決めましたので、それは新しい施策ですよね。そういうことで、今ある制度を見直すということが、イコール新しい施策だと思います。何か新しいすばらしいものが出てくるのかと今おっしゃいましたけど、今ある制度を見直してより良くすることが新しい施策だと思います。それ以外に、私は担当課を呼んで、経産省も一緒に呼んで、今ここではちょっと申し上げられないけれども、幾つかアイデアが出たのです。まだ煮詰まっていませんので、それを申し上げられませんけれども、実施してまいりたいと思います。特に時期的にいつまでというのは決めていなくて、先ほど言ったように、決まったら随時その場で一つ一つ実施してまいりたいということです。
(問)では、五月雨に出てくる。
(答)もう既に今3個ぐらい言いましたけれども、五月雨に、今もう検討してあるのも幾つか、検討中のものはあるんですけれども。でも、私思いますけど、行政はいつもこういうことをしていなければいけないと思って、別にわざわざ記者会見で言うようなことでもないのですけど、でも、これは重大事故があったので申し上げていますが、行政制度というのは、今ある制度で毎日毎日国民生活にフィットしていなかった部分や、また見直す部分というのは不断に見直して、より良い国民に対する行政サービスができるようにしていくべきものなのだと思います。その当然のことをやっているだけなんですけど、特にこのリコールについては、課題の一つに挙げられたのが、マスコミの皆さんにいかに大きく報道していただけるかということも一つの課題として出たのですよ。やはり死亡事故等が出た場合は、1回はもちろん皆さん書いてくださるのですけれども、2回、3回と書いていただけるように、そういう意味で今日わざわざ記者会見もしたのですけれども、このTDKの加湿器も何年前でしたっけ、リコールしたのが。

(事務方)13年前です。

(答)13年前ですよ、13年前にもうリコールをしているんですね。そしてずっと回収してきているのだけれども、75%ぐらい回収は終わったんだけれども、残りの25%がなかなか回収できない。もう捨ててしまったのかもしれないし、引っ越してどこにあるかも分からないかもしれないですよね。だけど、その25%の中から死亡事故が出たということを非常にやはり重く受け止めまして、次の死亡事故は絶対出さないという気持ちで私ども一同取り組んでおりますけれども、13年前のもので本当に情報等も少ない、散逸してしまったものなのですが、消費者の皆さんに呼びかけていくほかになかなか効果的な手立てがないのです。このTDKについては、今日発表して皆様にまた大きく取り上げていただく。それとともに、今後の課題として、リコールというものをどうやって消費者の皆様に注意を喚起するかということを不断に見直して新しいアイデアを出していきたいと思います。
(問)今のリコールに絡んでなんですけれども、13年前からずっと回収がされているけれども、いまだに伝わっていないというのは、メーカーがもうちょっと広告費を投入するなりして、我々や報道だけじゃなくて、そういう責任があると思うんですね。それは強制リコールをするか自主回収なのかということで全然違うんですけれども、その間にあるような、もうちょっと強制力を持たせてメーカーに周知させるような施策を経産省に求めるとか、この前にも伺いましたけれども、そういう経産省側、メーカーがもっとやるべきではないかということをお求めになるお考えはありませんか。
(答)それも含めて今、経産省と協議をしているところでございます。13年前のリコールの仕方というのが、今に比べると相当やはり古いやり方だったというのはあります。現在は大分、例えば顧客情報等も事業者や小売店側がきちんと後追いできるような形になっているとは思いますけれども、そういう点も含めて、もっとスムーズにリコールができるような方法を、そういった半強制的な方法をとるかどうするかということも含めて検討してまいりたいと思います。
(問)2つあるんですが、昨日、経産省のほうで電気料金の査定方針案のたたき台が出てきましたけれども、東京電力のときには、最後、経産省と消費者担当大臣の協議で大分差が、値上げ幅が圧縮されて、そこへの期待というのは大きいわけですが、どのように臨まれるか改めて教えてください。
(答)経産省の電気料金審査専門委員会に対して、関西電力、九州電力の話ですよね。
(問)そうです。
(答)2月1日にチェックポイントを提示して説明を行いました。審査専門委員会では、チェックポイントも踏まえて議論が行われると承知をしております。昨日公表されたものはたたき台であることから、今後更に練られていくものと承知していますが、消費者庁のチェックポイントの考え方が各所で適用され、作成されていると思います。今後、審査専門委員会からは、このたたき台を基に査定方針案が出され、その後、経産省から査定方針案について消費者庁に協議がなされることとなりますが、消費者目線を踏まえ、内容をしっかり検証してまいりたい。
 東京電力のときに比べると、更に消費者庁のチェックポイントについて、敬意を払って採用していただいたと思っておりますので、また東京電力のときとは違った動きになるのかもしれませんけれども、結果としてやはり消費者の目線が反映されるということを消費者庁は目指して頑張ってまいりたいと思います。
(問)現時点のたたき台については評価をされているという受止めでよろしいでしょうか。
(答)そうですね、消費者庁のチェックポイントについて幾つかやはり適用していただいたと評価をしています。
(問)あともう1点ですが、昨日、総理の施政方針演説の中で、「悪質商法によるトラブルから消費者を守らなければなりません」という言葉があって、中でも悪質商法というより高齢者の財産被害が非常に問題かなと思っているんですが、そのあたり具体的にどうするのかということも含めて御決意を教えてください。
(答)悪質商法の中に高齢者の財産被害が含まれます。高齢者の財産被害は、その被害額が非常に高額化しておりますので、これについて抜本的な対策を打てるように今、庁を挙げて取り組んでいるところです。25年度の当初予算案の中で高齢者の財産的被害についての積極的な取組ができるよう要望しているところです。
(問)ありがとうございます。

(以上)