甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年5月7日

(平成25年5月7日(火) 9:53~10:05  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 まず、私から1点ございます。ESRI国際コンファレンスの開催についてであります。このESRIというのは、経済社会総合研究所の英訳の略称でありますけれども、内閣府経済社会総合研究所による国際コンファレンスであります。これを5月30日木曜日、31日金曜日の2日間、三田の共用会議所におきまして開催をいたします。
 本コンファレンスは、いわゆるアベノミクスが、日本経済再生、あるいは世界経済発展に果たす役割について論ずるために、国内外の著名なエコノミストを招へいして開催するものであります。海外からの会議参加者でありますが、ノーベル経済学賞を受賞されましたジョセフ・スティグリッツコロンビア大学教授、それからマクロ経済学、開発経済学などでは著名な功績を持っておられますジェフリー・サックスコロンビア大学地球研究所所長、それから日本の経済政策につきまして、積極的に提言をしてこられたアダム・ポーゼンピーターソン国際経済研究所所長、それからイェール大学名誉教授の浜田宏一内閣官房参与などが参加する予定であります。詳細につきましては、後ほど事務方から説明をさせていただきます。
 私からは以上であります。

2.質疑応答

(問)ゴールデンウィークの外遊の成果、特にTPPに関する成果について聞かせていただけますでしょうか。
(答)ベトナムとシンガポールの各貿易担当大臣、そしてベトナムはズン首相にもお目にかかり、話をすることができました。TPPに関してでありますけれども、まず進捗状況について、情報を聴取し、意見交換をしました。そしてこのままTPPが進んでいくに当たって、抱えている懸念事項等についても、話を聞いてまいりました。あるいは日本と協力する対応につきましても、協議をしてきた次第であります。高い目標を掲げるということと、全員が参加するということの整合性をどうとっていくかということで、いろいろとまだ課題があるように感じてきました。
 TPPは先進国と途上国の両方が加わっている経済連携であります。経済の進捗状況、それから抱える課題がまちまちでありまして、これをどう整合性をとっていくかということに、これから相当な努力が必要だという認識を持った次第であります。TPPはできるだけレベルの高いもので、一人の脱落者も出さないで、いわば最大公約数をどうやって求めていくかという協議になってこようかと思います。そういった中で、先進国と途上国をつないでいくTPPの中での2番目の経済が参加したということは、果たすべき使命が大きいというふうに感じて帰ってきた次第であります。
 まだ、正式参加はしていないわけでありますから、先方が出せる情報も当然制約がかかってこようかと思います。そういうTPPの中でのルールに配慮しながら、できるだけ情報共有したいと思っております。それぞれの国の担当大臣に、日常、事務レベルでしっかり意見交換ができるような体制をとってほしいという旨、要請しまして、了解いただいたところであります。
(問)おはようございます。外遊お疲れさまでした。株価が1万4,000円台に乗りましたが、この要因をどう御覧になるかというのと、もし今後、目標となさる株価などございましたら、ぜひ一言いただきたいと思います。
(答)1万4,000円は何ラインと呼ぶのか知りませんけれども、とにかく株価は日本経済再生の象徴になっておりますから、堅調に推移しているというのは素直に歓迎をしたいと思っております。アメリカの経済が次第に回復基調にあるということと、それから日本のアベノミクス効果が次第に実体経済に反映しつつあるという点が評価されているのだと思います。世帯消費支出は、前年度比3カ月連続プラスで推移をしておりますし、とにかく消費が拡大をしていくということは、生産が安定してくる、投資へのインセンティブになってくるはずであります。そういった周辺視界が、次第に霧が晴れつつあるということが好転材料になっているのであろうと思っております。今後、更に実体経済に具体的に反映していくように、成長戦略、それにまつわる施策の確定と推進を急ぎたいと思っております。
(問)一部報道で、産業競争力強化法というものを大臣が検討されているという報道がありました。これはどのようなもので、いつごろの提出を目指されているのかを教えてください。
(答)この点に関しましては、経済産業省が、今、策定をしているところであります。基本は企業の再編に資するような環境整備の一環だというふうに承知いたしておりますが、こういうタイトルで提出する以上は、もうちょっとインパクトのあるものにしたいと思っておりまして、その旨、私から意見を添えているところであります。成長戦略は具体化をしてくるものに少し時間がかかります。ライフサイエンスの分野におきまして、2本の法律が提出予定であります。まず、これが今国会で成立するかということが一つあります。そして成立した後に、具体的な投資計画が各企業によって図られるわけであります。その間に、当然タイムラグがあります。私といたしましては、その間にも投資が起きてくるための環境整備を考えたいと思っておりまして、その旨の注文もつけているところであります。
(問)首都高速道路の改修に、空中権の売却ですとか、民間資金を活用して行うようなお考えがあるか、可能性について聞かせていただけますでしょうか。
(答)今までのPPP、PFIは、税金の延払い方式でありまして、本当の意味での民間活力の投入ということにはならないのだろうというふうに思っております。このPPP、PFIを更に民間の資金で需要を生み出していくということにならないかということを議論をしております。コンセッション、運営権の売却方式も、もちろん従来の延払いよりは若干踏み込んだものでありましょうけれども、まだインフラの更新については、この方式ではなかなかできないわけでありまして、さらにそれがステージ2、ステージの3、4、前も申し上げましたけれども、公共事業の更新を民間資金で担っていくようなことがとれないかということを検討いたしております。そういう意味では首都高の話は民間議員からも出ている話であります。かつて川であったところに首都高が走っている部分があると、その空中権について、そこにふたをすれば土地が生まれる。その空中権云々という話が議論で出ております。あるいはインターチェンジの上空、相当広い面積が確保されるわけであります。そこは首都高の株主、国、地方自治体のものとすれば、それが連携をしてその上空利用ができないかとか、それを活用してインフラ本体の更新、あるいはメンテナンスに充てられないか。単に通行料を管理するだけのことであるならば、現状でも民間企業がやっているわけでありますから、ほとんど新たなということにはならないということでありますから、民間の資金を投入して、それを公共インフラのメンテナンス、あるいは更新に資金投入ができないかということで、民間議員からの提案があります。傾聴に値することだと思っておりまして、真摯な検討をしていきたいと思っております。

(以上)