山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年5月23日

(平成26年5月23日(金) 9:14~9:43  於:合同庁舎8号館1階S106会見室)

1.発言要旨

 今日は最初に、小泉進次郎政務官と2人で間もなくスタートさせるイノベーションについてのプロジェクトについてプレゼンをさせていただきたいと思います。
 まず、「イノベーションとは?」となっていますが、5月19日に総合科学技術会議が正式に総合科学技術・イノベーション会議に改組されました。今日実は夕方に総合科学技術・イノベーション会議の第1回目が総理出席の下で開催されるということになっているんですが、イノベーションというと、国民の方々はいろいろなイメージがあると思うんですが、法律上はこうなっています。「新商品の開発又は生産、新役務の開発又は提供、商品の新たな生産又は販売の方式の導入、新たな経営管理方法の導入等を通じて新たな価値を生み出し、経済社会の大きな変化を創出すること」となっているんですが、イノベーションは技術革新と訳されますが、最先端の科学技術だけではありません。例えば、国民の皆さんはイノベーションを聞いたことがあるが、どのような意味だろうとか、科学技術だから自分たちには関係ないかなと、このような意識を持っていると思うんです。つまりイノベーションという用語はある程度何となく浸透しているんですが、自分とは関係ないと、遠いものと感じている人が多いと、このような背景があります。
 3月の中旬ぐらいでしたでしょうか、小泉進次郎内閣府政務官がさっそうと大臣室に現れて、彼から実は非常にいい提案をいただきました。これはイノベーションというものは技術革新ではなくて、もっと広い意味で使われているのではないでしょうかと。国民の皆さんはイノベーションをどうもやや自分から遠いものと感じている。生活におけるちょっとした工夫も実はイノベーションなので、そのようなことを国民の方々に知っていただきたいということで、大きなイノベーションを生み出すためには小さなイノベーションの積み重ねが大事なので、イノベーションの裾野を広げると、このようなことが是非できないかと思っていると、このような提案を小泉政務官からいただきました。
 そこで私としても、これは非常にいいことだと。特に安倍総理には何度か申し上げましたが、私は日本人一人一人はイノベーティブであって、一人一人がこのイノベーションを行うことによって全員がアントレプレナーになっていく、そのようなアントレプレナーシップが実は、例えばベンチャー起業家を生み出す土壌を作るということになるということも言っていましたので、ある意味でいうと、小泉政務官とは同じ問題意識を持っているということですっかり意気投合いたしまして、それでは、国民の皆さんがイノベーションに親しみを持つ仕掛け作りを行おうという話になりました。イノベーションの機運を盛り上げていく。正に小泉政務官が言ったように、小さなイノベーションを積み重ねることによって何か新しいものが出てくる。それが安倍総理のいうイノベーションに適した国作りに結びつき、それが経済再生になっていくのではないかということが私たちの感覚です。
 そこで、この目的の下で実施部隊を作りました。イノベーションPRチーム「チーム・イノベー」と言います。中心は私と小泉政務官で行うということで、内閣府の若手中心のメンバーを選んでイノベーチームを結成しました。ベテランも2人配置しているんですが、中心は若手のいいメンバーであり、非常に雰囲気がいいと思います。
 ここで二つのプロジェクトを行おうと思っていまして、一つは、私と小泉政務官による「あなたのイノベーション大募集!」と、イノベーション座談会の二つを進めていきたいと思います。
 これは、やはり若手の人たちが考えたんですが、フェイスブックとかツイッター、このようなSNSを積極的に活用するプロジェクトにしたいと、このような趣旨です。
 このイノベーション大募集についてご説明したいと思うんですが、四つの項目で、投稿、意見を募集していきたいと思っています。
 一つは、これがイノベーションだと思うこと。それは、例えばインターネットとかLEDのような最先端の科学技術でもいいんですが、例えば洗濯機のくず取りネットとか乗り換え便利マップ、これは確か主婦が考え出したアイデアだったと思いますが、このように生活に身近なものでもいいんです。
 二つ目は、イノベーションに期待すること、期待するものということで、例えばこのように書きました、自動翻訳機とか自動運転、まだ開発途上にありますが、半分実現をしているというものもあります。介護用ロボットも、ロボットHALがこれからおそらくいろいろな意味で普及していくと思うんですが、例えば、このような今現実になりつつあるものだけではなくて、もう少し遠い未来の宇宙旅行、このようなことでもいいと考えています。
 三つ目、イノベーション日本語表現募集。これは、小泉政務官も少しこだわっていたところで、技術革新は、もう少しいい言い方がないだろうかということで、イノベーションにふさわしい端的な短目の日本語表現を募集したい。若い人からも含めて、もしかしたらはっとするようなアイデアが出てくるのではないかと思っていまして、いいのがあれば採用して、総合科学技術・イノベーション会議で使うということも考えております。
 それから四つ目、この人こそが日本のイノベーターだと、このようなことについても投稿を求めたい、意見を求めたいと思っているんですが、イノベーションについて一緒に語り合いたい日本人ということで、小泉政務官は結構昔の江戸時代とか戦国時代のお話をされていましたが、私はどうですかと聞かれて、例えば漫画界で言えば手塚治虫先生と、荒木飛呂彦さんではないかと。「ジョジョ」なんですが、とりあえずイノベーターはあちこちにいるということなんですね。
 このような四つのことについてフェイスブックで募集をしたいということで、フェイスブックのアカウントを持っていない人は、内閣府のホームページでも投稿可能ということで、当然ツイッターのアカウントも作りますから、そこでいろいろな考えを募集をしていきたいと思っています。
 どのような仕組みかというと、内閣府のホームページでもいいんですが、フェイスブックでとにかく「いいね!」をしてもらう。「いいね!」がものすごく多い人は、後で説明しますが、イノベーション座談会にも参加をしていただく。このようなインセンティブも設けて行いたいと思っています。
 キックオフイベントとして、私と小泉政務官のイノベーション対談というものを考えておりまして、これは平成26年5月28日、6時半から7時半の1時間なんですが、場所は、うちの議員会館に簡易スタジオがありまして、直滑降ストリームというウェブ番組を私が持っている。おそらく世界でウェブ番組を持っている大臣は私しかいないと思うんですね。あまりにも政治的に普通は危険ですから。一応イノベーター、イノベーティブな大臣でなければいけないので行っています。これは皆さん御存じのとおり、総理を含め全閣僚、全て呼びましたが、ここに小泉政務官に来ていただいて、このイノベーションの対談をするということで、この中継中、ツイッターでも質問を受け付けたいと考えておりまして、これはURLをもう取ってあるんですが、ハッシュタグ「#あなたのイノベ」ということでいろいろな意見を受け付けて、質問も2人でこの直滑降ストリームを通じて受けたいと考えています。
 これから投稿のイメージをもう少しわかりやすく説明したいと思うんですが、小泉進次郎政務官の例を挙げたいと思うんですが、基本的には応募者が投稿してもらうということで、最初の打ち合わせ会議の時に小泉政務官が言っていたのは、これは何といっても「せっけんネット」だろうと。小さくなった石鹸も最後まで使えるという、正に生活におけるイノベーションだと思うんですね。できるだけ画像を付けてもらうと、「いいね!」をつけやすいと思うんです。見た人が、とにかく「いいね!」と思うクリックしてもらって、「いいね!」はすぐ投稿の下に出ますから、一目で人気のある投稿がわかるという仕組みになっていますので、とにかくこのような写真を付けて送ってもらう、投稿してもらうというのが非常にインパクトをつける意味ではポイントではないかと思っています。
 ということで、イノベーション座談会について御説明したいと思いますが、研究員、会社員、学生、主婦、どなたでも結構なんですが、いろいろなジャンルの人が私と小泉政務官とともにイノベーションについて語り合う座談会を開催する。私と座談会を行いたいという人がいるかどうかわかりませんが、小泉進次郎政務官と行いたいという人は100倍ぐらいいると思いますから、ここをインセンティブにしたいと考えていますので、とにかくこの2人が参加するということで、また、この人こそがイノベーターだということで選ばれた人もお招きをして、「いいね!」を多く集めた応募者、これを我々の方で選んで、投稿してくださった方の中からこのイノベーション座談会に来ていただこうと考えております。
 今後のスケジュールを簡単に申し上げます。
 イノベーション会議に改組されました。総合科学技術会議の時代からで言うともう14回目になると思うんですが、総理の出席をいただいて、今日第1回目の総合科学技術・イノベーション会議を開催します。
 既に今日募集を開始していまして、フェイスブックのページも開いていますし、ツイッターのアカウントも立ち上げていますが、28日に2人でイノベーション座談会を直滑降ストリームを行うということで、1カ月ぐらいかけて募集をさせていただこうと。これはフェイスブック、ツイッター、ブログ、直滑降ストリーム等でとにかくどんどん情報を随時発信していって、大体6月末ぐらいに座談会の詳細を決めたい。参加者、日時等を決定して、7月にイノベーション座談会を行うということです。
 このイノベーション普及・啓発・定着プロジェクトは、小泉進次郎政務官からのアイデアだったので、一言小泉さんにも話をしてもらいたいと思います。
(小泉政務官)まず、大臣には本当にありがとうございました。
 実は、この2人でセットで記者会見に並んでいるということ自体も私はイノベーションの一つだと思っています。それはなぜかというと、私と山本大臣のこの2人の関係で指揮系統ラインは全く違うんです。私の直属のラインで言えば甘利大臣のラインで、山本大臣とは直接な仕事上の指揮権限のラインには入っていないのが私なんですね。
 私はさっき大臣から御説明があったとおり、技術革新という言葉がイノベーションの日本語の言葉としてよく使われる現場を見ていて、内閣府の様々な委員会とか有識者会議でもイノベーションイコール技術革新とか、あと新聞のイノベーションに関する記事を見ても、イノベーション(技術革新)というふうに使われている例が非常に多いです。だけども、これから日本にとって必要なのは、どうやって人口減少の中でも一人一人の生産性を上げて経済成長に結びつけていくかということを考えれば、イノベーションイコール技術とか製造業とかものづくりだけではなくて、非製造業、サービス業、そしてアイデア、様々な部分でイノベーションを生み出すんだという、その理解をできる限り一人一人多くの方々に持っていただくためには、もう一度イノベーションについて考える機会を与えて考えていただきたいと、そんな思いを持っていて、まず最初に、これはせっかくだから公募をやるべきではないかと、そういうふうに思って甘利大臣のところにお話をまず持っていきました。その結果、甘利大臣の方から、科学技術政策担当、そしてイノベーション担当である山本大臣にお話をしてくださいまして、そして山本大臣と面会をしてすぐにこういった形でやろうということで動いていただきました。本来であれば、政務の担当ラインというのは結構縛られる部分もある中で、その枠を超えてやろうというふうに動いてくださった山本大臣の判断も一つの政治の中でのイノベーションの表れなのかなと、そんなふうに思っております。
 今回のプロジェクトを通じて一人一人が身近なイノベーションを、これもイノベーションなんだということにつなげてもらって、今、来月のワールドカップのサッカーで盛り上がっていますけど、サッカーの本田選手や香川選手が生まれたのも、サッカーの人口が増えたというこの裾野が広がったことによって世界で活躍できる人材が生まれ、野球の世界においても、野球の裾野が広いから松井選手、イチロー選手、そして田中マー君、みんなが生まれたように、イノベーションも裾野を広げて世界の在り方を変えるような、そんなイノベーションを生み出していくきっかけとしたいと思います。小さい動きですけれども、これからの大きな日本発の世界を変えるイノベーションを生み出すような第一歩にできればなと、そんなふうに思ってこれからも山本大臣と一緒にやっていきたいと思います。
 ちなみに、さっきプロジェクターの方で例があった石鹸のネットの話は、イノベーションはスティーブ・ジョブズとか松下幸之助とか、そういった大きな歴史上の偉人だけが生み出すものではなくて、例えば主婦の方々がせっけんをそのまま使って、最後までなかなか使い切れないという中から、ネットに入れて使えば最後まで泡立てて使えるとか、そういった創意工夫を発揮して新たな価値を生み出すことも大きなイノベーションなんだと、そして私が最近いろいろなところから、「あなたにとってのイノベーションは日本語にすると何ですか」と聞く中で、一番ピンと来たのは、イノベーションとは未来の当たり前を作ることだと、おそらく私たちが使っているスマホとかタブレットも10年、15年前は決して当たり前ではなかったと思いますが、あれが生み出されて世界にインパクトを与えた結果、今では当たり前のものとなりました。これからそのイノベーションが未来の当たり前を作って、世界の当たり前が生まれたのは日本の過去からだったと、そういうふうにしていく機運を大臣と一緒に高めていきたいと思います。
 私からは以上です。
(大臣)ありがとうございました。
 それでは、何かこの件について御質問があればお受けしたいと思います。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。小泉政務官と山本大臣両方にお聞きしたいんですけれども、先程の、この人こそが日本のイノベーターということについて、山本大臣の例は教えていただいたので、小泉政務官はどう思うのか。
 それともう一つ、山本大臣の方は、これぞイノベーションだと思うことを教えてください。
(答)私がこれぞイノベーションだと思うこと。IT政策担当大臣として言うと、最近できた、シリコンバレーでも話題になっていましたが、Squareという小さな機械、あれカードリーダーでしょう。あれを持つことによって一人一人がすぐビジネスができるようになったと、これはかなり昨今では感動したものの一つですね。
 それからもう一つは、シリコンバレーで今話題になっているSmuleというベンチャーがあるんですが、「I Am T-Pain」というソフトがあって、「私は小泉進次郎です」と言うと、それがそのままT-Painのラップになるという感動的なソフトに私は感動いたしました。以上です。
(小泉政務官)イノベーションの人ですよね。大臣とお話しした時に私が例を挙げたのは、例えば戦国時代でいうと織田信長というのは、今までやったことがない楽市楽座とか様々なことを含めて歌舞伎者、イノベーターとしてよく取り上げられますけど、実は徳川家康というのはすごいのではないかという話をして、その一つの例で、実は徳川家康というのは鎖国の時代に外国人の顧問を雇って、ウィリアム・アダムスといって日本語名で三浦按針というんですけど、その三浦按針に領地を与え、自分の外交顧問として使ったんですよね。たまたま縁があって、その三浦按針の領地はうちの地元の横須賀なんですけれども、当時そういった時代に外交顧問、外国人を雇うという発想自体がとんでもないイノベーションで、そしてその後に天下太平の長年続く安定の世の中を作ったわけですよね。それはすごいなと。
 あと私の中では、落語が好きなんですけどね、中村仲蔵という伝説の歌舞伎役者がいまして、この中村仲蔵というのが落語の中の一つの有名な演目なんですが、中村仲蔵さんは、打たれたり刺されたりした時に、口の中から血が出る演出をする血糊ってありますよね、あれを発明したのは中村仲蔵さんで、必死にどういった演出をしたらいいかと考えて、苦境の中、歌舞伎の世界で大成をした人なんですけど、そういった存在の人だって当時からすると考えられないことをやったイノベーターであると思っています。
 現代もいろいろいると思いますけど、私が最近の中でイノベーションを感じたことというと、実は最近、新しいテレビを買いまして、そのテレビの新しい機能に、これを言ってしまうとどこの会社か多分わかってしまうんだけど、今日の時点から3日前までの全番組が自動的に録画をされていて、そして録画をされたものは倍速で見られるんですね。セリフが全部入るようになって。私は今、生でテレビを見ることがほとんどなくなって、限られた時間の中でどうやって有効に時間短縮して使うかとなった時に、大体ニュースも含めて、情報番組も含めて倍速で見るようになりました。そうすると、誰でも1日24時間しかない中で、その機能のおかげで、僕の中では24時間プラスアルファの時間を作ってもらったような、正に時間を生み出すイノベーションの一つだなと、そんなふうに感じて生活もそういった意味では変わりましたね。
(大臣)今、小泉政務官の話を聞いてすごくおもしろいと思ったんですが、もう一つあったな、Vine、6秒動画。今日も小泉政務官と撮ってツイッターに投稿しようと思うんですが、やはり6秒間のジャーナリストがあちこちに生まれた。その6秒間のVineを投稿していた夫妻が1カ月前ぐらいにメジャーレーベルからデビューしましたが、今までのビジネスモデルを全然変えますよね。昨日、舛添東京都知事ともVine撮ってきましたが、アメリカの議員とも撮ってきましたが、このようなものも大きく世の中を変えていくのではないかと、今、例の録画の話を聞いて、それも付け加えておきたいと思います。

 

(問)最近、日本ではなかなかイノベーションが生まれにくいんじゃないかという土壌がどうもあるんじゃないかというふうなことを言われるんですけれども、もしそういうものがあるとしたら、何が日本ではイノベーションを阻害していると考えていらっしゃるでしょうか、お二人に。
(答)(小泉政務官)一言で言えば、リスクテイクしにくい社会ではないですか。
(大臣)全くそのとおりだ。
(小泉政務官)私は今回のプロジェクトも通じて、また様々な他の政策とかも通じて、リスクテイクできる日本にしていきたいと思っていますから、そういったことからすると、日本というのはリスクをとって、その時に、失敗した時のリスクはとてつもなく大きいですよね。それを、失敗したっていいやと軽い気持ちでやることはいいのかどうかは別としても、やはりもっと挑戦してリスクをとれる、そしてトライ・アンド・エラーを繰り返してよりよいものを生み出していくという様々な仕組みが必要だと思いますね。
 私が時々例に出すのは、これって日本の中の意識の問題もあって、日本のマチュピチュと言われる竹田城ありますよね、わかりますか。グーグルのCMでも使われていますけど、日本のマチュピチュと言われている、今、観光地になった竹田城の跡があるんですね。そこがあまりにも観光客が行って、高い石垣の所から落ちるのが、落下したら危ないということで、安全柵が設置されたんですよ。これこそ僕は日本の悪しき一つの慣習だなと思いましたね。アメリカのグランドキャニオンの崖っぷちに安全柵なんか立っていないですから。そういう所に行くのは自己判断で、危ないというそのリスクがあったら、そのリスクを自分で評価して、判断して行動するというのが当たり前ですよ。それを日本の場合だと、落ちたらどうしようということで本来の景観を崩してしまうわけでしょう。そういった動きがあった時に、止まらなかった、そういったことはやめようじゃないかというふうにならなかったことも私はすごく残念だから、やはりリスクはなくて大丈夫ですよという環境を整えていくよりも、リスクはあるけど乗り越えていくという社会にしていかないと、私は人口減、少子高齢化で一人一人の生産効率とか生産性を上げなければいけないという中で厳しいなと、そういうふうに思っています。
(問)NHKの高野です。募集をされた結果について座談会でお話をされたり、あとイノベーションの訳し方については会議で使うかもというお話があったんですが、アイデアなりイノベーターだと言われた人、この諸々について今後国の政策にどのように生かしていこうとお考えでしょうか。
(答)ここでいろいろな議論が出ると思うので、まず国民の方々の意識を知ることができると思うんですよね。ここで行ったことが、例えばどのように個々の政策に反映されるかということは、なかなか今言いにくいと思いますが、小泉政務官が言ったように、イノベーションというものを一人一人の国民に認識をしてもらう。裾野を広げると先ほども言っていましたが、裾野を広げることによっておそらく小さなイノベーションから大きな社会を変えるような革新的なイノベーションが生まれるという土壌を作るということだと思います。しかし、そのプロセスの中でいろいろおもしろい話が出てくれば、場合によっては政策に反映させていくということはできると思うし、今言った、このイノベーションという用語について本当にいい訳が出てくれば、これが政府で使われるようになるわけですから、そのようなことも考えていければと思います。
(問)関連ですが、何らかいいアイデアなりがあった場合は、例えば来年度予算で予算をつけるということも含めて検討ということでいいんでしょうか。
(答)今の段階でそこまでは言えないと思うんですが、それはそのような可能性だってゼロではないと思いますよね。小泉政務官と一緒に行うイノベーションのキャンペーン、普及・啓発・定着キャンペーンの中で何かおもしろいアイデアが出てきて、それが何かの予算に結びつくという可能性はもちろんゼロではありません。それが正にイノベーションということだと思いますね。
(小泉政務官)ちなみにその関連から言うと、一つキャンペーンの中で、学校に出前授業に行こうと。それで、イノベーションを生み出す大きな役割を果たすのはこれからの若い世代ですから、その若い世代にイノベーションについて考えてもらって、また私たちに若い、私たちが考えるイノベーションはこれだというものを教えてもらおうと、そういったことも今考えています。
(大臣)ありがとうございました。
 では、このイノベーションの件はここで終わりたいと思います。ありがとうございました。

3.発言要旨


 それでは、引き続き閣議後会見を続けたいと思います。まず宇宙・海洋政策担当大臣として一言御報告をしたいと思います。
 司令塔同士の連携の先導的事例として、宇宙・海洋政策連携会議というものを今日開催したいと思っています。この会議は、宇宙政策委員会と総合海洋政策本部の参与が自由な意見交換を行う、宇宙政策と海洋政策をつなげるための試みでございます。グローバルコモンズという言葉がありますが、国際公共財である宇宙と海洋。例えば宇宙を利用した海洋監視(MDA)もありますが、政策連携の可能性が高い分野ですから、担当大臣としても、両分野の連携を後押ししていきたいと思います。
 昨今、内閣官房、内閣府に業務が集中し過ぎているのではないかという声もあります。業務内容は常にしっかり見直して取捨選択すべきだともちろん考えていますが、他方、内閣官房、内閣府の業務が増えているというのは、1省庁に収まり切れない行政ニーズが増えているということでもあると考えています。宇宙とか海洋はその典型であって、一つの省庁に収まり切らないからこそこの全体を俯瞰(ふかん)する、全省庁を指揮する司令塔が必要だと考えています。
 宇宙を活用すると海洋の広域を一気に監視するということができますし、宇宙と海洋というものは連携できる余地が大きいと思っていますので、この連携会議で本当にいいアイデアが出てくれば、宇宙・海洋政策に生かしていきたいと考えております。
 何か御質問があればお受けしたいと思います。

 

4.質疑応答


(問)今の宇宙・海洋連携会議なんですけれども、海洋の方は参与が出ると、宇宙の方はどなたが。
(答)宇宙政策委員会の委員の有志ですね。具体的に言うと総合海洋政策本部の参与の方は独立行政法人海洋研究開発機構平朝彦理事長と、それからNTTデータ古庄幸一特別参与に出ていただくということで、宇宙政策委員会の方は松井先生、千葉工業大学の惑星探査研究センター所長・東京大学名誉教授ですね。それから東京大学大学院工学系研究科中須賀真一教授、それから京都大学生存圏研究所山川宏教授ということですね。有識者として、JAXA(宇宙航空研究開発機構)から山本静夫理事にも出ていただこうと思っていますが、議題に応じて適切な参与、委員、有識者を集めて実施したいと思っています。
(問)第1回目の議題としては、今後の連携の可能性とかそういうことですか。
(答)そうですね、全体のことを少し意見交換することになると思います。
 よろしいでしょうか、ありがとうございました。

・説明資料(PDF形式:585KB)

 

(以上)