甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年7月2日
(平成25年7月2日(火) 11:06~11:17 於:内閣府本府5階522会見室)
1.発言要旨
私からは特にありません。
2.質疑応答
- (問)昨日、GPIFなどの運用見直しについての有識者会合が初めて開かれたと思います。GPIFのこれまでの運用には、様々な課題が指摘されてきたと思うのですけれども、大臣御自身はどういうような問題があったというふうに認識されていますでしょうか。
- (答)公的・準公的資金、言わば、国民から預かった大事な資産、財産であります。「日本再興戦略」の中でこれを取り上げていますのは、国民から預かっている資産の運用利回りを上げていくということは、国民資産を増やしていくということになるわけであります。成長して国民に直接・間接的にはね返ってくるような措置は最大限とっていくということになるわけであります。
公的・準公的資金を運用する際、安全性と、それから利回りの有利性というのは相反関係にあります。そうすると、何の努力もしないと、より安全なもの、利回りのより少ないものに行くでしょうし、そこを指摘されてうかつに利回りの高いところに準備もなく乗り込んでいくと、毀損させてしまうということになります。
結論から言いますと、安全性と有利性の最大公約数をとっていく不断の努力なのですね。各国の公的資金運用主体というのは、まさに安全性と有利性の最大公約数を求める努力を日々死に物狂いでしているわけなのです。要は、日本の運用主体にもその努力を、安全性と有利性、相反する課題の一番高い接点を探っていくという努力を要請しているわけです。そのために、運用、分散投資の促進等であるとか、あるいはリスク管理体制のガバナンスとか、それからリターン向上のための方策等々、横断的にいろいろ議論をしてくださいということを申し上げているところであります。私が方向性を示すということではありません。この有識者の皆さん方に、そういう課題に沿って最大公約数を求めていくための下地になるガイドラインみたいなものを作っていただくと、それを受けて各国の運用主体のように、最大公約数を求めるために全力投入をしてもらいたいということであります。 - (問)アメリカが日本を含む各国の大使館を盗聴していたという報道がありました。TPP交渉など経済交渉をする上では、大使館の果たす役割は大きいと思いますが、この盗聴問題がTPP交渉にどんな影響を与えるか、大臣のお考えがあればお聞かせください。
- (答)盗聴問題とTPP、そこは直接の関わり合いはないと思いますが、日本、我が国のことを言えばですね、情報流出に関しては脇が甘い国だと思います。かなりいい人の国です。各国が国益を踏まえて相当なことをやっていくということ、その緊張感を日本はもっと持つべきだというふうに思っております。
- (問)GPIFの有識者会合に関連して、昨日は甘利大臣も出席されまして、終了後に担当参事官の方からも御説明をいただいたのですけれども、ただ、質問に対して、例えば、今後の会議の進め方等々について、座長と相談するというようなお答えだけあったり、割と、何と言いますか、ダイレクトなお答えがなかなかいただけないなということで、非常に大事な年金の運用を議論するということなので、国民の方皆さん期待、不安等々いろいろあると思いますし、説明責任を果たすという点で本当に十分なのかなという思いもするのですけれども、その点について大臣いかがお考えでしょうか。
- (答)これは、私も含めてGPIFの方向性についての発言は慎重にしないと、その発言自身が直ちにかなりダイレクトに市場に影響を与えますから、ここはやはり慎重にならざるを得ないのだと思います。株価を誘導しているととられかねないような言動とか、あるいは長期国債の利回りに影響が出るような言動というのは、厳に慎まなければいけない。そういう中で、恐らく慎重な発言になっているのだと思います。これは、その性格上いたし方ないなと思っております。もちろん議論の中身については、誤解を与えないように、なおかつ、情報がちゃんと伝わっていくように努力はしていただきたいと思っております。私からこうするということ自身が、いろいろな制約を与えてしまうかなということで、慎重にいたしております。
- (問)大臣をはじめ伊藤座長も日々御多忙なのは重々承知なのですけれども、今後もやはり議論の当事者の方からの御説明をいただく場を設けていただくというのはやはり難しいでしょうか。
- (答)節目節目には何らかの情報発信があるかと思います。
- (問)為替が1ドル100円に迫る勢いになっていまして、一方で、株価は、今朝、一時1万4,000円を超えましたけれども、背景等を御説明いただければ。
- (答)株価の日々の変動は、いろいろな要素があると思います。主に国外の要素が多いのでありますけれども。何度も申し上げておりますけれども、私どもは、実体経済を改善しいく、そのことに一点集中していくべきだというふうに思っております。
先般来申し上げていますとおり、GDPの推移であるとか、あるいは雇用統計、賃金水準等々、あるいは有効求人倍率、あるいは日銀短観でも報告されていましたけれども、企業のDIも劇的に改善しつつあります。これがきちんと月を追ってその線上に推移していくように、最大注意していくことが我々の使命だと思っております。
日本再興戦略は、プランとしてはよくできていますし、工程表もしっかりできています。あとは実行がきちんと予定どおりできるか、そこに最大限政府としては努力をしていくべきだと思います。 - (問)ただ、やはり為替が円安に振れて株が上がってくると、ちょっとほっとするかなというのは。
- (答)誘導質問には答えません。
(以上)