甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年9月20日

(平成25年9月20日(金) 10:42~10:52  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 私からは特にありません。

2.質疑応答

(問)消費税増税に合わせた経済対策の取りまとめの現在の進捗状況と、併せて復興特別法人税を1年前倒しで終了させることの狙い、安倍政権としての意図について、どういうふうに効いてくるとお考えかを御説明いただけますでしょうか。
(答)経済対策は、先の閣僚懇で総理から月内に取りまとめるように指示がありました。それに向けて今、政府、そして与党内で調整を進めているところであります。安倍総理が一番懸念をされていますのは、アベノミクスによって経済環境を良くし、企業業績を上げ、それが賃金や下請代金に跳ね返ってくる、その経済の好循環を作ることを通じてデフレ脱却をしていくということでありますが、企業業績は上がったけれども賃金は上がらない、物価は上がっていくけれども賃金が上がらない、ということになってしまってはアベノミクスは成功はしないと。そこの部分を非常に心配されていまして、いかに政府が環境整備をして好循環を作っていくか。企業業績が上がる、賃金が上がる、下請代金も上がる、そして消費も増える、そして生産が拡大をする、企業業績が更に上がると。その好循環が作れないと、アベノミクスは失敗だということであります。復興特別法人税の前倒し廃止は、そうしたお考えの脈絡での検討項目の一つであろうというふうに理解をいたしております。
(問)関連ですけれども、復興増税の前倒し廃止については、与党内でも被災地から反発が出るのではないかとか、被災地感情を考えるとそこに手を付けるべきではないという声も出ていますが、この辺はどういうふうに説明していくお考えでしょうか。
(答)被災地の対策予算を取り上げてしまうということではないのだと思います。まずその予算を確保すると。その上で1年前倒しをして行うと。ただし、それは賃金の改善につなげていくという順序で議論をされているのではないかというふうに思っております。あくまでも被災地に迷惑をかけるようなことは微塵もしないと。その上で、名目賃金が上がっていく姿を早く作り出すということを通じて、国民に経済が伸びていく実感を持ってもらうという取り組み、その一環として検討をされているというふうに承知をしております。
(問)本日の政労使協議のことでお聞きしたいのですけれども、以前からも幅広く協議していくという話でしたが、どのあたりが協議のポイントとなりそうかというところを教えていただけますか。
(答)アベノミクスは、あらゆる好循環を作っていくということであります。デフレによるいろいろな意味での悪循環を好循環に変えていくということです。企業業績が賃金あるいは下請代金に跳ね返ってくるということ、あるいは、成熟産業から成長産業に失業なき労働移動、そこにスキルアップやスキルチェンジがしっかりと入っていって、スムーズに日本を支える新しいフロンティアに経営資源、お金と技術と労働力でありますけれど、それが投入をされていく、そういうスムーズな資源配分を可能にするような知恵を出し合っていただき、認識を共有していく。何か強制的なことを決めるという場ではありませんけれども、日本が抱えている課題と解決する方向に向けての共通認識を、日本経済を支える全ての者が持つということだと思います。
(問)大臣が経済対策のパッケージのメニューの一つとされてきた法人税の実効税率の引下げについてですけれども、財政当局とか党内からも疑問の声が上がっていて、今後、実効税率の引下げについて、大臣はどのように考えられているのか教えてください。
(答)これは経済産業大臣を中心に検討していただくということになろうかと思います。方向性として、日本がどういう方向に向かうのかという中長期の方向性は照らしていった方が、海外からの対日投資を増やしていく等々にも貢献をするのではないかと思います。いつ、どれぐらいできるかというのは、日本経済の回復状況、体力とも関連をしてきますので、そこは慎重な設計をしていただければいいのではないかと思います。
(問)これも経済産業大臣が中心に進めることかとは思うのですけれども、御感想というか思いだけでも結構ですので。昨日、総理が福島第一原発を視察なさって、まだ十分稼動可能な5、6号機の廃炉を指示なさいましたけれども、震災当初、東芝のスタッフが入って、必死でメルトダウンしないように守った炉でもありますし、まだ何年も使える炉で、逸失利益等もかなり大きなものになると思いますけれども、それを踏まえて総理の決断についてどうお思いになられるでしょうか。
(答)総理の決断は、国民感情と安定的なエネルギー政策、双方を勘案しながらなされた決断かと思います。そこは十分にいろいろな要素を勘案しながら出された結論だというふうに思っておりますし、私はそれを尊重したいと思っております。

(以上)