甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年4月26日

(平成25年4月26日(金) 10:10~10:18  於:院内閣議室前)

1.発言要旨

 私から幾つか報告がございます。
 まず、本日の閣僚懇談会におきまして、成長戦略及び骨太方針に関しまして、安倍総理から次の御発言がございました。第1に、成長戦略と骨太方針については6月中旬に開催されるG8サミットの前までに策定をすること。第2に、各閣僚は、総合科学技術会議、教育再生実行会議、規制改革会議等、諸会議の検討結果を、遅くとも5月中旬の産業競争力会議の議論に反映できるよう、早急に整理をすること。第3に、骨太方針については、経済財政諮問会議において、経済再生と財政健全化の両立等に向けた議論を行っており、策定に向けた検討を進めること。総理のこれらの発言を踏まえまして、成長戦略及び骨太方針の取りまとめに向けて、関係大臣と鋭意調整を進めてまいります。
 次に、東京電力の火力電源入札に関する環境省と経済産業省の調整結果についてであります。4月2日に開催されました日本経済再生本部におきまして、総理から、石炭火力に関し、環境にも配慮した高効率の石炭火力を活用するために、5月を目途に、できる限り速やかに環境アセスメントの手続の明確化を図るよう、環境大臣及び経済産業大臣に指示をされました。このたび、両省で本件につきまして合意に達したとの報告を受けた次第であります。今回の合意によりまして、今後、エネルギー制約克服に向けて、民間投資が促進され、環境にも配慮した高効率の石炭火力の活用が図られるものと期待をしております。詳細は、環境大臣、経済産業大臣から発表がありますので、そちらにお尋ねをいただきたいと思います。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)TPPですけれども、アメリカ政府が議会に対して日本の交渉参加を正式に通知いたしました。90日ルールがスタートしたわけですけれども、日本政府としてどのように交渉に向けて準備をされていくお考えなのか、お聞かせください。
(答)議会通知がなされました。90日間をカウントしていきますと、7月の下旬ということになります。7月中に開かれると言われております、次々回ですね。5月の次に7月と言われていますから、その回には何としても正会員として参加したいと思っておりますし、その見通しが出てきたというふうに思っております。
 ただ、そこの会議まで何もしないということではなくて、もう交渉現場、事務方に指示をいたしまして、そこに向けて情報交換、まだメンバーでないにしても、できる限り情報収集に努めよという指示をいたしております。会議に臨むに当たっては、可能な限り万全の体制で臨んでいきたいというふうに思っております。
(問)財政運営健全化目標についてですけれども、先日の経済財政諮問会議で、菅官房長官が、2015年度のPB半減目標について、柔軟に、固定化しないでという趣旨の御発言をされたようですけれども、甘利大臣としてのお考えをお聞かせください。
(答)官房長官の発言は、いろいろな影響をしっかり勘案する作業をしてほしいという意味で言われたのだというふうに思っております。基本的に政府が掲げている方針は、なかなか厳しい方針でありますけれども、それに向けて進んでいくという、その前提は変えておりません。
(問)今朝発表された消費者物価指数、5カ月連続のマイナスですけれども、この受け止めと、このデフレの流れをどう断ち切っていかれるか、改めてお考えを聞かせてください。
(答)CPIの総合もコアコアも、前年同月マイナスが続いているわけであります。つまり、緩やかなデフレ状態は現状続いているという認識であります。金融政策は明確な効果が現れておりますし、財政政策につきましても、先般の経済財政諮問会議での確認調査では、6割を超える具体的な執行に至ったと。つまり、民間契約に至ったということであります。迅速に執行していくと同時に、金融、財政そして成長戦略と、これらのアベノミクスの総合的な効果が具体的に発現をして、デフレ状況から脱却するように、政府としても最大の努力をしていきたいというふうに思っております。
(問)先ほどの財政健全化目標の件ですが、官房長官の発言は、いろいろな影響を勘案する作業をしてほしいというのは、具体的にはどういった意味なのか。また、政府として、PBの15年半減の目標の時期の後ろ倒しであるとか見直しについて、これから経済財政諮問会議などで検討するような考え方はあるのでしょうか。
(答)目標はそのまま堅持してまいります。官房長官の発言は、それ自体を延期せよという発言ではありません。経済の影響をよく精査、調査するべきではないかという提言であります。もちろん、策定をしていく際には、いろいろな影響を全部精査して、そして最適なプランを組むというのは当然のことでありますから、それも踏まえて、しっかりとしたプランを作っていきたいと思っております。
(問)関連してですけれども、その今の議論を引き取る形で甘利大臣から、どういうふうな時間軸で落とし込んでいくかということを、ぜひ綿密に英知を集めて適用していただきたいという御発言がありまして、これは目標達成時期の見直しもお考えなのかなというふうに…。
(答)いや、現時点で考えておりません。

(以上)