古屋内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年8月2日

(平成25年8月2日(金) 9:35~9:50  於:内閣府本府1階118会見室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 まず、閣議におきましては、私のほうから、平成25年の警察白書の説明をさせていただきました。同時に配付もさせていただきました。この白書ではもう御承知のように二つの特集、一つはサイバー空間の脅威への対処。二つ目は子供、女性、高齢者と警察活動という項目で、児童虐待、ストーカー事案、振り込め詐欺等にさらされている子供、あるいは高齢者、女性に対する警察の取組について説明をさせていただいております。
 次に、8月7日でございますが、交通安全子供自転車全国大会、これを開会いたします。東京ビックサイトにおいて開会されます。この大会では、警察庁と全日本交通安全協会の共催で昭和41年から行われております。もう48回目ということです。全国の代表47校、188人の小学生の子供達が自転車に関する知識・技能・安全、こういったものを競い合うということでございますので、是非私も開会式並びに競技を見て子供達の安全に対する取組等々を楽しみにしております。
 それから、7月26日からの大雨等による被害について、私のほうから閣僚懇談会において報告をさせていただきました。既に全国で死亡者が3名、行方不明者が2名、負傷者が16名いらっしゃいます。お亡くなりになった方々への御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災をされた方々に心からお見舞いを申し上げます。政府は御承知のように29日から2日間にわたり、西村防災担当副大臣を団長として現地調査団として派遣いたしまして、被害状況、現地の課題を把握してまいりました。
 特に、被災地方公共団体からは激甚災害の指定、あるいは風評被害への対応、JR山口線等の早期復旧をいただいております。特に、萩市は合併した北のほうの地域が被災されたわけでございますが、観光の名所である萩の中心地は被害はありませんので、そういったことでも風評被害によって観光客のキャンセルが相次いでいるということでございますので、是非これは関係省庁に働きかけをして、風評被害への対応をお願いしたい。こういうふうなことを私からもお願いをさせていただきました。
 まだ、全国的には梅雨開けをしていない地域がございまして、いろいろな災害が生じておりますので、引き続きしっかりと対応をしていただきたいということを私のほうからも各閣僚にお願いをさせていただきました。
 次に、首都直下地震対策検討のために、スーパーコンピューター「京」の利用について、御報告を申し上げたいと思います。このたび防災対策の検討のため、長周期地震動等の計算にスーパーコンピューター「京」を活用させていただくことになりました。「京」の活用については既に私が文科省にも要請して、その確保をお願いいたしておりました。今回、この「京」を活用することができました。これによりまして、今までの300倍の速さ、非常に複雑かつ多様な発生メカニズムを考慮してでも、広範にわたるシミュレーションを行うことができます。これによって、首都直下地震というのはあらゆる方面に影響が大きいので、最新の科学技術やその知見に基づいて論理的な検討を進めてまいりたいと思っております。
 それから、8月7日から8日、「子ども霞が関見学デー」というのがございます。小さい子供達に私が担当しております防災、警察並びに拉致の問題についてしっかり勉強していただこうと。私も実際子供達と会話の輪に入って、子供達の疑問にも答えていきたいと思っております。7日が防災と警察でございます。8日が拉致でございます。細かいプログラムについては、事務方に御確認をいただければと思います。
 それから、ベトナム社会主義共和国の訪問についての報告を閣僚懇でさせていただきました。8月1日、昨日、総理もズン首相と電話会談をしたと承知いたしております。
 それから、昨日、警察庁におきまして、御承知のように、交通違反の取締りについての検討のプロジェクトチームを第1回目立ち上げました。15時半から17時半まで2時間にわたって10名の有識者並びに学識経験者、あるいはモータージャーナリスト、プロのレーシングドライバー、あるいはPTA関係者、被害者の関係者の皆さん、こういった方々、広範にお出でいただいて、議論を始めさせていただきました。私も最初の議論で相当いい御提案等々もございまして、今後の運営の参考にさせていただきたいと思っております。この交通違反の取締りの見直し、あるいは速度規制の見直し、この二つのプロジェクトをつくっているわけでございますが、もう3か月ほど前から、警察庁内部でもこの議論をしておりました。交通の取締りの在り方も既に出来上がっているシステムとなっておりましたが、やはり不断の見直しをしていくということが大切でございます。
 私も6月3日の全国県警本部長の会議で取締りのための取締りであってはなりません。やはり真に事故防止に資する取締りをしていくこと。そして、取締りを受けた側も納得できる取締りをすること。そして、そのためには時間とか場所とか、その方法等々も不断の見直しをしていくということが大切です。こういうことを申し上げまして、そういった考え方に基づいて昨日は第1回の会議をさせていただきました。
 いろいろ意見がございましたけれども、やはり皆さん専門家でございますので、やはり海外の事例をよく承知しています。例えば、ヨーロッパ等々では、ゾーン30といわれるような生活道路とそれ以外は非常にしっかり分けている。そういったゾーン30のところには相当厳しい取締りをする。一方では、郊外の道は必ずしも多少それよりは厳しくはないというような非常にメリハリのある取締りをしているとかいうお話もありました。
 今度、我々道交法の一部改正をしましたけれども、やはりイギリス等々を中心にラウンドアバウト交差点がございますけれども、こういった活用もいいのではないかというような非常に前向きな提案もございました。是非、地方公共団体におかれましては、ラウンドアバウト、実際に実証実験、飯田、あるいは軽井沢でやって一定の成果が出てきております。ラウンドアバウト交差点というのは信号をつくらないで、ロータリーにして、必ずこのロータリーを回らないと左折も右折も直進もできない。こういうことであります。多分皆さんも御存知だと思いますが、そういった取組も今度の道路交通法の改正によってできるようになりましたので、そんな取組をしていきたいと思っております。
 警察も幹部が6月にヨーロッパ各国を視察させていただいて、その交通違反の取締りの現場の実態等々についてつぶさに検討してまいりましたので、そういった検討結果もしっかり反映していきたいと思っております。
 また、どういう取締りをすれば、事故防止になるか。科学的に立証をしっかりしていく必要がある。どれぐらいの頻度でやることが効果があるのかということも含めて、そういうPDCAサイクルも活用した検証というのも必要ではないか。これは大学の教授、学識経験者からの御提案でございましたけれども、こういったことを始め非常に傾聴に値する御意見をたくさんいただきました。今後は、こういった御意見を基に二つのプロジェクトチームで議論を進めていきたいと思っております。場合によっては、この二つのプロジェクトで両方に関係することもございますので、そういった場合には合同でやるとか、弾力的な運営をしていきたいと思っております。これは警察庁だけの問題ではなくて、道路管理者である国土交通省の皆様方の御協力もいただかなければいけないことでございますので、このプロジェクトチームには国土交通省からも関係者が出席をさせていただいております。
 私のほうから、ちょっと今日はたくさんありましたけれども以上でございます。

2.質疑応答

(問)共同通信ですが、首都直下の被害想定のスパコンの利用についてなんですけれども、これはもう計算が始まったという意味ではなくて、これから。
(答)これからやります。これは、スパコンは皆様から活用の要請が非常に多い。それをきちんと整理をして、我々も使わせていただくということでこのスーパーコンピューター「京」を活用させていただくということに決まりましたので、先程申し上げましたように、桁の違う精度の高さでございますし、広範なシミュレーションもできますので、しっかりスーパーコンピューター「京」を活用して、シミュレーションを実施していきたいということでございます。
(問)震度であるとか。
(答)長周期が中心です。ほかにもやります。一番それが大変なんですよ。だからそこを中心にやります。
(問)NHKの村松です。豪雨の災害について、激甚の指定ですが、今のところの見通しとか、スケジュールを教えてください。
(答)これはやはり国交省、農水省始め、あと地方公共団体の皆さんができるだけ早く被害額、被害状況をしっかり把握していただいて、私どもとしてもできるだけ早い決定、激甚災害になるのか、あるいはそうではないのかも含めて、本激なのか局激なのかも含めて、そういった対応はできるだけ早くやっていきたいと思っております。今までの例もこの災害が一応収まってから後にチェックをしておりますので、そういったスピード感も更にアップして各関係省庁、各関係者にお願い、あるいは督励をしてできるだけ早くこの結論が出るように私としても指示をしていきたいと思っています。
(問)朝日新聞の斉藤です。
 麻生副総理の発言について、一件落着という話を伺いましたが、国際的な影響、もしくは影響があるとした場合、政府としてどういう対応をしていくべきかとよろしくお願いします。
(答)これはもう官房長官が連日会見をしております。それに尽きるというふうに思います。私もすべて原稿とか見ましたけれども、非常に憲法改正については慎重にやるべきだという趣旨のことをおっしゃったというふうに認識いたしておりますが、誤解を与えるような表現があったということで、御本人自身が撤回を正式に申し出ております。官房長官の会見、そこに尽きるというふうに思っています。

(以上)