樽床内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年12月18日

(平成24年12月18日(火) 10:52~11:21  於:会見室)

1.発言要旨

 御苦労様です。冒頭、私の方からはございません。

2.質疑応答

(問)幹事社の読売新聞八角から質問させていただきます。衆院選で民主党が大きく議席を減らしました。御自身の選挙も含めてですね、敗因をどう分析されているかお聞かせください。
(答)まず、全体的に、自分の選挙も込み込みで申し上げると、やはり3年余りの私どもの政権運営に対して、いろいろ御意見があったと。その、何と言いますか、逆風をですね、諸々の要因で跳ね返すことができなかったということが、大きな流れとしてあるだろうというふうに思っております。それにプラスして、第三極というですね、これまでと違う構造になったという部分が、基本的に、自民党そのものに積極的に投票されたというよりも、我が党に対する、「お灸」を据えなければならないと、政権に対してですね、そういう感覚ですかね。それが、第三極、自民党を含めて、流れていったと、こういうことではないかというふうに思っております。総じて、前回、それから、前々回の、高揚した空気というものがない中で進んでいったというのは事実でありまして、それが、投票率が非常に低かったという結果に表れているということだと思います。ですから、政権交代が確実と言いますか、なった、確定をした、ほぼ確定をしている、ほぼですね、状況の中で、その高揚感が世の中に広がっているわけではないということも、また事実だろうというふうに思っております。そういうことから、こういう結果になったのではないかと、このように思っておりますし、選挙制度の在り方も、これから議論がなされるというのは、3党間での合意でありますので、そういったところも踏まえてですね、今後、いろいろな御議論がなされることを大いに期待をしたいというふうに思っております。
 さらに、民主党、今、皆さん、マスコミの方相手に申し上げるのも、少しはばかられるかも分かりませんが、選挙期間中に私が、常に申し上げてきたことではありませんが、ときとして申し上げてきた話として、どうしても報道ベースになりますと、やはり、問題点が世の中にいろいろ発生をする。その問題点を指摘をして報道するというのは、大体基本的な報道スタイルでありまして、これはうまくいきましたとか、これは非常に順調にいってますという話は、総じてですね、あまり大きなネタにはならないと。これはもう、皆様方を批判しているわけではありませんで、その、報道の性格上ですね、そうなるというのも事実であります。ですから、例えば、私の所管している話の中だけで申し上げるならば、昔の特殊法人、今、独法ですが、の役員の皆さん方の中に占める天下りの方の割合が、政権交代前、かつての政権交代前には3割近い数字があったと。それが、私がこの間、決裁したものでは5%に低下をしていると。当時はですね、天下り批判というのは、皆さん方も紙面に活字が踊ると、テレビにもそういう報道がばんばん出ると。天下りはどうだこうだという話が頻繁に出された。世の中の方も、天下りはけしからんという声の、ある種、合唱が起こっていた時代がかつてございました。今、私の記憶の中では、全くないとは言いませんが、かつてに比べると、天下り批判ということについては、記事の件数を調べれば、そういう分野の方が調べていただいたらお分かりだと思いますが、かなり減少しておりますし、ほとんど今、世の中で、政権批判に対して天下り批判から政権批判につながるという話というのは、ほとんど私は今、聞かれない、こういう状況であります。つまり、順調にいっているので報道されないということですね。ですから、それを有権者の方にお訴えをすると、なるほどそうだなというふうに御理解を頂けるのですが、しかし、それは、かなり限定された方々に留まっているということだろうと思います。そういう、何と言いますか、ベースとしてやっていることと、象徴的に、何と言いますか、ネタになる話として取り上げられる話と二つありまして、その、象徴的な話というものが、つまずいたこともそれなりにあったと。こういう現実、象徴的なものが、ある種のつまずきが散見され、そして、ベースのことについては、それなりに種をまいてきたと、いうところもあったと。その種まきというのは、あまりおもしろくない話ですから、そう報道されるわけでもないわけでありますが、その辺りのことをですね、踏まえて、政権としての、今日はマスコミの皆さんですから、広報体制と言いますか、そういうマスコミの皆さん方の特性、これは批判ではないですよ、そういう特性を踏まえてどう対応するかという、これも政権運営と言えば運営なのでしょうけれども、企業で広報部門のない、特に上場企業で、上場企業だけを言うわけではありませんが、大きな会社で広報部門がない会社というのはございませんので、やはり広報というのは、その会社の命運を決める非常に重要なウエイトだと、ウエイトを占めるというふうに考えれば、政権としてですね、その辺りのことを反省をしなければいけないのかなというふうには、現段階では感じております。かなり個人の雑感も入りましたけれども、以上です。
(問)朝日新聞の河口と申します。先ほど大臣がコメントされたところでですね、逆風を諸々の要因で跳ね返すことができなかったという点、諸々の要因というのはどういった点、特に具体的にはあるのでしょうかという点とですね、選挙制度の在り方ということも言及されましたけれども、やはりかなり小選挙区というのは振れが大きい、今回も大きく振れたわけですけれども、この辺り、今後の議論としては、例えば、中選挙区を求める声もありますけれども、この辺り、どのような流れになっていった方がいいのかという辺り、御所見を頂ければと思います。
(答)諸々の要因というのはですね、全体要因のベースは、私が、今、申し上げましたことですが、それぞれの、全国300、小選挙区がございますので、諸々の要因というのは、それぞれの選挙区によってですね、やはり選挙区状況、また、選挙区のベースの特徴という、いろいろ、全国いろいろありますから一概に言えない。ある選挙区には当てはまる要因が、ある選挙区には当てはまらないと、いろいろある。私の選挙区も私の選挙区で、特有の状況があったりいたしますが、それは敗軍の将、兵を語らずということで申し上げませんけれども、そういうことです。それから、選挙制度についてはですね、私が当選しておればですね、そういう議論に参画をしていく前提でいろいろ言えるのでしょうけれども、これも敗軍の将、兵を語らずということですから、今の制度でつまずいたものとして、その制度をうんぬん、どうのこうのと、こう申し上げるのは、あまり適切ではなかろうというふうに思っております。
 ただ、一つ強く感じるのは、今回の選挙期間中にですね、皆さん方の中にも、報道の中でですね、人を選ばなければならないと、こういう論調もですね、それなりに、大きくというところまではいかなかったかも分かりませんが、やはりそれぞれの人を見て、政治ですから、判断をすべきだという意見も、それなりに出てきていたというふうには思いますが、100%小選挙区、100%人を選ぶだけの、投票行動がですよ、投票行動が、人を選ぶだけの投票行動で完結する選挙、これはどういう選挙であってもいいのですが、であれば、その議論は非常に成り立つのですが、同時に政党と候補者を、同時に、それは、1分ぐらいの時間差はあるにしてもですね、同じ場所で政党と候補者を一緒に入れると、こういう選挙制度の、比例と、要するに、候補者投票と比例投票が同時に行われる選挙ということについては、その、候補者を選べということについては、かなり制約を受けるということは実感しましたですね。どうしても、政党から選んで、候補者の顔は見えなくても関係無いという話もどうしてもありますので、その辺りの、比例と候補者の投票のセット論ということも、恐らくこれからは、私は、一つ議論のイシューになるのかなというふうには思います。具体的な制度論については、それは、今後議論されていく方々の御議論に任せたいというふうに思っております。
(問)ニッポン放送の後藤と申します。今、お話の流れになると思うのですけれども、投票率が前回よりも10ポイント近く下がったということを踏まえると、民主党に対してというのもあると思いますけれども、政治全体に対する失望感みたいなものもあるのかなというふうに思うのですが、その辺りはどのようにとらえていらっしゃいますでしょうか。
(答)それは当然、数字がそういうふうに示していると思いますね。そこで、先ほど言いました、候補者と政党との兼ね合いというのも、微妙に影響しているのかなと。要するに政党を見ると、もう訳が分からないと。ということで、当然、候補者の、いろいろ見ていこうとする前に、そこの政党の段階で、訳分からんからもうええかということになっていった可能性もあるのではないかというふうに思いますし、地域の、先ほどは諸々の要因というは、地域によって違うというふうに言いましたが、候補者の在り方というのも地域によってかなり異なります。そういうことがばさっと、全体の網の中でかき消されていった。その結果、混乱だけで、政治に対する混乱感というもの、混迷感というものがですね、そういう数字につながっているのではないかというふうには、感想ですが思います。
(問)NHKの松谷と申します。大臣はかねがね、衆議院の任期についてですね、やはり任期を全うすべきだというような持論に立っていたと、これまでの発言から推察されます。そうした中で、今回のこの解散の時期ですね、党の常任幹事会でもああいった反対論が出ていた中で踏み切ったわけですが、この解散のタイミングについて適切であったのかとか、その点についての感想をどのようにお持ちでしょう。
(答)それは、今更言っても仕方がない話ですから、もう今の段階でですね、この時期が良かったのか悪かったのかということについて、私が申し上げるべきではないというふうには思います。
(問)この場でお伺いするのはあれかなと思うのですけれども、また政権交代があり得るという前提で、今回野党になりまして、また、大臣御自身の、また再選を目指されるということもあると思うのですけれども、今、またときの政権にあって、野党になって、これから民主党の在り方というか、また、政権交代可能な政党であることに向けて、何が必要かということをお伺いできれば。
(答)私も結果が出てですね、まだ1日半ぐらいしか経っておりませんので、党の方の状況もですね、残られた方が57人というですね、非常に縮小した姿になっておりまして、その姿を見ただけでもですね、これからどういう在り方を構築していくのかということについては、今回、残られた方もそれから我々のようにこういう結果になった者も合わせてですね、いろいろ、これまでにない経験ですから、もうちょっと時間がかかるのかなというふうには思っています。しかし、何て言いますかね、自分自身も出入りの激しい人生だなというふうに、改めて自分自身も思いますし、ある種の過渡期というのはこういうものかなというふうに思っております。自分自身としては、今回のマイナスを、どう今後のプラスに変えていくかということを考えなければいけないし、ということは、それも、イコール党全体に言えることではないかなというふうには思っていますけれどもね。ただ、そういう気持ちを持つことが必要であって、というのが一つと、それから、現実的に、何て言いますか、落ち着いてやっていくべきなのかなと思いますね。だから、あまり皆さん方に受けがいいことをですね、また求めていくとかですね、そういうことではなくて、しっかりと着実にやっていくと。しかも、この数でですね、これまでと同じような発想でやるべきものでもない。戦略、戦術というのは、現状を前提にして組み立てなければいけないわけであって、200を、過半数を超えている時代にふさわしい戦略と、60を切った、50台の現状に基づく戦略というのは違いますから、要するに、できることとできないことが明確ですから、そういう現状に合った戦略、戦術というものをどう立てていくかということだと思いますね。それは、3年前に、あの高揚感の中で、そこのチェンジができなかったということを、今、振り返って反省をするならば、逆パターンになったときもですね、やはり、ある種のモードのチェンジというものが必要なのかなというふうには思いますね。ちょっと抽象論で申し訳ないのですけれども、あまり微に入り細に入り申し上げるのも適切ではないと思いますから。
(問)朝日新聞の河口です。多分、御地元ではお答えになっていらっしゃると思いますが、念のためですが、大臣は衆議院選、次回ですね、再起を期されるということでよろしいかという点と、もう1点、今回、自公政権になることで、例えば、出先機関改革ですとか、そういった点で、総務省の所管のものでですね、これは、これまで進めてきた方向と変わってしまうのではないかという危惧と言いますか、感じていらっしゃる面というのが何かありましたら。
(答)私はですね、先ほど、出入りの激しい人生だなというふうに実感をいたしましたが、ということは、出も入りもあるということですから、また、地元の方々もですね、今回しっかり充電して、次、国を支えろと。国を支えるに当たっての充電期間として考えろと、こういう言葉もいろいろな方からいただいておりますので、初志貫徹ということは変わりはございません。それから、総務省の、これまでやってきたことにつきましては、確かに、議院内閣制ですから、政権が代わればいろいろなことが、変更があり得るということも、それはもう事実でしょうけれども、総務省としての在り方というのは、国だけではなくて、地方自治体も巻き込んでですね、やってきている話でもありますし、それほどむちゃくちゃ尖ったことを、無理矢理進めてきたという実感もありませんので、これまで決めてきたことについては、基本的に、多少の、例えば、私のカラーと次の人の、個人のカラーだけでも微妙に変わるかも分かりませんけれども、そういう多少の色合いの違いはあるにしても、大枠の路線というのはそのまま継続していただくということが、適切ではないかということを期待をし、希望をいたしております。
(問)読売新聞の八角です。昨日、各高裁にですね、1票の較差について提訴がありましたが、それについて大臣の御所見をお願いいたします。
(答)まず、当初から予想されていたことであるということが、まず第1点ですね。それと、実際にそういうことが行われたということは認識しておりますが、後はすべて、司法がどう判断するかということだろうというふうには思います。それ以上、司法のことに私が申し上げるべきものでもないというふうに思いますね。いいですか。どうぞ。この際ですから何でも聞いてください。
(問)すみません、実務の話題なのですけれども、ゆうちょ銀のですね、新規事業申請が、ちょうど今、議論されていて、西室委員長は、今日結論というか、条件付きの容認についての結論を出すとおっしゃっていて、選挙もありましたので、こういう状況の中で、総務大臣としてですね、許可の判断というのはどのようにお考えか。
(答)まず、民営化委員会から、どういうね、答申が出てくるのか、それは、かなり大きな権限を与えさせていただいて、議論してもらっているわけですから、それについて、中途の段階で私がああしろこうしろとか、例えば、どうなっていますかということもしてきませんでしたし、ですから、今、どういう、報道でいろいろ憶測も含めて流れておりますが、実際の答申内容は、まだ、私、知りませんので、答申がきちんとなされた後、考えるべきものがあれば考えると、こういうことでしょうね。
(問)大臣が考えられるのですか。
(答)誰が考えるのですか。私だけではなくて、その答申を出されたことについて、関係する者がどうするかということを考えるということでしょうね。今後の、答申後の議論でしょう、はい。
(問)ニッポン放送、後藤です。この3年3か月、民主党幹部もやられ、そして、大臣、閣僚入りされているという部分では、この3年3か月、大臣からは何点という、点数を一言で、付けるとしたら何点でしょうか。
(答)私ね、そういうのが苦手でね、苦手ですが、だから、何点という、皆さんそういうのが、分かりやすい報道がお好きでしょうからですね、言うのですが、私の、当初、何をもって点数を付けるかということですよ。だから、事情を無視してね、一般論と言いますか、機械的に何点だということと、当初、あのときに自分が思っていた感想から比べてどうなのかということとですね、そこで全然点数が違いますよね。もともとの期待値が低ければですね、点数は高くなるし、期待値が高ければ点数は低くなる。国民の皆さんは、60年ぶりの本格的な政権交代でしたから、非常に期待値が高かったということがありますね。ですから、よく言われましたけれども、マニフェストをしなかったのはけしからんと。何でしなかったのだと、こういう御質問もありましたけれども、意見もですね。これは、マニフェストで書けば、全部、そのままできるのだったら、普段の政治行政活動というのは要らないわけでして、選挙で約束したこと、こうしたいといったことが、選挙で勝った方は、だったら、それが全部できるかどうかという、これまた違う話ですから、だから、そこら辺の、前回の3年前はですね、期待値が高かったと。それは、久しぶりの政権交代だからということで、実際、生きている方の中でいくと、こんな本格的な政権交代は経験したことがないという、初めての経験だという中で、非常に高揚感が高かった、で、期待値が高かった。それで、低い点数が多いと、こういうことなのだろうと思いますが、私は当初からですね、行政というのは人がやることですから、要するに、評論家の方がおっしゃるように、こうすべきだということでそのまま行くのだったら、行政、政治は要らない。要らなくてですね、ただ、我々は、その評論家の人の意見を参考にして、なるほどと。そちらの方向に行くのかと、行くべきなのかということを参考にさせてもらうのは、これは非常に有り難い。ただ、そのゴールとですね、その行く過程は、これは実際に生身の人がみんな動いているこの社会の中で、政治行政が様々な調整をしながら、そして、決断するところは決断しながら進んで行くと。こういうことですから、当初からですね、60年ぶりの政権交代というのは、ある種の混乱、混迷というものはですね、私は、3年前には前提に、個人的には前提にしておりました。ですから、私自身はさほど期待値が高くなかった。自分の心の中ではですね。だから、かなりの批判を、我々は、初めはいいけれども、かなり批判を受けると。だから、それにどう耐え得るかということを念頭に置かなければならないというふうに思っておりましたから、そういう点からいくと、私は非常に高い、当初の予測を前提にすれば結構高い点が、この3年間の中には付くだろうというふうには思っております。合格点は付く点数は、私は、自分の期待値からすれば、合格点だったのかなというふうには思っています。合格点とは何点かというのはね、試験の難しさによっては皆、意見、点数が違いますから。
(問)及第点ではなく、合格点。
(答)そうそう。優良可で行くと、優良可、不可で行くと、そうですな、良の下ぐらいまでいっているんじゃないですかね。思いますが。よくこういう状況の中でね、乗り越えてきましたよ。普通ですね、必ず大きな変革があれば揺り戻しが必ずあるのですよ。揺り戻しがかなり、普通は、早い時期に来るのですが、揺り戻しがあっても、3年以上は継続をした。その間に、それなりに、皆さんいろいろ言うけれども、やることはかなりやっている。だって、そういう状況の中で一体改革なんて誰ができたのですか。今までそんなこと、自民党政権時代ですらできなかった。しかも、言いだしから何代も内閣を経過しないとできなかったことが、この状況の中でも、何だかんだ言ってやったわけですから、そういう何と言いますか見方を、皆さん方もですね、もう少し冷静に、公平にお伝えをいただきたいなというふうに思いますね。はい。うまくいったことは面白くないので、次の問題点というのもよく分かるのですが。広報体制はまずかったですな。はい。
(問)よろしいでしょうか。
(答)いいですか。はい、どうも、ありがとうございます。

(以上)