甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年3月22日

(平成25年3月22日(金) 9:18~9:32  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 本日、「消費税の円滑かつ適正な転嫁等に関する対策推進本部」を開催いたしました。本部におきましては、本日の閣議にかけられた転嫁対策法案の内容を了承するとともに、本法案を含めまして、政府全体として進めていく転嫁対策について、今後の取組みを一層強化するということを確認いたしました。
 関係閣僚からは、転嫁拒否等の監視・取締り体制の構築、相談体制の整備等に取り組んでいく旨の発言がありまして、私からは、そういった点も含めて転嫁対策の取組みに万全を期すように申し上げたところであります。
 また、公共料金におきまして、どのような消費税の転嫁を行うかについて検討を進めているところでありますが、本日の本部におきまして、各公共料金に共通する基本的な考え方を整理して、5月を目途に公表する方向で検討を進めていくことといたしました。
 なお、転嫁対策法案、この詳細につきましては公正取引委員会にお問い合わせいただきたいと思います。対策本部の担当大臣は私でありますが、法案は稲田大臣の担当でございます。
 TPPに関しましては、官房長官が会見で申し上げます。
 私からは、以上です。

2.質疑応答

(問)初回のTPPに関する主要閣僚会議がありましたけれども、その内容と、人員の体制、あと参加国が11カ国ありますけれども、いつ参加の了解を取りつけたいかということを含めた今後のスケジュール感、目標について聞かせてください。
(答)会議の内容につきましては、体制の確認と、それから前回のシンガポールで行われた会合の知り得る限りの情報の報告であります。
 体制につきましては、首席交渉官、それから国内調整総括官が、それぞれ交渉部隊と国内部隊の事務体制のトップを務めますが、首席交渉官の下の交渉チームは70名ぐらい、それから国内調整総括官の下の国内対策分野別チームというのは約30名、合計100名ぐらいの体制を想定いたしております。
 それから、6カ国からは既に了解をいただいていると理解しておりますが、オーストラリア、ニュージーランドにつきましては、理解を求めるべく今対応しているところでございます。アメリカも含めていろいろなところから歓迎の意は示されているわけでありますが、具体的に交渉参加の了解をいただけるように鋭意対応してまいります。
(問)昨日の黒田日銀新総裁の体制の発足についてですけれども、期待感と、2%を2年で達成という現実性について教えていただけますでしょうか。
(答)大変にアベノミクスに理解のある方々で、政府との協調体制がより強化をされたというふうに思っております。期待をいたしております。2年間で達成できれば、これは好ましいことだと思っております。あとは日銀の努力を見守りたいと思いますし、私どもといたしましては、経済財政諮問会議や日銀の政策決定会合等でいろいろと検証していきたいというふうに思っております。
(問)TPPについてお聞きします。先ほど示された事務局体制というのは、これは閣僚会議の下にぶら下がるということなのか、トップに甘利担当大臣がつくということなのかという点が1点と、今後の交渉ですけれども、自民党から主要5品目を残してほしいというような要望を出されていますけれども、その交渉に当たる戦術、戦略というか、何を優先してやっていくのかというような、その大方針みたいなことは、いつ頃をめどに、どこでまとめることになるのでしょうか。
(答)事務体制は、閣僚会議の下に設置されるものであります。私が本部長を務めることも決定いたしました。
 それから、自民党からの要望であります。まず6項目、これは政権公約として掲げている第1項目、これは、総理が日米首脳会談で、聖域なき関税撤廃を前提とするわけではないと確認をされまして、これがクリアされて交渉に臨んでいくという決意表明をしたわけであります。残りの5項目につきまして、工業製品について数値目標を設けるべきでないとか、あるいは国民皆保険云々等々の5項目については、交渉の中でしっかり確保していくものと認識をしているということを総理も答弁をされたわけであります。具体的な品目につきましては、交渉の過程の中で、最大限国益を踏まえられるように交渉努力をしていくということになろうかと思っております。
 それ以上の具体的に戦術をどうしていくか、それはあまり発表するべきものだとは思いませんけれども、対策本部ができましたので、まず人員体制を早急に完成して、その中で戦術、戦略等も詰めていきたいというふうに思っております。
(問)消費税を引き上げるかどうかの判断について、景気条項のことも含めて改めてお考えを聞かせていただきたいのですが。
(答)一言で言えば、景気が好転しているということが総合的に判断できるということであります。半年前でありますから、本年の10月の時点で景気が好転しているという総合的判断ができたときに実施をしていくということになろうかと思います。
 具体的な数字については限定するものではないと思います。いろいろな要素があると思いますから、要は、景気が明らかに好転に向かっているということがいろいろな要素から総合的な判断ができたときに要件を満たしているというふうに思っております。
(問)景気条項で、GDP実質2%を目指すという数字は、もうこだわらないということになりますか。
(答)これは、向こう10年間の平均値をとって実質2%、名目3%と書いてありますから、その時点が2%という数字ではありませんし、それに拘束をされるものではないと思います。
(問)TPPに関して、安倍政権で重要な外交の交渉能力というものが問われることになると思うのですが、改めてそこの実現に向けて大臣のお考えを聞かせてください。
(答)本部長を本日命ぜられたわけであります。大変な重責を担うということをひしひしと感じております。私自身も、マルチの交渉、それからバイの交渉、かつて何度か立ち会わせていただきました。WTOはぎりぎりのところで、あと一歩でまとまるというところでうまくいかなかったという苦い経験もあります。過去の経験が少しでも活かせればというふうに思っております。経済産業大臣、農林水産大臣、財務大臣、あるいは外務大臣、官房長官等々、安倍内閣の英知を結集して強い交渉力を築き上げたいというふうに思っております。これから任命されるであろう交渉チーム、ぜひこの日本の官界のエースを結集して強いチームを編成したいというふうに思っております。
(問)その交渉チームについては、どういう方を任命するのかというのは、今日発表されるのでしょうか。
(答)いやいや、今日発表はいたしません。今日の会議では、編成の枠組みについて、関係大臣と情報共有したわけであります。今、そこの人選について、各省が鋭意人選中だというふうに思っております。トップの人事等については、いつ頃ということはまだ決まっておりませんけれども、できるだけ早い時期に発表できるようにしたいと思っております。
(問)今日、情報の共有も会議でなされたということで、一番早くていつ頃から日本が本交渉に入れるというふうに期待をして、それに向けてやるのかという、もちろん各国の承認というものも交渉入りするには前提になるとは思うのですけれども、政府の希望として、タイムライン的なものはどこまで今日話し合われたのでしょうか。
(答)シンガポールに次ぐ本会議がいつ開けるかということであります。今分かっているのは、5月という報道がありますが、90日条項等を勘案すると、これにはちょっと間に合いそうもないと思います。次のタイミングがいつになるか、あるいはこちらの参加承認のタイミングで、できるだけ早い機会に臨時的な会合でも開かれれば、それは一番都合がいいわけでありますから、日本の承認タイミングに合わせて、一番直近の会合が開かれるような努力もしていきたいというふうに思っております。

(以上)