山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年7月18日

(平成26年7月18日(金) 10:59~11:18  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨

 まず、海洋政策担当大臣として申し上げたいと思います。本日閣議終了後に総理官邸において海洋立国推進功労者の表彰式が開催されました。この表彰は海洋基本計画に位置付けられた内閣総理大臣賞ということですが、本日は総理が御多忙のために海洋政策担当大臣である私が代理を務めました。
 第7回となる今回は下町の中小企業等が純国産探査機の開発に取り組んだ江戸っ子1号プロジェクトとか、あるいはダイオウイカの研究の第一人者である国立科学博物館標本資料センターの窪寺恒己氏など、5名3団体、8者が表彰されました。本表彰によって国民が海洋に対する理解を深めていだたく機会となることを期待しています。
 なお、本日、内閣総理大臣から、7月21日の「海の日」を迎えるに当たってのメッセージが出されておりまして、官房長官記者会見においても配布されておりますので、お知らせをしたいと思います。
 それから、宇宙政策担当大臣として申し上げたいと思います。6月26日の宇宙政策委員会で、今後の宇宙政策の在り方を広く議論していくための検討体制として新たに基本政策部会が設置をされ、本日第1回の部会が開催されることになっています。
 この基本政策部会においては、安全保障政策と連携した宇宙政策の在り方とか、宇宙開発利用及び基盤整備に関する中長期のビジョン等について御議論をいただく予定になっています。本日の部会においては関係省庁から衛星関連施策等についてヒアリングをする予定と聞いています。今後とも宇宙政策担当大臣としてしっかりフォローアップをしていきたいと思います。
 基本政策部会のメンバーについては、新たに臨時委員として片岡晴彦IHIの顧問、久保文明東京大学大学院法学政治学研究科教授、あるいは後藤高志西武ホールディングス代表取締役社長の3名に加わっていただいております。全体のメンバーということであれば、後程またお知らせをしたいと思います。
 それからIT政策担当大臣として一言言及したいと思います。ベネッセの情報漏えいについてです。これは子どもの情報を含む760万件以上の個人情報が流出したということで、これは国民を大変不安にさせているということでは非常に遺憾に思っておりますし、不正競争防止法でしょうか、営業秘密複写容疑というのでしょうか、システムエンジニアの方が逮捕されたということです。これが事実だとすると非常にけしからんことだと思っています。
 私はこの事件は非常に罪深いと思っています。一つは個人情報を取り扱う事業者、真面目な事業者、あるいはこれからこの分野に参入しようと考えている人たちの健全で自由な経済活動を阻害することにつながるのではないか。このような形でなんとなくこのパーソナルデータに対する不安を持たれてしまう、そのような状況が生まれてしまうことに非常に懸念しております。極めて罪深いと思っています。
 もう一つは、今日細かいことは言いませんが、現行の仕組みについていろいろと考えなければいけない点があることもこの問題は明らかにしたと思います。ベネッセの社長が経済産業大臣に対して報告をされたというニュースを聞きました。しっかりとした原因究明をして、更にこれ以上の情報の流出がないようにきちんとした散逸防止対策を立てて、顧客の信用をしっかりと回復をさせていただくように是非お願いをしたいと思っております。
 それから、7月19日から24日にかけてアメリカに出張いたします。科学技術政策担当大臣、それから知的財産戦略担当大臣として関係者と意見交換を行う。関連施設への訪問も行います。具体的に言うと、下院に11回ぐらい当選しているのでしょうか、アメリカの共和党、保守派、下院議員のベテランのローラバッカー議員と4回目になりますがお目にかかっていろいろなお話をさせていただこうと思っています。特に科学技術政策全般について意見交換をしたいと思います。
 さらに、2年連続で世界大学ランキング1位のカリフォルニア工科大学、これは実は沖縄の科学技術大学院大学を作る時にも一つのモデルになったのですが、カリフォルニアにも足を延ばして科学技術政策全般について意見交換をしたいと思いますし、最先端の研究施設も見せていただこうと思っています。
 それから、知的財産戦略担当大臣として初めてハリウッドに足を延ばしたい。ハリウッドではいわゆるヒット作を生み出しているプロデューサー、何人かの映画プロデューサーと約束を取りました。製作会社の関係者とも会いますが、コンテンツを世界標準で発信していくためのヒントをつかみたいと思っています。よく約束が取れたなと思うのですが、何人かのプロデューサーと会って意見交換をさせていただこうと思っています。今回の出張も非常に盛りだくさんで科学技術政策担当大臣、知的財産戦略担当大臣としての今後の活動にしっかり反映させていきたいと思います。
 ここでプレゼンを行いたいと思います。政府広報の15秒CMをシネアドで展開したのですね。北方領土のキャンペーンとしてテレビのCMをスポットで行ったのですが、2月以降も実はシネアドということで映画館で使わせていただいて、なんと「アナと雪の女王」を2週間ぐらい全国で行って、36万人ぐらい入っていますから、数秒間のシネアドですが30万人以上が観た。友達から、全国から電話がかかってきたので本当に行ったのだと思いますが、加えて「神様のカルテ2」でも1週間ぐらい行ったので、40万人ぐらいの人が観たということでシネアドを振り返ってみたいと思います。

 

(動 画 上 映)

 

 ということで、これだけですが、シネアドはすごく大勢の人が観るということが分かりました。今月の下旬から、「思い出のマーニー」でも北海道から熊本までの27館で行いますので、このシネアドという手法はこれからかなり使えるのではないかと思っていまして、是非北方領土キャンペーン、このシネアドを有効に活用していきたいと思っています。
 ということで3分間、3分ぐらいだと思うのですが、是非エリカちゃんの新しい動画、「エリカちゃん(小学校先生編)」を観ていただきたいと思います。小さいエトピリカが出てくるというところがポイントです。どうぞ。

 

(動 画 上 映)

 

 ということで、ゆるキャラながら真面目な範囲の中でどこまでキャラを立てられるかという極めて難しい作業を今回も北方領土対策本部のスタッフに行ってもらいました。次から少しまた趣向を変えたいと思います。何か御質問があればお受けしたいと思います。

2.質疑応答

(問)NHKの高野です。ベネッセの関連でお伺いします。
 個人情報保護法の改正については官房長官が昨日でしたか、昨日も再び改正に言及されています。具体的にどのような形で改正を検討していきたいと思っていらっしゃいますか。
(答)個人情報保護法の改正については、高野さんご存じのとおりIT総合戦略本部にパーソナルデータの検討チームを設けて、ずっと議論を重ねてきました。どの部分を改正していくのかということは、ヒアリングもまだ行っていますので、これからいろいろじっくりと議論をしながら考えていくということだと思います。ただ、これもご存じのとおり改正のための大綱の中にあるように、第三者機関を作るというところはおそらく入らなければいけないと思います。あるいはパーソナルデータの目的外使用、第三者への提供が本人の同意なしで行えるような仕組みを導入するという点も改正のポイントになってくると思いますし、更に言うと民間主導による自主規制ルール、これは時代によってパーソナルデータの中味も個人の権利、利益の侵害という考え方も変わってきますから、法律は大筋を見て、例えば政省令とか規則とかガイドラインとかでもちろん対応するのですが、民間団体の民間主導による自主規制ルールのようなものも作っていくということになると思うので、その辺が多分改正のポイントになりますが、このベネッセの話を受けてどう改正の中味に反映されてくるかというのは現時点ではまだ分かりません。
(問)関連ですが、官房長官は名簿業者の規制に関して何らかやるべきだという発言をされていて、この前の消費者委員会からも名簿業者にどのような形で情報が渡ったかが分かるようにするべきだという意見も出しています。この点についてはどのようにお考えでしょうか。
(答)そこはですから、全体をよく見ながら、いろいろなヒアリング等々も重ねて考えていくということだと思います。
 これも高野さんよくご存じだと思いますが、パーソナルデータの検討会にもよく聞きに来られていたので。パーソナルデータ検討会はあくまでも個人情報保護を図りつつ、パーソナルデータの利活用を拡大して、これを経済成長に結びつけていくという切り口なので、いわゆる今回の事件のような名簿業者に対する対応というのは本筋ではないのですが、有識者の方々の中から問題提起がなされたので、一文というか1項入っているんですね。それは有識者のこの会議でもいろいろと議論が出ましたが、第三者へ提供する時のオプトアウト規程が、法律が考えているような形で運用されていない。名簿業者が法律の趣旨と違う形で活用しているという話は出てきています。
 それからもう一つ新聞等々でも書かれていますが、名簿業の業態、これをどこの主務大臣が担当しているのかということがはっきりしていない。この辺が改正の中で、法案を練っていく中で議論になるのではないでしょうか。
(問)関連ですけれども、最初の御発言で罪深いというお話があったかと思うのですが、個人情報保護法というのはそれを利用して業務をやりたい、産業をやりたい方とプライバシーの方の両立は難しいと思うのですが、改めてこのベネッセの事件を受けて改正を行う大臣としてどのようにお考えですか、その両立については。
(答)罪深いという表現が正しかったかどうか分からないのですが、とにかくこの分野は非常に経済成長に結びつく可能性が高いわけですね。いわゆるビッグデータの活用はグローバルな流れになっていますが、その中でも最も活用の価値が高いと言われているのがパーソナルデータです。ですからパーソナルデータを取り扱う真面目な事業者はたくさんいます。これからきちんとしたルールができれば参入しようと思っている人たちもいる。にもかかわらずこのようなことが起きると、なんとなくイメージとしてパーソナルデータの活用はなかなか大変なのではないかというイメージが広がってしまうことが何となく自由な経済活動を阻害する要因になるということを懸念しているということです。
 今、高野さんが言ったようにパーソナルデータ、いわゆる個人情報、プライバシーの保護と利活用の促進を両立させていくのは簡単なことではないのですが、そのために検討会で議論を重ねてきたので、それは私は可能だと思っていますし、今回の件を受けて心から思うことは、グレーゾーンのままにしておくと、このような事件があった時に、ものすごく振り子が極端に振れてしまう。今日、プライムニュースに出演して、パーソナルデータのいろいろな議論が有識者も呼んでいるということですが、そこでも言おうと思っているのですが、サスティナブルな仕組みにしなければいけないのだと思うんですね。つまりルールをきちんと決めて、それをきちんとフォローできる体制を作ることによって真面目な事業者がどんどん参入してくるメリットという方が私は大きいと思っています。
 ありがとうございました。

・説明資料(PDF形式:500KB)


(会見では一部動画を使用しています。)

(以上)