山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年6月10日

(平成26年6月10日(火) 10:11~10:26  於:中央合同庁舎第8号館1階S106記者会見室)

1.発言要旨

 閣議については特に今日は御報告することはありません。
 最初にIT政策担当大臣として申し上げたいと思いますが、本日の10時30分より「IT利活用セキュリティ総合戦略推進部会」の第3回の会合を開催をいたします。当部会は、「世界最高水準のIT利活用社会」を実現するために、IT利活用とセキュリティのバランスのとれた政策を取りまとめるべく、様々な立場の専門家にお集まりをいただき、横断的な議論を行うものです。限られた時間ではありますが、前回に引き続きまして、2020年オリンピック・パラリンピック東京大会、更には、その先を見据えたIT利活用の促進、セキュリティ技術への投資、人材の育成強化等について建設的な議論をしたいと考えております。会議の詳細については、内閣官房情報セキュリティセンターにお問合わせください。
 このセキュリティ部会を作った意図はいろいろあるんですが、今日、この後、甘利大臣にもお目にかからないといけないので、時間が限られているので、どこかでまたこのIT利活用セキュリティ総合戦略推進部会を作った大臣としての狙い、考えていることを改めてプレゼンをさせていただこうと思っております。
 今日のプレゼン、急いで行いたいと思います。
 少し趣向を変えて。今日は、政策の報告というよりも、IT政策担当大臣、科学技術イノベーション担当大臣として感じていることを少し皆さんにプレゼンをさせていただこうと思うんですが、この「SNSが世界を変える!」ということを最近非常に感じております。特に政治の世界でもSNSが世の中を動かしていくという実例を少し紹介させていただきたいと思います。
 ソーシャルメディアの普及というものが急速に進展をしてきたということで、2004年にFacebookが登場して、2006年にTwitterが登場したと。今、世界における推移を見ていますと、少し伸びが止まっている、少し鈍ってきましたが、依然としてかなり増えてきているということで、2004年にBlackBerryができて、2007年にiPhoneが登場したということで、これは2008年時点ですが、アメリカのインターネットユーザーも2億2,000万人ということで、全人口の70%。ソーシャルメディアサービスの普及というものは、ものすごく本格的になってきているということです。
 実は、SNSと政治について一つの契機になったのは、オバマ大統領の大統領選挙におけるソーシャルメディアの活用だと思うんですが、2008年の大統領選挙のキャンペーンで、オバマ大統領が使ったSNS、いろいろあるんですが、Twitter、Facebook、Myspace、You Tube、Linked inということで、どのように活用したか。
 この有効活用の中でソーシャルメディア、公式サイトに関してはマケイン氏(ジョン・マケイン候補)を圧倒したということがありまして、例えばキャンペーンの公式サイトでいうと、バラク・オバマ大統領の訪問者数は230万人、マケイン氏が56万人だったということで、Twitterのフォロワーは、当時オバマ大統領が12万人、マケイン氏が約5,000人。Facebookのサポーター、2008年当時でオバマ大統領が240万人、マケイン氏が62万人ということで、4倍ですね。それから、Myspaceのフレンドも、それからYou Tubeのビデオの公設の本数もサブスクライバーも圧倒的にリードしているということで、視聴回数も2,000万回近くになっていると。対してマケイン氏が203万回ということで、ソーシャルメディアがオバマ大統領の勝利にかなり貢献したと。このキャンペーンにかなり貢献したということなんです。
 政治資金も、かなりウェブを使って、ネットを使って集めたんですが、大体キャンペーンの途中ぐらいで600億円ぐらい集まっていましたから、最終的に今数字をチェックしてみようと思うんですが、おそらく1,000億円ぐらい、いわゆるネットメディアで集めているということです。
 この有効活用の例。3と書きましたが、インターネットを駆使する候補者という、清新なイメージを広めたということなので、おそらくこれから総理を目指す、あるいは大統領を目指す、各国の首脳を目指す政治家にとって、SNSというのは、ソーシャルメディアというのは一つの鍵になってくるだろうと。これを活用できない人はリーダーになれない時代になっているのではないかと思います。
 何が良かったのかというと、オバマ大統領の場合について言うと、若年層支持者の掘り起こしに成功したこと。支持者の組織化・動員の実現。支持者がどんどんどんどん仲良くなって、グループを作っていくという現象もありました。幅広い層から献金を集める草の根的活動の活性化。先程申し上げたとおり、おそらく1,000億円ぐらい集めていると思います。政府から全くお金をもらわないでできたということですね。選挙戦においてマケイン氏に圧勝したということですね。少なくとも、ソーシャルメディアにおいてはオバマ大統領の圧勝でした。
 ということで、実は先般、安倍総理がインドの首相、ナレンドラ・モディ首相にツイートをしたんですね。これは実は私が総理官邸よりも早く、モディ首相が総理に対してツイートをしたということをキャッチしまして、おそらくお昼だったでしょうか、総理がモディ首相と電話会談をしたということもあるのかもしれませんが、その後、モディ首相が総理に対して日印関係は大事だという英語のツイートを送りました。後で見たら、諸外国のリーダーにも送っているんですが、おそらく安倍総理がすごく早かった。最初だったかもしれません。
 それをキャッチして、翌日、閣議の後に総理にお会いしてその話をして、やはりモディさんにツイートを返したらどうでしょうかということを私の方から進言をさせていただきました。モディ首相のTwitterのフォロワーは400万人以上ということで、このツイートで首脳がつながると。SNSでつながるということだけでも大きな宣伝効果があるのではないかと、僭越(せんえつ)ながら進言をさせていただいて、総理がそのことをすぐ分かってもらって、それは是非やってみようということで、ツイートをしていただきました。「Grate talking to you, Mr.Modi. I look forward to welcoming you in Tokyo and further deepening our friendly ties.」と、これだけです。
 ということで、大体8時からの1時間で660リツイートということで、これは5月20日です。もう少し経ったところなんですが、その当日でリツイート4,000、お気に入り1,000、フォロワーが3,000人増加して、インプレッション、このツイートが見られた可能性、160万人です。現時点、最新のデータをチェックしてみたら、ツイートを外す人もいろいろいるんですが、リツイートは少し減っているんですが、お気に入りが増えて、しかも総理のフォロワー、これだけで1万2,000人増えました。インプレッション、このツイートが見られた可能性を示す数が200万人近くになっています。
 もっと大きかったのは、この2人がTwitterでつながったということをメディアが取上げました。実はFacebookとTwitterは、それぞれ違うSNSとして機能があって、FacebookはFacebookで非常に影響力があるんですが、CNNとか、特にイギリスのBBCを見ていると、首脳がTwitterで発信した言葉というのは、結構取上げられるんですね。ということで、思ったとおり、すぐに欧米のメディアが反応して、インドだけではなくてオーストラリア、イギリス、世界各国のメディアで紹介されました。例えばこれはイギリスのguardianですから。ナレンドラ・モディ首相が、総理がTwitterでフォローしている3人のうちの一人になったという記事になっていますが、それぞれ各紙がこのように取上げています。おそらく、これからモディ首相が日本に来日するということで、日印関係がいろいろなところで、各国のメディアで報道されると思いますが、きっとこのTwitter、SNSでつながったと。極めて次の時代を象徴する出来事は、いろいろな意味で、いろいろな切り口で報道されるのではないかと思います。
 ということで、アメリカ合衆国、CIA(中央情報局)が最近SNSを活用しようということで、TwitterとFacebookのアカウントを開設をしました。8日18時現在で調べたんですが、50万人以上フォロワーがいます。アメリカはあちこちで政府機関がTwitter、Facebook、使ってますが、CIAでさえ、いよいよこのソーシャルメディアを活用し始めたということで、CIAの任務、歴史の情報の提供とか、あるいは博物館の収蔵品の画像等々も投稿されるということになっています。
 ということで、以前ここでプレゼンさせていただきましたが、私と小泉進次郎政務官の「あなたのイノベーション大募集!」でもFacebookとTwitterを活用しているということですね。だんだん募集が増えてきているんですが、是非良いイノベーションのアイデアをFacebookで送っていただいて、「いいね!」をたくさんとった人は小泉・山本座談会にも呼んでという、このプログラムを進めていきたいと思いますが、このイベントの、この企画の一番の肝も、SNSを活用するということです。一銭もかからずにこれだけの発信ができると。
 このような発想を安倍内閣が持っているということはとても大事だと思いますし、総理にはぜひSNSを、おそらく世界の他の首脳に比べて負けないぐらいきちんと使っていただいて、この安倍内閣のイメージビルディングを行っていただきたいと思います。領土・主権の内外発信を担当する領土担当大臣としては、ぜひこのSNSの活用、領土・主権の問題を発信するについても、領土を巡る発信についても、もちろん既にいろいろとホームページは、ウェブサイトは新しいのを作ったりしていますが、より活用していこうと考えております。
 ということで、最後に、時間がもうほとんどないんですが、今、TwitterからVineという6秒動画がありまして、この6秒動画がまた更に世界を変えていくという例を今日、説明しようと思ったんですが、ほとんど時間がありません。皆さんの質疑を受ける時間がなくなってきたんですが、6秒動画。これは安倍総理。何十万人も見ました。これは例えば佐々江大使(佐々江賢一郎駐米大使)。佐々江さん、これだけでイメージが変わったと思うんですが、この6秒動画がどんどんどんどん私のTwitterで流れていて、これもおそらく何十万人も見たと思いますが、山本一太のフォロワーがまだ15万人しかいないので、何とかこれを100万人まで増やそうと思って、今頑張っています。ローラバッカー下院議員です。もうこれでつながったので、ローラバッカーさんと今は、これは3回目だったんですが、既にいろいろとメール等々でやりとりをするという仲になりまして、このVineの意味はいろいろあるんですが、もう時間がないので、最後に。
 私は、いつも夕食の準備をしながらしゃもじマイクで6秒間歌っているので、全く誰にも迷惑をかけない最高のこれはストレス解消法だと思うんですが、これを1曲だけお聞かせします。たった6秒、御飯作っている最中。イアン・ギランと同じキーで声が出るという。ということで、Vineの可能性はいつかまた行いたいと思いますが。
 以上で記者会見を終わりたいと思いますが、あまり時間がありませんが、何か御質問があればお受けしたいと思います。

2.質疑応答

(問)沖縄知事選についてなんですが、今日の午前中、仲井眞後援会が知事の方に3選への出馬の要請をしました。それについての受け止めと、先日、また自民党の一部が翁長那覇市長に対して出馬の要請をしました。それらを含めた知事選への大臣の所感をお願いします。
(答)これは極めて微妙な問題なので、まだどのようなことになるかも分からないので、選挙についてのコメントは控えたいと思います。一つだけ申し上げたいのは、この1年6カ月、沖縄担当大臣として仲井眞知事におそらく34回ぐらい会っていると思うんですね。その中で一つだけ申し上げられることは、仲井眞知事は会う度に、もちろん私の担当は沖縄振興なんですが、沖縄の振興と未来のことしか語らないということで、本当に沖縄の将来を思っている方だと。そして、沖縄の未来のビジョンというものをしっかりと持っているということだけは常に感じておりますので、そのことだけ申し上げておきたいと思います。あと、選挙についてはノーコメントにさせてください。
(問)科学新聞、中村です。骨太方針の議論が本格化してきたんですけれども、科学技術予算についてはどのようにお考えでしょうか。
(答)骨太の方針についていろいろな多分これから表現について議論があって、これから短冊を入れたりするんですが、今のところ再生戦略も含めて、きちんと我々の行ってきたことが盛り込まれつつあると思っています。まだ途中の段階なので。骨太の方針についても科学技術予算、どこまでどう書けるのかということは分からないんですが、基本的に科学技術政策担当大臣としては科振費(科学技術振興費)も、質問の趣旨、不正確で申し訳ありませんでした。科学技術全体の予算が増えていけば、科振費も増えていきますから、この全体を増やしていくという方針は変わらないし、これは何度も申し上げましたが、予算戦略会議でも言いましたが、関係各省とも協力をして進めていきたいと考えています。
 よろしいですか、ありがとうございました。

・説明資料(PDF形式:601KB)

(以上)