古屋内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年12月24日

(平成25年12月24日(火) 10:54~11:08  於:合同庁舎第2号館18階第4会議室)

1.発言要旨

 どうも御苦労様です。
 今日の閣議で、平成26年度の予算案を閣議決定させていただきました。もう改めて私が申し上げるまでもないですけれども、95兆円という大きな予算ではありますけれども、一方では、税収見込み額が50兆円を超えている。また、公債発行が41兆円ということですから、対前年度比も1兆6,000億円減ということで、プライマリーバランスも配慮しつつ、やはり景気回復というもの、もちろん消費税というものがありますけれども、それ以上に景気回復の動きというものが、こういった50兆円という税収上にもつながっているということだと思います。機動的な財政出動、そして経済対策、そして財政規律ということを、しっかりバランスをとりながら、この政権は予算の執行をしていくという基本的な考え方にも合致をした予算編成ができたと思っております。
 私の管轄するところにおきましては、まず警察では、一般会計の総額は約3,200億円でございまして、これは交通違反の反則金を今まで特別会計だったのを一回一般会計に入れてから回していますので、数値は大きくなっておりますが、実際は約2,500億円で、ただ、対前年度比は144億円、約6.1%増ということで決定をみることができました。私も、大臣折衝を通じまして、例えば、やはり犯罪捜査に極めて有効でありますところのDNA型鑑定については104億円、約35億円を大臣折衝の中でも増額することができましたし、そのほかの犯罪対策、あるいはテロ、大規模災害対策の推進等々で成果を得られたと思っております。
 また、内閣府につきましては、執行官庁ではありませんので、額自身は53億円ほどでございますけれども、中身からして、まず国連防災世界会議、2015年にございますので、この経費についても計上することができましたし、また、人材の育成であるとか訓練の充実、これは委員会等々あるいは各地方公共団体知事からも相当大きな要望も出ておりましたので、こういったものの充実に充てさせていただく。
 それから、広報活動の充実。9月1日防災の日はよく皆さん御存じですが、11月5日が津波防災の日だということはほとんど国民に知られていない。災害対策特別委員会でもそういう指摘が何度かございました。そういった委員会の指摘も真摯に受け止めまして、広報活動の充実、そして、各地方公共団体、関連団体との連携の強化によって、国民の皆様に防災意識を高めていただくと。自助・共助・公助という中で、自助の部分というのは非常に大きいですね。自助と共助の部分というのは大きいですから、そういった取組をさせていただくということでございます。
 それから、国土強靱化関連については、これは全体として私どもの国土強靱化の取組の基本的な考え方、これは麻生財務大臣にも、概算要求のときにも、あるいは予算編成の段階でも、2度にわたりまして私たちの考え方を丁寧に説明させていただきました。非常に御理解をいただいたようでございます。選択と集中、そして、いわゆる見直しのサイクル、PDCAサイクルをしっかり取り組みながら、ソフト・ハード、両面で強靱化対策をしていくと。こういう考え方で各省庁にも取り組んでいただいた結果、15%プラスということに相なりました。これは一部のメディアが言っております無駄な公共事業のばらまきというのとは全く次元の違う話でありまして、精緻な考え、積み上げによって、また必要なもの、そして緊急性の高いものに優先順位をつけて取り組んできた結果がこういう数字になったものと考えております。企業のBCPの対策の促進だとか、あるいはこういったソフト対策というのも、かなり充実をしていくということであります。
 以上、私から報告事項でございます。

2.質疑応答

(問)共同通信の宮沢ですが、今日のこの強靱化の予算なんですけれども、いただいた資料で、主な取組施策例として、金額も含めて書いてあるんですが、予算全体の中の強靱化関係予算が占める金額とか割合とかというのは把握できているのでしょうか。多分、今回のこれ、ここで例示している。
(答)ええ、これ、例示しているのが18項目ぐらいありますかね。これが基本的に、この各省庁が強靱化関連で特出しをした部分でございまして、25年度が2兆4,600億円だったのが、26年度が2兆8,000億円になっているということですね。これはもう申し上げましたように、この強靱化の基本的な考え方や法律にしっかり反映するような形で、ずっと春先から取り組んできて、また、各省庁も省庁連絡会議の中で、この考え方をしっかり反映してくださいというもとで取り組んだ結果、財務省としても十分納得をいただいて、こういう予算になったということだと思います。
(問)もう一つ。強靱化で今回、26年度予算でこういった項目の強靱化関係の予算がついたわけですけれども、地方からすると、当然防災対策という面もやってくれという要望は強いと思うんですが、あわせて、こういった事業が地方の経済の活性化につながるという期待も地方には強いようなんですけれども、公共事業についてですね。先程、大臣も予算全体の話の中で、景気回復のための財政出動と財政規律、両方を今回予算全体で見ると両立されているということだったんですが、この強靱化の取組というのが地方経済の活性化に与える影響とか、あるいは、そういった観点の取組というのが重視されていくものなんでしょうか。
(答)ある意味ですごく意図的な質問だと思うんですけれどもね、それはね。私たちは、地方の経済を良くするためにこういった事業をしているのではありません。少なくとも国土強靱化というのは基本理念がありまして、どんなことがあっても致命傷を負わせない、人の命を守る、被害を最小限に、速やかに復旧をさせる、と。基本方針のもとで、ソフト・ハード、一体になって取り組んで、結局、それをやることが、平時から競争力がつく、投資も呼び込める、そして成長戦略につながっていくと、こういう考え方であります。結果としてそういう公共事業はあるかもしれませんけれども、それは、地方の経済の活性化のためにやるという発想とは違うんです。そもそもの発想の原点が、今、私が申し上げました。結果としてそういう形になっているかもしれませんけれども、それは全く次元が違うということだけは、はっきりここで申し上げておきたいと思います。
(問)NHK川田です。
 確か一部紙面でもあったんですが、地方で防災の関係で防潮堤の話が出て、地方の計画でつくったものとか、あとは防潮堤、一部住民の方からのニーズと若干異なってきているとか、そういった意見もありますけれども、大臣、来年5月に向けて国土強靱化基本計画をつくる中で、この防潮堤の考え方についても、どのように。
(答)これは、強靱化基本法の中にも、環境にも配慮しつつ取り組んでいくということが法律の条文の中にも書かれていますし、また、強靱化の基本的な考え方の一つとして、平時にも活用できて、有事の際にはその機能を発揮するという考えも出ております。
 これは、やはり地方がしっかり考えて、知恵を出していただくものでありますので、防潮堤で取り組むというところもあれば、そうではなくて、例えば一つの例として緑の防潮堤のような、広葉樹、根が早く垂直に下のほうに生えていって、そして根をおろして、それでなおかつ成長が早いという木を植えることによって、実質的な津波対策、致命傷を負わせないという、勢いを相当弱らすことができるというのは、これは専門家の研究の中でも、あるいは実証の中でも、もう立証されていますので、そういう取組をしていこうという動きもあるようであります。ですから、これはやっぱりそれぞれの地方がしっかりそういう知恵を出し合って、なおかつ費用対効果という視点からより合理的なもの、そして、住民の御理解をいただきながら取り組んでいくことが何よりも大切だと思います。
(問)関連して、朝日の斉藤です。
 漠とした話で、大体国土強靱化という名前がつくと、その前に大臣は防災をやられていなかったので分からないかもしれませんけれども、予算がつきやすかったのかという面と、気が早いですけれども、今年は税収が良かったとありますけれども、今後の国土強靱化予算というのは、今回のでずっと確保されていかれるのかと。
(答)朝日さんですよね。
(問)朝日です。
(答)いつも新聞をつぶさに読ませていただいておりますけれども、私たちがしっかり国土強靱化の考え方を御説明申し上げても、なかなか素直に紙面にしていただけないんで、ちょっと残念な意味はなきにしもあらずなんですが、しかし、我々は3年3か月間、野党の立場にあって、どういう政策を打っていくかということを真剣に、この間に議論してきました。この国土強靱化、私も初代担当大臣にさせていただいて、いかに基本的な理念をつくり上げて、そして、そのためにどういう取組を、ソフト・ハード、両面でしていくか。先程も申し上げたように、平時にも活用ができて有事の際にいいと、そして、やっぱり地域の皆さんがそれによって安心・安全をしっかり確保することができるという、それぞれの分野のそういうメリットというものを総合的に判断して、こういった事業を計画しております。これからもこの考え方は変わらないと思います。
 だから、事業のための事業というものが要求されても、それが認められていくことはないと。明確な目的があって、費用対効果がしっかりしているものについては、松・竹・梅の優先順位をつけてやっていくということでありますから、当然、松・竹・梅の中で松に入ったものについてはしっかり予算を確保していくというのは、これは国の責任でもあると考えております。しっかりその考え方を地方公共団体も共有していただいて、取り組んでいくことが大切だと思います。
 国の基本計画が、大綱に基づきまして来年の半ばぐらいまでにはつくり上げたいと思いますので、それに連携する形で地方もつくっていただきますので、是非私たちのこういう哲学をしっかり反映した形で、地方によい計画をつくっていただくことを期待したいと思っております。

(以上)