小平内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年12月26日

(平成24年12月26日(水) 9:40~9:50  於:警察庁第1会議室)

1.発言要旨

 本日、記者の皆さんには、お別れの会見のご挨拶を申し上げます。
 本年10月1日、野田内閣の一員として、国家公安委員会委員長に就任をいたしまして、3か月弱という大変短い期間ではありましたが、公共の安全と秩序の維持のため、全力を尽くしてまいりました。その間、皆様には本当にお世話になり、厚く御礼申し上げたいと思います。
 まず、国家公安委員会委員長としては、国民の安全安心の確保のため、昨今の治安情勢に対応した様々な施策に全力で取り組んでまいりました。特に、暴力団対策については、福岡県において、暴力団によるとみられる事業者を狙った凶悪な犯罪が相次いで発生するなど、法治国家として断じて許すことのできない状態にございます。
 先日、福岡県警察において、非常な苦労の下、けん銃使用の殺人未遂事件の被疑者を検挙したところでありますが、残念ながら、まだまだ未解決の事件が残っております。警察には更なる奮起を期待したいと思っております。
 サイバー空間の脅威については、政府機関等に対する攻撃が相次いでいるなど、益々深刻な問題となっております。私も10月にサイバーフォースセンターを視察いたしましたが、警察の対処能力には優れたものがあると思います。しかしながら、インターネットを利用した犯行予告・ウイルス供用事件での誤認逮捕事案も発生したところでありまして、その検証で得られた反省教訓を踏まえつつ、英知を集め、対処能力を一層高めて、的確に対処していただきたいと思います。
 11月には、イタリアで開催されましたICPO閣僚会議に出席をして、暴力団犯罪に関する日本の取組を紹介するとともに、主要国閣僚達と会談をいたしましたが、私といたしましても意義深いものでございました。サイバー犯罪や組織犯罪など、国際協力の重要性は高まっており、一層の協力関係の構築に努めていただきたいと思います。
 このほか、11月には福島第一原発事故に伴い設定をされました警戒区域を警戒する福島県警察を視察いたしました。底冷えをする寒さの中、福島県警察の皆さんはもちろんのことでありますが、全国から派遣をされた警察の皆さんが懸命に被災地の治安を守ろうとしている姿を見て、熱いものが込み上げてまいりました。これから寒さが益々激しくなってまいりますが、被災地の安全安心の確保のために頑張っていただきたいと思います。
 国民が警察に寄せる期待には大きいものがあります。治安の維持は、国家・社会の最も基本的な要請であり、良好な治安は、我が国が世界に誇るべきものでございます。治安の維持・向上に向けて、警察には一層の奮闘努力を期待いたしております。
 次に消費者及び食品安全担当大臣といたしましては、消費者庁、消費者委員会、食品安全委員会、公正取引委員会等に関する事務を担当いたしました。この間、新たに発足をした消費者安全調査委員会について、事故の原因究明等の事務を果たしていくための体制整備を進めてまいりました。
 また関西電力、九州電力からの家庭用電気料金の値上げ申請に対しては、消費者委員会の下の専門調査会での議論が開始をされております。この他、さきの通常国会で成立をした消費者教育の推進に関する法律の関係政令の制定など、今後の取組に向けた基盤整備を進めてまいりました。
 在任中は、八王子の消費生活センターや国民生活センターの事務所を訪れまして、消費生活相談、商品テスト等の現場を視察いたしましたが、消費者行政の推進には地方を含めた現場の取組の充実が必要であるとの重ねての思いを強くいたしました。
 消費者行政の課題は依然として数多くありますが、後任の大臣の下でも、現場の声、消費者の声を大事にして、国民の期待に応え得るように、引き続き取り組んでいただきたいと考えております。
 次に死因究明等担当大臣といたしましては、我が国においては、死因究明及び身元確認の実施に係る体制の充実強化が喫緊の課題となっているところでありまして、その充実強化のため、第1回死因究明等推進会議及び第3回までの死因究明等推進計画検討会を開催いたしました。今後とも新大臣の下、死因究明等の推進に関する施策について、その在り方を横断的かつ包括的に検討し、その実施を推進していただきたいと思います。
 以上、この3か月間弱でありましたが、それぞれの役所の仕事に対する思いであります。それを申し上げました。
 大臣を退任することになりますが、引き続き政治活動に取り組んでいく考えでございます。これからも国民の生活と安全を守る警察活動、消費者行政、食品安全、死因究明、公正な市場の確保に関する施策が一層強力に行われるよう、応援をしてまいりたいと思います。
 終わりに、在任中のご厚誼に改めて感謝を申し上げまして、退任のご挨拶といたします。
 ありがとうございました。

2.質疑応答

(問)先ほど、最後に引き続き政治活動に取り組むとおっしゃっていましたけれども、何か具体的に現在検討されていらっしゃることはありますか。
(答)今日が、私の大臣として最後の記者会見ということで、皆さんにご挨拶申し上げまして、私の大臣として今まで取り組んできた経緯、それから今後に向けて次の大臣に引き続き検討してもらいたいということを申し上げました。
 今後の私自身の政治活動のことに関してでしょうけれども、これは今、大臣という重責を今ここで終わりまして、今後のことは改めてですね。私も今回の総選挙で残念ながら議席を失いましたので、今後については色々と関係者とも協議しながら、今後については詰めていきたいと思っております。
 私自身としては、今までの長年にわたる皆さんからいただいたご支援、そして、貴重な経験をもとに、まだ若さいっぱいでありますので、気力体力ともに充実していますので、政治活動は続けたいと、このように考えておりますが、いずれにしても、今後については、色々と相談もしていきたいと思っております。
(問)消費者庁の担当の大臣としてお聞きいたします。
 3か月弱ですけれども、ご自身としてやり残したと思うことがあったら教えていただきたいのと、また次の大臣に、特にこれだけは何とか強調する点としてやってほしいと思うことをお聞かせください。
(答)私は消費者庁、いわゆるこの消費者行政担当大臣を拝命しまして、まず思ったことは、これは新しい、何といいますか省庁ですよね。それで、この消費者擁護というか、消費者の目線でということは、今、時代の流れ、要請にかなったものでありまして、このことは更にしっかりと整理をして形をつくっていくことが、これからの時代に絶対必要と思っています。
 したがって、新しい役所ですから、そこに集う皆さんもまだまだいろんな面で試行錯誤しながら頑張っていらっしゃるので、一日も早くですね、確たる体制をつくり上げて、そして国民の、消費者の期待に応える役所に発展してもらいたいと、そう思いましたし、このことも次の大臣には強く伝えて、消費者行政がきちんとでき上がるように、そう思っていただけるように引き継いでいきたいと思っております。
 皆さん、大変ありがとうございました。

(以上)