甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年4月12日

(平成25年4月12日(金) 9:44~10:00  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 私からは特にありません。

2.質疑応答

(問)TPPについて、アメリカとの間で正式に合意したのか、夕方にはもろもろ発表できるのか、教えてください。
 もう一つ、ここに至るまで、想定より時間はかかったと思うのですけれども、ここまでのところを振り返っての御感想を聞かせていただけますでしょうか。
(答)今、最終的な詰めをしております。いい方には向かっていると思っておりますが、もう少し時間が必要です。仮に話がまとまった場合は、できるだけ遅滞なく発表ができればと思っております。
(問)7月のTPPの交渉会合の開催について、今どういう期待を持っているのかということと、7月にラマダンというのがあって、他の国際会議の日程は、7月、なかなか開催は難しいという話もあるのですが、その辺も含めて、見通しを教えてください。
(答)まずその前に、日米合意、それから、あと残っている国の了解を取り付けないと、入会が認められないわけであります。最大案件の米国との協議が最終調整の段階に入っております。仮にこれがうまくいったとしますと、あと残りの国で、基本的には賛意を表明していただいておりますけれども、いろいろ要望をおっしゃっている国との話を決着させなければなりません。そして、仮に日米間の合意が成り立った場合には、遅滞なく議会通告をしていただく、それはアメリカ側のことでありますから、こちらからいつしろというようなことは言えないわけでありますが、これはできるだけ早い措置がなされることを期待するわけであります。
 その上で、7月の会については、いずれにしても今の段階では何とも申し上げられません。とにかく関係11カ国のうち、同意をしていただいているのはまだ6、7カ国だと思いますが、残りの国の同意を極力早く取り付けたいというふうに思っております。
(問)消費税について教えてください。ファーストリテイリング並びにイオンなど大手流通業が、増税後も価格据置きをするという方針を相次ぎ表明していますが、価格転嫁を進めていこうという政府から見て、この動きはどう見えるのか。並びに、その特別措置法案につきまして、大手流通業の経営者が、理解できない等々の表現で、かなり強く批判していますが、こういう発言についてどう思われるか、教えてください。
(答)「消費税還元セール」ということはやめてくださいというお願いをしているのです。消費税は、還元するものではなく「納める」ものでありますから、消費税はきちんと納めてくださいと、還元しないでくださいと。その上で、どういう価格設定をするかについて、幾らで売らなければいけないなどということは全く申し上げておりません。経済原則の中で、価格を下げて、できるだけ安く消費者に商品を提供しようというのは自由にやっていただければいいことでありまして、あくまでも消費税は返さないで、きちんと納めてくださいということであります。
(問)あと数週間でゴールデンウィーク、大型連休を迎えますが、大臣の外遊日程、もし固まっているものがあれば、あるいはどういった国、御希望があれば、教えてください。行きたいという御希望はあるでしょうか。
(答)ええ。今、相手もあることでありますし、日程が週末にかかるものでありますから、面会する相手方の都合も、今確認中でございます。可能ならばASEAN方面を訪問したいという思いは持っておりますが、まだ確定をしておりません。
(問)TPP対策本部について、縦割りを排除して、政府一丸となって取り組むという方針を掲げられて立ち上げられたと思うのですが、省によって、思いの異なる部分というのは根強いと思うのですけれども、本部が立ち上げられて1週間ですけれども、縦割り排除ですとか連携ですとか、その辺はうまくいっていらっしゃるのか、大臣の御認識をお願いします。
(答)我が国政府は、この種の対応について、目標が決まれば一丸となっていくという気質はもともと持っていると思っております。特に国内的には利害調整が極めて重要になってくるわけでありますけれども、トータルとして国益の最大化を目指すということについて、異論はないというふうに思います。
 日米首脳会談で、お互いがセンシティビティーの確認をいたしております。それは交渉の過程で最終的に確立されていくということでありますから、その交渉の過程で、日本にとっての最大公約数がとれるために、全員一丸となって進んでいきたいというふうに思っています。
(問)確認ですが、ゴールデンウィークの外遊で、ASEAN方面というのは、やはりTPPに参加している国を念頭にということでよろしいでしょうか。
(答)ええ。それまでに関係国の了解がとれるということがもちろん大事なことでありますけれども、ASEANは全て了解をいただいております。それらも含めて、いろいろと意見交換をしたいというふうに思っております。
(問)昨日、規制改革会議で、金融庁がクラウドファンディングの枠組みを作るなどといったベンチャー支援策を打ち出してきたのですけれども、これへの評価と、これまでメニューとして挙がっている成長戦略にはベンチャーの支援策というのは薄いようにも見えるのですけれども、日本にベンチャー企業を増やすためにどういった取組が必要とお考えか、どういった取組をやるかというのを教えていただけますでしょうか。
(答)日本に限らず、言ってみればそのベンチャーのメッカでありますアメリカでも、投資が視点の短いものにだんだんなりつつあるという危惧が出されています。つまり、ベンチャービジネスは、ITのような即効性のあるものは別として、日本のお家芸でありますモノづくりに関するものについては、恐らく最低5年間くらいは赤字が続くということを覚悟しなければならないと、そういうファンディングが必要であります。どうしても忍耐強い資金が減ってきていると。ここは世界の課題だと思いますし、特に日本は製造業、モノづくりがコアな力になっていますから、足の長い資金、リスクマネーが必要だと思います。そういう点で、クラウドファンディング、少額の資金を集めて大きな塊として出資をしていくという仕組みだと思います。
 実は、日本にはエンジェル税制というのがあります。これは私もかねてからその必要性を主張してきて、今の形になっているわけでありますが、日本のエンジェル税制はかなり深掘りがしてあるものです。特定のベンチャービジネスに対して出資したものがそっくり所得控除になるとか、あるいは譲渡益が他の譲渡損と相殺される仕組みについて、かなり深掘りができています。ただ、この宣伝が余り届いていないのだと思います。エンジェルの意識が、個人が投資するという意識が余りないですね。特定の大きな資金を持っている投資家の世界と思われがちですが、小さな資金でもそういう余地があると。しかも今回は、クラウドファンディングは小さな資金を集めて大きなものにするという試みですから、これは評価できるのだと思います。
 あわせて、今あるエンジェル税制のPRが足りないというふうに思っておりますから、この機会に、どういう税の優遇措置があるのかということを、もっと分かりやすく政府としてはPRしていきたいと思っております。
(問)TPPの残りの承認が必要な国の中で、ペルーというのはもう一度、去年支持をしたけれども、再協議をしているというふうに言われていますが、どういう事情があるのか、分かれば教えていただけますか。
(答)今、それぞれの国は、自分自身の了解が必要だということについて、今までよりも意識を持ったということだと思います。
 ただ、日ペルー間の課題は、そう大きい課題があるというふうには承知しておりません。アメリカとの協議がうまくいけば、かなり理解をもらえるのではないかというふうに思っております。
(問)今後、7月めどにTPPへの交渉参加が認められた場合ですが、TPPの正式交渉会合を日本で招致したいというような思いはお持ちなのでしょうか。できるだけ早期に、あるいは7月にも呼びたいというお考えはありますか。
(答)気の早い話でありますが、できるだけ日本が早い機会に正式交渉で議論をしていくと、その機会を、日本が開催するか他国が開催するかは別として、できるだけ早い時期にその機会を持ちたいというふうに考えております。ただし、まず、今細目を詰めております日米間がうまくセットされるということから先の話であります。
(問)先程、ペルーに関しては、アメリカとの協議がうまくいけば理解を得られるのではないかという認識をおっしゃったのですけれども、ほかに残っている、カナダ、ニュージーランド、オーストラリアと認識しているのですけれども、この3カ国についてもアメリカとの協議がうまくいけば。
(答)ええ。昨日、カナダは茂木大臣と会談したと思います。基本的な方向性として理解をいただいたというような報道がなされています。今日もカナダの大臣が私のところに来られます。重ねて理解を求めていきたいと思います。昨日の感触ですと、何が何でも自分の主張が入れられなければということでもないようでありますから、理解は得られるのではないかと思います。
(問)ニュージーランドとオーストラリアは如何でしょうか。
(答)ニュージーランドとオーストラリアも先般、大使が見えまして、最後まで我々は反対していくということではないですからねということをおっしゃっていましたから、理解はいただけるのではないかと思います。

(以上)