山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年4月4日

(平成26年4月4日(金) 9:24~9:44  於:合同庁舎4号館7階742会議室)

1.発言要旨

 おはようございます。
 今日は、閣議後の閣僚懇談会で政府情報システム改革について発言をさせていただきました。
 皆さん御存じのとおり、政府情報システム改革ロードマップというものを政府CIO(内閣情報通信政策監)を議長とするCIO連絡会議で昨年末に取りまとめておりまして、この中で目標達成の道筋がしっかりと見えてきたと、積極的な対応をいただいた各大臣に感謝を申し上げるということを申し上げました。
 同時に、政府情報システムの運用コスト、この3割削減についての目標については達成の道筋がまだ見えていない。後で簡単にプレゼンさせていただきますが、各府省の保有している情報システムの改革については、府省のCIOがしっかりリーダーシップを持って協力をしていただきたいということを申し上げました。
 例として、社会保険オンラインシステムの話をさせていただいて、この具体的な取組を参考にしてもらって、所管の業務・システムを徹底的に見直して、真に必要なIT投資を行うようにCIO連絡会議への出席も含めて政府CIOへの督励をお願いしたいと、このようなことを閣議後の閣僚懇談会で発言をさせていただきました。
 ちなみに、CIO連絡会議は出席率がどんどん上がっていまして、本人出席が確か前回7割を超えたと思います。特に厚労省は確か官房長がCIOですが、かなり積極的に出てきていただいているということで大変協力をしていただいているということです。田村厚生労働大臣にもこの間お目にかかったんですが、後でプレゼンで触れたいと思います。
 次に、沖縄振興担当大臣として一言申し上げたいと思います。
 4月1日の会見でも御説明いたしましたが、経済金融活性化特別地区の創設等を内容とする改正沖振法(沖縄振興特別措置法)が4月1日に施行されました。この法律に基づいて経済金融活性化特区の指定について、沖縄県から名護市をその区域として指定するよう4月1日に申請がありました。本日11時より開催される沖縄振興審議会で御審議をいただく予定になっています。審議会における審議の上で了解をいただければ、可能な限り早く経済金融活性化特別地区の指定の手続を進めてまいりたいと考えています。これも御存じのとおり、金融経済活性化特区は対象業種を金融業に限定しないと、知事が設定する多様な業種を集積の対象として、広く企業、人、投資を呼び込む枠組みを創設するということで、この制度が企業に十分活用されて、沖縄における産業集積の進展、企業活動の活性化が実現できることを期待しています。内閣府としても、この経済金融活性化特区を始めとする各特区、地域の制度、このようなものが効果的に活用されるようにしっかりと制度の周知を図っていくと、これは過去のいろいろな反省も踏まえて、制度の周知を図るということで非常に大事だと思っていまして、実際に企業進出、投資につながるよう取り組んでまいりたいと思います。
 反省と言いましたが、ある程度実績が上がったと思うんですが、十分ではないところもありましたから、それについてはしっかりこれを進化させていきたいと考えています。
 更に沖縄担当大臣としてお知らせを申し上げたいと思いますが、毎年4月下旬に沖縄県の宮古島で開かれている全日本トライアスロン宮古島大会、これは国内最大の大会です。ロングディスタンス種目というんでしょうか、国内外からも高い評価を得ているということで、先週3月25日に下地宮古島市長から、本大会において内閣総理大臣賞及び内閣総理大臣杯を新設してほしいという強い要望をいただきました。本大会において、これまで20年間にわたって内閣府特命担当大臣賞と大臣杯を授与してきたという実績もありますし、今後更なる発展が期待されるということ等から、今般、30回目の節目を迎える本大会において、内閣総理大臣賞及び内閣総理大臣杯を新設するということといたしました。国内外に向けて本大会の魅力が一層発信され、第30回の大会が大いに盛り上がることを期待を申し上げたいと思います。
 宇宙政策担当大臣としても一言申し上げたいと思います。
 昨日4月3日の宇宙政策委員会、私も冒頭出席をさせていただきましたが、この宇宙政策委員会で宇宙輸送システム長期ビジョンが取りまとめられたと承知をしています。同ビジョンの検討においては、新型基幹ロケットの更に先の2040年から2050年ごろを見据えた将来の宇宙輸送システムについてのビジョン、これを精力的に議論していただきました。このビジョンは、宇宙利用の飛躍的拡大に向けて再使用型宇宙輸送システムによる低軌道領域の宇宙輸送コストの大幅な低減を目指すべきなどとしております。確かコストを100分の1にするという目標を掲げていますので、100分の1にするということは、これはもう宇宙船といいますかロケットを再利用するしかないので、いくつかの技術パスについて議論があるんですが、低軌道をずっと回ってそこからまた宇宙に行くとか、おそらくスペースXが行っているようなグラスホッパー型のような形で行うとか、いろいろな可能性が議論されたということですが、これが将来の我が国の宇宙輸送システムに対して挑戦的で夢のある目標を提示した中身になっていると認識をしています。
 それでは、今日のプレゼンを行いたいと思います。これも簡潔に行いたいと思います。
 政府情報システムの改革に向けた取組、少しアピールをさせていただきたいと思うんですが、昨年6月に閣議決定された世界最先端IT国家創造宣言の中で、2018年度までに、今ある1,500の政府情報システムを半減させると、2021年度までに、運用コストの3割圧縮を目指すと、このような目標を立てました。
 全ての情報システムを対象にした改革ロードマップの中に入っているわけなんですが、基本的考え方として、統廃合・クラウド化の徹底、運用コスト削減、業務改革(BPR)の徹底等が盛り込まれています。
 情報システム数の推移の見込みですが、2012年度で1,450あるわけですが、これは統廃合・クラウド化を進めることによって、2018年度の情報システムは619まで減少したということで、57%減ということですよね。これは、つまり619まで減少できる見込みが立ったということですね、まだ2018年になっていないので。つまり、2つの目標のうち、先程も申し上げましたが、情報システムの半減ということについてはほぼ達成のメドがついたと、これは遠藤CIOを始めIT総合戦略本部の大変な努力による結果だと思っています。更には、252の情報システムを政府共通プラットフォーム(PF)に集約化をしていくということになりまして、これも大体メドがついたということですね。
 省庁別の情報システムの数を見ると、各省庁きちんと協力をしていただいているんですが、特に厚生労働省を見ていただきたいんですが、この数字、283から54になったということで、8割以上削減するということで、厚労省の協力には大変感謝を改めて申し上げたいと思います。
 政府共通プラットフォームの話ですが、各省が今別々に整備・運用している情報システムを、順次、政府共通プラットフォームに統合・集約化をしていくということで、運用コストの削減、セキュリティの強化を図るということなんですが、2018年度までに252システムを集約する、2021年までに300システムを集約するという、このような目標になっていまして、これはここで終わりではなくて、更にどんどんこれを増加させていくということになると思います。ここはあまり細かく説明しませんが、このような流れになっている。整備前はこんな感じだったのが、整備後はクラウド化をして政府共通プラットフォームに集めていくということです。
 ただし、3割削減の方なんですが、これはなかなか簡単にはいかないということで、政府情報システムの運用コストの3割削減の話ですね。これは、4,000億円あるんですが、この多くは社会保険とかハローワークなどの大規模システムが占めていまして、例えば社会保険オンラインシステム790億円、これは厚労省ですが、ハローワークについては470億円ということで、平成25年度予算ではこのようになっております。これを見て一目瞭然ですが、厚労省が36.6%を占めている。次が財務省13.2%、総務省9.8%と、このように続きます。
 ということで、特に厚労省について言うと、この取組を進めていくためには厚労大臣の協力が必要だということで、実は4月1日に厚労大臣を訪問して、今後のシステム刷新の取組強化について協力を要請いたしました。社会保険システムの方は、厚労省の方でもう既に計画をまとめつつあるので、はっきり数字を申し上げませんが、数百億円のオーダーで削減をするという計画を今まとめつつあるということなので、これは各省にも参考にしていただきたいなと思っています。
 ハローワークはこれからですよね。このようなことについても、しっかり田村厚労大臣と連携をして進めていきたいと思います。
 ということで、何か御質問があればお受けしたいと思います。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。一つは、先日、野依理事長が来られて、理研(理化学研究所)の例のSTAP細胞論文問題について説明があったかと思うんですけれども、今後の新たな研究開発法人への移行についてどのような影響があるのか、それについて教えてください。
(答)その件は前回の記者会見でも申し上げたと思うんですが、理研の報告、あの発表は正直言ってかなり私にとってはショッキングな中身だったので、これは厳しく受け止めざるを得ないと思います。ですから、何度も言うように、特定国立研究開発法人の決定、これは閣議でなされるわけですから、そこに向けて理研がこれからガバナンスの確保とか、あるいは危機管理マネジメントについてどう対応をするのか、この問題についてどう対応をしていくのか、そこを見極めた上で決めていくということになると思います。逆に言うと、そこを見極めないとなかなか前には進めないんではないかと、特定国立研究開発法人の設立に関わった科学技術政策担当大臣としてはそのように考えています。
 同時に、野依理事長に申し上げたのは、今回の件で、いわゆる若手、女性、優秀な研究者の人たちのチャンスが損なわれる、減ってしまうようなことは望ましくないのではないかということと、それからほとんどの研究者は寝食を忘れて一生懸命行っているわけであって、このイメージが傷つくということについても、科学技術政策担当大臣としては懸念を持っている。そのようなことがないようにしなければいけないのではないかということは申し上げました。
 もう一回申し上げますが、理研の対応をしっかりと見極めないとなかなか簡単に前には進めないと思っています。
(問)理研の対応については、次の例の法案の閣議決定までの対応を見極めて、だから、それまでに十分な対応がなければ指定を外すという考え方でよろしいですか。
(答)外すとか入れるとかではなくて、とにかくその決定をするためには、今後理研がどのような対応をしていくかということを見極めたいと思っています。
(問)あともう一つ、先程のITのことでお聞きしたいんですけれども、厚労省と次に財務省がコストが多かったんですけれども、マイナンバーの導入によってこのコストがどういうふうになるのかというのは試算に入っているんでしょうか。
(事務方)そこは別です。マイナンバーはこれからのシステムなので、それはまた別途管理して。

(答)別ですね、また。マイナンバーの方は今言ったように別途管理しているんですよね。

(事務方)今の取組は、既存のシステムを効率化して、有効な投資に振り向けていくというものです。
(問)マイナンバーの導入、これコストの削減につながるという話もあったかと思うんですけれども。
(答)それについては、マイナンバーの導入によってどのくらいのコスト削減になるかという試算はしていませんよね。

(事務方)行政コストを含めてどういう効果があるのかというのは、現在担当部局において検討中です。

(答)だから、具体的な数字を今検討しているということなので、その効果についての議論は行っています。
(問)あともう一つ、先程のシステム数の削減の中で、厚労省が18年までにかなり減らすということなんです。国交省の方はあまり減っていないように思えたんですけれども、それは何ででしょうか。
(答)それは各省によって多分状況が違うんだと思うので、厚労省は一番やはり大がかりなものを持っているということもあるし、何度も言うように、厚労省の官房長、この人が厚労省のCIOなんですが、行動力もあるし、なかなかダイナミックな人柄で、厚労省は厚労省のCIOが率先して行ってくれたということが大きいと思います。各省によってまだ状況は違うので、今おっしゃったように、もう少し協力をしていただかなければいけないところについては、引き続き遠藤CIOを中心にお願いをしていこうと思いますし、私の方もその活動をバックアップしていきたいと思います。
(問)NHKの高野です。理研の関係で関連なんですけれども、この前のぶら下がりでは、独法通則法(独立行政法人通則法)と切り離さざるを得ないというような御発言をされたかと思うんですが、今国会での成立はまだ諦めていないということでしょうか。
(答)諦めるとか諦めないという話ではなくて、何度も申し上げているように、法案を出していくためには、特定国立研究開発法人をどこにするのか、いろいろな手法があると思いますが、そこの道筋をはっきりさせないといけないと思うんですね。ですからもう一回言いますが、今後の理研の対応を見極めないとなかなか前には進めない。理研の対応によっていろいろと状況は変わってくるだろうと思います。
(問)関連ですが、その今後の理研の対応というところでいくと、この前の会見では、その日の最終報告を待って検討したいというお話をされていましたが、今日もどういうような御発言で、今後何をもって判断したいとお考えでしょうか。今まだ何が足りないというふうにお考えでしょうか。
(答)これからどのような展開になっていくのかということをまずしっかりと見ていかなければいけないと思います。それから、理研の最終報告、もう少し詳細な報告がいつ出てくるのかということもありますから、そこら辺の全体を見極めていきたいと思います。
(問)フジテレビの鹿嶋です。一昨日、総理官邸の方に大臣行かれまして、安倍総理と20分弱会談されたと思いますけれども、従来からおっしゃっていた領土・主権をめぐる大使の役割などについての提言を申したいということをおっしゃっていたと思うんですが、それも含めて安倍総理の方に提言をされたのでしょうか。もし中身を紹介できる範囲で。
(答)そうですね、総理とは22分ぐらいお目にかかりました。2人きりでいろいろな話ができて、久々だったんですが、本当によかったと思っています。具体的に何を話したかということは控えたいと思いますが、内閣府特命担当大臣としての仕事について総理が本当に理解をしていただいて応援をしていただいているということが改めてわかりましたし、今のポストで安倍内閣の成長戦略にしっかり貢献をしていきたいと、本当に安倍総理を支えていくことが日本の国益だということを再度確信をしたということです。細かい中身については、いろいろな話をしましたが、そこはここで申し上げることは控えたいと思います。
(問)毎日新聞の齋藤と申します。宇宙関係のお話で、昨日、NASA(アメリカ航空宇宙局)がロシアとの宇宙関係の接触を停止すると発表がありまして、ISS(国際宇宙ステーション)の協力については継続ということなんですが、今後の日本への影響についてどうお考えですか。
(答)そのことで何か直接大きく影響がある、ないということは聞いていませんが、前回か前々回の記者会見でも申し上げたとおり、やはりクリミア半島情勢、これは外務大臣がおっしゃっているように、力による一方的な原状変更は認められないというのが日本の立場だと思います。
 日露の関係でいくと、宇宙協定のような、これから始めようと思っていたものについては、これは一旦見合わせるということになっていると思いますので、全体を含めて国際情勢を睨みながら、G7のいろいろな動きとも連携をしながら対応を決めていくということだと思います。
 一昨日の総理との話ですが、細かいことは申し上げませんが、いろいろな話をしました。外交もありましたし、それから科学技術政策の話もしましたし、あるいは海洋政策の話題も出ましたし、そのようなテーマでいろいろと意見交換をしたというところまでは申し上げておきたいと思います。
 よろしいですか、ありがとうございました。

・説明資料(PDF形式:603KB)

(以上)