山本内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年4月17日

(平成25年4月17日(水) 20:00~20:22  於:本府庁舎5階522会見室)

1.発言要旨

ちょっと早口でいきたいと思います。本日11時から、総合科学技術会議本会議を開催いたしました。会議には臨時議員として、稲田規制改革大臣、それから、地域資源の議論では林農水大臣、健康長寿の議題では田村厚労大臣をそれぞれお招きをいたしました。茂木大臣の代理として佐藤ゆかり大臣政務官、甘利大臣の代理として西村副大臣も出席しました。なお、菅官房長官は欠席でした。
 前回会議では、成長戦略に関して次世代インフラとエネルギーについて集中的な議論をやりましたが、本日は残りの地域資源と健康長寿について、集中的な議論を行いました。安倍総理からは次のとおり発言がありました。これもプレスの前だったと思うのですが、安倍総理から、イノベーション推進の司令塔であるこの総合科学技術会議に策定をお願いしている科学技術イノベーション総合戦略(仮称)は、我が国のイノベーション政策のいわば骨太の方針となる重要なパッケージであり、この策定に向けて精力的なご審議をお願いをしたいと考えている。こういうことで、ここが一番のポイントだと思うんですけれども、つまり科学技術イノベーション総合戦略(仮称)が、まさにイノベーション政策の骨太の方針だと。この策定をやはり総合科学技術会議に任せているというところが、一番の、この発言のポイントだと思います。すなわち、科学技術イノベーションの根幹の政策は、総合科学技術が一義的な責任を持ってしっかりとつくると、こういうことだと思います。
 それから各議員の意見についてもざっと紹介したいと思います。まず最初に、地域資源についての集中審議ですけれども、原山議員の方から有識者議員提出資料について説明があって、その後、林農水大臣からもそれぞれ提出された資料について説明がありました。新藤総務大臣からも(説明が)ありました。その後、議員からご発言がありましたので、主な発言だけざっと紹介をしたいと思います。
 まず、地域資源に関する主な意見ですが、まず橋本議員から、農業の競争力強化に対して、科学技術の貢献は非常に大きいというような話がありました。大西議員からは、強化すべき事項として、森林資源、これはやっぱり森林を科学技術と組み合わせて最大限活用すべきだという話がありました。久間議員からは、高品質で安全な農産物を作って売れる仕組みを作るべきだということが非常に大事だという話がありました。平野議員からは、人材交流のみならず、人材育成を目指して地域の主体性を活かして、産学官が連携することが重要だと。人材育成の話を強調されていました。中鉢議員からは、労働力、エネルギーなどの資源は地域に存在している、富は都市に集中していると。このバランスをどう捉えるかというのが大事なんだという話がありました。原山議員からは、地域そのものが海外の地域と戦い、強い地域をさらに伸ばすことが大事だという話がありました。青木議員の方からは、輸出産業では、知財の運用をうまく進めて、世界市場の開拓を進めるべきだという話がありました。内山田議員からは、地域の取り組みの個別プロジェクトをやるのではなくて、継続的に時間をかけて実施している格好が必要だと、こういう話がありました。新藤総務大臣からも、地域には資源が眠っているんだと。各地域で自分達に合ったシステムを作れるようにすべきであって、各省の取り組みを総務省として横串でつないでいきたいとの話がありました。
 それから、次に健康長寿に関する議論もありました。これはまず平野議員から、有識者議員提出資料について説明があって、田村厚労大臣からも説明があって、その後また議論がありました。これもざっと紹介したいと思います。
 まず、久間議員から、平均寿命と健康寿命の差は今は10年だけれども、10年後には5年にするなどの具体的な目標を定めて進めるべきだという話がありました。それから原山議員から、研究の成果をビジネスにつなげていくことが大事だと。ITの基盤を駆使して、ビジネスを絡めた総合戦略が必要だという話がありました。この健康長寿について、新藤総務大臣からは、ICTを活用して利便性を図る実証プロジェクトが進んでいると。例えば、皆さんご存じの、徳島県の「葉っぱプロジェクト」の話があって、地域に住む人を増やせばビジネスにもつながるので、ICTの輪を活用して地域活性化に取り組みたいという話がありました。佐藤経産政務官からは、介護ロボットHALの話があって、次世代バイオ医薬品の製造技術開発とか、介護ニーズを踏まえたロボット介護機器の開発に、ぜひ力を入れたいという話がありました。
 総合科学技術会議については以上です。
 その後、産業競争力会議にも出させていただいて、きょうは4つの小さいプレゼンをさせていただきましたが、この中身については甘利大臣の方からご説明があります。私の発言について聞きたいということであれば、この場で聞いていただいても結構です。
 以上です。何かご質問があれば受けたいと思います。

2.質疑応答

(問)産業競争力会議の推進体制、イノベーション推進体制の強化、有識者提案が出たんですけれども、それについての大臣の受け止めについてをちょっと。
(答)有識者の榊原議員のですか。方向性としては非常に大胆なお話をされていると思います。総合科学技術会議の機能を抜本的に評価するという点でいうと、同じ方向を向いているのではないかなと思います。ただ、榊原議員のおっしゃっているNSTIみたいな構想は、これは一つ頭に置いておかなければいけないんだけれども、やはりどちらかというと第二段階の話だろうという形で、私からは―これは別に私の発言だから言ってもいいと思うんですけれども、とりあえず、まずできることからしっかり実現をしていきたいので、ぜひご協力をいただきたいという話をさせていただきました。
 それから知財も私の担当なんですけれども、これは全て今、知財戦略本部でつくっているイノベーションプランの中の議論に含まれているので、ほとんどこれは榊原議員と同じ方向を向いていると言っていいと思います。
(問)一つ、榊原ペーパーのほう、予算執行まで含んだ話なんですけれども、自民党の……
(答)J-ファイル。
(問)ええ、あれなんかでは、執行は本来は司令塔ではないのではないかというような議論もありますけれども。
(答)それは多分いろいろな議論があると思うので、これからしっかりそのあり方については、総合科学技術会議でもさらに議論を詰めていきたいと思います。とりあえず、しかし科学技術イノベーションのための府省横断のプログラムを、しっかり総合科学技術会議が資源を配分できる、決められる、そういう枠はぜひとも必要だということは、これは私の発言なので言ってもいいと思いますけれども、これははっきり申し上げました。最低でも、少なくとも500億円ぐらいの枠は必要だということはもう発言をいたしました。
(問)それでは、総合科学技術会議のほうで、地域の話が出ていたんですけれども、民主党時代に事業仕分けで、経産省とか文科省がそれまでずっとつくっていた地域の予算がばしっと削られて、随分地域間の技術力なんかが落ちたんですけれども、今回の提言ではそういうものも復活させて、もうちょっとちゃんと地域の力を出せるようにしていこうという。
(答)今度の提言というのは、榊原提言ですか。
(問)いや、今回の議論では、そういうような話も出たりとか、あるいは大臣の中でそうやって民主党政権で低下してしまった力を何とか戻そうというのは、問題意識としては。
(答)その中身は総合科学技術会議でということ。
(問)はい。
(答)それは特になかった気がします。私としてはちょうど大臣になった後、内閣府の人たちといろいろな議論をしょっちゅうやっているんですけれども、1時間ぐらい。その中でやはり民主党時代に削られた予算の話があったので、結構、地域のイノベーションという点でいうと、やや痛い面もあったかなと思っているので、そういうことはちょっと考えていきたいと思いますが。まだ、具体的にどういう話になるかという議論は詰まっていません。
(問)よろしいでしょうか。すみません、好きなこと言ってやらせていただきまして、後は甘利大臣に全部、産業競争力会議のことはお聞きください。
 ありがとうございました。

(以上)