山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年5月27日

(平成26年5月27日(火) 9:14~9:47  於:合同庁舎8号館1階S106会見室)

1.発言要旨

 今日はかりゆしでまいりました。昨日総理官邸で、沖縄県知事から総理と官房長官と私にかりゆしの贈呈式がありまして、早速、いただいたかりゆしを着てきました。これはシルクを使った、かりゆしウエアで、この夏、クールビズとしても採用されていますので、できるだけかりゆしを着てここに立ちたいと思います。
 最初に、日本学術会議担当の大臣として一言申し上げたいと思います。これは閣議でも発言をしましたが、日本学術会議において、平成27年度北極科学サミット週間2015を始めとする8件の国際会議を開催することといたしたく、御了解をお願いしたいという発言をさせていただきました。
 それから、閣議では、宇宙政策担当大臣として、H2Aロケット24号機の陸域観測技術衛星「だいち2号」の打上げについて、話をさせていただきました。今回の打上げで、我が国の基幹ロケットの打上げは23回連続成功ということで、29戦28勝と96.5%ということです。我が国の宇宙活動における自律性確保、宇宙利用拡大の観点からは、非常に意義のあることだったと考えております。引き続き、宇宙政策担当大臣として宇宙開発利用を積極的に推進してまいりたいと思います。
 それから、領土担当大臣としても一言申し上げたいと思います。5月24日、東シナ海公海の上空において、2度にわたって、中国軍の戦闘機が海上自衛隊機及び航空自衛隊機に対して異常に接近するという事案が発生しました。このような異常接近は決してあってはならないことだと思っています。偶発的な事故につながりかねない極めて危険な行為であり、極めて遺憾だと考えております。政府としては、我が国の領土・領海・領空を断固として守り抜く決意であり、外交ルートを通じて中国側にも厳重に抗議をした、再発防止を強く求めたと承知しております。
 今後とも関係部署において、周辺海域における警戒監視活動に万全を期していくとともに、不測の事態の回避・防止のために、中国側に対して自制とともに責任ある行動を強く求めていくものと承知しています。
 領土担当大臣としては、今後とも、尖閣諸島をめぐる情勢に関する我が国の立場について、正確な理解が国内外に一層浸透していくように、冷静かつ論理的な発信に努力をしてまいりたいと思います。
 それから、沖縄担当大臣として御報告申し上げますが、5月29日から30日にかけて、本土の情報関連企業等19社の幹部が沖縄を訪問いたします。地元関係者との意見交換、現地視察を通じて、沖縄のビジネス環境を実体験してもらう沖縄力発見ツアーを、内閣府・沖縄県共催で実施予定です。なお、国会日程が許せば、後藤田副大臣に同行していただこうと考えています。
 本年度から、改正沖縄振興特別措置法で、沖縄の新たな特区・地域制度が施行されました。各特区・地域制度が企業に十分活用され、産業集積が促進されるように、このツアーを始め各種の周知・広報活動に取り組んでまいりたいと考えています。昨年度、実は2度ツアーがありまして、6月9日から10日までは金融機関対象、18社に参加していただきました。昨年12月の際には製薬会社13社に行っていただきました。今年度は四半期に1回実施したいと考えています。
 それでは、今日のプレゼンをさせていただきたいと思います。
 今日は、ITコミュニケーション活用促進戦略会議、8回にわたって議論してまいりましたが、提言が取りまとめられましたので、その中身についてプレゼンをさせていただきたいと思います。
 タイトルは「ネット意識革命宣言」ということで、副題として「変革の原動力としてのITコミュニケーション」という形になっています。
 ITコミュニケーション活用促進戦略会議ですが、総理からの直接の指示を受けて、IT政策担当大臣である私の下に昨年12月立ち上げました。12月中に第1回の会合を開催いたしました。これまで8回議論を重ねてまいりましたが、5月26日に提言を取りまとめたということです。
 検討の中身ですが、ITコミュニケーションをより有効に活用可能とするための環境整備の在り方とその環境整備に向けた方向性及び具体的な活用を加速化させるために必要な、新たなルール作り等を検討すると、このようなことでしたが、これがITコミュニケーション活用促進戦略会議のメンバーですが、國領二郎慶應義塾大学常任理事を中心に、なかなかバランスのとれたいいメンバーだと思いますが、8回、濃密な議論をさせていただきました。
 概要をいくつかに分けて申し上げたいと思います。
 まず最初に、なぜITコミュニケーションの活用促進が必要なのかということで、課題先進国と言われている我が国は様々な課題に直面していると。このためにどうしてもイノベーションが必要であって、このイノベーションの鍵を握っているのがITコミュニケーションだと、このようなことになります。経済成長を続けるためには、従来の枠から踏み出した徹底的な生産性向上が不可欠だとうたっています。我が国がこれからいろいろな課題を克服して経済成長を続けていくためには、ITコミュニケーションを活用しないという選択肢はないということで、問題は、いかにスムーズにITコミュニケーションを社会に組み込んでいけるかということだろうということをこの中でうたっております。従来の枠から一歩踏み出したITコミュニケーションの在り方を検討する必要があると。これを達成するためには、IT利活用が進む諸外国のように、とにかくトップが強い意思を示していくということも、ここに書かせていただきました。
 普通の大臣の懇談会、政府の懇談会は、省庁間のバランス等々をとって、あまりはっきり方向性が出せないものもありますが、これはかなり明確なラインを打ち出せたと思っています。この会議でなければなかなか、ここまではっきりとした方向性は打ち出せなかったのではないかと自負しています。
 (次に、)ITコミュニケーション活用促進のための基本的考え方として五つの項目を挙げました。
 最初に持ってきたのが、対面・書面交付原則の見直しを通じて、特に医療・健康等の分野を中心にネットの利点を最大限活用すると、ネット対対面と、これは対立構図ではないと。この対立軸を脱して、ITコミュニケーションを阻害するこのような規制制度というものは見直しを図るべきだと。最低限、対面・書面交付と同等の選択肢としてネットが提示されるようにするべきだという、明確な方向性を打ち出しました。
 二つ目、自由なITコミュニケーションで安心を高めるためのインターネットを作る。自由と安心も対立する概念ではないと考えています。国民生活の安心を実現するのが実は自由なITコミュニケーションだという側面から、このように書かせていただきました。守られるべき人の安全もしっかり担保すると。安心を高めるためのインターネットを作ることが可能だと。リテラシーを身につけた利用者が自己責任の下でネットを活用することは妨げてはならないと書きました。
 三つ目です。諸外国との事業環境のイコール・フッティング、これも非常に重要だということでメッセージに加えさせていただきました。一律に細かい法規制を事前に作るというのは、技術革新による新しい可能性の芽を摘むと。特にITは進化のスピードが速いですから、このような分野における法規制は原則として事後的なものであるべきだとここで書かせていただいております。諸外国との事業環境のイコール・フッティング、これはIT戦略本部にいろいろな会議がありますが、あちこちで出ている指摘なんですが、日本独自の法制度ではなくて、やはりグローバルスタンダードを踏まえたものとするべきだと。ガラパゴスになってはいけないということです。
 (四つ目、)誰でも自由に安心してネットが使える環境を整備して新しいイノベーションを生み出すと。ここで書かせていただいたのが、インフラを圧倒的に安く高速にすることがインフラを利用する産業のイノベーションを促すということで、データの流通コストを下げていく試みが非常に大事だということを書かせていただきました。それから、アクセシビリティの追求、よりユーザーフレンドリーなITへの模索、これはこれからもずっと続けていかなければいけないということです。
 五つ目、発想の転換でITコミュニケーションのコストパフォーマンスを飛躍的に向上させ、国際競争力を強化させるということで、ITの急速な変化、オープン性の生み出す多様なイノベーションの活力を引き出すためには、これは日本独自の技術・仕様ではなくてグローバルスタンダードを踏まえると同時に、オープンな技術を奨励するべきだと。オープンイノベーションの議論もここでいろいろとあった記憶があります。それから、リアルとネットをいかに組み合わせるかという論点もかなり出ておりまして、ITの導入に併せて、BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)とか組織の壁を越えたデータの共有・連携を進めるということで、国際競争力の強化を図るべきだという点も指摘をさせていただきました。
 これが五つの基本的考え方なんですが、それを踏まえた上で、1、2年で取り組むべき施策6点と、それから中長期的に取り組む施策3点、これについても提言をさせていただいております。
 まず、1、2年で何を行うべきか、これは対面・書面交付原則の見直しに向けた指針を策定するという目標を掲げさせていただきました。きちんとした物差しを作らなければいけないと、それを検証して規制制度見直しの横展開を図るべきだということです。
 それから、無料公衆無線LAN環境の整備、これは2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えて、当然、無料公衆無線LAN環境の整備という官民挙げて取り組まなければいけないんですが、そのインフラを活用して新たなイノベーションの創出を図ると。将来的には更にこれをもっと東京から広げていくべきだという意見もありました。
 それから、2020年東京オリンピック・パラリンピックにおけるおもてなしサービスの充実のためにはITの活用が必要不可欠だろうということで、特に出たのは、電子決済の利便性向上と多言語対応等の言語の壁を乗り越えるための取組ということです。先般、東京都の舛添知事と会談したんですが、ソチオリンピックを見に行って、言語の壁というのは非常に感じたとおっしゃっていたので、科学技術イノベーション、特にITを使った言語の壁を乗り越えるための取組は、是非日本政府として重点的に行うべきだと考えています。
 マイナンバー制度の利用拡大、これは当然のことだと思います。それから、消費者が安心して電子商取引を利用できる環境の整備、なりすましECサイトがありますが、ここでもいろいろ議論が出たんですが、サイバーセキュリティー、ITセキュリティーというものをきちんと行っていく必要があるだろうという論点も盛り込ませていただきました。
 それから、ビッグデータの利活用ですね。これも何度もここで申し上げていますが、ビッグデータが大きな価値を生み出せるようなシステム作りを推進するべきだということです。
 これが1、2年で行うべきことということです。
 中長期的な視点で行うべきこととして三つ挙げさせていただきました。
 ここにアクセシビリティの追求、グローバルスタンダードの獲得に向けた国際標準化・国際展開に向けた取組の推進と書いてありますが、高齢者とかハンディキャップのある方でも自然にITコミュニケーションを利用できるようにすると。そのアクセシビリティを高めるための取組みが必要だと。先程申し上げましたが、日本国内でしか通用しないガラパゴス化とならないということが非常に大事だと思いますので、国際標準化、これは極めて大事だと思っています。これを踏まえて国際展開を図っていくべきだということです。
 それから、あらゆるものがネットにつながるスマート化された社会の実現ということもここにうたってあります。
 そして、ITを適切に使いこなせる利用者の裾野を広げるためのリテラシー向上策、このリテラシー向上策の必要性というものも各回の議論でかなり出されていました。どの時代でもITの進化に取り残された層が生まれ得るということで、このためには学校教育が大事だろうと。学校教育におけるリテラシー教育が非常に重要だという視点と同時に、サービスの提供者も含めた産官学が連携してリテラシーの向上策を推進すべきだということも、この報告書の中にうたってあります。
 今後の方針として、この報告書の中身を元に、世界最先端IT国家創造宣言の改定に反映させていきたい、成長戦略の柱として施策を推進していきたいと思います。
 私はIT政策担当大臣ですから、ITコミュニケーション、IT利活用の裾野を拡大するということは私の基本的な立場ですので、この観点から、これからいろいろな議論があると思いますが、閣議決定される新しい改定版の世界最先端IT国家創造宣言にこのITコミュニケーション活用促進戦略会議の中身を反映させていきたいと思います。
 それから、この会議は総理からの直接の指名で立ち上げましたので、この中身については、総理ときちんとアポをとって、私の方からしっかりとこの中身を反映していただくように直接お願いをしたいと思っています。
 ということで、今日は長いんですが、急いでいきたいと思います。総合海洋政策本部参与会議の意見書、これについても改めて御報告したいと思います。
 昨日、実は総合海洋政策本部参与会議の新旧の座長が、交代したということで、これまでずっと務めていただいた三菱総合研究所理事長の小宮山宏前座長と、今度新たに座長になっていただく宮原耕治日本経済団体連合会副会長・日本郵船会長、お二人と一緒に総理に会ってまいりました。総理に会って直接、参与会議の意見書についても御説明をさせていただきました。
 総合海洋政策本部参与会議、これは言うまでもありませんが、海洋政策の重要事項について審議するということで、総合海洋政策本部長、総理に意見を述べるために、平成19年10月に設置されました。有識者10人です。海洋基本計画(平成25年4月)において、特に重要と考えられる施策について、参与会議の下に設置されたプロジェクトチームにおいて集中的に検討して、意見書を作ったわけですが、5月22日に私がこれを受け取りました。
 プロジェクトチームは三つありまして、一つは海洋産業の振興・創出です。もう一つは、海洋情報データをしっかりと共通化して公表するというプロジェクトチーム。もう一つが、EEZ、排他的経済水域等の管理に関するプロジェクトチームということで、この三つのプロジェクトチームに分かれて議論を進めていただきました。見ていただいたようにそうそうたるメンバーです。
 意見書のポイントを簡単に言いますが、まず新海洋産業振興・創出についてですが、既存の産業に加えて、新しい海洋産業を創出して成長産業へと育成していくことが必要だということが1点。それから、海洋石油・天然ガス、益々期待されているメタンハイドレート、海洋再生可能エネルギー、ここに洋上風力がありますが、このような産業化を推進していくべきだという論点を盛り込んでいます。それから、当然ですが、海洋人材の育成が大事だということです。
 二つ目のプロジェクトチームの議論ですが、海洋調査・海洋情報の一元化・公開ということで言うと、共通ルールをきちんと作りましょうということですね。これは小宮山前座長の方からよくありましたが、海洋情報もきちんとオープンデータにすることで、産業化を促していけるのではないかという視点があります。MDA、これは海洋監視というのか、海洋状況把握というのか、MDAについては、海洋政策、宇宙政策等が連携した体制の下での検討が必要だということなんですが、MDAはとにかく海洋情報をリアルタイムに共有する取組なんですが、先般、宇宙戦略室と総合海洋政策本部事務局で、宇宙・海洋政策連携会議というものを作って、第1回目は、JAXAの理事にも来ていただいて、国家安全保障局の人も呼んで会議を行いました。連携についてはしっかりと進めていきたいと思っています。それから、世界に先駆けた新たな海洋調査技術の開発、これも非常に大事だと思っています。
 EEZ等の海域管理ですが、海洋の計画的な開発利用保全と海洋産業の振興を目的として法制度の整備が必要、すなわちEEZの包括法は進めるべきだという考え方でこの意見書は一致しています。地理的・地形的な特性を踏まえて、開発と環境保全のバランスのとれた透明性のある制度が必要だということをうたってあります。
 諸外国の法制度がここにありますが、同じような法律は中国も持っていますし、豪州もカナダも英国もドイツもアメリカもあるんですね。EEZを対象としたいろいろな海域管理の法律があるわけで、日本はこれを包括的に進めるための法律がありませんから、これはしっかり進めていきたいと思っております。
 御存じのとおり、私の下にプロジェクトチームが立ち上がっています。私、海洋政策担当大臣を中心に関係各省の副大臣を集めたチームで、これまで2回議論してまいりましたが、明日の夕方、第3回目を行うということになりますので、このようなことも踏まえて、このEEZ包括法は、しっかりと前に進めていきたいと思います。昨日、いろいろとこの件については総理とも情報交換、意見交換をさせていただきました。
 今日は少し長かったですが、最初のプレゼンを終わらせていただきたいと思います。何か御質問があればお受けしたいと思います。

2.質疑応答

(問)NHKの高野です。ITの提言についてですが、その中で規制緩和に向けた指針の策定をするべきだという提言がありますけども、大臣としては、ここには1、2年と書いてありますが、どれぐらいの期間でどういった指針を策定すべきだというふうにお考えでしょうか。
(答)それはこれからの議論だと思いますね。1、2年ということですから短期的な課題だと思います。今、IT総合戦略本部の下でパーソナルデータの検討も行っていまして、これからIT利活用を考えていく上では重要な議論を今行っているわけなんですが、しっかりとしたルールがないと、なかなかそれを踏まえて先に進めないということがありますので、提言というか、例えば対面・書面原則についてのガイドラインを作るということが確かあったと思うんですが、そのようなことをきちんと作って先に進めていくということが大事だと思います。基準を作ると。しかしながら、その基準を作るときは、日本独自のものではなくて、グローバルなスタンダードというものを考えた、ガラパゴス化しないものにしなければいけないと思っています。
(問)関連ですが、ネット取引等をめぐっては、一般用医薬品で規制改革会議等で議論がされてきたかと思うんですが、今の現状では足りないというか、指針が必要だというふうにお考えでしょうか。
(答)もちろん、政府内のいろいろな議論は議論としてあると思うんですが、今回の報告書が政府内の議論と全く矛盾しているとは思っていませんが、何度も申し上げているとおり、課題先進国と言われている日本がいろいろな制約を乗り越えて経済成長していくためには、ITが必要だろうと。そのためにはITコミュニケーションの拡大が必要だということで、更にITコミュニケーションを進めるためには、まだまだ行うことがあると、まだまだいろいろな課題があるということをこの提言の中でうたわせていただきました。
(問)関連ですけれども、一般的にはネットへの不安もある中で、ネット活用を進める意義というものをどういうふうにお考えでしょうか。
(答)それは、今、高野さんが言ったネットへの不安をきちんと解消していかなければいけないと。つまり、ITの利活用、ITコミュニケーションを進めるということは、例えば医療・福祉の分野においても、社会的に弱い立場にある人達にむしろ(ITの利活用は)プラスに働くということだと思うんです。先程申し上げたとおり、これから日本がいろいろな制約、少子高齢化も含めたいろいろな制約を乗り越えて成長していくためには、イノベーションしかないと思うんです、科学技術政策担当大臣として申し上げると。イノベーションの中核はIT戦略だということですから、もう一回言いますが、日本がこれからも経済成長を続けて、国民生活を豊かにしていくためには、ITの活用が不可欠であると、そのためにはITコミュニケーションをしっかりと広げていかなければいけないということです。
(問)科学新聞の中村です。関連なんですが、これ全体を通じて、自由だけども安心を高めるインターネットとか、書面・対面原則もそうなんですけど、結局はマイナンバーをどういうふうに活用するか、今の活用範囲ではなくて、より幅広く、例えば一般的な認証なんかにも幅広く活用するようなことをやらないと、なかなか実現しないと思うんですが、それについても1、2年で前倒しというふうになっているんですけども、具体的にマイナンバーの利用範囲をどのように、どの範囲まで広げて、3年後の見直しというのをどこまで早められるのか、それについてはどのようにお考えでしょうか。
(答)マイナンバーの議論をするとものすごく長くなるので、マイナンバーの制度設計の話は避けたいと思いますが、この報告書はもちろんマイナンバーにもつながってきますし、パーソナルデータの検討会の議論にも影響を与えると思うんです。とりあえずここに書いたことは、まず我が国として意識革命が必要だという宣言をきちんとしておくということになると思います。もちろんこの枠に従って、国民の安心をしっかり得つつも、しかしITコミュニケーションで一歩踏み出さないといけないということをここの中でうたっていますから、大きな流れの中でいろいろな議論をIT政策担当大臣として加速できるように、後押しをしていくということに尽きると思います。
(問)そうすると、この報告書の位置付けとしては、6番のビッグデータの利活用なんかも、パーソナルデータの検討に大きな影響を与えると思いますが、今、政府内で行われている様々な検討を後押しするという位置付け。
(答)今、パーソナルデータの議論にも影響を与えると言ったのは、この報告書が直接、別にパーソナルデータの検討会で議論されるということではないんですが、ここで作った基調、流れというものは、いろいろなところに多分影響を与えるんだろうと思うんです。後押しするというか、この報告書の中身を、これから6月に向けて取りまとめられる世界最先端IT国家創造宣言改定版に反映できるように努力をしていくということです。これは大臣の下に総理の直接の依頼を受けて立ち上げた戦略会議ですから、そこで得た結論、議論の中身をできる限り、これから閣議決定される世界最先端IT国家創造宣言の中に織り込んでいくように努力すると、このような位置付けです。それにプラスアルファ、IT政策担当大臣として、総理にこの中身について直接私の方からもお話をしたいと思っています。
(問)では、少なくとも、2020年を見据えて1、2年で取り組むべき施策については、必ず1、2年の間には実現するという意思、宣言というか。
(答)この報告書の中身はそのような方向をうたっているんです。ですから、この報告書に書かれたことをできるだけ実現に近づける、一つでも実現させるように最大限努力するのがもちろん私の使命だと思っています。
(問)読売の梁田です。海洋の関係なんですけれども、参与会議の意見書で、改めてEEZの包括法は必要という認識、大臣としてもお持ちということなんですが、今国会に関しては大分終わりが見えてきている中で、今後のスケジュール観についてどのように想定していらっしゃるのかお伺いします。
(答)法案化については、法律については、もう御存じだと思いますが、海洋基本計画の中で、EEZの管理に関する法整備を進めると書いてあるんですね。それに従って慎重に議論を進めてきたんですが、これは現段階で、いつ法律にできるかということはわかりません。ただ、この議論をきちんと加速させていきたいと。この意見書の中でも法整備が必要だとうたわれているわけですから、そこは、私の下に副大臣を集めた会議もありますが、それは各省から話を聞くために作ったので、これから、この提言を受けてどのように進めていくかということは考えたいと思います。
 今国会に提出するということは、もう間に合わないと思いますが、将来的に海洋政策担当大臣の意思として、この法案はできるだけ早くまとめて、国会に提出すべく努力はしたいと思います。ただ、それはどのぐらい各省との調整に時間がかかるか、これからどのようなメカニズムで進めていくかによると思います。
(問)琉球新報の問山です。先程発表された沖縄力発見ツアーなんですが、今回で3回目ということなんですが、過去2回で、例えば沖縄県に誘致につながったなど成果などあれば、お聞かせください。
(答)まだ直接的な誘致につながったという例は聞いていませんが、例えば後藤田副大臣が、確か製薬関係の方々と行かれたときには、向こうでいろいろな人脈、人のつながりはできたと思うんです。例えばOIST(沖縄科学技術大学院大学)の研究者と製薬会社の幹部の方の間にネットワークができたり、これからいろいろ情報交換することになったりとか、このようなところから始めていくのが大事だと思うんです。
 これは非常にいい試みだと思うんです。いずれにせよ沖縄の経済を振興させていく、沖縄を将来的に日本経済のフロントランナーにしていくためには、沖縄にどんどん投資を呼び込んでいく、沖縄に世界の注目を集めていくということが大事だと思うんです。ですから、一人でも多くの企業関係者の方に沖縄を見てもらうということが大事だと思います。
 これは大臣としての本当に個人的な考えですが、確か沖縄ナイトの時にも申し上げたんですが、例えばダボス会議(世界経済フォーラム)の地域版のようなものを沖縄に持ってくるということは非常に意味があると思うんですね。それは世界のCEO(最高経営責任者)が集まりますから、一人でも多く、沖縄を見てもらえば、大体みんな沖縄のファンになって帰りますから。昨日6秒動画のVineで知事と撮ったものをツイッターに載せましたが、「You are welcome to OKINAWA」とか言って、知事は本当に英語がお上手だなと思ったんですが、できるだけ多くの人に来てもらうということが大事だと思っています。
(問)時事通信の石田ですけれども、EEZの包括法の関係なんですけれども、これは議員立法でも、武見敬三とかがいろいろ進められていると思うんですけれども、そことの調整をどうされていくのかというのが1点と、昨日総理に会われたということなんですけれども、この包括法に関して何か総理から具体的な指示があったのであれば、教えていただければと思います。
(答)この包括法の関係について総理とどのような会話を交わしたかということは、ここではあえて申し上げない方がいいと思うので、きちんその件も説明しました。包括法の整備も含めた意見書の中身について、小宮山前座長と私の方からきちんと説明をさせていただいて、総理にはよく耳を傾けていただいたというところにしたいと思います。
 包括法についての議員立法は、党の方でもいろいろと議論されているようですから、そこはいろいろ連絡をとり合いながら、その動きも見ながら全体を考えていきたいと思いますが、もう一回言いますが、海洋基本計画の中にEEZをめぐる法整備を進めると書いてありますから、これは閣議決定された政府の方針なので、それに従って海洋政策担当大臣としてはこの話を前に進めていきたいと思います。
 ただ、何度も申し上げるように、これまで相当慎重に進めてまいりました。ただ、参与会議の報告も受けて、少しこれを加速させていきたいと思いますし、もう一回言いますが、海洋政策担当大臣としては、やはりEEZ包括法をきちんと作るという方向性をしっかり打ち出して、これからこの問題に取り組んでいきたいと思っています。
 よろしいですか、ありがとうございました。

・説明資料(PDF形式:840KB)

(以上)