古屋内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年9月20日

(平成25年9月20日(金) 10:45~11:00  於:内閣府本府1階118会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。報告申し上げます。
 私からは、台風18号の大雨等の被害に対する対応について閣僚懇で報告をさせていただきましたけれども、今回は各地区で土砂災害、竜巻が発生をいたしました。死者4名、行方不明者4名、負傷者136名、住家被害が8,000棟以上ということで大きな被害を生じました。お亡くなりになられた方には、心から御冥福をお祈りするとともに、被災された方にもお見舞いを申し上げたいと思います。
 ちょうど私が海外出張中でございましたが、谷垣臨時代理にもお願いをいたしまして、京都府視察、西村副大臣には福井県、滋賀県の視察、亀岡政務官には埼玉県、三重県、木村総理補佐官には東北3県、それぞれ団長として調査をしていただきました。
 今回の調査でいろいろ御要望がございましたけれども、まず大きく分けますと、被災者の生活に対する支援や制度の柔軟な運用ということが1点、それから激甚災害の指定が2点目、災害復旧事業に対する支援が3点目、そして4点目が河川改修等の早期実施を要望いただいております。
 被災者生活再建支援法につきましては、昨日京都府におきまして、京都市及び福知山市への適用が決定をされたようでございまして、今日埼玉県において熊谷市への適用が決定すると聞いております。
 激甚災害についても関係省庁にも連携をいただいておりまして、作業を進めていただいておりますので、被害額を早急に確定して、そして迅速かつ適切に対応したいと思っております。
 これからも被災公共団体からはいろいろな要望があると思いますので、そういった要望をしっかり受けとめさせていただくとともに、災害の早期復旧に向けて万全を期して取り組んでいきたい。
 また、昨日も3回目の関係省庁の会議を開きましたけれども、連携を密にして、今私が申し上げたような対応を、万全を期してやっていただきたいということで私からも指示をさせていただきました。
 これが1点目でございます。
 2点目は災害関連ですけれども、災対法の改正が前の国会でございまして、それに関する政令でございますが、まず10月1日に予定している災害救助法の厚生省から内閣府への移管に伴う関係政令の整備でございます。
 それから2点目が指定緊急避難場所だとか指定避難所の指定基準など4月1日、来年です、に施行を予定している指定緊急避難場所や指定避難所の指定基準を定める等々、この災害対策基本法の関係規定の施行に伴う整備を行うと、こういったようなことでございます。
 詳細は事務局にお問い合わせください。
 それから、3点目、いよいよ秋の全国交通安全運動が始まりますけれども、今日も閣議でもこの交通安全運動についての発言がございました。私も発言をさせていただきましたけれども、警察としても関係自治体、あるいは関係団体、民間ボランティア等々の方と緊密に連携をしながら、まず子供と高齢者の交通事故防止、これを運動の基本方針としたいと思います。国民の意識啓発と交通安全対策を一層推進していく、こんな取組を是非していきたいと思います。
 私もその趣旨で閣議でも発言をさせていただきました。
 私からは、以上であります。
 御質問あれば、お答えをいたします。

2.質疑応答

(問)NHKの川田です。
 大臣、昨日ラオスから帰られて、ラオスでは関係閣僚会議に出席されましたけれども、共同声明に盛り込んである内容というのを、今後どのように取り組んでいかれるか。
(答)まず、共同声明は世界の連携、特に警察関係、国際犯罪等々の連携のことについて、かなり詳しく共同声明が出ております。
 実は会議の中でも日本に対する期待というのは非常に大きかったです。各国代表の閣僚からも日本には是非御支援をしていただきたいとか、そういった要請もございましたので、私たちはそれを重く受けとめて対応していきたいと思っています。
 具体的には、例えばホスト国のラオス、それからベトナムです。これはベトナム公安大臣も来ましたけれども、ベトナムはもう11月から次官級会議を開いて、警察の公安の連携の強化をしていきたいと思います。主なテーマになったのは3つでございまして、まず1点は国際テロ、それからサイバー犯罪、それから薬物犯罪、この3点です。いずれも、これは一つの国で対応は絶対できません。やはり各国が連携をしていくということが大切であります。特にサイバー犯罪については、先進国だけではなくて、アジア、ASEANの各国にもそういう脅威が今ひしひしと押し迫ってきておりますので、私たちはそういう対応について日本の知見を生かしながら、ASEANの国々と情報の共有、それからやはり「キャパシティ・ビルディング」ということを各国の方々言いましたけれども、要するに能力を向上するトレーニングです、人材育成。こういったものについても、私たちはしっかり御協力をしていきたいと思っております。
 また、麻薬につきましては、麻薬を生産する国と売買する国と使う消費をする国、それぞれ立場があるわけでありまして、これは、麻薬は一連の流れで犯罪が成立しているわけでございますから、それぞれのつかさつかさでしっかり麻薬撲滅のための対応をしていくことが大切でございますので、そういった取組もしていきたい。
 実際にそういった趣旨のことも私もASEAN+3、あるいはASEANプラス日本の会議でも発言をさせていただいて、その趣旨のことが共同声明にも盛り込まれているということであります。
 それから、1点。昨日も私申し上げましたが、やはり拉致問題について共同声明の中に盛り込まれたということは非常に大きいと思います。というのは、ASEAN各国は伝統的に北朝鮮と交流のある国はあるんですよね、結構。これは旧社会主義国も多いですから。むしろ、金日成、革命の第一世代というか、こういった流れがあるので、それはあるものの現在の北朝鮮の拉致を初めとする人権問題については、大きな問題があります。事実上、国家によるテロに等しいんですよというようなことを私は首脳会談でも、あるいは全体会議でも主張させていただいて、最終的に私たち日本の考え方が支持をされて共同声明の中にも「拉致問題解決のために協力をする」という趣旨のことが入ったということは、非常に私は大きいと思っています。
(問)共同通信の江藤です。今のお話なんですけれども、そういうASEANでは社会主義国同士のつながりとか、あるいは貿易のつながりとか、そういうものが過去にあった一方で、人権問題に対する理解というのはかなり広がってきているというふうに感じるんですか。
(答)そうですね。そういったつながりはもちろんあるんですが、みんなASEANの国々はそれぞれ改革をして、そして経済を成長させて、世界各国との連携を強化することによって、ASEAN各国の地位も非常に向上してきましたよね。現実に国民一人一人の暮らしもすごく上がってきているんです。だから、そういう認識がすごくあると思います。
 だから、これは北朝鮮と国交のある国々の首脳にそういった働きかけをしていくということは極めて私は拉致問題解決に効果があるということで常に申し上げていますが、その認識も今度のASEANの+3、あるいはASEANのプラス日本の会議で全ての参加者に認められて共同声明に入ったと、こういうことであります。非常に意義があると思います。
(問)また拉致の関係なんですけれども、というか北朝鮮の関係なんですけれども、6か国協議なんですけれども、北朝鮮は無条件での開催というのは要求する一方で、日米韓は非核化への取組というか、そこら辺は具体的に見えていないということで、まだ開くという方向には進んでいないわけですけれども、どういった……。
(答)6か国協議は6か国協議として粛々と進めていくべきだと思います。一方では、北朝鮮も当初は非常に挑発的でしたよね、今年の春先までは。例えば、最近では、「いや、オリンピックでは日本に1票入れたよ」なんていうことをあえてああいう公言をするということは、何らかのサインであるということも、あの国は思いつきで物はしませんから、全て意図があってやっているわけですから、そういう北朝鮮の流れもよく見きわめる必要はあります。
 一方では、いろいろ幹部の子弟が海外留学をしていても、それを送り戻すだとか、そういうこともしている。だから、両方向をにらみながらやっているということです。
 ただし、私は今年の4月までのあの挑発的な、今まで言ったことのないような言動を繰り返して挑発をしてきたというスタンスからは明らかに変わってきている、こういうふうに思います。
(問)例えば、対話へのかじを切ったというか。少し前からそうなんですけれども。
(答)そうしていかないと、あの国が立ち行かないということも中枢も認識しているということじゃないでしょうか。
(問)続けて朝日新聞です。6か国協議の話ですけれども、「粛々と進めるべきだ」というのは、最近寧辺の話が出ていますけれども。
(答)ただし、それは6か国協議は6か国協議です。ちょっと誤解のないように申し上げます。
 それより日本というのは御承知のとおり、かつて作業を進めるときも、あれはたしか安倍内閣のときだったと思いますけれども、支援等々も拉致問題が解決をしなければ、その支援には乗れませんという明確なスタンスを示しましたよね。今の安倍内閣もその毅然たるスタンス、やはり拉致問題を解決しない限りは、支援はしない。制裁も緩和しないというスタンスは、これは一歩も変わっていません。これは我々政府としての揺るぎないスタンスであるということは、しっかり北朝鮮も認識すべきだと思います。
(問)自民党の同僚議員の徳田毅さんのところに、事務所へ今日選挙違反の状況として強制捜査に入っていくというお話がありましたが、徳田さんの身の処し方等も含めて大臣はどのような御所感をお持ちでしょうか。
(答)まず、それは報道でも承知をいたしておりますが、今捜査の過程にありますし、具体的なことについて言及することは避けさせていただきたいと思います。
 また、どういう対応をすべきかについては、党、あるいは政府、官房長官等々が御判断することで、私が直接言うべきことではありません。
(問)新潟日報の小澤と申しますが、拉致で関連なんですけれども、先日、国連の北朝鮮人権問題を調べる調査委員会がジュネーブのほうで中間報告を別に出して、横田夫妻の証言なんかを例に出して、「組織的で重大な人権侵害が行われた可能性がある」という指摘されましたけれども、その指摘、報告についての大臣の評価というのは。
(答)8月末に調査委員会の皆様がお越しになったときには、私はもちろんのこと外務省、そして拉致被害者家族の方は切実に訴えさせていただきました。ですから、この拉致問題というのがいかに深刻な問題か、そして深刻な人権侵害であるかということを私はカービー委員長を初め、関係者は十分理解してくれたと思います。
 だから、そういったことが今度の中間報告の中にも反映をされているということではないでしょうか。
 最終報告に向けて、そういう私たちの考え方がしっかり反映されるように、これからも引き続き関係者には強く働きかけをしていく必要があると考えています。

(以上)