甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年4月12日

(平成25年4月12日(金) 17:02~17:08  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 月例経済報告等に関する関係閣僚会議の概要を報告申し上げます。
 景気の基調判断は、「景気は、一部に弱さが残るものの、このところ持ち直しの動きが見られる」といたしまして、先月から判断を維持いたしております。
 これは、家計や企業のマインドの改善が続くなかで、個人消費が持ち直していること、輸出や設備投資は依然弱めであるものの、下げ止まりつつあること等を踏まえたものです。
 先行きにつきましては、輸出環境の改善や経済対策、金融政策の効果などを背景に、マインドの改善にも支えられ、次第に景気回復へ向かうことが期待されます。ただし、海外景気の下振れが、引き続き我が国の景気を下押しするリスクとなっていることに注視が必要であります。
 政府といたしましては、平成24年度補正予算を含めた緊急経済対策の迅速かつ着実な実行に向けて、しっかりと進捗管理を行うとともに、平成25年度予算及び関連法案の早期成立に努めてまいります。
 また、日本銀行には、2%の物価安定目標をできるだけ早期に実現することを期待いたします。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)安倍政権に交代してから、3か月連続で続いてきた景気判断の上方修正が途切れたわけですけれども、その要因についてどういうふうに分析されていますでしょうか。急速に進み続けた円安の影響などもあるというふうに見ておられるか聞かせてください。
(答)個人消費は持ち直しておりますけれども、輸出、設備投資は、依然弱めであります。もちろんこれは下げ止まりつつあるというところで基調判断を据え置いた、判断を維持させていただきました。機械受注は、先行指標となり得るものであると思いますが、反転攻勢に入っております。
 是非次の機会には、この現状維持判断を上方改定することができればと期待いたしております。
(問)今日、黒田日銀総裁も御出席なさったと思いますが、金融緩和について、あるいは足下のマーケットについては何か御発言があったでしようか。
(答)日銀のとられた金融調節につきまして、既に報告をされていることでありますけれども、その御報告がございました。
(問)月例についてですけれども、最初の質問とも少し重なりますけれども、アベノミクスでずっと上方修正が続いてきて、ここにきて判断据え置きというのは、上向きの動きというのは一旦ここに来て途切れたというか、足踏みしているというような御認識なのか、大臣どのようにお考えでしょうか。
(答)そうではありません。先ほど申し上げたような理由であります。
 それから、輸出入の関係、よく御質問が出るところでありますけれども、円安になって、輸出環境が整っているにもかかわらず、下げ止まりつつあるけれども、まだ拡大に転じていっていないという点を御指摘されるわけでありますが、幾つかの要因があります。
 外的要因としては、外需がEU等のこともあり完全に回復をしていないということと、それから、輸入につきましては外貨建てが8割、輸出は6割でありますから、輸出入でいえば、輸入がリアルタイムで物価高に反映、輸入が数量掛ける価格で拡大するところでありますけれども、輸出にはタイムラグがあるということ等々、勘案しなければなりません。
 これから全体として、円安は経済にプラス効果というような算定もありますが、それが具体的に現れてくるのをもう少し待つということになるかと思います。

(以上)