古屋内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年4月25日

(平成26年4月25日(金) 8:52~9:07  於:内閣府本府1階118会見室)

1.発言要旨

 御苦労様です。
 私からは、閣議の後、今日、国土強靱化推進本部(第2回)の会合を開きました。昨年末に法律が成立して、今回が第2回目でございます。議事といたしましては、脆弱性の評価、これはいわば国土の健康診断でございます。それから、地方公共団体や民間団体からの意見聴取の結果について説明を受けました。本部長である総理から、分かりやすい情報発信に努めつつ、地方公共団体や民間事業者と様々な主体による連携の下で、ハード・ソフト両面から国土強靱化をしっかり進めていただきたいという指示がございました。今後は、5月末をめどとして基本計画の検討を進め、その後の閣議決定を行ってまいりたいと思っております。
 補足ではございますが、この脆弱性評価並びに地方公共団体及び民間の意見の聴取は、基本計画を作るに当たっては極めて重要な取組の一つであります。幅広く意見を聴く、そして定量的にしっかり分析していくということからも、脆弱性評価を分析していくということからも必要でございます。
 この脆弱性評価については、もう御承知のとおり、我々は45の起きてはいけない現象を考えました。そして、それを縦軸に、そして横軸には、交通、情報通信等々12の産業分野を横軸にしまして、それぞれでどういった脆弱性があるかというのを、客観的に評価をしていくことであります。A3判の大きなマトリックスにぎっしり書いてありまして、それが何十ページにもわたっています。全く新しい試みですね。そして、各省庁がどういう取組をしていくべきか、しているかと、こういったものもやりまして、しっかり府省庁間の連携もできております。
 その脆弱性評価のポイントは、まだ道半ばの段階ですと。重点化を図る必要があります。それから、ハード・ソフトの対策、そしてその適切な組合わせが大切であるということ、代替性・冗長性の確保が重要であるということ、あるいは、地方公共団体、民間等の連携、これは総理からも指示があったとおり、重要であるということであります。
 それから、民間の意見聴取については、756件意見がございましたけれども、都道府県が608件、民間が148件、かなりたくさん意見をいただきました。その中身は傾聴に値する意見も多々ございました。例えばエネルギー分野では、エネルギーの安定的供給のためには、日本海側と太平洋側で供給ラインを連結させるというのが極めて重要ではないかという視点の意見もありました。また、行政機能等々の対策に、被災をした場合、大幅にそういった従事可能な職員は減ることが予測されるので、市町村間のほか、国とか地方公共団体を含めた協力・連携協定が必要なのではないかということ。それから、医療関係では、これは民間セクターですが、地域の診療所や中小病院の連携ネットワーク化を図っていくべきだ。あるいは、情報通信分野が民間との役割分担をしっかり整理をしていく必要がある等々、大変いろいろと示唆に富む、あるいは有意義な、是非取り組んでいきたいという意見が多々ございましたので、御報告申し上げます。
 この基本計画は、御承知のようにアンブレラ計画、最上位計画になります。他の国土形成計画、防災基本計画、あるいはエネルギー基本計画、他の分野別計画等々、その分野がこのアンブレラ計画である国土強靱化基本計画の決定によって、それに伴ってそういったそれぞれの基本計画が見直しされていくということになりますので、極めて重要な基本計画が5月末か6月にかけて閣議決定されるということであります。
 それから、その後は地方のいわば国土強靱化の地域計画、こういったものを作っていっていただくことになります。既にガイドラインは作り上げまして、お示ししているところでございます。そして、そういったものをしっかりと御参考にしていただきながら、それぞれ地域の実情に応じた地域計画を是非作っていっていただきたいということであります。
 私からはこれが1点。
 それから、もう1点は、拉致関係でございますが、明後日、27日に日比谷公会堂において家族会、救う会、拉致議連などが主催する国民大集会が、恒例のものでございますが、開かれます。私も出席させていただく予定でございます。多くの方に御出席をいただきたいということをお声がけをさせていただきたいと思います。
 また、もう一つ、拉致問題の啓発の一環として、演劇の公演を政府が主催して取り組ませていただきたいと思います。これは政府主催というか、厳密に言うと、政府の拉致問題対策本部と神奈川県、横浜市、川崎市、相模原市の共催で開催されるもので、既に3月に新潟で行われましたけれども、今回は2回目の開催でございます。私もこの演劇を昨年9月、俳優座で見させていただいて、観客と出演者が身近なところで拉致問題をお互いに語り合うというような、その一体感、そして観客の心を強く揺さぶった。私もそういう意味で涙を覚えるぐらいのすばらしい演劇でございましたので、是非政府もこういったものを支援できないかということで、劇団側ともいろいろお話をさせていただきまして、最終的にこういう形で支援させていただくことになりました。
 これは29日、2回公演なんですが、事前にホームページあるいはチラシで出席者の募集をしましたら、もう既に満員だそうでございまして、今から申し込んでも、キャンセルがあれば御覧になることはできると思います。こういった取組をさせていただくという、この2点を御報告申し上げたいと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問) 共同通信の江藤です。
 オバマ大統領が来日されまして、昨日、拉致被害者家族の皆さんとも会われました。大統領からは、「サポートしていく」、「緊密に協力していく」という発言があったということなんですけれども、具体的にアメリカと、これまでも連携しているとは思うんですけれども、具体的に今後どう取り組んでいくか、連携していくのか。
(答) まず、大統領御自身が家族会と会って、そして総理も同席、外務大臣、そして私、担当大臣も同席の中で、そういう発言をはっきりされたと、これは極めて大きいですね。まず、北朝鮮に対するこれは圧力であることは間違いないと思います。
 それから、もう一つは、そうやって具体的に協力をする。特に、安倍総理のことをこうやって、手でですね、総理がすぐ横にいましたので、総理は大変この問題、強い決意で取り組んでいるということを言及しながら、連携をしていくと、こういうふうに言いました。その場にいないと雰囲気は分からないですけれどもね。そういう意味では非常に前向きな発言をいただいたと思っております。
 実際、立ちながら話をしましたので、横田さんとはもうほとんど顔がくっ付くぐらいの距離、30センチぐらいですかね、その距離感だったですね。写真をこう渡して、特にウンギョンさんの写真をスッと早紀江さんがお見せしたら、大統領は背が高いですから、フッと指差しながら、「これはお孫さんだろう」ということで、パッと最初にそのことを言いましてね。ですから、ああ良くちゃんと御存じだなという印象を受けましたね。自分も娘が2人いるので気持はよく分かるというふうなことを言っておられました。
 そういうことで、今までも連携していますけれども、今後も更にその連携の密度を深めていくということだと思っております。
(問) 関連で。具体的な面で言うと、そういう国連を通じた圧力とか、そういう面になりますか。
(答) そうですね。飯塚さんからは、昨日もぶら下がりのときに私申し上げましたけれども、COIがすばらしい報告書を出した。今後、安保理の決議に向けた話があるので、そういう御協力、それから、今後のフォローアップについても、是非アメリカにおかれましても大統領のリーダーシップでそういう取組をお願いしたいということがございました。そのことはしっかり大統領も承知をされていると思います。
(問) 朝日の久木です。関連で。
 昨日、面会自体はクローズドで公開されなかったんですけれども、それはセキュリティー上の理由だとか、どういう事情があったんでしょうか。
(答) それはアメリカ側の意向ですけれどもね。ただ、写真は公開されてましたよね。
(問) ええ。アメリカ側の意向。
(答) 何ですかね。だと思いますよ、それは。ただ、やはり雰囲気として、あんまり大勢じゃなくて、親密に話をしたいなという、そんな雰囲気は場所の空気としてはありましたよね。
(問) 関連で。NHK川田です。
 先ほど、飯塚さんからも国連のCOIの関係の決議が出た、フォローアップをということの要請があったということですが、大臣は日本政府として今後アメリカ側にはどのようなことを。
(答) これは外交チャンネルを通じて、あるいは拉致問題対策本部からも、国連の関係者あるいは同盟国、そして応援をしていただける関係者には、緻密にそういった取組の協力要請と、それから、今後は何かというと、場所をどこにするかとかどういう人選にするかという具体的な問題も含めて、しっかり相談をさせていただいて、我々の考え方も伝えていきたいと思います。
(問) 確認なんですけれども、場所というのはリエゾンオフィスの。
(答) そうですね。
(問) 読売新聞の阿部と申します。
 今のお話の関連なんですけれども、場所はこれからということだったんですけれども、時期としてはいつぐらいまでにというような何か。
(答) できるだけ早くね。スピード感としては、何カ月もという感じじゃないと思いますよ。できるだけ早く決めていく。マルズキさんとかキングさんとも会って話したときの雰囲気は、そんなに時間をかけてやるもんじゃないというようなニュアンスの話はお互いにしていますのでね。みんなが納得できる形で、できるだけ早いタイミングでということだと思います。早くやることが、結果として決議の中身、要するに圧力ですからね、あれは北朝鮮に対する、それを効果ならしめていくことになると思います。
(問) 拉致関連でまた別の話題なんですが、共同通信の江藤です。
 三谷内閣府参与と石川拉致問題対策本部事務局長がモンゴルを訪問されているんですけれども、官房長官会見で明らかにされたんですが、改めてその狙いとかそういうものを。
(答) 我々は、日本と友好関係にある国々で、北朝鮮と国交がある国々とは積極的に連携していく、これは安倍内閣の基本方針であります。かつ、拉致問題対策本部の基本方針の中にも、あらゆる手段を尽くして拉致問題解決のために取り組んでいくということがはっきり記されていますので、その一環として両名には現地に行ってもらったと、こういうことであります。
(問) 今回、アメリカ大統領と拉致被害者家族の面会があった中で、両事務局長、新旧の事務局長が不在というのは、これはなぜそういうタイミングになったんでしょうか。モンゴルに行くタイミングとなぜ重なってしまったんでしょうか。
(答) それは事務局長がいる必要はあるんでしょうか。拉致問題担当大臣が同席してますのでね。拉致問題の政府の最高責任者・安倍総理、そして担当大臣・古屋圭司、そして、外交チャンネルを通じる責任者は岸田外務大臣、この3人が同席してますよ。
(問) アメリカ大統領との面会が急遽決まったのかなというふうに思ったんですけれども、そういうことではないんでしょうか。
(答) 3人が同席をすれば、それはもう一番の最高責任者3人がいるんですから、ちょっとその今のお話は通用しないんじゃないでしょうか。やはりあらゆる手段を尽くすということですから、皆さんそれぞれのつかさつかさで対応してもらうということですから、これに尽きると思います。

(以上)