山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年11月14日

(平成25年11月14日(木) 15:30~15:56  於:合同庁舎4号館6階605会議室)

1.発言要旨

 予算戦略会議を開催した後は必ず会見を行うと約束しましたから、最後までこれを貫きたいと思います。お集まりいただきまして、ありがとうございました。
 今日は4回目を開催しました。目的は、26年度予算編成に向けて各省庁のアクションプランも含めた要求・要望の状況や内容をしっかりと聞いて、それを総合科学技術会議での予算編成に向けた議論に反映していくと、こういう目的で4回目の予算戦略会議を開催させていただきました。冒頭、私の方から発言をしましたが、これまで4回、予算戦略会議を開催しましたけれども、各省から、何人か代理の方もいますけれども、ほとんど科学技術関係予算を担当する局長とか審議官に出ていただいているので、非常に協力をいただいていると思います。これも冒頭に言ったのですが、去年とは全く違うと私は申し上げました。例えば概算要求の前の資源配分方針も随分去年よりも充実していますし、これからつくっていく予算編成に向けた方針、これもこれから議論していくのですが、かなり前回よりは中身の濃いものになっていくと思います。アクションプランのプロセスも全然違いますし、これは何度かここでプレゼンさせていただきましたけれども、アクションプラン、あるいはイノベーション環境創出重点施策についても、中身は全然変わったということで、改めて関係省庁の幹部にはそれについて感謝を申し上げました。
 26年度予算についての私の方針を一応申し上げて、SIPとImPACTの話をさせていただきました。SIPは先ほども申し上げたのですが、もう一回言いますが、入り口から出口までを見据えた府省連携のプログラムをしっかり発掘するということで、かなり具体的にいろいろと案が出てきていますけれども、関係各省の協力を得ながら、もちろん総合科学技術会議が基本的に目利きをしながら進めていきました。これについては、この記者会見で言いましたけれども、なけなしの科振費(科学技術振興費)、なけなしのという言い方は正しいか分かりませんが、この科振費の中から関係各省、もちろん文科省、経産省、それから総務省、農水省、関係各省全てから4%拠出をしてもらったと。要望基礎額として500億円を要求させていただいたということで、これは科学技術担当大臣として死守すると。そういう気持ちで行かないといけないと。総理から指示があり、なおかつ閣議決定されたとはいえ、関係各省にこの司令塔強化の意義を分かっていただいて、SIPについても協力をしていただいたということを無駄にしないようにしたいという話をさせていただきました。
 それから、ImPACTの方ですが、これは補正予算もにらんで、今、いろいろと交渉していますけれども、極めて厳しいと。もちろん科振費全体についても厳しいのですが、ImPACTもかなり厳しいということを話して、しかしながらやはり、ある程度の規模をきちっと確保しないとImPACTにはならないと。余り小さな規模なら、これはノーインパクトと名前を変えなければいけないという話をさせていただきましたけれども、ImPACTの意義を改めて関係各省の幹部の前で話をさせていただきました。高い研究開発のレベルをどうやって商業化し、新しい産業に結びつけていくか、そのプロデューサーにお金をつける。そのプロデューサーを支援するというところが画期的なコンセプトだと思います。これはアメリカの国防省のDARPAをイメージしているのですが、これからいろいろ公募することになりますけれども、プログラムマネージャーを選んで、革新的なブレイクスルーを起こせるような研究をしっかり発掘をして、応援していくという意味で言うと、各省縦割りだった科学技術政策のマインドセットを変えるために、非常に大きな意義があるということで、これについても各省の協力を求めました。
 いずれにせよ、科振費全体も非常に大きな問題になってくるので、これもSIPとImPACTと関連がありますから、これについてももちろん文科大臣初め関係各大臣と協力をして、科学技術イノベーション総合戦略を実行する予算の初年度ですから、これに恥じないような科学技術予算を確保していきたいということを申し上げました。
 それで、その後、各省からいろいろ議論がありましたけれども、簡単に申し上げますが、例えば警察庁の方は、科学技術予算全体をとにかく上げていかなければいけないので、担当大臣にも頑張ってほしいというお願いがありました。これについてはしっかりやると答えました。
 総務省の方からは、これまでやってきたプログラムもしっかり継続性が大事だという話があって、もう一つは行政事業レビューです。今、かなり行政事業レビューで科学技術予算について、総務省の、特に科学技術予算について、いろいろと言われていると。必ずしも精緻な議論ではないので、これは総合科学技術会議としてもぜひ応援してほしいと。特に行政事業レビューで問題になっているのは、少し総合科学技術会議がサポートしたプログラムでもあるという話がありました。これについては、複数の省庁の方から行政事業レビューについて、少し精緻な議論をしてほしいというお話もありましたので、担当大臣としてしっかり確認をして、どんな対応ができるか、どんな発信ができるかということを考えたいとお答えしておきました。
 外務省からは、特に国際機関拠出金、分担金、これが科学技術予算の中でも大きなものを占めているということで、IAEAの話がありましたけれども、この重要性については十二分に分かっていると。これもしっかり踏まえてやっていきますとお答えをしました。
 文科省の方は、SIP、NIHもあって、かなり予算については厳しい状況であると。その他の経費に影響が出そうで、いろいろと大事なプログラムにも影響が出る可能性があるので、ぜひ科振費の総額を増やすということについて、御協力をいただきたいと。いつもの話ですけれども、そのような訴えがありました。これについても申し上げますが、この厳しい情勢を踏まえて、関係大臣、特に下村大臣と協力して科振費の確保については、全力を尽くすとお答えをしました。
 厚労省の方は、アクションプランに登録したことによって、何となく予算がアッドオンされると。アクションプランに乗ったことで、予算を確保できる流れになるとありがたいという話だったので、それが実は理想ですが、そう簡単にはいきませんけれども、各省と協力をしながらつくったアクションプランに乗ることによって、予算が確保できるような流れを、ぜひ今年度からつくっていきたいとお答えをしました。
 農水省からも司令塔機能を上げて、予算全体、頑張ってほしいという激励、コメントがありました。
 経産省は、パワエレとか、あるいはインフラも含めて、実はSIPに関連する事業が多いのです。つまり、府省連携で出口をにらんだプログラム、これはもちろん総合科学技術会議が中心に目利きをしたわけですけれども、各省と連携して進めてきたと。そういう意味で言うと、SIPをぜひ活用したいということが経産省の方からありましたので、SIPは科学技術担当大臣として、これは死守せねばならないと。安倍総理からSIPの創設を言われて、ここが大幅に何か削られるようなことがあると、もう私は科学技術担当大臣としては失格だと言っておきました。
 それから、国交省の方からは、これもSIPとの連携があるということなので、これについて、SIPはしっかり頑張りますと同じようにお答えをしておきました。アクションプランに入っている施策も国交省は多いので、ぜひ頑張ってほしいという要請がありました。
 環境省の方からは、洋上風力の予算の話があったんですけれども、これはたまたま昨日、ちょっと課外活動なんですけれども、「直滑降ストリーム」というネット番組で石原環境大臣とこの洋上風力の話をしました。極めて重要だということが分かっているので、これもしっかり応援をしたいとお答えをしました。
 それから、防衛省の方から、特にImPACTについて言うと、例えば宇宙等も含めて、いわゆるデュアルユースがDARPAのコンセプトなので、防衛省として、ImPACTについては、いろいろと協力できる可能性があるのではないかという話があったので、私の方からも総合科学技術会議の方針といいますか、骨子の中でもデュアルユースのことは言及してあるので、もちろん防衛分野だけではありませんが、防衛の分野でもImPACT等々のプログラムができれば、協力できる可能性も出てくるのではないかとお答えをいたしました。
 簡単に言うと、全体として今のような議論の中身でした。何かご質問があれば、お答えしたいと思います。先ほども申し上げましたけれども、総合科学技術会議の議員だった方々からも聞いたのですが、手前味噌になりますが、予算編成プロセスがこれまでと明らかに違うと思います。ここまで各省が協力をして、しかも一堂に会したヒアリングにも協力してくれて、予算戦略会議で各省の幹部が科学技術担当大臣のもとに集まって、ずっと議論しながらアクションプランなどを進めてきたという形態はありませんから、ここから科振費、本当に難しいと思いますけれども、やはり協力していただいた以上は、ぜひアクションプランとイノベーション環境創出重点施策については、非常に厳しい戦いだということは分かっていますけれども、やはりこれがアッドオンされる、できるだけ確保できるように科技担当大臣として頑張らなければいけないという決意を新たにいたしました。
 以上です。何か御質問があればお受けしたいと思います。

2.質疑応答

(問)ImPACTについて、補正でどれぐらいの予算規模を見こんでいるのでしょうか。
(答)規模を言ってしまうと、いろいろとまた問題があると思うので、あえて幾らみたいな話はしないつもりですが、やはりインパクトというぐらいですから、ある程度の規模がないと、さっき言ったようにノーインパクトですから、ノーがつかないように頑張りたいと思います。FIRSTプログラムの、あるいはその総額ということもしっかり踏まえながら、しかし、その中で、この厳しい状況の中でどこまで確保できるかというところがポイントになってくると思います。もう一回言いますけれども、やはりある程度の規模がないとインパクトとは言えないのではないかなと思っています。
(問)そのインパクトとは言えない部分というのは、1,000億ぐらいでしょうか。
(答)それを言うと、またいろいろ波紋を呼ぶので、もう一回言いますが、ある程度の規模はやっぱり必要だと。インパクトがあるかどうかというところがポイントだと思います。
(問)共同通信の須江と申します。
 ちょっと前段遅れてきてしまって、もし出ていたら恐縮なんですけれども、今のImPACTの話で、極めて厳しいという今の御見解もお聞きしましたけれども、例えば余り絞られてしまうと、大臣がおっしゃるとおり、ノーインパクトになるぐらいであるのならば、始めることをまず重点と置くのか、やはり確保という、ある程度のボリューム的なものをやっぱり確保したいので、ちょっと期間がずれてもというようなことも念頭に置かざるを得ないのか、その辺ではいかがでしょうか。
(答)まず今年度、SIPとImPACTを創設するということはもう閣議決定されていますから、ImPACTが創設されないということはあり得ないと思います。それから、ImPACTが創設されているのに全く予算がつかない、あり得ないと思います。そういうことになったら、もう何もコメントしませんけれども、大変なことになるだろうと思います。ですから、ImPACTができないということは考えられない。必ずこれは創設しなければいけないと思っていますし、閣議決定されていますから、総理からも指示されているので、これはいいと思うのですが、ですから予算ですよね。とりあえず枠組みをつくってみたいな感じではいけない。創設するのであれば、それなりの規模でやらなければいけないと。この予算が厳しいこともよく分かっていますし、財務当局のいろいろな立場も十分に分かっていますし、やはり補正でも、とにかく経済成長に直接結びつく、経済財政に結びつく、成長戦略に結びつくものをしっかりやらなければいけないということも分かっていますが、こういう状況だからこそ、やはり本当にブレイクスルーできるような研究開発に投資するという姿勢が私は大事だと思うので、とりあえず枠組みだけつくって、次のチャンスをという考え方は取らないで、できるだけ、厳しいですけれども、さっき言ったとおり、ImPACTの名に恥じない規模のプログラムにしたいと思います。
(問)やはり、さっきから質問が出ていましたが、最低でもFIRST以上はというような規模なんでしょうか。
(答)FIRST以上とは言えませんけれども、それは金額を言うと、また何かよくないからですけれども、その状況が厳しいということは十分分かっていますけれども、それを踏まえつつも、ImPACTの名前にふさわしい、規模を確保するべきだと思っています。
(問)ありがとうございます。
(答)それから、1つ思い出しましたけれども、文科省の方からは例の研究開発法人の話がありました。やはり行革本部、それから、政府の行革、両方でヒアリングがあって、なかなか厳しい意見もあると。これは当然のことであって、それは当然苦戦するのは分かっていまして、そんなに簡単にできるのだったら、今までできなかったはずはないので、これはもう十分厳しいことは分かっていますし、それぞれ、稲田大臣は行革担当ですから、非常に立派な政治家だと思っていますし、きちっと御自分の立場でしっかり議論されればいいと思いますけれども、我々は少なくとも安倍内閣で科学技術イノベーションを担当する下村文部科学大臣と山本一太科学技術担当大臣は、科学技術イノベーションの観点から、国益の観点から、安倍内閣の成長戦略の観点から、やはり研究開発法人についてはブレイクスルーをやるべきだと思っていますから、そういう中でしっかり議論して方向性を見つけ出していけばいいと答えました。
 ですから、これは、もう一回言いますが、文科省と内閣府の間では共同で検討会をつくったことありませんから、この結果を踏まえて、総合科学技術会議でしっかり議論をして、何とかこの問題を先に進められるように全力を尽くしたいと思います。
(問)朝日新聞の西川です。
 先ほどのImPACT、全体的な規模のお話が出ましたけれども、個別にテーマは幾つぐらいとか、1件当たり幾らぐらいという、その辺はどうでしょうか。
(答)それも今、一応制度設計しているところですから、細かい具体的な数字を申し上げることはちょっと控えたいと思いますが、ImPACTはSIPよりハイリスク・ハイリターンなんですね。だから、余りこれとこれとこういうのがありますというのを今の段階で言うのはふさわしくないと思いますが、そのアイデアはあります。アイデアはやっぱり二十も三十もあります。今、どういう中身かということは申し上げられないですけれども、そのアイデアはあります。
 それから、ImPACTは基本的に主要なコンセプトはプログラムマネージャーです。プログラムマネージャーになる候補者はおります。ですから、今、誰がどうのということは申し上げませんけれども、やはりそのプログラムマネージャーにきちっと1つのプログラムを動かしてもらうだけの、資源は投入しなければいけないのではないかなと思っています。今、幾ら、何人ということはあえて申し上げませんが、アイデアはちゃんとあるということと、それから、プログラムマネージャーの候補者はもちろんいるということだけを申し上げておきたいと思います。
(問)あと関連して、そういったものが私たちがわかる時期というのは、ずっと作業されていることでしたけれども、その見通しはどうでしょうか。
(答)このImPACTの財源を確保できるかどうかという、これから厳しい折衝が始まるわけで、その中でだんだん明らかになっていくのではないでしょうか。現時点では幾らぐらいを目指すとかいうことは、あえて言わないほうがいいと思っています。ここから財務当局との厳しい議論、折衝が始まるわけですので、今、答えられるのは、先ほど申し上げたような流れですね。必ずどこかでもちろん明らかになってくると思います。
(問)日刊工業の小川と申します。
 繰り返しImPACTの件なんですけれども、予算の盛り込み自体は内閣府になるのでしょうか、結局。
(答)そこら辺の制度設計がどうなるかというのは、今、議論していますから、いろんな選択肢を考えていますが、まだ議論中です。
(問)補正でやるというのは決まって。
(答)それも一つの考え方ですね。
(問)それで、FIRSTは文科省に盛り込んで、執行が。
(答)FIRSTとImPACTは違うので、ImPACTは今、制度設計をやっている段階なので、今の段階で予算をどういうふうに執行するかということは、まだ申し上げる段階にないと思います。SIPは内閣府に予算を計上するということで、これが創設されたら、来年の国会で法律改正しなければいけなくなりますね。
(問)山本大臣の考えとしては、できれば内閣府でやりたいと考えているのでしょうか。
(答)ImPACT、それは今ちょっと有識者の方々を含めて議論していただいているので、今の段階で私が何かを言うことは控えたいと思います。幾つか選択肢はあると思います。
(問)毎日新聞の斉藤と申します。
 ImPACTの件なんですけれども、防衛省の科学技術関係予算の御説明のときに、宇宙とのデュアルユースの観点で、そのImPACTとちょっとフィットするのではないかというようなお話を大臣、されていたんですけれども、もうちょっと具体的に、なぜこの防衛省の予算がそのImPACTの概念に。
(答)まずImPACTがDARPAと違うのは、DARPAは防衛省の中にある局ですから、安全保障の分野の技術が主ですよね。それとは違いますから、まずそこはDARPAとImPACTは違うと。ただし、安全保障というか、防衛分野の技術を否定もしていませんから、それはデュアルユースということを言っているので。そういうデュアルユースがもし防衛省との間であるとすれば、やはり宇宙の分野とかいうのも一つ考えられるのではないかというような議論があったので、それについて私が言ったのは、たまたま小野寺防衛大臣と宇宙と安全保障を考える懇談会をつくった後、1回しかやっていないけれども、これはぜひ続けたいと思っているので、間もなくどこかでやりましょうと、防衛大臣に言うつもりなので、そういうところでもいろいろと議論していきたいな思っているという話をしました。何かこの個別のこういうプロジェクトがあるねということではなくて、向こう側が、例えば宇宙みたいなところではそういう連携も可能なのではないかというから、それは可能性として一つありますよね。もう一回言いますが、DARPAとは違います。もうそれはいろんな分野の、インパクトのあるプログラムを募集して、その募集の仕方もいろいろまだ今議論していますけれども、本当にインパクトのあるものだったら、そういう、いろいろな分野が考えられるのだと思います。
 このぐらい聞いていただければ、記者会見を開いた甲斐がありました。よろしいでしょうか。ImPACTには、なかなか厳しい戦いだと思いますけれども、ぜひ注目していただきたいと思うのは、こういうコンセプトを、マインドセットが変われば、初めて科学技術政策が動いていくのだと思います。これは、ImPACTがそんなに簡単ではないというのはコンセプト自体が、まずFIRSTみたいに有名な、すごく優秀な研究者の方々を応援するというところから、ちゃんとその研究開発をきちっと事業に乗せてブレイクスルーを起こすような流れに持っていくと。例えばインターネットの件でここでもプレゼンをやりましたけれども、DARPAで生まれてきた名PMみたいな人たちがいるわけで、こういう人たちにしっかりお金をつけていくというのが新しいコンセプトだと思います。ですから、私は安倍内閣の言う、高い研究開発のレベルをいかに国民が享受できるか。競争力の強化に結びつけていくかという点で言うと、画期的だと思いますし、これをやることによって、科学技術政策に対する政府の中のマインドを変えられるのではないかと思っていますので、そこは難しい挑戦ですけれども、ぜひ応援していただきたいと思います。特に科学技術分野に御興味のある方々にはぜひ応援していただきたいと思います。
(問)せっかくなので、プログラムマネージャーについてなんですけれども、研究者以上にひょっとしたら、ImPACTの場合はPMの存在というのは非常に重要だと思うんですけれども、先ほどふさわしい候補者ということをおっしゃっていましたけれども、具体的にどうやって探して、もしくは推薦してもらうことに。
(答)公募です。まだ公募しているわけではないですけれども、ただ、プログラムマネージャーという人材は本当にいるのかどうかという結構質問を受けますが、それはいると思います。そのプログラムマネージャーの形というのは、これからいろいろ議論していますけれども、プレイングマネージャーみたいな人ももちろんいるのかもしれませんが、やはり本当にPMとして、DARPAでインターネットを、20年ぐらいかかっていますけれども、実用化して世界を変えたみたいな、そういうセンス、モビリティ、行動力、こういうものを持った人というのはいると思います。そういう人をしっかり発掘して、しかも、いろいろと技術的な課題は多くても、これができたらすばらしいね、という方向に全体を持っていけるようなPMを選ぶべきではないかと思っています。細かい制度設計についてはまだ議論の最中ですけれども。公募です。基本的には。
(問)それで、そういった優れた人材というのは多分いるとは思うんですけれども、例えばそれが企業に所属している人ですと、そういう人は出てくるのかというか、手を挙げてくれるのかという問題があると思うのですけれども、それについては。
(答)それはもう本当にトゥ・ザ・ポイントの質問だと思います。だから、そういう人が出てくるようなプログラムにしなければいけないと思います。おっしゃったとおりで、つまり、世の中にいる、本当にPMにふさわしい人たちが、言わばここでは何か、なかなか名前も職業も外には言えませんけれども、そういう人たちは必ずいる。こういう人たちが、やっぱりImPACTのPMをやってもいいと思うような制度設計をやらなければいけないと思うんですね。DARPAの場合は、何であれだけのPMが引き抜かれて、インターネットの場合でも、例えば有名な、すごい大学の研究所からとか、DARPAの部長とかが来るわけでしょう。それはやっぱりDARPAでPMをやるということは、キャリアパスに大きくプラスになるからですよね。ですから、ぜひImPACTでPMをやったということが、後のその人の仕事、キャリア、これに大きくプレステージとして残るような仕組みにしなければいけないと思うんですね。これは先の話ですけれども、やっぱりImPACTができたら、本当にブレイクスルーを果たせるようなロールモデルをまさにつくるべきと思います。でも、そういうわくわくしたものがないと、どんなに予測可能性が、例えば3年後、4年後になるよというものではなくても、何かが起きるかもしれないという期待感とか、わくわくしたものがないと、科学技術イノベーションというのは起こらないのではないかなと、個人的にはアメリカ等々も視察してきて、そういうふうに思います。
 だから、こういうプログラムに本当に政府として、科学技術イノベーション政策として、ちゃんと資源を投入できるかどうかというのは、ものすごく私は大事だと思っています。
 よろしいでしょうか。ありがとうございました。

(以上)