甘利内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成25年2月27日

(平成25年2月27日(水) 18:06~18:17  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

 私からの報告を、まずいたします。月例経済報告等に関する関係閣僚会議、この概要についてであります。
 景気の基調判断は、「景気は、一部に弱さが残るものの、下げ止まっている」としまして、先月から上方に変更をいたしております。
 これは、輸出や設備投資等に弱さが残るものの、消費者マインドが改善をする中で、個人消費が底堅く推移をしているということ、それから内外の自動車需要の持ち直し等を背景に、生産が下げ止まっていること、こうしたなかで企業マインドが改善し、収益にも下げ止まりの兆しが見られること、等を踏まえたものであります。
 先行きにつきましては、当面、一部に弱さが残るものの、輸出環境の改善や経済対策、金融政策の効果などを背景に、マインドの改善にも支えられまして、次第に景気回復へ向かうことが期待をされております。ただし、海外景気の下振れが、引き続き我が国の景気を下押しするリスクとなっていることに注意が必要であります。
 政府といたしましては、円高是正、デフレからの早期脱却のために、デフレ予想を払拭するとともに、機動的・弾力的な経済財政運営によりまして、景気の底割れを回避してまいります。
 また、日本銀行には、2%の物価安定目標をできるだけ早期に実現するように、大胆な金融緩和を推進することを期待いたしております。
 私からは以上です。

2.質疑応答

(問)この2か月連続の上方修正は、2年ぶりのようですけれども、大臣御自身の率直な受け止めと、景気はもう底を打った、景気は持ち直し始めたというふうにお感じになっているか、その認識をお聞かせいただけますでしょうか。
(答)兆候としては、明るい兆しになりつつあります。これは、政権が交代し、矢継ぎ早に政策を打っているということ、それからこの3年3か月の間に、ある種、閉塞感、当初の期待と違って閉塞感が取り巻いていたと。そのふたをあけるような効果があったのではないかというふうに思っております。これが、もうデフレを脱却したかというと、それはそう簡単な話ではなく、脱却しつつある、まだ途上であります。油断は全くできない。でありますから、これから物価安定目標へ日銀が全力投球をしていただくこと、それから実体経済の改善に向けて、政府が、補正は昨日、成立をいたしましたから、この遅滞なき執行と、それから新年度予算を遅滞なく、できるだけ早期に成立をさせていただくこと、それとあわせて成長戦略の具体的な道筋をできるだけ早期に立てていくこと、これらを通じて期待値が実績につながっていくように、更なる努力を続けなければというふうに思っております。
(問)リスク要因の中から「デフレの影響」というのが消えたわけですけれども、これはどういう理由でなされたのかということと、デフレ脱却の時期をどういうふうに考えていらっしゃるか教えてください。
(答)インフレ予測、インフレ予想が、かなり急激に上がってきております。そういう中で、あえて記載する必要はないという判断であります。ただし、いい状況に反転しつつあるということでありまして、決して安心できる状況では、まだまだとてもないというところであります。
 ただ、デフレ予測、デフレからの脱却の傾向を歓迎する意味で、あまりムード的に、あえてマイナス、まだまだということを書かずともいいのかなと。デフレ脱却に加速がつくようにという思いもあります。
(問)今日、ガソリン価格が12週連続で上昇しているというのと、あと、小麦の引き渡し価格が4月から引き上げと。あと、電気、ガスの値上げということで、賃金が上がる前にいずれも円安の影響ということですけれども、価格が上昇していることについて、どのように考えていますでしょうか。
(答)為替のレベルについて言及するつもりはありません。市場がバランスよく導いてくれるということを期待しているだけでありますが、輸入物価の高騰の影響は、補正でも燃油対策等は取り組んでおります。これは、もちろん大量に燃油を使用する部分について、先回りしてその影響を緩和する策をとったわけでありますが、要は、できるだけ早く実体経済がインフレ予測に追いついていく。輸出にはプラスに働き、輸入にはマイナスに働くというのがその影響であるでしょうから、プラスの影響がどんどん伸びていくように、輸出企業には頑張っていただきたいということと、アベノミクスが早くうまく回って、プラスの連鎖から、物価の上昇をはねのけるような給与の上昇につながっていくように、実体経済を早く動かしていきたいと思っております。
 株価が上がっていく中で、昨今、金利が下がっているということは、金融原則からすると特異な反応だそうでありますが、そうなったらすばらしいという理想的な形になっているわけでありますから、金融緩和を日銀が続けていくという間に実体経済をしっかりと回復させていくということが、理想型かなと思っております。
(問)リスク要因で、海外景気の下振れが、引き続き我が国景気を下振れするリスクというふうに今回もありますが、イタリアの政局に伴う、これまで財政健全化路線を志向してきた政権に、次になるかどうかというのもかなり怪しくなってきていると思いますが、それが欧州債務危機の再燃に与える影響というのをどのようにお考えか、お聞かせください。
(答)それぞれ各国の内政について、干渉がましいことは言いたくありませんが、財政再建の路線をしっかり堅持するということは、イタリア経済自身にとってプラスに働くと思います。せっかく努力をされてこられた成果が出つつあるわけでありますから、達成半ばで放棄をすると、今までの苦労が無に帰してしまうことでありますから、是非その財政健全化、一刻も早く健康な経済を取り戻すということに引き続き取り組んでいただきたいという希望は持っております。
 イタリアの不安が、EU全体の政府債務危機を再発させるかどうかという御質問だと思いますが、そうならないようにEU全体で努力をされていくでありましょうし、世界各国、適切なアドバイスを送り続けるであろうというふうに思っております。

(以上)