甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年5月20日

(平成25年5月20日(月) 11:32~11:42  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 まず私の方から報告を申し上げます。
 ただいま月例経済報告に関する関係閣僚会議が終了いたしました。
 景気の基調判断は「景気は、緩やかに持ち直している」としまして、先月から判断を上方に変更をいたしております。これは海外景気の底堅さ等を背景に、輸出に持ち直しの兆しがみられること、こうした動きや個人消費の持ち直し等を背景に、生産が緩やかに持ち直していること等を踏まえたものであります。
 なお、物価の動向につきましては、依然緩やかなデフレ状況にありますが、円安の影響もありまして、このところ一部に変化の兆しも見られます。
 先行きにつきましては、輸出環境の改善や経済対策、金融政策の効果等を背景に、マインドの改善にも支えられまして、次第に景気回復へ向かうことが期待をされています。
 ただし、海外景気の下振れが、引き続き我が国の景気を下押しするリスクとなっていることに注視が必要であります。
 政府といたしましては、平成24年度補正予算を含めた緊急経済対策の迅速かつ着実な実行に向けまして、しっかりとした進捗管理を行うとともに、今般成立をしました平成25年度予算を着実に執行してまいります。
 また、日本銀行には2%の物価安定目標をできるだけ早期に実現をすることを期待しております。
 私からは以上であります。

2.質疑応答

(問)今回基調判断から「弱さ」という文言を初めて落としたわけですけれども、この理由と、あと安倍政権の経済政策がどう影響しているかについて、改めて聞かせていただけますでしょうか。
(答)安倍政権の金融政策、そして機動的な財政出動が次第に実施過程に入ってきているわけであります。そうしたなかで、実質GDP成長率、年率換算で言いますと3.5%になりました。この回復基調はV字回復であります。しかも、普通日本の景気というのは、輸出に支えられて、牽引されて回復するということなのですが、消費がかなり牽引をしている部分があります。こういった点を捉える、あるいは設備投資のマイナス幅が弱くなりつつあるとともに、先行指標たる機械受注がかなりV字に回復をしてきております。これらを総合的に判断いたしまして、こういった表現とさせていただいた次第であります。
(問)消費者物価と、それから海外景気についてお伺いします。
 消費者物価ですけれども、下落テンポは緩やかになっていますけれども、前年と比べると、まだマイナス傾向が続いていると思うのです。そこの今後の見通しを教えていただきたいのと、あと海外景気なのですけれども、今年の第1四半期のGDPで見ると、中国は伸びが鈍化していて、ヨーロッパもマイナス成長の国が多いですけれども、海外景気の今後の見通しもあわせて教えてください。
(答)消費者物価ですね、いわゆる判断としては、まだ緩やかなデフレ傾向は続いているというふうにしています。ただ、詳細を調べますと、コアコアでは前月比で若干プラスになっているのではないかと思います。次第に政策効果があらわれてきている、日銀の金融政策の効果もあらわれてきているのではないかと思います。
 海外の動向は、やはり下振れリスクとして捉える必要はあります。アメリカは堅調だと思います。中国とEUがまだ不安要因が残っております。中国とEUで行って来いの関係に今回なっておりますけれども、つまり判断は、中国はややマイナス判断、EUについてはややプラス判断。これはユーロ圏以外の、もちろんEU圏でありますが、イギリス経済が上向いてきている、それからユーロ圏内ではドイツが上向いてきているということの判断をさせていただきました。
(問)さっきもお聞きしましたけれども、今回の結果を踏まえて、日本経済、どういうふうに変わってきているのかと。少しステージが変わりつつあるのか、その辺り、大臣はどう見ているか聞かせていただけますでしょうか。
(答)異次元の政策投入による異次元の景気回復への歩みが始まったというふうに申し上げております。これはV字回復という点が一つと、それから回復の中身が消費が先行していると、もちろん輸出も堅調なのですけれども、日本の景気回復は輸出が伸びるか否か、その1点にかかっていたのが、エンジンが二つに今回なっているという点が従来とは中身が異なるということだと思います。
 これからの課題であります設備投資であります。設備投資は、下げ幅は小さくなっていますけれども、マイナスであることは変わりありません。前期比マイナスが続いているわけであります。これを一挙にプラスに持っていくような環境をつくることが重要だと思っております。先ほども申し上げましたが、機械受注、先行指標はかなり回復をしておりますが、一部大型案件という特殊事情があります。もちろんこれを引いたとしてもプラス傾向では間違いないと思うのでありますけれども、設備投資を牽引していくような環境整備が必要だと思っております。

(以上)