甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年6月20日

(平成26年6月20日(金) 18:03~18:12  於:合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 月例経済報告等に関する関係閣僚会議の概要を報告申し上げます。
 景気は、緩やかな回復基調が続いているが、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動により、このところ弱い動きもみられるといたしまして、先月から判断を据え置いております。これは個人消費は、一部に持ち直しの動きがみられるものの、全体としてなお弱めでありまして、また、生産も下押しされた状況にあることを踏まえたものであります。ただし、収益の改善等を背景に設備投資は増加をし、雇用環境が改善をする中で賃金も上向いてきております。景気の基盤はしっかりしていると見ております。
 先行きにつきましては、当面、駆け込み需要の反動により弱さが残るものの、次第にその影響が薄れ、各種政策の効果が発現をするなかで緩やかに回復していくことが期待をされます。ただし、海外景気の下振れが引き続き我が国の景気を下押しするリスクとなっています。
 政府といたしましては、6月中に、いわゆる「骨太方針」及び「規制改革実施計画」をとりまとめるとともに、「日本再興戦略」を改訂いたします。また、「好循環実現のための経済対策」を含めた経済政策パッケージを着実に実行し、平成26年度予算の早期実施に努めてまいります。
 日本銀行には2%の物価安定目標をできるだけ早期に実現することを期待をいたします。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)個人消費の判断を5カ月ぶりに上方修正しましたけれども、これは増税後の反動減は底を打った、もしくは実質あるというふうに見てらっしゃるか。
 あと、消費が増税前の通常レベルに戻るのは大体何月ごろと見ていらっしゃるか聞かせていただけますでしょうか。
(答)百貨店やスーパーは戻りつつあります。家電も回復基調にあると。自動車が少し弱めで、これは注視していかなければならないと思います。旅行等のサービスあるいは外食等は駆け込み需要もなければ反動減もないという感じでありますし、そこは堅調に増加傾向であります。
 これがいつ反動減を克服して成長軌道に戻るかということはまだ注視をしていかなければなりませんが、次の四半期には回復してくれることを期待いたしております。
(問)今の関連で、次の四半期、7-9月期ということだと思いますけれども、かねてから経済対策の効果もあって7-9月期には成長軌道に戻るというお話をされていたかと思うのですけれども、今のところこの落ち込み、反動も踏まえ、その戻り具合も踏まえ、大体シナリオどおりというふうにお考えでしょうか。
(答)大体想定の範囲内と言っていいかと思います。ですから、前回の97年のときも、次の四半期には、消費自体は回復しました。今度の方が3%ですから、上げ幅が大きいというところに注意を払わなければいけないと思いますが、設備投資を含めて企業収益が非常に回復しているということもあり、夏のボーナスも、パーセンテージで言うと30年来の上げ幅ということも勘案しますと、7-9月期にはたくましく回復してくれるというふうに期待ができるのではないかと思います。
(問)今、イラク情勢が非常に緊迫化していて、原油の価格などを通じて経済への影響なども懸念されていますけれども、あるいはアルゼンチンのデフォルト懸念も再び持ち上がっていますけれども、こういった海外経済については、大臣としてはどのようにとらえていらっしゃいますでしょうか。
(答)イラク情勢は、エネルギー価格に跳ね返ってくるということを若干危惧いたしております。できるだけ早く落ち着いてくれることを願っております。アルゼンチンについては、いろいろと過去にもございました。それほど大きなマグニチュードにはならないのではないかと思っております。
 ブラジルのワールドカップでかなり南米経済が牽引されるということもあって、相殺されていくということを期待しています。
(問)消費についてですけれども、まだ確認できるハードデータが少ないと思うのですが、今回判断を引き上げているのは、週ごとに確認している事業者さんへのヒアリング、この辺を重視されて判断されているのでしょうか。
(答)週次データをできるだけとっております。ただ、週次データというのはフラクチュエイトする要素が多いですから、あまり断定的に言えないのでありますけれども、上下移動しながら傾向としては回復基調にあるという判断ができるのではないかと思っております。
 いずれにしても企業が体力を回復してくる中で、消費税率が引き上げられたわけでありますし、企業の収益構造の改善がその企業以外の経済の押上げ要因になってくるのではないかと思っておりますので、いわゆるデフレ下においての消費税率の引上げとちょっと違った環境下にあると思います。それがいい意味で反転力になってくれるということを期待しています。

(以上)