甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年7月8日

(平成26年7月8日(火) 10:31~10:44  於:合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 私からは特にありません。

2.質疑応答

(問)今朝の日本経済新聞に載っていたのですけれども、総理が外遊先で、人口減少対策の総合戦略を年明けにまとめるというお考えを明らかにしたそうです。この事実関係と、どのような内容になるのか、わかっている範囲で教えていただけませんでしょうか。
(答)経済財政諮問会議の下に「選択する未来」委員会を設置いたしました。座長の日本商工会議所三村会頭を中心に、50年後を見据えた日本の課題、それにどう対処していくべきか等について、長期的な視点に立って提言を頂いたわけであります。それと並行して、増田元総務大臣が、地方が現状のままいくと将来的にはこういう姿になるということを発表され、まさに「増田ショック」が、全国、地方、地域を襲ったわけであります。しかし、このショックは、人口減少、それがもたらす地域コミュニティーの崩壊について、各地域が、他人事ではない、自分事として捉えていただけるという契機になったことは良かったと思っております。本当に間近に迫る現実問題としてどう取り組んでいくかということを、国も地方も明確に認識したと思っております。
 総理は、恐らく二つの点で地方創生本部ということを考えておられるのだろうと思います。一つは、アベノミクスをローカルアベノミクスとして地域に展開していくということ。もう一つは、「選択する未来」委員会が提示した姿に対して、今からどのように手を打っていくかということだと思います。出生率は地方の方が高いのですけれども、どうしても東京一極集中の流れが止まらないとすると、出生率の極めて低い東京に人が集まるということによって、日本全体の人口の減少に加速がかかるし、地域のコミュニティーの崩壊にも加速がかかる。この問題にどう対応していくか。
 つまり、地域で若い方々が生まれ、学び、仕事を持ち、結婚し、子育てをするという、地域社会できちんと人生を全うすることができる、自己実現をできるというような、そういう体制をどう敷いていくかということだと思っております。中核市を中心に都市機能を集約化して、地方の都市機能が損なわれるようなことがない中で、抱えている問題が地域の一定のエリアの中で解決できるような方策をとっていくことだと思っております。
 総理が外遊からお帰りになって、地方創生本部の準備を始められるとインタビューでお答えになったというお話であります。本部の設置自体は少し先のことかと思いますけれども、事務的な準備は、総理が帰られてから入るのかなと推察いたします。まずやるべきことは、各省バラバラに行われている地域再生施策をワンパッケージ化していくということから取り組んでいくことだと思っております。いずれにいたしましても、総理がお帰りになって、これを全大臣参加の下に取り組んでいく、具体的な手続の指示が発せられるのだと思っています。
(問)総合戦略の部分について、目途はいかがでしょうか。
(答)これは総理が本部長として指揮をとられるのだと思いますけれども、内閣を挙げて取り組んでいくことが大事だと思います。秋の臨時国会は、地方再生と女性の活躍という、大きな2本の柱が立つのだと思っております。いずれにしても、まだ間接的にしか伺っておりませんので、関係各大臣、官房長官を中心に、総理がお帰りになって具体的な指示が発せられるのだと思います。
(問)TPPの件ですが、労働分野でかなり前進があり、事実上CN(首席交渉官)会合で決着しているようなことになっているそうですが、その辺の事実関係と、労働分野がある程度前進しているというような報告を大臣は受けていらっしゃるのかを、可能な範囲で教えていただければと思います。
(答)まだ具体的な項目について報告があるわけではありません。全体として話が進んでいる部分もあると。ただ、CN会合で懸案項目が全て解決するということについては、なかなかハードルが高いのではないかというニュアンスの報告をされていますけれども、具体的に何がどこまで進んだということは、まだ今協議をしている最中でありますので、精力的な協議を期待しているというところであります。
(問)法人減税の財源に関する考え方について、2013年度の決算では、昨年末の補正後予算額に比べて、法人税の上振れは4,300億円。政府内で意見が割れている中で、これを仮に全額、減税の代替財源に活用できたとしても、実効税率の引下げとしては1%分ぐらいにすぎないと思うのですけれども、結局そうしますと、来年度の税制改正ではこの法人減税引下げというのは、最大でも1%程度にとどまってしまうということなのか、あるいは、この法人税収以外の全体の上振れ、1.6兆円の活用ということもあり得るのか。それとも、いつからの上振れという面でいえば、2012年度決算からのそれとの比較で考えるのか、そこら辺の考え方を、教えていただきたいのですが。
(答)法人税減税の財源をどこに求めるかは、これから暮れに向けて精緻な議論をしていく必要があろうかと思います。課税ベースを見直すという議論は、これからまさに本格的に着手していくことでありますし、そして、上振れが構造改革要因によるという検証もこれからしていくところであります。そして、今回の上振れは土台が年度ベースではありません。基本的に補正後であるとしても、今後どう推移をしていくかということも、これから見通しをしっかり立てていかなければならないと思っております。もろもろ含めまして、恒久財源あるいは準恒久財源としてどこまで使用ができるかという検討はこれからだと思っております。アベノミクスがこれから順調に進んでいけば、法人税が数年で30%を切って、20%台になるということは夢物語ではなく、現実的に可能な話であると思っております。
(問)現時点で来年度、どれくらい引下げられそうかというイメージは、大臣の中でありますか。
(答)原資が確定しておりません。もちろん、単年度税収中立という考え方ではないということを財務省もお話されておりますけれども、いずれにいたしましても、きちんと財源の見通しを付けるということは、責任のある政策として必要でありますから、それをこれから精査していくということであります。目標としては、数年内に実効税率20%台ということを総理が掲げておられます。着手は来年度からということでありますから、総理が示されている枠に沿ってスケジュールを組んでいきたいと思っております。
(問)今日から自民党と公明党で消費税の軽減税率の導入について議論がされますが、どのような論点があり得るのか、お考えを教えてください。
(答)両党の党税調を中心に議論されることでありますから、私がこうあるべしと口を挟むのはどうかと思いますが、党税制調査会の中でのお話を仄聞しますと、いつから始めるのか、どういう手法で行うのか、技術的な問題がどこにあるのか、それから幅をどのくらいにするのかということ等々、課題はたくさんあるわけであります。自民党税制調査会、公明党税制調査会、与党税制調査会の中で、最もコストパフォーマンスのいいやり方を追求されていくのだろうと思っております。

(以上)