甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年5月16日

(平成26年5月16日(金) 8:59~9:10  於:合同庁舎8号館1階S108会見室)

1.発言要旨

 本日TPPに関する主要閣僚会議を開催し、シンガポール閣僚会合について議論を行いました。先般の日米協議で生まれた大きなモメンタムを生かしまして、現在、日米がリーダーシップを発揮して、全てのTPP交渉参加国との交渉を加速いたしているところであります。今週行われました首席交渉官会合におきましても、多くの論点について間合いを詰める作業を行ったとの報告を受けております。来週の閣僚会合におきましては、首席交渉官会合の成果を踏まえまして閣僚間で政治的な課題の解決を促進し、交渉の早期妥結に向けて意味ある成果を上げたいというふうに思っております。
 なお、本日の会議では、前回に引き続きTPP以外のEPAについても、交渉の現状と今後の対応に関する議論を行いました。詳細は、EPAに関しては外務省にお問合せをいただきたいと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)首席交渉官会合の進捗ですが、大臣は、シンガポールで政治決断ができるような環境が整ったと見ていらっしゃるか、あともう一つ、シンガポールにおける日米の閣僚協議、それから全体会合について、現時点の見通しを聞かせていただけますでしょうか。
(答)CN会合におきまして、それぞれの項目で間合いが縮まったことは事実であると思いますが、それがシンガポール閣僚会合で全体の合意にまで持っていけるかどうかは、まだ未知数であります。シンガポール閣僚会合におきましては、まず進捗状況の確認と整理を行うことから入るのだと思います。
 日米協議が加速をいたしました。日米の交渉結果を見守っていた他国が、日米に倣って、もちろん日米以上に進んでいるところは、それはそれでいいのでありますけれども、まだ劣後しているところは、早く平そくを合わせるという作業が確認されるのだと思います。
 そして総会の後、精力的にバイ会談ということになると思いますから、総会におきまして進捗状況の確認がなされた後に、平そくを合わせるべく精力的な二国間会合が行われていくと思います。その二国間会合を受けて、翌日に再度、かなり長めの閣僚会議が開かれると承知いたしております。
 2日間でどこまでいわば大筋合意に向かって全体の平そくを合わせることができるか、これはまだ未知数でありますが、各国閣僚とも精力的な動きをしていくのであろうと思っております。
(問)大臣の今の御説明で、大筋合意に向かって平そくを合わせることができるかというところがございましたが、今回のシンガポールで日米の間の大筋合意ないしは、12カ国での大筋合意に到達する可能性というのは、どのように今御覧になっていますでしょうか。
(答)まだ未定であります。日米に関しては本格的な事務折衝が再開できておりません。閣僚会合と並行して行われるようであります。そこでどこまで日米間の間合いが詰まるかということであります。これはちょっと実際にやってみないとわからないというところがあります。ゼロではないと思いますけれども、とにかく次回の会合の第一は進捗状況の確認をするということ、進捗管理をしっかり行って劣後している国がないかを点検して、しっかり一定レベルまでは平そくを合わせていくということであろうと思っております。
(問)昨日の経済財政諮問会議で、骨太の方針に法人税の引下げを書くことに麻生財務大臣だけが、1人強く難色を示されていたと思うのですけれども、麻生大臣から理解が得られそうか大臣の現時点での見通しを聞かせていただけますでしょうか。
(答)安倍内閣を支える重要閣僚でいらっしゃいます。最終的には総理の考え方に全閣僚が収れんしていくということになっていくと思います。まだ骨太の作成までは時間がありますから、この間にしっかり閣僚間で議論をしていきたいというふうに思っております。
(問)昨日、「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」が報告書を取りまとめたのですけれども、そのことに対する受け止めをお願いいたします。
(答)総理が会見でおっしゃっておられました、とにかく国民の生命・財産、日本の主権、これを守るためにどういう備えが必要かと、つまり不測の事態に至らぬようにしっかりとした備えが必要だということであります。一部のマスコミ報道で戦争に巻き込まれる云々という表題が躍りましたけれども、そうでないようにするための備えをすると、平和というのは何もしないでいると保たれるということではなくて、平和を維持するための努力と準備が必要だということだと思います。総理の会見は、そのことを国民の皆さんに訴えられたのだというふうに思っております。
(問)今日のTPPの閣僚会議で、シンガポールの会合に向けて、各閣僚からどんな発言があったのか、可能な範囲で御紹介をお願いします。
(答)とにかく国会決議にもあらわれているように、国益を守りつつなおかつ交渉妥結に向けて汗をかいていくというその方針で、しっかりやっていこうということでありました。
(問)今日まだ始まってはいないのですけれども、政府税調の法人税改革のグループが素案を出すようなのですが、広く薄くであるとか、欠損金の見直しとか、大臣や経済財政諮問会議の考えとちょっと違うところもあると思うのですが、それもまた骨太方針に反映されると思われるので、今後の政府税調、党税調、経済財政諮問会議での法人税改革についての調整についてお考えをお聞かせください。
(答)政府税調、そして特に党税調、与党税調とは、政府としてはしっかりすり合わせをしながら進めていきたいと思っております。法人税減税をする際にはいろいろな課題が挙げられています。代替財源をどうするのか、具体的な実施時期をどうするのか、どれくらいまで下げるのか、それから他の税関連項目との関係をどうするのか、軽減税率を含めていろいろな問題提起がなされているわけでありますし、これからもいくのであろうと思います。一つずつ丁寧に説明ができるように整合性をとりながら進めていって、着地点を見出していきたいと思っております。骨太方針は来月でありますから、まだ若干の時間的余裕があります。精力的に関係主体との協議を進めていきたいと思っております。

(以上)