山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年2月7日

(平成26年2月7日(金) 9:25~9:36  於:合同庁舎4号館7階742会議室)

1.発言要旨

 本日の閣議において内閣府設置法の一部を改正する法律案を閣議決定いたしました。この法案は、世界で最もイノベーションに適した国を創り上げていくために、我が国の科学技術イノベーション政策の司令塔である総合科学技術会議が、これまでにない強力な推進力を発揮できるようその機能の抜本的な強化を図るものです。法案の早期成立に向けて最大限の努力をしてまいりたいと思います。この法案の概要については後程プレゼンテーションで御説明したいと思います。
 それでは、早速御説明したいと思います。少し振り返ってみると総合科学技術会議がその司令塔だと、世界で最もイノベーションに適した国を創り上げるための司令塔だということを総理が、施政方針演説でおっしゃって、これを受けて平成25年6月に科学技術イノベーション総合戦略を作り、6月7日に閣議決定をさせていただきました。
 その後、発言をしましたが、本当にぎりぎり日本の科学技術イノベーション、日本は追い詰められていると、革新をするかそれとも死ぬかと、「INNOVATE OR DIE」という言葉をそのときに発言させていただきました。
 ということで、振り返ってみると、科学技術イノベーション総合戦略における司令塔機能の三本の矢ということで、一つは政府全体の科学技術関係予算の戦略的策定ということで、政策決定のプロセスで影響力を持っていくと、これはアクションプランを進化させるとか、あるいは予算戦略会議を作るとか、いろいろな形で政策決定、政策プロセスに対する影響力の強化を図ってきました。
 2番目と3番目は、SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)とImPACT(革新的研究開発推進プログラム)ですが、SIPもImPACTも、一言で言うと総合科学技術会議が基本的に目利きができるきちんとした予算の枠を作るということで、こちらはどちらかというと出口を睨んだ省庁連携を図っていくというプログラム、そのような一種の触媒になるということで、ImPACTの方はここでも何度もプレゼンをさせていただきましたが、最初から出口というのではなくて、画期的なDARPA型(米国国防高等研究計画局)をモデルにしながら画期的なイノベーション、革新的なイノベーションをもたらすというプログラムです。これを総合科学技術会議司令塔機能のための三本の矢と位置付けました。
 この法律案の最大のポイントは、SIP予算を内閣府に計上して各省に配分する事務等を法的に担保するということで、内閣府、つまり総合科学技術会議がきちんと企画・立案の中心になって目利きができる、ある意味で言うと予算をきちんと持つということ、一言で言うとそういうことです。
 この法律案の何といっても肝は、先程申し上げたとおり、今までは企画・立案・総合調整となっていたものについて、重要施策の推進機能を追加すると、科学技術イノベーション施策の推進機能を追加することによって、内閣府に予算を計上して各省の施策の実施を強力に推進するということを可能にしたと、これが今度の法改正案の一番のポイントです。
 二つ目としてイノベーション創出に関する総合調整機能と、イノベーションを加えたということです。今までは科学技術政策に関する企画・立案・総合調整となっていたんですが、ここにイノベーションを加えて、イノベーション政策も総合的政策、総合調整のきちんと対象にすると、こういうことです。それに沿って総合科学技術会議の名称も総合科学技術・イノベーション会議に変更するということと、有識者議員の任期を今は2年なんですが、3年に延長するということです。これはこの間、自民党の部会でも出ていたんですが、これのアブリビエーションというか、これをどのように呼ぶかと、今まで総科とか言っていたんですが、これをどのように呼ぶかということを、きちんと考えなければいけないなと思っています。
 何度も言いますが、司令塔強化のためには予算措置とか法律改正等の強力な措置が必要だということで、司令塔、とにかく抜本的に強化すると、この予算措置はSIP、ImPACT、特にSIPを内閣府にきちんと計上するために内閣府設置法の法律改正をするということです。目的はたった一つで、世界で最もイノベーションに適した国を創るということです。
 ということで、今日は短くプレゼンをさせていただきましたが、何か御質問があればお受けしたいと思います。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。
 新しい総合科学技術会議の機能としてイノベーションを加えたという点についてなんですけれども、イノベーションを加えるということは、例えば産業政策へのインプットであるとか税制改正、あとは民法のいろいろな条項だとか、そういうことまで含んで総合科学技術会議が、何らかのイニシアチブをとるシステムを作るという意味なんでしょうか。
(答)まだどこまでどのように細かく波及していくかということは、今ここでは申し上げられませんが、少なくとも科学技術にイノベーションを加えたということですから、イノベーション政策についてはこれまでよりも関与を深めていくということになると思います。
 今、中村さん(記者)がおっしゃった、どこまでどのような分野にイノベーションを加えたことによってかかっていくかということは、今の段階では細かく、ぱっとは分かりませんが、裾野は広がっていくということになると思います。
(問)他の大臣に対しても、例えばメンバーも新しい大臣が加わるとかそういうことも考えて。
(答)現時点では特にメンバーの議論はしていませんが、将来的には少しどうなるか、科学技術イノベーションを総合調整に加えることによってどのようなインパクトがあるかということを、踏まえて考えたいと思いますが、現時点でメンバーを変えるという話にはなっていません。
(問)NHKの高野です。
 今の関連で繰り返しになるかもしれないんですが、これまではイノベーションが政策の中に加わっていなかったことでどういう課題があって、それをどういうふうに克服できるというふうに、この法律改正によって。
(答)科学技術政策と言った時にすごく幅広くいろいろあると思うんですが、安倍内閣の成長戦略のコアの一つに科学技術イノベーションを位置付けると、その科学技術イノベーションを推進していくためには、総合科学技術会議の機能強化をするという流れです、司令塔強化が出てきた話というのは。ですから以前は科学技術となっていたものに対して、より明確に司令塔機能強化の目的をはっきりさせるためにもイノベーションを加えると、これがおそらく最も正確な説明かなと思います。イノベーションを加えたからといって、明日からこれとこれとこれが増えるというよりは、フォーカスしていくべきところをはっきりさせるというニュアンスなのかなと思います。
 しかし、中村さんもおっしゃったように、科学技術イノベーション政策全体に責任を持つということによって、今までよりも少し視野の広い、活動範囲が少し広がるということは出てくる可能性はあるかなと思います。
(問)これまでも大臣は、イノベーションが重要だというふうに言われてこの1年やってこられたかと思うんですが、この法律改正がなかったことでどの辺が難しかったんですか。
(答)今回の法律改正の何といっても肝はSIPで、内閣府に予算を計上するということなんです。先程申し上げたとおり、もちろんいろいろ裾野が広がるということはこれからあるかもしれませんが、どちらかというと実態にきちんと合わせたという方が正確なのかなと思います。今までずっと科学技術イノベーションと言っていたわけですから、きちんと法律改正するというこれを契機に、イノベーションというものを法的にも総合科学技術会議の機能として、内閣府の機能として位置付けるということが必要だと思います。
(問)先日の4大臣会合でお話があったと思うんですけれども、新しい特定研究開発法人、大臣としては、特定研究開発法人を選ぶに際してどういう基準があり得るかと大臣として思っていらっしゃいますか。
(答)それはこれからいろいろ議論していくところなのであまり細かく申し上げるつもりはありませんが、いわゆる研究開発法人の競争力を図る指針としていろいろ代表的なものがありますよね。そのようなものをきちんと基準にして、要はとにかくそこをクリアしているかどうかということだと思うんです。まずきちんとした基準を決めないといけないと、その基準をクリアしているかどうかということで、どこを対象にするかということを選んでいくべきなのかなと思います。
(問)逆に言えば、クリアしていれば、2,3ということではなくて5,6でも7,8でも増えると。
(答)それは私の記憶が正しければ、閣議決定で極力少数という確か流れもありますから、それを踏まえていかなければいけないのではないでしょうか。
 よろしいでしょうか。ありがとうございました。

・説明資料(PDF形式:175KB)

(以上)