山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年3月28日

(平成26年3月28日(金) 9:05~9:22  於:合同庁舎4号館7階742会議室)

1.発言要旨

 まず、閣議についてですが、総務大臣の方から、労働力調査結果、消費者物価指数、家計調査結果について話がありまして、これは朝8時半に公表されていますので一言だけ申し上げておきたいと思いますが、2月の就業者数が6,283万人となった。1年前に比べて41万人の増加ということで、完全失業者が232万人になって、1年前に比べて45万人の減少となった。完全失業率は3.6%、前月に比べて0.1ポイント低下し、6年7カ月ぶりの低い水準となりました。主要国における2月の失業率を見ると、日本が3.6、韓国3.9、ドイツ5.1(1月)、アメリカ6.7、カナダ7.0、イギリス7.2(1月)のように、先進国では完全失業率が最低の数字になったと、これはとてもよいニュースなので一言申し上げておきます。
 それから、IT政策担当大臣としてまず一言申し上げたいと思います。昨日、第6回の「パーソナルデータに関する検討会」を開催させていただきました。今回から宇賀先生(宇賀克也東京大学大学院法学政治学研究科教授)を新しい座長として指名をさせていただき、前の座長の堀部先生(堀部政男委員長)には、特定個人情報保護委員会の委員長というお立場でオブザーバー参加をいただいております。
 この検討会は、私の強い希望でIT総合戦略本部の下に設置をさせていただきまして、ここでも何度も申し上げましたが、今、様々な府省でパーソナルデータについての検討が行われておりますが、いわゆる経産省や総務省ともよく連携をとりながら、この検討会が府省の横串を刺して中心的存在となって議論を進めている。これは内閣府の司令塔機能でいうと、ベストプラクティスの一つだと思っております。
 本検討会で、去年12月にIT総合戦略本部で決めたパーソナルデータの利活用に関する制度見直し方針を踏まえて、これから各論点について議論を深めていきます。予定どおり本年6月までに法案改正の内容を大綱として作成をしたいと思います。昨日の第6回では、大綱作成に向けた議論の進め方とか、第三者機関の体制整備について事務局案を提示して、委員の皆さんに御議論をいただきました。今後、6月の大綱策定に向けて更に複数回、3月27日を含めて5回予定していますが、この検討会を開催して、個人情報及びプライバシーを保護しつつ、パーソナルデータの利活用を促進するバランスのとれた制度設計を進めてまいりたいと思います。検討会は、一般傍聴も可能な公開の会合でございますので、引き続き透明性を図っていきたいと思います。
 もう一回申し上げますが、この検討会の議論を基に法案を出したいと、次の通常国会、来年の通常国会には、是非IT戦略本部の検討会の議論を基にパーソナルデータに関する法案を提出させていただきたいと思います。
 次に、宇宙政策担当大臣として一言申し上げたいと思います。
 JAXA(宇宙航空研究開発機構)が新型基幹ロケット、民間事業者プライムコントラクタを選定したと発表いたしました。この話、JAXAがプライムコントラクタとして三菱重工株式会社を選定したという話は承知しております。我が国の宇宙活動の自律性を確保するという上では不可欠な新型基幹ロケット、これを国際競争力のあるロケットにするために、宇宙政策委員会の示した方針に従って打ち上げサービスを担う民間の事業者が、より主体性と責任を持った開発体制になると認識をしています。新型基幹ロケットの開発に当たっては、予算を計上している文部科学省とも十分連携をして、引き続き強力に推進してまいりたいと考えております。
 それから領土担当大臣として一言申し上げたいと思います。25日の自民党の領土特命委員会の話、一部報道で、外務省が公開した日韓関係、日中関係に関する動画について批判があったという記事が出ました。領土・主権を巡る内外発信についての報道は大変ありがたいと思いますし、いちいち怒っているわけでもないんですが、この二つの動画は私も領土担当大臣として関わりましたので一言言わせていただきたいと思いますが、批判が相次いだというのは、これは正しくないと思います。領土対策室からもスタッフを行かせていますので、これはとても大事な反応なので中身も調べてみましたが、発言録をずっと見ても、実は評価する意見の方が多かったと思います。約1名、衆議院議員で、この中身だと韓国、中国の国民にはなかなか理解されないのではないかというのがありましたが、おおむね評価のコメントの方が多かったと、これは少し誤解を呼ぶので訂正をさせていただきたいと思います。
 これからも動画、フライヤーの作成には領土担当大臣としてしっかり最初から関わっていきたいと思いますが、厳しい指摘を、例えば動画等々でするというのは一つの考え方だと思うんですが、このように未来志向の関係を模索する中で、冷静に事実をきちんと発信をする。日本政府として過去いかに貢献をしてきたということをきちんと数字として説明しているという点でいうと、私はこのアプローチは非常に効果的だと思っていまして、この動画は、もう一回言いますが、非常に効果的だと領土担当大臣としては評価をしているということは申し上げておきたいと思います。
 今日のプレゼンテーションを行いたいと思います。簡単にまとめたいと思います。
 若手IT経営者との意見交換会をIT政策担当大臣としてずっと行ってきました。若手経営者から、最先端のITとかサービスの動向とか、IT政策全般に係る提案をいただきまして、この意見交換は非公式ですが行っています。この議論が非常に盛り上がっていまして、いわゆる次世代を担っていくITベンチャーの人達は、現場で、正に今戦っていますので、非常に参考になるなと思っています。
 これまでの参加者。3回行ったんですが、ここにざっと並んでいますが、第1回、第2回、2回同じメンバーで行ったんですが、先端的技術と先端技術製品についてプレゼンを行ってもらって、かなり率直な意見交換になりました。第3回はコンテンツとモバイル・ネットワークサービスということで、このようなメンバーの方々に来ていただきました。いずれも若い人たちで、これから正にIT業界を担っていく方々ということで、大変勉強になっています。
 主な意見。これは今まとめていますから、またどういう打ち返しができるのかということが大体まとまれば、また改めて会見を行いたいと思いますが、例えば、技術基準適合証明/認証における手続上の問題、あるいはアメリカのベンチャーキャピタルを日本に呼ぶ、あるいはIT人材をシリコンバレーに派遣する、ソフトウェアの資産計上における税制の見直し、このような形でいろいろな意見を伺っておりまして、もう一回言いますが、現場で実際に戦っている若手のベンチャー、いわゆる起業家の話は、極めて説得力があるということで、これはやはり政策には是非反映させていきたいと思っています。
 ということで、今あるIT戦略本部の下のいろいろな組織があって、いくつかの分科会では議論が進んでいるものもあるんですが、よく検証した上でIT政策担当大臣として、このような人たちの意見も政策に反映していきたいと思います。
 今後また4回、5回行いたいと思いますが、次回は4月上旬に行うということで、今度はベンチャーキャピタル、ベンチャー支援を行っている経営者を呼びたいと思います。これは科学技術政策担当大臣としての科技イノベーションにも実はすごく直結していく話なんですが、このような方々、いずれも非常に若いんですが、このような人たちを呼んで議論をさせていただこうと思います。
 以上です。何か御質問があればお受けしたいと思います。

2.質疑応答

(問)NHKの高野です。今日の参議院本会議で改正沖縄振興特別措置法が成立する見通しですが、これを生かして沖縄振興をどのように進めていきたいとお感じでしょうか。
(答)改正沖振法は、一昨日、参議院の委員会を通過しました。ただ、まだ本会議で成立したわけではないので、最後まで何が起こるかわかりませんから、沖縄担当大臣として全力で最後まできちんとフォローしていこうと思います。成立した後にコメントさせていただいた方がいいかなと、あまり油断しないでいきたいと思います。
(問)科学新聞の中村です。クリミア問題に関連して、ISS(国際宇宙ステーション)の運用、今、ロシアが唯一人を送るのを担っているんですけれども、それについて影響は出ないのかどうか、どのように大臣は見ていらっしゃるんでしょうか。
(答)そのことについては前回の記者会見でも申し上げましたが、現時点で何か日本の宇宙政策に大きな影響があるとは考えていません。これから展開がどうなるかということはしっかり見守っていきたいと思います。
(問)もう一つ、それに関連して、G8(主要国首脳会議)が今度開かれずにG7でやろうというふうになったんですけれども、毎年、科学技術担当大臣と、あとアカデミーの会合もG8にあわせてやったんですけれども、そちらはどうなるんでしょうか。
(答)それも現時点ではどうなるかということは、まだ最終的に聞いていません。何らかの影響がある可能性はあると思いますけど、現時点でそれが中止になるとか何とかというまだ多分結論は出ていないのではないかと思います。
(問)TBSの加古です。
 特定国立研究開発法人についてなんですけれども、理研(理化学研究所)の問題を受けて、今、党の行革本部でもめている事態となっているそうなんですが、今国会での成立を目指されている大臣として、改めて党内での議論というのはどのように受け止めていらっしゃいますか。
(答)行革本部(自由民主党行政改革推進本部)に先般、内閣府の幹部が呼ばれていろいろ議論させていただいたんですが、少し厳しい議論だったんですが、中身をよく見せていただいたんですが、当然だと思うんですね、党の方からいろいろなこのような意見が出てくるのは。これは私の感想で言うと、このような話が出てくるのは、もちろん当然だと思っているので、とにかく前回の記者会見でも申し上げましたが、この理研のSTAP細胞をめぐる問題についての対応をしっかり見極めさせていただきたいと思います。やはりガバナンスとか危機管理マネジメントというのも研究開発法人としての資質の中に入っていますから、それをしっかり見極めた上で、もう一回言いますが、候補として二つ、理研と産総研を決定しましたが、実際に決定をするのは閣議決定ですから、そこに向けてしっかり理研の対応を見極めていきたいと思います。
 なお、理研が研究開発法人として非常に実績を上げていると、非常に優れた機関だという認識は変わっておりませんが、もう一回申し上げますが、これから対応をしっかり見極めていきたいと思います。
 それから法案、これはこれまでの経緯も考えて、今練り上げているところですが、これは是非やはり成立をさせたいと考えています。
(問)今おっしゃったように、理研の対応次第では、以前、大臣何度も、候補から外すことも検討しているとおっしゃっていましたけれども、理研の対応次第、あとこの党内の議論次第では、別の例えばいろいろ候補に上がっている研究所に差し替えられるという可能性もあるんでしょうか。
(答)状況によっては理研を外すと言ったことはないので、そのような表現は。閣議決定に向けてしっかりと理研の対応も見極めながら決めたいと、決めるべきだということが私の意見なので、そのような表現を使ったことはないのですが、もちろん党内の議論もしっかりと拝聴しなければいけないと思いますが、もう一回言いますが、今後きちんと対応を見ながら、理研自体は優れた研究機関だと思っていますので、そのような対応を見ながら閣議決定で決めていくということだと思います。
(問)共同通信、野見山です。先日、みんなの党の渡辺代表が8億円の巨額の借り入れをしていると報道に出ましたけれども、昨日、会見がありましたけれども、政治家として、あるいは党の代表としてどう説明責任を果たしていくべきかと思われるでしょうか。
(答)その点については、他党の代表のことなので、私の方からここでコメントすることは差し控えたいと思います。
(問)フジテレビの鹿嶋です。今の質問の関連で恐縮ですけれども、差し控えたいということですが、昨日の会見をお聞きしますと、個人的に使ったということをおっしゃっているんですけれども、違法性もないということで、詳細な説明というのは、全ての質問に答えたという形ではなかったと思うんですが、もし仮に渡辺さんの言っていることが事実だとすると、政治家って個人的に政治活動をする場合に、8億円というのはどうなんですかね、必要なものなんでしょうか。一般的な感覚からすると、すごく現実的なものから乖離(かいり)しているような印象があるんですが、政治家としてこの問題、山本大臣、どのように思われますか。
(答)政治家としてというか、大変申しわけないんですが、今の、これは他党の代表の話なので、その点についてはここでコメントすることは差し控えたいと思います。
(問)確認なんですけれども、先程のISSへの影響というのは、ISSの運用への影響はないと大臣は認識しているということですか。
(答)先程言ったのは、現時点でこの話が日本の宇宙政策に何か大きな影響を与えるということはまだわからないというか、ないと前回も申し上げたとおりなんですが、これがどのような影響になっているかということは、まず今のISSの話も、直接どのような動きになっているのかというのは、現時点では全然入ってきていないので、今の段階であまり予断を持って申し上げることはできないということです。
 よろしいですか、ありがとうございました。

・説明資料(PDF形式:308KB)

(以上)