甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年6月11日

(平成25年6月11日(火) 10:02~10:16  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 私から1点だけ報告がございます。
 先般成立をいたしました番号法が公布をされまして、いよいよ制度の導入に向けた具体的な作業を官民を挙げて進めていく必要がございます。特に関連のシステム対応を円滑に進めていただくために、政令で規定することになっています番号の桁数について、早期にお示しする必要があると考えております。本日、個人番号については12桁、法人番号については13桁とすることを発表させていただきます。これに関連する質問などがありましたら、直接、担当の社会保障改革担当室にお尋ねをいただきたいと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)今日、日銀の金融政策決定会合2日目です。市場では、大きく荒れる展開が続いていますけれども、日銀に期待すること、期待する施策、何かございましたら教えてください。
(答)日銀の金融政策は独立性がありますから、こちらからあれこれ指示はいたしませんが、市場との対話を適切に行って、金融政策の日銀の考え方が、適切に市場と共有できるということを期待をしております。
(問)薬のネット販売について、今朝、関係閣僚の会合をやっていらっしゃいましたけれども、昨日の党の平場の会合では、秋に専門家による会議で結論を出すと言われている25品目ですね、ここを拡大するようにという要求も相次いでおりました。現在の閣僚間での調整状況を教えてください。
(答)閣僚間、政府内では意思統一がなされております。ただ、党内あるいは与党内で安全に対する担保ができているかという御懸念も提示されています。大事なことは、利便性をしっかり確保しつつ、安全性を担保していくということであります。そういう方向でもともと政府は考えておりますし、その考え方がしっかり伝わるような意思疎通を図っていきたいと思っております。
(問)その党の求めている25品目の扱いについては、それ以上は範囲は拡大せずに、成長戦略や規制改革会議の中では結論を出すということでよろしかったでしょうか。
(答)そうですね。要するに、取扱いに慎重な対応を要するというのはそれなりの理由があるわけでありまして、その理由で線引きをしっかりできるというのは、劇薬4品目プラススイッチOTC21品目ということになろうかと思います。
(問)週末、安倍首相が、街頭演説で、設備投資減税の導入や、それに伴う税制協議の前倒しについて触れられました。アベノミクス担当大臣として、これは今後どのように進めていかれるのか教えてください。
(答)総理御自身、この成長戦略の中で設備投資を拡大していくと、3年以内に1割拡大する。63兆から70兆に持っていくという意思表明がありました。それに対しての環境整備をしていく際に、従来は、今年決めたら来年度からというのが常識的でした。しかし、アベノミクスにおきましては、決めたことはすぐやっていく。「いつやるの、今でしょう」という方向でいきますという、この意思表示であります。
(問)今の質疑に関連してなのですけれど、昨日、総理から与党連絡会議でこのお話の説明があった後に、株価が一気に、一日で636円ほど上昇したということで、アメリカの金融緩和の先行きとともに、この成長戦略への期待感というのを挙げるアナリストもいるのですが、大臣は、今、この成長戦略、もし数学で例えるとすると、Xとすると、この成長戦略のXの値が100を最高として、どのぐらいまで来ているか。この値によって全体の日本の経済財政運営、経済社会の全体のパフォーマンスも変わってくるかと思うのですが、どのくらいまで今来ていると考えていらっしゃいますでしょうか。
(答)まだ我々はプランを取りまとめている段階であります。実施はこれからです。その実施に関して、具体的な戦略目標に向かっていく道筋を作って、一年一年そこへの道のりが確かな道のりを描いているかを検証できる仕組み、そして、もし予定どおり進んでいないのであるならば、それの原因を分析して追加的な政策対応をすると、こういうことを宣言しているわけであります。でありますから、プランとしては従来とは随分違うし、大事なことは、ただ目標を掲げているだけじゃなくて、それにたどり着くまでの道のりをきめ細かく精緻に設計をして、政府が長期にわたってコミットをする、ここが一番違いがあると思うのですね。ただ、アベノミクスにとって、唯一、今心配事があるとしたら、このプランを実施していくには法律が必要な部分が多いです。その法律、例えば、今国会にライフサイエンス関連の法案をもう既に出しています。しかし、残念ながら通っていません。衆参で政権として責任を持って実現をしていくための法律を成立させていくと、この体制がまだとれていないということが唯一の懸念だと私は思っております。そこで、参議院選を通じて、衆参でプランを実行に移していく法整備の体制をとっていくということができれば、これはプランは実施に向けての確度が極めて高くなるというふうに思っております。今が何点かというのは周りが評価することだと思います。
(問)先ほどの設備投資減税という話の関連ですけれども、成長戦略の中では、例えば、事業再編のための税制措置ですとか、そういったものももろもろ盛り込まれているのですが、次の通常国会をにらんで、具体的にいつごろまでに結論を出したいか、スケジュール感を教えていただけますか。
(答)今、国会が開会中ですから、秋に臨時国会がある、ないということは言及すべきではありません。仮にそういう状況ができたときには、一番直近の国会で、まとめられたものについては実施に移していく法案の提出等、あるいは税法も含めて整備等を迅速にやっていく。総理自身ができるだけこの秋に向けて具体的な作業でまとめられるものはまとめていって、それを実施する法律なり税制なりは直近の国会に出したいという意思表示を総理はされているわけであります。そこのところは、通常この種の政策あるいは税法絡みのものは、今期に取りまとめたら、来期からやっていくための体制をとるというのが定番でありますけれども、スピード感ということを考えて、そこまで待たずに直ちに対応できるものはしていくということであります。総理からの指示は、具体策としてまとめられるものは、できるだけ早くまとめよという指示をいただいております。
(問)関連ですが、「設備投資減税」と総理はあえて固有名詞というか具体的に言及されたのですけれども、本年度も1,000億程度の設備投資減税を行ったのですが、その上で更に設備投資を減税して、効果が上がるのかという疑問もあるのですけれども、いかがでしょうか。
(答)相当大胆な手法を考えていくことになろうかと思います。今、詳細を設計中であります。党税調とも連絡をとりながら、できるだけ設備投資に向けた意欲が拡大していくような、大胆な案を組み上げていきたいと思っております。
(問)設備投資減税、「今でしょう」というような御発言がありましたけど、それなら今回の成長戦略に盛り込めばよかったのかなと思うのですけれども、なぜ盛り込めなかったのかというのと、あともう1点、週末に総理が、「平均年収を150万円引き上げる」と発言されていましたけれども、これは誤解が生じるような気もするのですけれども、このあたり御説明いただけますでしょうか。
(答)まだ、今、成長戦略は取りまとめの過程にあります。総理は、設備投資減税をできるだけ早く、できるものは早くするという発言はされています。詳細は、その具体的に何をどうするということについては発言をされておりません、第三弾の時にですね。それは、設計中だからという御理解をいただければというふうに思っております。
 それから、1人当たりのGNIを150万円引き上げると、総理の発言に若干誤解を生ずる部分があったので、総理自身は、その後、この誤解を解くための説明をされています。GNIというのは、昔でいうとGNPですね。1人当たりですから、お年寄りから赤ちゃんまで人口で割った1人当たりですから、家計で言えば、4人家族であれば150掛ける4ですから、600万円、GNIが上がるということになるわけであります。ただ、これは、国民総所得ですから、給与も入っていれば、企業の所得や、あるいは減価償却費等も入っているわけであります。純粋に給与で言いますと、GNIの半分ぐらいが給与、それから、個人には、配当利子所得も含めると五十四、五%でしょうか、残りは企業分ということになるわけであります。そこの誤解が若干あったということは、説明が少し足りなかった点はあろうかと思います。所得で言えば、これに該当するのは、40%ぐらい所得が伸びていくということになります。具体的な数字の方がわかりやすいので、そちらを捉えたのだと思いますが、若干説明が足りない点は事実だと思います。それは、総理御自身が、後の説明で訂正をされていますし、官房長官等も、言葉足らずの点が部分的にあったことは事実なので、これはこういう話ですという説明はされていると思います。

(以上)