古屋内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年9月2日

(平成26年9月2日(火) 10:42~10:54  於:中央合同庁舎第8号館5階共用会議室B)

1.発言要旨

 おはようございます。
 拉致の疑いを排除できない事案についてでございますが、今回新たに北朝鮮による拉致ではないかとの相談やあるいは届出がございまして、調査の結果、拉致の可能性を排除できない事案として23人を追加しました。したがって、860人から883人に増えたことになります。DNA型鑑定資料の採取とウエブサイト掲載数は、それぞれ増えまして643人、443人となっております。
 こういった増加の背景は、日朝協議が始まって拉致に対する国民の皆さんの関心はもとより、関係者の皆さんの関心の高まり等々が背景にあるものだと思います。今後とも家族等の皆さんのお気持ちを十二分に配慮しながら、関連情報の収集、捜査、そして調査に、全力をかけてまいりたいと思っております。これが1点。
 それからもう一点は、11月5日、「津波防災の日」でございますが、仙台市において「津波防災の日」のシンポジウムをやりますけれども、このシンポジウムを契機に、アイススケーター、フィギュアスケーターの金メダリスト羽生結弦選手を、「津波防災大使」に任命させていただきました。当日は残念ながら海外で試合等があるということで出られないので、ビデオメッセージでの発信をしていきますし、その後は津波防災の啓発活動に積極的に参加していただく予定でございます。
 また、各企業等における地震・津波防災に関する取組状況も発表させていただきたいと思います。11月5日を契機に、津波に対するしっかりとした準備、そして意識改革、こういったものが必要でございますので、全国各地区で行われる訓練には積極的に参加していただきたいと思います。
 私からは以上であります。

2.質疑応答

(問)朝日新聞の八木です。
 大臣、細かくて恐縮なんですが、増えた23人というのは、全国の都道府県警に相談が寄せられたという理解でよろしいですか。
(答)はい、そうです。全国の都道府県警察に御相談があって、そして家族の皆さんからヒアリングした結果、拉致の疑いを排除できない事案であると判断して、23人を追加したということです。
(問)基本的に家族と考えればよろしいですか。関係者とか。
(答)基本的には家族です。
(問)NHK、川田です。
 2点ありまして、1点は今の23人は、いつからいつまで、日朝の協議が始まって7月の合意とかもありましたけれども、それ以降に新たに23人という理解でよろしかったですか。
(答)そうです。基本的にそうです。この協議が動いているということで、もしかしたら自分の行方不明になっている身内もそうではないかと、こう思って警察に御相談に来られたと、こういうことであります。
(問)ということは、7月の協議が終わって、7月に調査委員会を向こうは立ち上げていますけれども、それ以降の…。
(答)正確な時期は私自身それをつかんでおりませんけれども、いずれにしてもこの日朝協議が3月からスタートして5月、7月となったわけで、そういった状況の中で御家族の皆さんが改めて関心を持って相談した結果です。
(問)もう一点なんですけれども、この新たに23人というのは、今、北朝鮮側は、拉致の疑いの排除できない特定失踪者も含めて全面的な調査を日本側に約束していますけれども、この23人についても改めて日本側としてはちゃんと調査しろということは求めていく。
(答)日本側は最大限で私は今まで860人と言っていましたけれども、それが883人に変わるということであります。
(問)テレビ東京の勝又といいます。
 今、23人新たに加わったということなんですけれども、民間にも支援団体、調査会があると思うんですが、今回23人は初めて公表されるものなんでしょうか。
(答)これは特定失踪者の皆さんのリストですよね、470人の。これが照合しているかは、ちょっと私は今そこまでは把握していません。基本的に860人のリストの中に470人の方は全員入っています、かつては。今回の新たな23人がそこにどうなのかということは、多分470人が全部入っているわけですから新たというふうに考えるのが自然かなと思いますが、私も全部それを確認したわけではないので、改めてまた警察のほうで調べた上で報告をさせていただきます。
(問)読売新聞の東です。よろしくお願いします。
 今日の閣議の後に官邸に残って総理と30分ほどお話をされていたようなんですけれども、これはどういう話だったんですか。
(答)防災の広島の報告等々であります。
(問)等々は。
(答)等々です。
(問)明日の話。
(答)等々。
(問)等々、それ以上は。
(答)などなど。
(問)朝日新聞の久木です。
 民主党の野田前首相が今日からモンゴルを訪問されるということなんですが、大統領とも会われて拉致の問題も話題に上るんではないかとされているんですけれども、政府と事前調整とかということはされた上で行かれているんですか。
(答)いや、事前調整というのはないですが、基本的に拉致問題に取り組んでいただいている、協力をしようという意思を持っている政党、拉致問題対策本部等々が政党にあるところは、御承知のように政府・与野党拉致問題対策機関連絡協議会をつくっていますので、その一環としてそうやって野党からも協力依頼をしていただけるということは、オールジャパンで取り組んでいる一環ですから、それは好ましいことだと思います。
(問)すみません、関連で拉致関係なんですけれども、一部報道で先月、伊原局長が、マレーシアで保衛部の人間と極秘接触というような報道もあったんですけれども、いよいよ秋の初めという季節感が漂ってはきたんですけれども、日朝交渉の現状をもし仰っていただける範囲であれば。
(答)具体的な中身には一切言及するわけにいきませんけれども、何度も言っているように、あらゆることを想定しながらシミュレーションしていますので、それ以上のことは申し上げられませんが、夏の終わりから秋の初めにかけてということなのでそう遠くない将来なんじゃないでしょうか。
(問)もう一点、すみません。あす内閣改造がございまして大臣が留任か交代されるかは別として、1年8カ月の安倍内閣における拉致問題の取組というのを、どう評価されているかお願いしたいんですけれども。
(答)まず私が何度も言っているように総理は、一番拉致問題に思いを強く持っていますし、裏も表も含めて恐らく一番詳しい議員でしょうね。その議員が総理大臣になられて、そして自分の内閣の間に解決するということで、私は担当大臣としてその方向に行けるようにあらゆる取組をしてきました。その結果こうやって、かつては日朝の実務者協議で拉致問題に言及した途端にちゃぶ台をひっくり返して帰ったわけです。今はそうではありません。協議が事実上スタートしようとしているところであります。
 しかし、これからが本当に胸突き八丁だと思います。これは表の交渉、裏の交渉も含めて大変な作業になると思います。しかし、私たちは、全ての拉致被害者を取り戻すと、この考えは寸分のぶれもなく取り組んでいくことが、結果を出すことにつながると思います。
(問)共同通信の坂口ですけれども、DNA型の鑑定資料なんですが、これは求めがあれば北朝鮮に提出することを想定しているという理解でいいんですか。
(答)これはまずホームページに公開している人は、北朝鮮は見ていますから、それはそれで、DNA型の鑑定は、643人ですね。 それでこのリストを北朝鮮に示すかどうかは、まだそこまでいっていません。ただし、いろいろなことを想定して、もちろんそれから御家族の皆さんへのヒアリング等々も含めて丁寧な対応をしているということは事実です。しかし、これを北朝鮮に示すかどうかについては、まだ全く決定していません。向こうがどんなリストを出してくるかというところから始まるわけですから。
(問)向こうがリストを出してきたときに使うために、提出するというだけではなくて、DNA型の鑑定資料を提出して調査してもらうとかいうことだけではないということですか。
(答)だからあらゆることを想定していますから、でも、これは今こういうふうにしますということは、私の口から申し上げるわけにはいかないということです。

(以上)