古屋内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年6月27日

(平成26年6月27日(金) 10:55~11:11  於:中央合同庁舎第8号館5階共用会議室B)

1.発言要旨

 おはようございます。
 まず、閣議の中で報告が1件ございましたので、ここでも披露させていただきたいと思います。
 就業者の数は6,397万人で、対前年度比プラス57万人、失業者は対前年度比マイナス37万人、就業率は15歳から64歳まで73%、女子63.7%、これは昭和43年以降、過去最高だそうであります。また有効求人倍率は1.09倍ということで、21年ぶりの高水準、こういう報告がありました。成長戦略、アベノミクスの効果が確実に出ているということだと思います。
 このうえは、地方、そして中小零細企業にもしっかりこの景気の回復の循環をもたらしていく、このことが大切であります。特に前の国会では小規模企業振興の基本法もできましたし、そういう体制を、この安倍内閣の下で全閣僚一丸となって取り組んでいくということが極めて大切だなということを改めてこの数字をもってそんな印象を持ちましたので、あえて報告させていただきました。
 それから、今日、閣僚懇において私から、いわゆる脱法ドラッグの対策の更なる推進について発言させていただきました。
 御承知のように、このいわゆる脱法ドラッグは昨年に包括指定をされて、今1,370以上が指定されています。また、4月1日からは単純所持も罰則規定が付きまして、事実上の違法麻薬ということになります。しかし、脱法ドラッグという呼称が、その危険性とか違法性について国民にややもすると誤解を与えることがあるかもしれないということで、この呼称の問題点についても検討する必要性を強調させていただきました。
 ふさわしい呼称をどうすべきかについては広く国民の皆様の意見を聞きたいと思っておりまして、田村厚生労働大臣とも相談して、厚労省と警察庁にインターネットで呼称についての御意見を伺うということにさせていただきたいと思いますので、これは違法であり、極めて人体にも大きな影響があると、危険な薬物なんだということをしっかり認識してもらう、その一環としてそんな取組もしたいと思っております。
 それからもう一点は、これは御承知のように、PCSC法(重大な犯罪を防止し、及びこれと戦う上での協力の強化に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の実施に関する法律案)が前の国会で成立いたしました。PCSC法は、これは58文字もある長い法律名でございますけど、略してPCSC法、日・米重大犯罪防止対処協定実施法ということで私ども言っておりますけども、この国会審査の過程で、無罪判決確定者の指紋情報等の米国への提供の在り方について議論がございました。その提供については、私は慎重に判断すべきだということは答弁でも申し上げたとおりなんですが、一方、附帯決議にもこのことが記されまして、その内容を真摯に受止めさせていただいて、無罪判決確定者の指紋情報についての提供や目的外使用等、その取扱いの在り方について既に同様の協定を締結している諸外国に対する警察庁の調査・研究を待って、国家公安委員会でしっかり議論をして結論を出したいと思っております。
 いずれにしましても、このPCSC協定、米国の協力を得て早期に実施に移す準備を今進めておりまして、東京オリンピック・パラリンピックに向けて国際犯罪・テロ対策の防止強化に努めてまいりたいと思っております。
 それからもう一つは、今日第1回の「eガバメント閣僚会議」が開かれました。この中で、震災、地震等々が生じた場合に、応急対策に必要な共有すべき情報を充実して、そして国と地方公共団体で情報共有をしてICTを活用して関係省庁と連携をしながら進めていく必要、これは極めて重要でございますので、内閣府においても防災情報分野の標準化や、いわゆるクラウド技術の活用ですね、こういったものを活用して、民間も含めて関係機関が保有する情報の積極的な活用、そして、地理空間情報、いわゆるG空間情報ですね、それから宇宙インフラのフル活用、それからもう一つは、国のシステムと都道府県システムの連携、都道府県に限らず市も含まれるかもしれませんね。こういったシステムの連携、情報の電子化、そして共有化、これについて取り組んでいきたいと思っておりまして、今日このeガバメント閣僚会議で防災関係の情報の共有が極めて重要であるという認識に立って、防災担当大臣も新たに常設メンバーに入るということを決定いたしましたので報告させていただきたいと思います。
 それから、拉致関係でございますけれども、御承知のように、来月1日、北京で日朝政府間協議が開催されます。今回は特別調査委員会の組織とか構成とか責任者などについて北朝鮮側から説明を受けるということになっておりますが、北朝鮮側が行う包括的かつ全面的な調査の実効性をいかに確保していくかということは政府全体としての課題でもありまして、警察としても、この過程に今後しっかりと貢献していきたいと思っておりまして、今回の日朝協議に担当部門から1名を派遣させていただくということに決定いたしました。
 いよいよ、私が何度も申し上げているように、胸突き八丁の協議が始まりますので、特別調査委員会に対して、全ての機関を対象とした調査を行うことができる特別の権限が付与され、それに基づいた調査がしっかり行われるのかどうか、これを見極めて判断してまいりたいと思っております。
 それからもう一点、拉致問題でございますが、明後日29日、北朝鮮に拉致された日本人を救出する九州連絡協議会の主催によりまして、北朝鮮人権侵害問題啓発集会が福岡で開催されます。知事あるいは市長も参加するということを承っておりますが、私もこの会に出席をさせていただきたいと思っております。
 以上です。

2.質疑応答

(問)朝日新聞の久木です。
 1日の日朝の政府間協議に、警察庁の担当の方を派遣されるということですが、肩書と、それからどういう狙いというのを改めて説明願えますか。
(答)派遣を1人いたしますけど、これは拉致問題対策担当をしている長官官房の参事官の今井氏でございます。彼はこの北朝鮮問題、インテリジェンスを含め取り組んでおりますので、そういった情報、専門的な情報を持っている人間を派遣すると、こういうことでございます。
(問)すみません、関連で。ストックホルムを含めて過去の日朝協議には、その参事官は参加なさっていなかったんですか。
(答)前回は行っていません。今回初めて警察が行きます。
(問)朝日新聞八木と申します。大臣すみません、派遣についてなんですけれども、派遣の狙いについてお教えください。
(答)これは北朝鮮のこの特別調査委員会の中身が、組織、構成、そして全てのセクションに対して当事者能力があるかどうかというようなことが向こうから提示されるわけでございますから、当然そういったことを政府一丸となってしっかり確認をするためにも、警察の専門家派遣するということであります。
(問)日本側で判断したことですよね。派遣されるというのは向こうから言ってきたことではなくて、こちらからの判断。
(答)日本、私どもが判断をして派遣するということです。
(問)共同通信の松浦と申します。
 派遣についてなんですが、前回派遣されていない方で政府一丸となってということですが、ほかにも警察庁以外からも派遣される方もいるんでしょうか。
(答)前回も拉致問題対策本部から派遣しておりますけど、今度も同様に派遣します。
(問)そのほかの省庁からというのも、お耳に入っているものはございませんでしょうか。
(答)伊原局長を始め外務省、そして拉致問題対策本部、そして警察庁でございます。
(問)すみません、もう一点だけ。警察庁の方を派遣される狙いなんですけれども、そこには特定失踪者の方の情報についてきちんと分析したいという狙いもあると。
(答)向こうの提示をまず受け取るわけですから、現実に具体的な交渉をするという、その段階までまだ来ていませんから。向こうの出してきた中身がどうなのかということをしっかり日本側から検証する、チェックするために派遣するということであります。
(問)NHKの村松と申します。
 今日の閣議で、総務省のほうから、行政評価局から市町村の震災対策の関係での勧告の話は何かあったかということと、ありましたら、その受止めをお願いします。
(答)私がeガバメント閣僚会議のメンバーになったということもあるんですが、要するに、行政監視の結果に基づく勧告の一つに、防災関係の情報をしっかり都道府県あるいは市町村、そして国としっかり共有していくべきだという趣旨の中身もございますので、我々はこのことについてはずっと今までも取り組んでいますが、今回の行政評価監視の中身にも触れられていますので、eガバメント閣僚会議に私自身も参画して、この推進の徹底していくと、こういうことであります。
(問)eガバメント閣僚会議もあるんですが、勧告を受けてのこれからの大臣として。
(答)もちろん、今までもこの問題はずっと取り組んでいます。それで、御承知のように、防災関係はまず基本的には地方公共団体がしっかり主体的に取り組んでいただくということが大前提になっておりますが、一方では国と地方公共団体との連携というのも極めて重要でございますね。特に情報の共有。そのためにはICTの技術を活用していく、クラウド技術等々を使っていくことが大切でございますので、そういった取組を更に加速する。その一環で私もeガバメント閣僚会議の正式メンバーに参画して、取組を関係省庁と連携して推進をしていく、こういうことです。
(問)脱法ドラッグについてなんですけれども、ホームページで名称を募集するということですが、いつからいつというのは、まだそこまでは決まっていないでしょうか。
(答)準備が整い次第、厚生労働省と警察庁がネットで意見をいただく対応をしていきたいと思っています。できるだけ早くやりたいと思っています。
(問)時事通信の榊原といいますが、参事官の派遣なんですが、ちょっとわかりにくいんですけれども、まだ調査の中身が出る前の段階で、向こうは体制をどうするかという段階で、中身をどうなっているか検証するというのは、ごめんなさい、ちょっと意図がよくわからないんですが、もう少し説明してもらえますか。
(答)そうですか、極めて明快だと思いますけどね。それぞれの分野の専門家が日本からも行くということですよ。
(問)警察としては何を検証するんですか、今回行くことで。向こうの体制の仕組みを検証するということ。
(答)どういう中身が出てくるかということをしっかり検証する、見るということです。具体的なことまで申し上げられませんよ、こういう場では、それは無理ですよ。だけども、実際にそういった警察の関係の専門家、拉致の問題の専門家も派遣をすると、こういうことです。
(問)文化放送の山本です。
 大臣にお伺いします。三重県と滋賀県の両県警が事件の摘発件数を操作し不適切に処理した問題で、本日、滋賀県警が警察官3人を書類送検しました。既にこの事件の発覚のときに大臣もしかしたらお答えいただいているかもしれませんが、改めてこの事件に対する大臣の受止めと、それから摘発件数の不正操作ということに関して、他の警察でも行われている可能性も疑われるような事態になっていると思います。今後の対応などお考えをお聞かせください。
(答)これについては、警察としても今後こういうことがないような対策をもう早急に検討を始めています。現実にこういったことが行われたということは極めて残念ですので、二度とこういうことが起きないような対策を今早急に検討して防止策を進めています。これはできるだけ早く対応したいと思っています。各県警にもそれを徹底していきますし、また、今御指摘の、他にもこういうことがないのかどうかも含めて今調査をしています。
(問)具体的な案とかはございますでしょうか。
(答)いや、これから今それを検討して、これはコンピュータシステムの問題もありますので、技術的な問題も含めて今早急な検討を始めているということです。

(以上)