古屋内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年11月22日

(平成25年11月22日(金) 8:44~8:56  於:内閣府本府1階118会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。皆さんも寒くなってきましたから風邪ひかないように。インフルエンザ予防注射を皆さんやられましたか、しっかり体調管理に努めてください。
 私からは閣議の関連では特にございませんが、1点、昨日、朝日新聞の報道について、中央防災会議の専門委員の河田教授が、首都直下地震の被害額を300兆円と試算したとの報道がございました。昨日、委員会もございまして、そこでも私若干指摘をさせていただきましたが、これはあくまでも一学者による個人的な判断に基づく試算でありまして、現在、首都直下地震対策検討ワーキンググループで検討している被害想定の作業には一切影響を与えることはないということをまず申し上げておきたいと思います。加えまして、現在、スーパーコンピュータ「京」も駆使をして、その検討の大詰めの段階でございますけれども、現在の検討状況においては、昨日の報道のような大きな被害額にはならない見込みであると承知をいたしております。また、首都直下地震の新たな被害想定については、現在、首都直下地震対策検討ワーキンググループで検討中でありまして、被害想定とか防災対策の対象となり得る地震等については決定したという事実は一切ございません。この被害想定とか対策の方向は年内に取りまとめをしていきたいと考えております。
 私からは以上であります。

2.質疑応答

(問)NHKの村松です。
 今のお話に関してなんですが、河田先生が出された300兆円というのが、今検討中であるけれども、やはり額としてこれは大き過ぎるということなのでしょうか。
(答)そうですね、ちょっと額的にもそういうことでありますし、一方、河田委員は、この首都直下のワーキンググループのメンバーでもありませんので、正直言って、もうちょっと慎重に発言していただきたかったなというのは偽らざる心境ですね。特にこれだけ大詰めにきている段階でございますので、中央防災会議の専門委員としては、やはりもうちょっと慎重な御発言をいただきたかったということであります。
(問)共同通信の宮沢といいます。
 前回の会見でも同じようなことを聞いたんですが、今日、参議院本会議で南海トラフ特措法と首都直下特措法が議題に上がっていまして、採決される見込みだと思いますが、大臣、国会でこれまでも、議員立法ではありますけれども、速やかな成立を、というふうにおっしゃられておりますが、政府のお立場、また大臣のお立場から見て、このトラフの特措法と首都直下の特措法の意義と、成立後の政府の取組について。
(答)この2本、南海トラフ、首都直下地震の成立は前から議員立法としても早く成立していただく。それからもう一つ、3本のパッケージになっているんですね。もう一つは、今審議をいただいております国土強靱化基本法です。これはお互いに連携をする法案でございますので、この3本が成立をすることによって、もちろん政府も、政府・与党一体の中で政府としても作業を進めておりますが、こうやって法律的な担保をしっかりできるということになれば、例えば首都直下あるいは南海トラフについても基本計画等々の作業を法律の根拠に基づいて進めていくことができますし、また、国土強靱化基本法が成立をしていただければ国土強靱化の大綱、そして基本計画、こういったものをつくっていく。このときに、当然、南海トラフや、あるいは首都直下地震の対策もしっかりその中に反映をさせていくというか、お互いに有機的な連携をしていくということがありますので、極めて重要でございます。そういった意味で3本の法律がこの国会で成立をしていただくということを強く私たちも望んでいます。
(問)関連で、朝日の斉藤ですけれども、強靱化のほうが成立していただければということですけれども、今日、採決の日程が委員会で決まったので、事実上、今国会で成立はほぼ確定していると思いますけれども、率直な受け止めを。
(答)これはあくまでも議員立法でありますから、私たちが、政府側が立法府にお願いをするという立場でございます。今御指摘があったように、交渉の過程において今日は採決をするということは承知をいたしております。ただ、もう一院のほうもございますので、この国会6日までということでございますので、これまでにしっかり議論をしていただいた上で成立をしていただくということを期待いたします。我々は御承知のように、その作業は粛々と進めさせていただいているということはもう御承知のとおりであります。
(問)関連で、大臣も結構審議に出ていらっしゃったと思うんですけれども、「国土強靱化」というネーミング自体に野党の一部は強く反対していましたけれども、この「国土強靱化」という言葉にかける大臣の思いというか必要性というのを。
(答)この国土強靱化というのは、ハードだけで対応するということでは一切ないんですね。もう何度も答弁していますよ、ソフト、ハード両方の組合せ、これが大切なんですね。国土の中には国もあれば地域もあれば、あるいは企業体、そして個人、全てが含まれているんですね。だから、そういう意味で国土強靱化という名前を我々はうたわせていただいている。そしてまた、国土強靱化担当大臣というものをつくらせていただいたのもそういう考え方に基づくものでありまして、最近は我々の考え方が十分浸透してきた感じもしますので、無駄な公共事業の連発というような御批判をされるメディアもほとんどなくなったというふうに解釈はいたしておりますが、私たちの考える国土強靱化はそれくらい大きな範囲、ダイナミックなものであるということを是非御理解をいただきたいと思います。
(問)NHKの村松でございます。
 特措法に関連してなんですが、首都直下の法案に関しては、地震の特措法はこれまでほとんどは全会一致で可決をしていますけれども、今回、これまでの審議を見ますと、反対が出て、賛成多数と。自治体からも、例えば財政上の措置がないとか、計画もつくっているところもある。だから、これでどういうふうに変わるのかという自治体の声もあると思います。それに対しては、大臣はどういうふうに認識して、その辺をどう進めていくかお願いします。
(答)一部の政党ですよね。賛成が得られないということは非常に残念ですね。首都直下地震というのは、御承知のように、日本の人口の多くが集中をしているところで、それに対しては、この首都直下地震、そして今後、国土強靱化の基本法ができ上がりましたら、大綱の中でもこの首都の問題というのは2020年のオリンピックもございますので、総合的な対策を講じていかなきゃいけないということは、これは申し上げるまでもないことでありまして、国とか地方公共団体、そして各セクター、そして個人、これがそれぞれの役割分担の中で対応していくということでありまして、そういったことがこの法案の中にはしっかり書いてありますので、補助率の、たまたま南海トラフでありました嵩上げの問題が入っていないからという理由ひとつをもってして反対をされているということは、ちょっと残念だなという感じがいたします。
(問)自治体に対してはどうでしょうか。自治体に対しては、この法案でどう変わるのかわからないなと考えている自治体もあるようなんですが。
(答)そうですか。自治体の皆さんには、これは説明不足じゃないでしょうかね。国の役割分担、地方の役割分担がありますので。私のところに入ってくるお話では、この法案を早く成立していただければありがたいという声はたくさんきていますね。特に首都圏の自治体でも非常に首都直下地震に対して、例えば木密対策だとかこういった取組に前向きにやっている自治体なんかは非常に期待をしているという認識をしております。
(問)東京都の猪瀬知事の場合、去年の都議選の前に、徳洲会グループから5,000万円提供されていまして、今回の事件の捜索後に返却していたことがわかりました。政治資金収支報告書等には記載がありません。今回のことについて大臣、どのように認識していますか。
(答)これは今捜査中のことでありますし、個別具体的案件でございますので、私から発言するのは控えたほうが適切かと思います。
(問)関連で朝日の斉藤ですけれども、この捜査そのものじゃなくて、五輪の旗振り役であります、東京五輪の旗振り役であります。何か悪影響とかお考えになりますか。
(答)それは特にないんじゃないですか。知事自身は非常に、今度の東京オリンピックの誘致のときにも非常にフットワークよく現地まで赴いて関係者と精力的に会って御貢献をされたと思います。総力戦でかち取った2020年東京オリンピック・パラリンピックですが、それぞれの役割をみんな責任者の方々は果たしていただいた。その中の有力のお一人が東京都知事であったと思っています。これはもう国民の皆さんみんなそれ認識しているんじゃないですかね。

(以上)