甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年11月15日

(平成25年11月15日(金) 8:55~9:10  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 私からは特にありません。

2.質疑応答

(問)TPPについてアメリカの議会の間で、政府に一括交渉権を与えるべきでないという意見が増えているようですけれども、アメリカ政府がTPA(貿易促進権限)を得られない場合、合意しても発効できないと思うのですが、大臣、そのあたり、どういう御懸念をお持ちか、聞かせていただけますでしょうか。
(答)TPPを妥結した後に、国内手続をスムースに行う、議会の承認を得るというのは、各国政府の努力と責任であります。TPPをリードしてきたアメリカがきちんと責任を果たすということであると、その一言に尽きると思います。
(問)アメリカ側が米以外の関税を全て撤廃するよう求めて、甘利大臣がそれはできない、拒否したというようなやりとりがあったという一部報道が出ていますけれども、その件についてちょっとお伺いしたいのですが。
(答)何か見てきたように報道されていますけれども、アメリカとの間で私がどういうことを詳細にわたってお話ししたかということについては、控えさせていただきます。
 基本的な私の主張は、先般の会見でもお話をしたとおりです。それぞれの国にセンシティビティがあり、日本にも御承知のものがある、その政治的深刻さはどれほどのものかということをきちんと理解してもらいたいということを申し上げました。
(問)来週、首席交渉官会合がありますけれども、昨日の会見でも少し言及があったと思うのですが、年内妥結に向けた交渉の現状と見通しについてお伺いしたいということと、同じく昨日の会見で、重要品目について精査を行うというようなお考えを示されたと思うのですが、その精査という表現の中身、方向性など、もう少し具体的にお考えをお聞きしたいと思います。
(答)年内妥結の動きが加速をしているということは、私が肌身に感じていることであります。交渉を主導しているアメリカが、各国といろいろ個別の交渉を相当強化しているという、その一環として、先般、ルー財務長官が日本に来られたということと承知をいたしております。各国とも、これに真剣に向かい合っております。この種の交渉は、壁にぶち当たって進まないと思いきや、突然に流れが加速するということがあるということは、私は前から述べておりました。その時の観測通りに進んできつつあるという認識をいたしております。
 我が国のセンシティビティに関して、細かい細目をどう検討する、あるいはしない、これは正に交渉の中身に関わることでありますから、言及は避けさせていただきます。
(問)経済対策の関連で2点ほどお伺いしたいのですけれども、12月上旬の取りまとめに向けて作業が進んでいるかと思うのですが、現状どういう状況にあるのか、進捗状況を教えていただきたいのが1点。もう1点は、補正の財源につきましては、当初から国債発行は回避するという方向で進められてきているかと思うのですが、ここのところの中間決算の状況を踏まえますと、法人税収も好調のようですし、改めて追加発行は回避できるとの見通しが立ったのかどうか。その2点をお伺いします。
(答)経済対策でありますが、これは先にパッケージをまとめました。今、それを具体化している、作業中でございます。近々、私から各閣僚に対して、この取りまとめ作業を具体的に急いでもらうように要請をするつもりであります。そして、12月上旬にも対策の取りまとめをしたいと思います。
 税につきましては、党税調において関係者の鋭意努力をいただくわけでございます。そして、復興増税の前倒し廃止による好循環につきましては、次なる政労使の会議の場で、その動きの確認がなされるように、今、関係方面と協議をしているところであります。
 それから、補正の財源を新たな国債発行なしに可能かという点については、そうなるべく、今努力中であります。
(問)為替相場ですけれども、2カ月ぶりに100円台、ドル円ベースで100円台回復ということなのですが、どのように分析なさっていらっしゃいますか。
(答)御期待に沿えなくて申しわけないですが、為替について、閣僚、なかんずく経済閣僚が言及するのは不適切かと思います。基本的に、各国の実体経済に沿った形であらわれていくものというふうに思っております。
(問)追加ですが、今、東京株式市場始まりまして、日経平均は1万5,034円で始まり、1万5,000円を回復しましたが、受け止めをお願いいたします。
(答)株価はその国の経済実態を正に反映していくわけであります。日本の景気回復が進んでいけば、それに見合った株価の評価になっていくというふうに思います。私どもとしては、実体経済が世界から高い評価を受けるよう、しっかり経済政策を進めていきたいというふうに思っております。
 景気を回復させるため、三本の矢を矢継ぎ早に放っているわけであります。一の矢、二の矢というのは即効性があるものであります。実施をするとすぐ効果が出てくるという、極めて見えやすいものでありますけれども、三の矢というのは、一番ボリュームがあって、一番本命の矢でありますけれども、プランをし、企画をし、そのツールをそろえ、そして実行に移し、その時点で効果が見えてくるということでありますから、時間がかかるわけであります。
 私どもとしては、日本再興戦略ということで、各般にわたる政策提示、それから実行過程の提示をいたしました。そして現在、臨時国会において、それを実施するためのツールたる法律の整備を図っているところであります。この法律を迅速に成立いただいて、実施体制を整えるということ。それから、国家戦略特区にありますように、それらのツールを使った具体的な事業が推進していく、この姿を早く見せていくことだと思います。あわせて今後、金融であるとか、あるいは農業の改革が、作業が進んでいくわけであります。それらを通じて、実体経済の変化が目に見える形であらわれていくということが日本の総合的な評価の上昇につながっていくかと思います。
 景気回復はそういう過程をとっていくわけでありますが、あえてそれに加えて言うならば、「気合いだ」、という姿勢が大事かなと思いますけれども。
(問)市場動向についてはコメントされないというお話ですけれども、本日の円安ですとか日経平均株高の起点となっている、アメリカの次期FRB議長に就任される予定のイエレン、現在では副議長ですが、の発言が起点になっているかと思います。つまり、アメリカの金融緩和縮小時期について特に言及はされなくて、これまでのバーナンキ議長に比べれば、緩和局面が続くのではないかという観測がベースにあるかと思います。大臣御自身のこの発言についての受け止めが、ございましたら教えていただけますでしょうか。
(答)バーナンキ議長は、テーパリングに関して、そういう局面が来たときに、経済状況をしっかり勘案しながらテーパリングについてどう図っていくかを検討すると、かなり慎重な言い回しをされましたけれども、それに対して市場が極めて敏感に反応しております。ということは、アメリカの実体経済が回復しつつ、強くなりつつあるけれども、まだ足元が弱いということを市場が見ているのだと思います。そこについて、次期後継予定者は、極めて慎重に図っていって、とにかく足元がしっかり固まっていくということを優先するというお話なのだろうと思います。
 アメリカの政策について私どもが一々批判・評価を加えるべきものではないと思いますけれども、世界経済の牽引役として、アメリカがしっかり足腰を強くしていくということに引き続き取り組んでいただければというふうに思っております。
 あわせて日本も、アベノミクスの目標というのは「JAPAN is Back」でありますから、どこにバックするのか、戻ってくるのかというのは、世界経済の牽引エンジンとしての役割として戻ってくるということでありますから、そこへ戻して、各般の政策を目に見える形で推進していきたいというふうに思っております。
(問)ウィキリークスでのTPPの機密文書の流出の問題ですけれども、あれは結局本物だったのかというのと、日本から流出した、漏れた可能性はあるのかというところを聞かせていただけますでしょうか。
(答)まず、その中身について、どういうものであったかという言及はいたしません。交渉は今継続中でありますし、日々刻々中身が変わりつつあります。
 日本から漏れたかどうかという点でありますけれども、その可能性は極めて少ないというふうに思っております。

(以上)