甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年4月5日

(平成25年4月5日(金) 8:38~8:48  於:院内閣議室前)

1.発言要旨

 私の方から1点報告がございます。TPP政府対策本部の立ち上げに関してであります。
 政府一体となって交渉に臨む強い体制を作るとの安倍総理の御指示を踏まえまして、本日、閣議決定によりまして、TPPに臨む新体制として、TPPに関する主要閣僚会議の下に、私を本部長とするTPP政府対策本部を設置いたしました。
 政府対策本部では、本部長の私の下、国内総合調整を担当する国内調整総括官に佐々木豊成前内閣官房副長官補を充てました。そして、交渉を担当する首席交渉官に、鶴岡公二経済担当外務審議官を充てました。
 TPPに関しましては、1として、国内総合調整、対外交渉、情報提供に一元的に対応し、2として、縦割りは排除し、政府一体となって国益に向かって対応できるように、総計65名からなる強い体制を作りました。今後、更に体制を強化しまして、特に交渉チームを約70名を超えるくらいまで増やしまして、最終的には我が国の交渉参加までには、本部全体で約100名程度の体制とすることを考えております。
 実務は、佐々木国内調整総括官と鶴岡首席交渉官を中心に進めさせますが、政治的判断を要する場合には、本部長である私が、官邸の官房長官と連携をして、しっかりと判断をしていきたいと考えております。そのために、形式にこだわらず、直接本部長の指示が徹底をされ、一体となって問題意識を共有して対処できるよう、シンプルかつ明確な形の体制といたしております。今後、この体制の下で、TPP交渉において、GDP世界第3位の国力を生かしつつ、交渉力を駆使して、国益にかなう最善の結果を追求するために、政府一体となった取組を推進してまいります。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)対策本部の人事で、佐々木さんと鶴岡さんが正式に決定されましたが、これはどういう布陣になったというふうに評価されていますでしょうか。
(答)両者とも今日までそれぞれのポストで国内外にプレゼンスを示された方であります。この2人を事務部隊の中心として据えて、内外の連携をしっかりとりつつ、全体を私が取りまとめていくという体制になったと思います。意思決定あるいは意思伝達系統が分かりやすく、政府の意思を一つにまとめやすい体制をとったつもりであります。
(問)先日、「最強のチーム」という表現もありましたけれども、どういうふうになりましたか。
(答)65名については、人員はほぼ決定をいたしました。これから交渉参加までに残りの人員、まだ民間からは入ってきておりませんが、その民間の能力も活用することも踏まえて、最終的に100人超の体制にしていきたいというふうに考えております。
(問)昨日の日銀の金融緩和策ですけれども、世界の中央銀行と比べて類を見ない緩和策というふうに見ていらっしゃるか、どういうふうに見ていらっしゃるか、評価をお聞かせいただけますか。
(答)黒田総裁がおっしゃっていたように、戦力の逐次追加ではなくて、つまり小出しに出していっても余り効果はない。今考え得る戦力を一挙に投入するということに関して、インパクトがあり、市場が評価することになると、その一言に尽きるかと思っております。
(問)日銀は大胆な金融緩和策を打ち出しました。政府は、大胆な財政再建に取り組まれるか、その覚悟を聞かせていただけますか。
(答)まず、日銀が行った大胆な金融緩和で、物価目標を2年以内という射程に入れて全力で取り組んでいく。一方、政府は、実体経済がこれにしっかりと平仄を合わせるように、まずは補正予算の効果、これが一刻も早く発揮されるように、毎月、経済財政諮問会議で発現状況を検証していくわけであります。今のところ、その立ち上がりは極めてスピーディに行われております。これをしっかり検証していくと同時に、いよいよ成長戦略が本番になるわけであります。参議院議員選挙前までに具体的案件をデビューさせていきたい。それによって民間投資を引き出すという形にしっかりと繋げていく。そういう中で、中長期的には日本の財政は持続性に関して心配はないということを内外にしっかり示す必要があります。これは、経済財政諮問会議を中心に骨太方針でまず大枠を決めて、それから中期財政計画でそれを、より具体的に落とし込み、財政再建への道筋、成長と財政再建が両立するということをしっかりと示していきたいというふうに思っております。
(問)TPPの事務局のメンバーですが、民間はどういった方をこれから考えていくのでしょうか。
(答)これは特に交渉現場でいろいろ経験、知見を持っておられる方を探したいと思っています。
(問)何人ぐらい民間を最終的にお考えですか。
(答)まだ具体的な人数は決まっておりません。
(問)事務局65人は、あと増えて100人の規模になるまではというのは、あと交渉官が増えるということでよろしいのでしょうか。
(答)そうですね、今のところ60数名の体制は、ちょうど半々くらいですから、交渉官の数を増やすことが主になろうかと思います。
(問)これから夏、選挙になりますけれども、国内の農業の対策、攻めの農業と併せて、国内の農業対策について、関係閣僚で今のTPPの関係閣僚会議とは別に会議を設けるような考えはありますでしょうか。
(答)今のところまだそういう計画はありませんが、農林水産大臣とはしっかり連携をしながら、齟齬がないようにしていきたいと思っております。
(問)先ほど財政再建の御説明いただきましたけれども、大胆に財政再建に取り組まれるということでよろしかったですか。
(答)財政再建の道筋をしっかり示すということであります。これは、日本が発行する日本国債の信認にもかかわることでありますが、そこは政府としてしっかり市場の国債に対する信認を引き続き確保するために道筋を明示したいと思っています。
(問)株価ですが、年度末1万3,000円はなかなか難しかったですけれども、昨日の大胆な金融緩和で、また株価が勢いを取り戻しておりますけれども、いかがでしょうか。
(答)日本経済にとっても、世界経済にとっても、日本の株価は安いより高いほうがいいと思いますから、その株価が堅調な姿を取り戻していくのと、実体経済がしっかり平仄が合っているように、経済対策、成長戦略等で裏打ちをしていきたいと思っています。

(以上)