甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成26年4月22日

(平成26年4月22日(火) 9:49~10:04  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 私からは特にありません。

2.質疑応答

(問)明日、オバマ大統領が来日されますけれども、日米首脳会談でTPPについてはどのような扱いで話されるのでしょうか。
(答)これは、日本の官邸、外務省、それからアメリカのホワイトハウス、国務省の間でいろいろと調整をされているものだというふうに思います。日米の強い絆を共同会見で表明されることになろうと思いますが、その交渉の中では、安全保障と経済に関する日米協力は、柱の一つになるのではないかと思っております。
(問)そのオバマ大統領の来日にフローマン代表も同行するということがUSTRから発表されました。先日対峙したばかりですが、また日本でお目にかかることの思いと、また、こちらでまた会談を継続する予定などあるかどうかお聞かせください。
(答)前回相当突っ込んでやりとりを行いました。その後、昨日、今日と事務折衝を続けているわけであります。その進展度合いによって大臣間で自然体で会うということはあろうと思います。
 どのような心境で待っているかと。別に恋人を待っているほど楽しくはありません。
(問)現時点でTPPに関して重要5項目の関税の扱いが24日までに決着する可能性というのはまだ残っているのか、見通しを教えてください。
(答)時系列的に申し上げますと、シンガポールの会合がありました。大変険悪な状況になり、仕切り直しをして、最後はこういう方向で方程式を組み立てようということになりました。それを受けて東京での会談がありました。そこでは、一定の進展はあったけれども、まだ日米間の距離はかなりあるという結論でありました。更に事務折衝を重ね、次に私がワシントンに行ったわけであります。そこでの交渉も大変シビアなものでありましたが、最終的に日米でそれぞれが会見した内容は、もう御案内のとおりでありますが、やはり同じく一定の進展はあったが、まだ距離感は相当ある。でありますから、シンガポール以降少しずつ間合いが縮まっているということは事実であります。これが大筋合意に至るかどうか。大筋合意というのは、農産品5品目、それから自動車でもめているわけでありますが、それらの見通しが立つということ、あるいはそれに近いものだというふうに思います。それができるかどうか、まだ私自身はかなりの距離感を感じております。
(問)昨日、渋谷審議官がブリーフィングをオンレコで開かれて、アメリカは相当厳しい主張をしていて、原則関税撤廃であるという主張をいまだに崩していないというふうにおっしゃっていたのですが、フローマン代表と協議を行った甘利大臣としても同じ認識なのか教えてください。
(答)シンガポールから一歩も出ていないということはありませんけれども、交渉の中では、常にアメリカ、これはアメリカ以外の国もそういう表現をするのですけれども、日本が入る前の首脳会談で共有されたホノルル合意の精神を必ず出すということは事実であります。
(問)ということは、やはり5項目についてもいまだに関税撤廃するという原則について、先方は譲っていないという認識でよろしいでしょうか。
(答)ホノルル合意、極めて高い野心を目指すということが首脳間で共有されている基本哲学だからと、それに基づいて具体的な検討をしてもらうというのが基本ですからということは交渉のたびに言われることであります。
(問)TPPの首席交渉官会合が、来月12日から15日、閣僚会合が20日、それぞれベトナムとシンガポールでというような話もありますけれども、これから先のTPP交渉の全体の日程について、現時点の理解でお聞かせいただけますか。
(答)前回のシンガポール会合で私がフローマン代表に申し入れ、それが大臣会合総会で共有されたことは、最初に大臣会合ありきだと交渉は進まない、それが過去の反省点であるということです。つまり、二国間交渉あるいは事務交渉、首席交渉官会議等々で間合いが詰まってきて、そして大臣会合を開けば、そこが着地するという見通しが見えてきたときに初めて大臣会合はセットすべきものであって、それを無視して大臣会合だけセットしてしまうと、その間の交渉官会議、それはより権限のない人たちによって行われるものでありますから、それが形骸化してしまうということは強く申し入れまして、その反省に基づいた運営の仕方をしてほしいということで、それは共有されたはずであります。ですから、セットされる以上は、その見通しがつくと、事務折衝あるいは二国間折衝で間合いが相当狭まってきたという確認がとれて初めて見通しが立つということは、今も変わりないことだと思っています。
(問)昨日の夜から事実上始まった実務者協議で、どういった議論を期待されるのか教えてください。
(答)ワシントンにおいては、整理すべき項目についてそれぞれ事務方で整理をせよという指示を日米双方大臣から出しました。それがどう進展しているのかまだ報告はありませんが、フローマン代表が大統領とともに来られる時までには報告を受けたいと思っています。
(問)今日一部報道で、今日の産業競争力会議で、一般社員にも残業がつかないような、何時間働いても一定賃金という働き方を検討するという報道が一部あったのですけれども、その事実関係はいかがでしょうか。
(答)どうも曲解されるような部分報道がありました。それは是非訂正していただきたいと思います。
 そもそも働き方について柔軟性を与えようというのは、働く側にとっての不都合がいろいろある、それが雇う側にとっての不都合につながっているという点であります。午前9時から午後5時でタイムカードを押すような働き方ができないという人はたくさんあるわけであります。フレックスタイムで対応すればいいではないかという議論もありますけれども、フレックスタイムというのは現状それを利用している方々に言わせると、極めて肩身の狭い働き方であると。しかも、場合によっては、9時-5時で働けないような働き方については非正規化してしまう場合もある。あるいは正規であっても、それ以外の正規に比べて認識として劣後されるような位置づけになってしまっている、それが現状だと。いろいろな働き方、9時-5時就労ができない人にとって、正社員として他の正社員に劣後しないような、そういう働き方を設けてほしいというのは、働く方からの切実な思いでもあります。
 時間で計る働き方というのもありますけれども、その時間で計れない、自分のスケジュール感によって働く働き方、成果をちゃんと出せばいいのでしょうと、自分のスケジュール感でやらせてほしいと言う人も多くあるわけであります。それが働く方の意思によって選択できるというのは大事なことだと思っております。
 その大前提として、ブラック企業を駆逐するということが大前提であります。ブラック企業について労働基準当局等々の対応をより厳しくするということを考えております。その上で、9時-5時で働けない人は、非正規への道だとか、あるいは二流正社員と揶揄されるようなことがないように、そういう正当な真っ当な働き方として幾つかの選択があるということを検討すべきではないかという議論があるわけであります。
 ただ、いずれにいたしましても、まだこれから検討が始まる段階であります。残業代ゼロワークというような極めて意図的にバイアスのかかった表現はやめていただきたいと思います。
(問)TPPの話に戻るのですけれども、先ほど閣僚会合と首席交渉官会合の日程の件がありましたが、12日から15日ということと、閣僚会合20日というのは正式にアナウンスされている状況なのか、今、調整中という状況なのかということと、もし調整中だとしても、セットされるのが相当煮詰まった状態になっているという認識を先ほど示されておりますので、そういう状況にあるということなのでしょうか。
(答)まだ交渉中だと思います。いずれにいたしましても、この交渉が、二国間交渉あるいは首席交渉官以下の交渉が煮詰まっていないのに開くと、同じ悲惨なことになります。それはきちっと日本からも今まで伝えてきました。
(問)牛肉、豚肉についてはかなり厳しい状況で、厳しい交渉が続けられていると思うのですけれども、現状、農水委員会の決議というのは、ぎりぎり守られそうな方向で協議が進められているのか、現状を聞かせていただけますでしょうか。
(答)アメリカは議会について、できるだけ高く売れる中身にしたいと必死になっているでありましょうし、日本側は、よりオフィシャルな国会決議、この整合性を図れるであろうかどうかという点で強い交渉力を発揮していくつもりであります。人によっていろいろ結果が出たときの評価は変わると思いますけれども、満点でないにしても合格点が取れるように引き続き頑張りたいと思います。

(以上)