古屋内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年12月26日

(平成25年12月26日(木) 11:56~12:15  於:内閣府本府1階118会見室)

1.発言要旨

 閣議後の記者会見が、ちょっと国家公安委員会等がございまして遅れましたことをお詫び申し上げたいと思います。
 まず閣議でございます。閣議が始まる前の応接室で、甘利大臣が今日から復活しまして、自然発生的に皆さんから拍手が起こりました。閣議の内容は話してはいけないことになっておりますので、内容ではなくて、御本人のほうから、「いよいよ今日から復帰をさせていただきました」と、こういう御挨拶をしたら、皆さんから拍手もあって、総理からも激励の言葉がございました。これで全てのメンバーが揃って、来年から再び取り組んでいくことに相なります。
 それから私からは、今日は国家公安委員会でも報告をさせていただきました。また、それに先立ちまして報告書を受け取りました。中身は、交通事故防止につながる取締りの在り方、あるいは規制の在り方の見直しのプロジェクトチームの最終報告でございます。
 これは、春先から私も公安委員会等で意見を述べさせていただいておりました。また、6月には全国警察本部長会議が開かれましたけれども、そこでも言及をさせていただきました。日本は8,000万人ドライバーがいます。そういう中にあって、大体年間780万人から800万人ぐらいに反則金の交付が科されておりますが、実際に交付された方々も納得しているかというと必ずしもそうではないケースもあるだろうということで、真に事故抑止につながる取締り、そして取り締まられた側も納得する取締り、こういったものに不断の改革を進めていかなくてはいけない、こういうことでありまして、全国本部長会議でもその指示を出させていただきました。
 それに呼応するべく、8月からは学識経験者あるいはモータージャーナリスト、被害者の会等々、多くの専門家を集めまして二つのチームをつくって精力的な議論をいただきました。今回それが取りまとめられましたので、私が受け取らせていただいたということであります。
 この報告書は非常に示唆に富む中身がたくさん出ております。今後は、いかにしてこの中身を実行に移していくかということが大切でございます。年明け早々には全国の本部長に対して説明を行うとともに、国民の皆様にも、なぜこういう取締り、あるいは規制の見直しをしていくかという趣旨を十分に説明し、御理解をいただきながら確実な対応をしていきたいと思っております。それと、都道府県警察を始め現場の警察官の皆様にも、今回の見直しに当たっての趣旨を十分に御理解いただくことが大切だと思います。
 そして、人事の評価・在り方も含めて見直していく。例えば、一つの例として、重大交通事故が発生するのは深夜の時間帯、夜中の1時から5時までが圧倒的に多いというデータがあります。しかし、その時間帯にはほとんど取締りというのは行われていないのが実態であります。それはやはり勤務態勢の問題等々があるからでありますが、しかし、本当にそういう時間帯に取締りをしていく、これこそ真に事故抑止につながる取締りでありますから、そういった取組をしていただく現場の警察官にはしっかりとした評価をする、こういうシステムをあわせてやっていく、頑張る人をしっかり評価する、こういうシステムも必要なのではないでしょうか。この中にもそういった趣旨が書いてあります。
 それから、規制の見直しの中において、設計速度が120キロで建設されている高速道路が全国で約860キロありますし、そのうち四百数十キロについては片側3車線ということであります。もちろんキープレフトの原則、走行区分の徹底というものをした上で、120キロで走っても安全であるという設計のもとでこういう道路が建設されている。一方では、この120キロによって建設費が20%以上かかっているわけでありまして、半分は皆さんの税金でございますから、その速度、利便性というものを税金によって実現しているわけでありますから、国民の皆さんもそういったものを、安全が大前提でありますが、享受をしていく必要があるのではないか。だから、そういった規制の見直しについても、道路管理者である国土交通省ともしっかり連携をして、また引き続き関係者の意見を聞きながら、そういう取組ができるかどうかもこの報告書に入っています。
 それから皆さん、高速道路を走っていてお気づきになることがあると思うんですが、登坂車線、これは遅い車が登坂車線に行くんですね。これ、私は前から、私が当選1回生のころから質問していたことなんですが、遅い車が登坂車線へ行きますと、登坂車線がトンネルの手前でなくなります、そうすると、合流をするときに、速い車がかぶせていくことになるんですね。そうすると、ブレーキを踏みます。そうすると、後ろがずっとブレーキを踏むと、渋滞のサグというんですが、これが生じて追突事故等のリスクも増えますし、渋滞のリスクも増えます。だったら速い車が登坂車線を走ればいいわけでありまして、そういう発想の転換、こういったものも含めてやれるのかどうか、こういったことも実証実験も含めて対応している。今一部中央高速ではそういった取組をしているところもございますけれども、もうちょっと範囲を広げてやっていく必要があるのではないか。
 ちなみに、ヨーロッパの高速道路では、そういう形をとっている高速道路が圧倒的に多いというのも現実であります。そういった世界の例もしっかり見極めながら取り組んでいく。
 これだけ大幅な交通警察関係の見直しをしていくというのは多分初めてだと思います。これはしっかり警察も、各都道府県警察を含めてこの趣旨を十二分に御理解をいただいて、国民へのPR、そしてドライバーの皆さんへのPRも含めて取り組んでいきたいと思っておりまして、この発表をさせていただきました。
 それから、1月7日から13日まで、私、キューバに出張させていただきます。
 目的ですけれども、まず私、防災担当大臣であると同時に、議員連盟のほうでは、キューバ・日本友好議員連盟の会長をやっているんですね。私がやるのは非常に不思議だという方も一部いらっしゃるんですが、なぜ私がキューバの議連の会長を引き受けているか、私のホームページに詳しく書いてありますので、是非御覧になっていただければおわかりいただけると思います。
 出張の目的は、キューバはハリケーンと台風が非常にある国でございますけれども、非常に迅速な避難行動をしたり、それから、いろいろな取組をしている結果、被害規模と比較して犠牲になる方が極めて少ないんですね。国連からも、グッド・プラクティスに認められていますので、ある意味で中南米の世界の防災モデルとも言われている国でございます。せっかくの機会でございますので、そういったキューバの防災関係者との議論、そして、2015年には日本で国連防災世界会議が開かれますが、キューバも当然その会議には出席してくると思いますので、是非出席していただけるように私からも要請をさせていただきたいと思います。
 この国連防災世界会議は、先進的な防災の取組を世界に日本が発信すると同時に、世界には途上国を含めいろいろな国々がございますので、その国の実情に合った対策をしっかりアドバイスをするなり、あるいは共有をするという必要がございますので、そういった取組の中においても、それぞれの取組をしている国々が多く参加していただくということは重要だと思います。特にキューバは中南米ではそういう先進的な取組をしている国でございますので、私は行ってまいりたいと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)共同通信の江藤です。
 先ほど安倍総理が靖国神社を参拝しました。ちょうど内閣発足から1年経ったこの時期ということですが、この時期に参拝された理由とか狙いについて、大臣はどう考えられていますでしょうか。
(答)まず、総理は、国のために命を捧げた英霊に対して哀悼の誠を捧げるのは国のリーダーとして当然の責務である。これはある意味でグローバルスタンダードだと、こういうことを常に言っておられます。そういう意味で、1年経った今日、節目に参拝をされたと思います。
 私も春、秋、8月15日に参拝を欠かしたことはございませんが、私も総理も多分同じ気持ちだと思いますけれども、日本は戦後、民主主義あるいは自由、人権重視、こういった国々の世界の仲間入りをして、むしろそれを世界に率先垂範して平和主義というものを掲げて取り組んでいます。
 ちなみに、日本は戦後、よその国で一発も発砲していないというのは先進国では極めて珍しい例であるということはもう皆さん御存じだと思います。積極的平和主義というのを掲げているのもこういう日本が世界に平和の取組の大切さを訴えているという発想にも基づくものでありまして、靖国というのは、一部のメディアが言っているように決して戦争を賛美するような施設ではなくて、明治維新から100年以上にわたって御遺族の方とか友人とか、そういった方々が戦争で犠牲になった英霊に対して哀悼の誠を捧げる、癒す場として維持管理、そして参拝をされてきた場でございます。総理も、恐らくそういうお気持ちで行かれたんだと思います。
 決して近隣諸国に対するいろいろ挑発をするとかそういうことは、一切私はないと思います。あくまでも、自国のために命を捧げた方々に対してどういう形で哀悼の誠を捧げるかというのは、これはもっぱら国内問題でもありますので、総理はそういったお考え、そして私自身も、そうやって総理がリーダーとしての責任として参拝をされた。しかし、ポイントは日本が戦後68年間、平和主義に徹して国家運営をしてきたというのは、これは紛れもない事実でありまして、世界の国々はそれを認めていると思います。
(問)加えて、中国と韓国に直接説明したいというふうな思いを総理は先ほど記者団に述べたんですけれども、その辺については。
(答)それは、私その記者会見は見ておりませんが、もしそういうふうにおっしゃったならば当然のことじゃないでしょうか。決して近隣諸国にいろいろ刺激を与えようなんという気持ちは全く総理も100%ないと思いますので、なぜこうやって自分が参拝をするかということを御本人から直接説明をしたいと、それはごく自然の発想じゃないでしょうか。
(問)関連でNHK川田です。
 総理は、第一次安倍政権の際には、靖国参拝ができなくて痛恨の極みであるとおっしゃっていて、今日、靖国参拝されたわけですが、大臣はこれまでずっと参拝されてこられて、大臣から見て、総理の今回の参拝をどのように、やっとというふうに思われるのか、どのように評価というのは。
(答)だから、そういう評価は避けます、私は閣僚の一員ですから。ただ、総理は首尾一貫して言っていることがあります。それは冒頭にも申し上げましたように、国のために命を捧げた英霊に対して哀悼の誠を捧げる。そして、靖国神社は100年以上にわたってそういう魂を癒す場としてずっと運営をされてきた場所でありますから、当然そこに参拝をされるというのは総理としてのお気持ちを素直に表現したということだと思います。世界のリーダーはそうしております。
(問)別の件になりますが、キューバですけれども、これは防災ということで、拉致の関係ではないですね。
(答)はい、防災です。
(問)拉致の関係のことは何もされない。
(答)防災です。
(問)内閣発足1年でお聞きしたいんですけれども、内閣が発足して1年となったんだけれども、依然として拉致問題が解決を見ていない、そのことへの受け止めと、これからの解決に向けた意欲というのをお聞かせください。
(答)まず、この1年経って、私本当にひしひしと感じていることが一つありましてね。 それは、1年前と今と、世の中の空気というのは本当に大きく変わりましたよね。客観的なデータも、例えば、株の値段一つとっても大きく変わりましたけど、国民の空気が変わってきたということは大きいと思います。そういう意味では、私、政治の責任というのは本当に大きいなというのをひしひし実感していますね。その上で、昨年12月に総選挙で私たちが過半数を得て、そして、まだその時点では片肺飛行ですよね。参議院ではねじれていたわけですから。7月21日に初めて安定した政権をもたらすことができたと、こういうことです。ですから、今ちょうど5か月目に入った。いよいよこの安定政権が常識的には選挙は国政レベルの選挙はありませんので、しっかり腰を据えて取り組むことができる。そういう意味では、拉致解決についても大きな環境が整いつつあるということだと思います。これは北朝鮮も十分にわかっていますよ。だから、私はいろいろな場で言っているのは、春先くらいまでは北朝鮮も非常に挑発的な日本に対しての言動が多かったけど、5月、6月以降はそういう話は一切ないということをとっても、やはり北朝鮮からのメッセージであるというふうに受け止めることもできると思います。しっかり私たちも情報を、正しい情報を手に入れつつ、この当初の目的である全ての被害者を日本に取り戻すために全力で頑張りたいと思います。もういろいろな作業はしておりますが、我々の責任は、何しろ結果を出すことですから、しっかり結果を出す来年にしていきたいと思います。
(問)朝日の斉藤です。
 靖国に戻って恐縮です。哀悼の意を表するとか、刺激したくないという気持ちはわかるんですけれども、受けるほうはまた刺激は受けると思います、中国、韓国の反応はあると思うんですけれども、今後どういう対応が日本も近隣諸国にも求められるでしょうか
(答)それは総理自らが説明をする用意があるというようなことを今日会見でおっしゃったんでしょう、それは大切だと思いますよ。それから、やはり我々も常にそのことはしっかり情報発信をしていく責任があると思います。特に私、11月に秋の例大祭で参拝をさせていただいたときに、私初めて英文で海外の通信社に、私がなぜ靖国参拝をするかということを出したんですね。初めてなんですよ、こういうことをしたのは。そういう意味で、我々自身も努力をしていかなければいけないということだと思います。何社からか反応がありました、お話を聞きたいということがございましたので、正しく伝わっていないということは極めて残念だと思います。そういう意味ではしっかり、なぜ私たちが靖国を参拝するのかということについても、世界に対して情報発信していく必要があるなと思います。

(以上)