山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年5月31日

(平成25年5月31日(金) 9:53~10:07  於:合同庁舎4号館7階742会議室)

1.発言要旨

 すみません。皆さん関心を持って来ていただいているのに、いろいろレク等々の時間配分を間違えまして、相当遅れてしまったので、これからこんなことがないよう気をつけますので、本当にすみませんでした。
 今日は、いくつか簡単に申し上げますが、宇宙開発利用大賞の、まず募集開始。今日は、3月22日の会見でお知らせした宇宙開発利用大賞の募集が正式に始まりましたので、お話ししたいと思います。この表彰制度は、宇宙基本計画における宇宙利用の拡大を促すために、宇宙開発利用の推進に多大な貢献をした、優れた成功例の功績を称える表彰制度ということで、内閣総理大臣賞、それから内閣特命担当大臣賞の他、各省6大臣とJAXA(宇宙航空研究開発機構)の理事長賞というのを設置したいと考えております。応募は自薦・他薦を問いません。募集要領、応募様式等は内閣府の宇宙開発利用大賞募集受付ホームページで入手できますので、奮って御応募いただきたいと思います。
 それから、前回、TICAD-Ⅴ(第5回アフリカ開発会議)にどういうふうに関わっていくのかというお話がありましたが、今度のTICAD-Ⅴ開催に際して、科学技術関係団体が関連イベントを開催するという計画があって、開催できれば私も出席しようと思っていたんですけれども、何かいろいろな事情で開催に至らなかったということで、TICAD-Ⅴの本会合と関連イベントに今回は出席する予定はございません。日本学術会議がG8サミットに向けて、G8サミット参加各国等の科学アカデミーが取りまとめた共同声明を、TICAD-Ⅴにも関連する内容であるということで、サイドイベントでブース展示を行うということがあります。それから、宇宙について言うと、宇宙分野でのアフリカとの協力については、経産省は支援開発協力の一環として、リモートセンシング衛星による資源探査の人材育成というのを推進していまして、このTICAD-Ⅴの関連で開催された日本アフリカ資源大臣会合、5月18日で、茂木経産大臣から、日本アフリカ資源開発促進イニシアティブとして、リモートセンシング衛星、これを活用した資源探査を含む1,000名の人材育成を提案し、参加国から賛同を得ています。こうした宇宙システムを活用した国際協力、関係府省と連携して推進をし、民間企業の海外展開を支援していきたいと思います。そういうところでしょうか。
 今日は、一口ネタで、STSフォーラム(科学技術と人類の未来に関するフォーラム)のことをやらせていただきたいと思います。
 実は、このSTSフォーラム、ダボス会議の科学技術版ということで、当時の尾身大臣が発案をして、2004年から毎年京都で開催して、今年10回目ということになるんですけれども、これが実はものすごく、日本における数少ない国際的に発信できる会議になっています。今年10回目なんですけれども、今回、アメリカに出張して、例えば全米科学アカデミーの懇親会、大きなパーティーでお目にかかった高名な学者の方々、有識者の方々が、みんなSTSフォーラムのことをよく知っておられたということもありますし、今回出張中に会った米国産業競争力会議の会長とか、この人はウィンス・スミスという人なんですけれども、この人もSTSフォーラムの評議員なんですが、これはもう非常に日本としてはすばらしい発信をしているということでおっしゃっていました。また、お話した全米科学アカデミーの方々は皆さん、STSフォーラムのことを言及していました。これは、尾身元大臣がよくそうおっしゃっていたんですが、実は本当にそこまでSTSフォーラムが世界で認知されているのかなという気持ちを持っていたんですが、アメリカに行ってみて、STSフォーラムは、本当にすごい会議だということがわかりました。これは本当に大事にした方がいいと思います。他の分野の国際会議、よくわからないんであまり軽々なことは言えませんけれども、科学技術の分野では世界最大の会議の一つになっていると。世界の本当に有名な学者やアカデミアの多くがこのSTSフォーラムのことを知っているということを今回痛感いたしました。
 テーマは「科学技術の光と影」ということで、前回は2012年10月7日から9日の3日間、国立京都国際会館でやったんですけれども、96の国、地域、国際機関から1,000名、科学技術、政治、ビジネス、メディア界の世界的なリーダーが参加をして、活発な議論が行われました。今年10回目ということで、2013年10月6日~8日の3日間、国立京都国際会館にて開催されるということになっております。ぜひ注目をしていただきたいと思います。
 このSTSフォーラムに、これまで多くの世界的リーダーが参加をいたしまして、これ、自民党が前回与党だった時代ですけれども、小泉元首相とか安倍総理等がこれまで出席をしていますし、ノーベル賞受賞者も参加しています。野依(良治)理化学研究所理事長とか、iPSの山中(伸弥)京都大学教授とか、海外からも多数参加をしています。この間御報告した米国出張の際に訪問したNIH(米国国立衛生研究所)の長官、AAAS(米国科学振興会)の会長、それからビジネス界からも、日本の経団連の会長も出ていますし、あるいは、バンク・オブ・アメリカの会長も参加をしています。参加者数も実は年々増えていって、第1回は50の国、地域から500人だったんですけれども、昨年は96の国、地域から1,000人が参加しているということで、さっきから申し上げているとおり、世界的に認知されているフォーラムになっているということで、ここに来ると世界各国の結構いろんな分野のリーダーに会うことができる、そういう場所になっています。このSTSフォーラムは、民間団体が科学技術に関する政策対応を推進するということで、この日本の科学技術外交にも極めて重要な役割を果たしているということが言えるんじゃないかと思います。
 このSTSフォーラムの開催に合わせて、科学技術政策担当大臣が単独で議長を務める国際科学技術関係大臣会合を開催しておりまして、前回は、日本を含む20カ国の科学技術政策を担当する大臣、科学顧問等が出席をして、グリーン成長に資する知識、教養を含めた、効果的な国際科学技術イノベーション協力等について意見交換を行いました。今年は10月6日に会合を開催いたします。私が議長を務めることになっていまして、その時の状況にもよりますけれども、科学技術担当大臣であれば、その時私が議長を務めるということになっていまして、世界各国の科学技術担当大臣と会えることを大変楽しみにしております。
 以上申し上げたんですけれども、本当にこのSTSフォーラムは世界的に極めて認知をされているということで。やはり、いろんな意味で日本の存在感が総体的に低下をしているという面があります。とにかく安倍政権になって、アベノミクスをしっかりと成功させ、強い経済を取り戻すことで、また日本の存在感をしっかり国際社会の中で高めていかなければいけないと思います。他の会議を知らないんで、また気をつけないといけないんですけれども、本当に世界の有識者から認知されているこれだけ大規模なフォーラムってなかなか他に思いつかないんで、これは科学技術担当大臣として、しっかりバックアップ、できるバックアップをさせていただきたいなと、このように感じております。
 何か御質問があれば、お受けしたいと思います。

2.質疑応答

(問)科学新聞の中村です。29日に、先程お話あったんですけれども、日本学術会議がG8サミットに向けた共同声明を出されたと思うんですけれども、あれ、内容からすれば、これからの国内の科学技術政策にも関わってくると思うんですが、大臣としてはどのように受け止めて、これから政策的にどういうふうに対応していかれると考えて。
(答)安倍総理に報告をされた学術会議の大西会長が、そこに私も同席をさせていただいて、これはやはり人類全体の未来にとっても非常に大事なことを扱っておられる話、二つありましたね、テーマは。一つが「持続可能な開発の促進」と、「病原微生物の薬剤耐性問題」。これ、両方とも非常に国際的には大事な課題だと思いますし、日本学術会議、各国の学術会議との連携もしっかりとってもらって、科学的知見を要する諸課題に有益な提言をしっかり行ってもらうと、こういうことに尽きると思いますし、このTICADでもブースを設けるんで、そこにこの提言も確か掲示することになっていると記憶をしています。こういう提言もこれからの科学技術政策というか、そういうものに生かしていくべきだなと思います。
(問)あともう一つ、昨日だったかな、宇宙予算の戦略的資源配分方針が決まりましたけれども、それについての受け止めはどうでしょう。
(答)宇宙政策委員会の戦略的資源配分方針、元々、経費見積もり方針というのを私が変えたんですけれども、これは、昨年度もなかなか実績を上げていると思うんですね。今回は更に進めるということで、多分時期的にもタイミング的にも早いと思うんですが、去年よりも。中身としては、やはり新しい宇宙基本計画の自律性の確保と宇宙開発利用の拡大と、2つの哲学に基づいていろんな提言をしているんですけれども、中身は非常にいい提言だと思います。ですから、これをこれからいかに各省の概算要求にきちっと反映させていくかということですし、そこは私も担当大臣としてバックアップしていきたいと思います。
(問)それに関連して、宇宙政策、宇宙産業を振興するというのが今度の宇宙基本計画のあれだと思うんですけれども、ただ、今まで経産省でも宇宙政策、産業の振興をやっていたわけじゃないですか。それが成功しなかった理由をちゃんと分析して、その上で、なぜうまくいかなかったのかを分かった上で新しいのをやっていかないと、同じ政策手法でやっていたんだったら、何かまた同じことになるんじゃないかなと一般的には懸念をするんですが、それについては。
(答)それは、ですから、今の宇宙政策委員会でもいろんな部会を設けて、これまで過去の経緯もきちっと検証しながら、どういう具体的な政策を打っていけばいいのかということをちゃんと議論していると理解しています。
 もちろん今までも宇宙産業をきちっと強化していかなければいけないという考え方はあったと思うんですけれども、やはり安倍政権になって、昨日の科学技術イノベーション推進特別委員会でも申し上げたんですけれども、哲学が変わったんですよね。やはり今度の宇宙基本計画の中で、宇宙開発利用の拡大と、それから自律性の確保ということをはっきり打ち出したんで、今までとは違いますよね。やはりこちらをきちっと主体的にやるということで、それについての必要なインフラも具体的にきちっと出しているわけですから、そこはもう、この安倍内閣になって、宇宙利用拡大の方にフォーカスを置くと。宇宙科学フロンティアとかももちろん大事ですよ。ですから、一定の予算をきちっと振り分けていくということですが、やはりフォーカスは変わったんだと思います。
 今度、ここはもう新しい一歩として、宇宙開発利用の拡大、宇宙産業における日本の競争力の強化、これをやっぱり、宇宙を日本の経済活性化に結びつけていくという発想は、今までなかなか、政権にはここまで色濃くなかったと思います。
 すみません、50分待たせて。次はこういうことがないように気をつけますので。
 ありがとうございました。

・説明資料(PDF形式:195KB)

(以上)