山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年6月13日

(平成26年6月13日(金) 9:37~9:49  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨

 まず、宇宙政策担当大臣として申し上げたいと思います。本日、新宇宙産業創造のための意見交換会第2回会合を行います。午後4時からということで、とにかく元気なベンチャーに宇宙産業にしっかりと入ってもらう、その環境作りのための意見交換会ということで、今回は、超小型衛星をテーマとして識者の方々から御意見をいただき、有意義な御議論ができればと考えております。
 それから、以前ここでプレゼンをさせていただいた「あなたのイノベーション大募集」で、小泉内閣府大臣政務官がイノベーション出前授業を行います。プレスリリースで御案内だと思いますが、来る6月17日、小泉内閣府大臣政務官が「あなたのイノベーション大募集」の一環として、品川女子学院でイノベーション出前授業を行う予定になっております。このような出前授業によって、イノベーションに対する理解が促進されるとともに、イノベーションに関する女子中高生ならではのアイデアが寄せられることを期待しております。
 それから、中国軍機による自衛隊航空機に対する異常接近について、領土担当大臣として一言申し上げたいと思います。
 11日、2度にわたり東シナ海上空で中国軍の戦闘機が自衛隊機に対して異常な接近を行うという事案が発生をいたしました。中国軍機による自衛隊機への近接飛行というのは、5月24日も発生したばかりで、その際に、我が国より中国側に対して厳重な抗議と再発防止を強く求めたにもかかわらず、今回同様の事案が発生したことは極めて遺憾であり、許しがたい行為だと考えております。政府としては、我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜く決意であり、外交ルートを通じて中国側に対し、我が国周辺海空域における偶発的事故の発生につながりかねない非常に危険な行為を二度と行わないよう厳重に抗議するとともに、再発防止を強く求めたものと承知をしています。領土担当大臣、海洋政策担当大臣としては、今後とも尖閣諸島をめぐる情勢に関する我が国の立場について、正確な理解が国内外に一層広く浸透していくよう、冷静かつ論理的な発信に一層努力をしていく所存です。
 中国側が、日本側の責任だと言っているようですが、改めて内外発信、特に対外発信の重要性を痛感いたしました。日本の立場が正しいということを理解をしてもらいたい、そのような意味でも領土担当大臣としての領土・主権をめぐる発信、またウエブサイトの充実等々も含めて、更に強化をしてまいりたいと思います。
 それから、理化学研究所の改革委員会の提言が取りまとめられました。科学技術政策担当大臣として見解を申し上げたいと思います。
 昨日、理化学研究所の改革委員会(岸委員長)が開催され、「研究不正再発防止のための提言」が取りまとめられたということは承知をしております。早急にCDB、発生・再生科学総合研究センターを解体することといった、理研にとって厳しい内容も盛り込まれておりますが、委員長をはじめ委員の皆さんが精力的に審議をされた結果であって、読ませていただきましたが、非常に説得力のある中身だったと思います。
 理研に対しては非常に厳しい中身ですが、特定国立研究開発法人の法案を担当する大臣として、再三にわたって理研にガバナンス、そして危機管理マネジメントがしっかりあるということを証明していただきたいということを申し上げました。野依理事長がおそらく今朝も文部科学大臣に会われて、午後、私にも会いに来られるということなんですが、この改革委員会の提言の中身をどう実現していくのか、これは理研の方で考える。あるいは下村大臣、文科省の方でいろいろと対応されるということで、おそらく理研だけでは対応できない部分もあると思いますが、この改革委員会の提言にあるような思い切ったことを行わないと、なかなか特定国立研究開発法人の候補として再スタートを切ることはできないと思います。私は、今でも理化学研究所は大変優れた研究開発法人だと思っていますし、それなりの世界的な業績も上げてきたわけですが、今回初めて、STAP細胞をめぐる問題の背景、経緯がかなり明らかになった状況を受けて、是非この改革委員会の提言を一つでも取り入れていただくように理研側には努力をしていただきたいと。ここできちんと再スタートできなければ、特定国立研究開発法人としての法案を秋の臨時国会に出したいとずっと言ってきましたが、秋の臨時国会に出すことも難しくなるだろうと思いますので、もう一回言いますが、理研には、この改革委員会の提言を重く受け止めていただいて、是非ドラスティックな姿勢を見せていただきたいと思っております。
 今日は、海洋政策、EEZ(排他的経済水域)等の海域管理の話と、それから知財戦略として関係3大臣に申入れを行ったことについてプレゼンをさせていただこうと思いましたが、延期をさせていただきます。
 何か御質問があればお受けをしたいと思います。

2.質疑応答

(問)読売新聞の梁田です。理化学研究所の件なんですけれども、今の御発言ですと、理研がきちんと改革委員会の提言を取り入れて再スタートを切らないと、秋の臨時国会に法案を出すことは難しくなるというお話だったんですが、やはり時間がかなりかかると思うんですね。なので、現状としてはかなり厳しいという御認識なのかということと、その場合は、もう一つの産総研(産業技術総合研究所)だけでというのも視野に入れていらっしゃるのかという点、確認させてください。
(答)特定国立研究開発法人を担当することになる科学技術政策担当大臣として、秋の臨時国会に、この特定研究開発法人の法案を出すということについては、もちろん諦めていませんし、その方向で進むのが一番望ましいと思っています。
 しかしながら、そのためには、改革委員会の提言に対して理研がどのように向き合っていくのか、どのように再発防止をしていくのか、ガバナンスを立て直していくのかと、このようなことについて、きちんと国民の理解を得られる対応をしていただかなければいけないということで、それがなかなか進まないと、秋の臨時国会に法案を出すということも難しくなると。あえてそこは厳しい注文をつけさせていただきました。
 それから、これは特定国立研究開発法人を担当する科学技術政策担当大臣として申し上げますが、STAP細胞をめぐるいろいろな論文の問題、今出てきているいろいろな疑義について、この改革委員会の岸委員長の報告書でいうと、この辺もきちんと明らかにするべきだということをおっしゃっていて、全くそのとおりだと思います。ですから、STAP論文についても明らかになっていないところは、調査をしないのではなくて、この辺のところも徹底的にきちんと、何が正しくて何がそうではないのかということを解明してもらいたいと思います。そのような姿勢があって、初めて特定国立研究開発法人の道が開けるんだと思います。
 何度も言っているように、特定国立研究開発法人の制度は、日本の科学技術政策を推進していく上では極めて大事だと思っていますし、安倍政権が掲げる成長戦略のコアの一つとして、科学技術政策イノベーションというものを捉えているということですから、このためにも特定国立研究開発法人は極めて大事だと思っていますし、更に言えば、これも甘利プランにも入っていますが、日本に科学技術イノベーションサイクルを作っていく。大学と産業界との橋渡しの機能を担ってもらうという点でいっても、これは非常に大事だと思っています。だからこそ、理化学研究所には真摯にこの改革委員会の報告書の中身を受け止めていただいて、厳しく自己改革をしてもらうと。そのことを強く科学技術政策担当大臣として望んでおります。
(問)フジテレビの鹿嶋です。関連で、この改革委員会は、理研について自浄作用が全く機能しない非常識な体質だということを厳しく指摘をしているんですけれども、この点に関連して、大臣は、この特定国立研究開発法人としてのガバナンスが必要だということをおっしゃっていると思うんですけれども、現時点においてその資格があるというふうに思われているのか。こういう状況であると、現時点においては厳しいという認識でいらっしゃるのか。その辺はいかがでしょうか。
(答)理化学研究所をどのように立て直していくかと、そのこと自体は下村文科大臣にリーダーシップをとっていただくということだと思います。そのことを断った上で、科学技術政策担当大臣としての見方を述べさせていただくと、まず、理化学研究所は研究開発法人としては依然として非常に優れたレベルの研究開発法人だと思います。実際、世界的な研究機関としての実績も上げてきたと思っています。
 ただ、特定国立研究開発法人に指定はまだ行っていないわけであって、特定国立研究開発法人に指定するための要素として、マネジメントとかガバナンスがしっかりしていることということも条件になっていますので、その意味でいうと、これからこの理研のガバナンスを立て直していくために、しっかりとした道筋を示していただかないと、なかなか特定国立研究開発法人の要件を満たすことにはならないということなので、もう一回言いますが、今度の結果を厳しく受け止めていただいて、本当に何がよくなかったのか、何が問題だったのかということを徹底的に逃げずに究明をしていただいて、その上でしっかり再発防止をする、あるいは新たにスタートする体制を作っていただきたいと、心からそう願っています。そうでなければ、なかなかこの法案を秋の臨時国会に出すことは難しいと思っていますので、もう一回言いますが、これを是非秋の臨時国会に出したいと、これは安倍内閣の科学技術政策を推進するためにも、日本に科学技術イノベーションサイクルを作るためにも必要だと思っていますので、科学技術政策担当大臣としては、そのような状況に結び付いていく理研の対応を強く期待したいと思います。
(問)琉球新報の問山です。昨日、自民党の沖縄振興調査会が、西普天間跡地に米海軍の医療データを活用した新薬の開発拠点であるOHMIC(沖縄ヘルス・メディカル・イノベーション・センター)の構想を提言しました。これに対して大臣も要請を受けられたと思うんですが、この実現性と今後内閣府での取組はどのようにしていくのかをお聞かせください。
(答)西普天間跡地利用については、しっかりと受け止めて前向きに対応していきたいと思います。OHMICについては、まず、沖縄県側あるいは宜野湾市の方ときちんと調整をしていただいて、どのような位置付けになるかということにもよると思いますが、少なくとも西普天間跡地利用全体については前向きに受け止めて、これを進めていきたいと考えております。
 ありがとうございました。

(以上)