前原内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成24年10月5日

(平成24年10月5日(金) 10:21~10:37  於:内閣府本府5階522会見室)

1.発言要旨

おはようございます。特に私からはございません。

2.質疑応答

(問)田中法務大臣の献金の件ですけれども、外国人の経営する会社から献金を受けたということで一部問題になっていますけれども、この問題についてどうお考えかという点と、自民党の安倍総裁が辞任を求める構えを示していらっしゃいますけれども、辞任する必要があるのかどうか、如何お考えでしょうか。
(答)報道では存じ上げておりますけれども、詳細に中身まで把握をしているわけではありませんので、コメントは控えさせていただきたいと思います。
(問)革新的エネルギー・環境戦略のことで伺いたいと思います。原発の安全性は原子力規制庁がしっかり見るということですけれども、原発のエネルギーの中での必要性というのは、誰がどのように判断するのでしょうか。
 あともう一つ、戦略の中で直ちに検討するということの一つに、核燃料サイクルのことで関係自治体や消費地との協議の場を設けるとおっしゃっていたと思うのですけれども、この場はいつ、どのような場で検討を持たれて、いつの段階で結論を得るような内容なのでしょうか。
(答)まず1点目の御質問でございますけれども、我々政府としては、先般の取り決めによりまして大きく二つのことを掲げております。それは、2030年代に原発ゼロを目指してあらゆる政策資源を投入するということ。そして、その上で原子力規制委員会が安全と認めたものについては重要な電源として再稼働を行うこと。この二つのことを政府として決めているわけであります。40年運転制、あるいは新設をしないということも併せて決めております中で、しかし、安全と決めたものについては重要な電源として位置づけるということでございますので、我々としては引き続き、当面の間は原子力にある一定のエネルギーを依存するということになろうかと思います。
それから、原発ゼロというのは、稼働ゼロのみを意味するものではありません。使用済み燃料をどうするのか、そして、今まで、事故の前までは、ある意味でまだ完成していない理屈の上に乗っていたわけでありますけれども、核燃料サイクルについては、例えば高速増殖炉というものはまだ実用化されておりませんし、また最終処分地も決まっていない中で、いずれはそういう問題が解決をするだろうという前提で物事が動いてきた。その中で、今回の福島第一原発という重大な事故が起きて、そして国民的な議論も踏まえ、そしてまた原子力、原発というものが、ひとたび事故が起きればなかなか人間がコントロールできるものではない、こういう意識の中で原発ゼロを目指すということを決めたわけであります。
したがって、今まで御協力いただいた関係自治体との関係もあり、この核燃料サイクルについては継続していくということを我々はお約束をしているわけでありますけれども、自然再生エネルギーの拡大、あるいは節電、省エネの拡大も含めて、どのようなタイムスケジュールの中で、今の稼働ゼロだけではなくて、いわゆる使用済み燃料も含めたゼロを目指していくのは、まだまだ課題が多いわけでありますので、少し時間をかけてこれについては議論をしていくということが大切なことではないかと思っております。
なお、関係自治体との協議機関につきましては、関係方面と調整の上、そういった場を設定したいと考えているところでございます。
(問)いつぐらいの目処でお考えかということと、日本学術会議がバックエンドサイクルのことで提案をしていると思うのですが、古川前大臣は検討するとおっしゃっていらっしゃったと思うのですけれども、前原大臣はどうお考えですか。
(答)日本学術会議が出されたもの以外でも様々な御意見があると思いますので、すべてを参考にさせていただきながら結論を得るための努力をしていくということになろうかと思います。いつまでにということについては今申し上げられませんが、関係官庁との調整を経て速やかに設置ができればいいと私は考えております。
(問)今日、これから日銀の金融政策決定会合に臨まれると思うのですけれども、臨まれるに当たっての対処方針をお聞かせください。
(答)日銀の場で発言をする中身につきましては、事前も事後も公表しないということになっております。発言内容につきましては、約1カ月後に公表される議事要旨を御参照いただくということになると思いますけれども、どういう思いで臨むのかということを申し上げれば、2月14日の金融政策決定会合において、中長期の物価の安定目標というのが2%以下のプラスの領域、そして当面は1%を目処にということを日銀御自身がおっしゃっているわけでありますから、デフレ脱却のために強力な金融緩和を求めるという政府の立場を踏まえて金融政策決定会合に臨ませていただきたいと考えております。
(問)今の質問との関連になるのですけれども、日銀の現在の緩和政策、これが不十分である、手ぬるいなど、そういうふうな御意識のもとでのてこ入れと申しましょうか、御意見の表明になるのでしょうか。
(答)繰り返しのお答えになるかもしれませんが、日銀自身が2月14日の金融政策決定会合において今申し上げたような目標を立てているわけであって、やはり結果を出すということが大事なことではないかと考えております。
(問)先程、田中大臣の質問がありましたけれども、こうした動きの中で、民自公の3党の党首会談や臨時国会を日程が立たず先延ばしにしようという動きも一部見受けられるのですけれども、こうした情勢について大臣はどのようにお考えか、御所見をお願いします。
(答)民主党代表としての野田総理が様々な観点を考慮されて決断されることであり、また、それを行っていくに当たっては、幹事長や、あるいは国対委員長と連携をとられながらやっていかれることだと思いますので、我々が選んだ代表でありますので、信頼をしてお任せをしたいと考えています。
(問)日銀の関係についてお伺いします。前原大臣がこれまで言われてきたアコードや、あるいは外債購入について、大臣就任されてからの御発言を追っていると、持論として持ちながら、それを腹の中に置きながら政府としての考え方を伝えていきたいという御発言があって、実際に、例えば外債購入するのだったら日銀法を変える、アコードをやるのだったらこういうことで協定を結びたいなど、そういう具体的なことを大臣としてやろうと思っていらっしゃるのでしょうか。
(答)まずは日銀が、みずからが設定された目標に対して、先程の御質問の回答と重複する面もございますけれども、やはり結果を出していかなくてはいけないと思っております。そして、結果を出すための取組というものが十分であるのか不十分であるのか。もちろんデフレ脱却というのは日銀だけに責任を押しつけるものではありません。日本再生戦略をしっかり実行していくということ、あるいは、切れ目のない財政に対する責任を持つ、その前提として、特例公債法案が通らなければ、だんだんと市場関係者も含めて不安が募っていくということになれば、何でもかんでも日銀のせいだということには私はならないと思っております。
ただ、やはり有効なツールである金融緩和を日銀がしっかりとやられるかどうかということをじっくり見させていただき、私は一国会議員として、また党の政調会長としてまとめたものの中にも、そのアコードや、あるいは外債購入も含めて検討すべきだということは申し上げてまいりました。今、政府の日銀の金融政策決定会合に出られる立場になったわけでございますので、そこは政府の中での様々な調整というものも必要だと思いますし、個人の判断だけで動けるものではない。大事なことは、やはりデフレ脱却というものを実現するために日銀がどのような役割をしっかりと果たしていただく、そして日銀自身がおっしゃっていることについてどうやって責任を果たされていくのか、それを注視しながら、私が考えていることについてもしっかり胸のポケットには入れておきたいと考えております。
(問)じっくり見させていただきたいということですが、消費増税の前提となるデフレ脱却、経済の好転までは、もう時間がございません。それを考えると、じっくり見ている時間、期間というのは、大臣の中ではいつぐらいまでなのでしょうか。
(答)消費税を上げる判断というのは、まず8%に上がるのが2014年4月でありますし、そうなると半年前ということになれば、来年の10月に判断をするということになります。10月に判断をするということは、様々な経済の実態というものの統計が出てくるのはタイムラグがございますので、来年の4-6月期がどうなっているのかということが重要な判断要素になってくるのではないかと思います。
そういう意味においては、それを踏まえて、先程申し上げたように日銀のみならず経済財政運営をどのように行っていくかというトータルの、責任を我々は持って当たっていかなくてはいけない。そういうタイムスパンで見ているということは申し上げておきたいと思います。
(問)細かいことで大変恐縮ですが、4-6月期のGDPが出るのは毎年8月ぐらいですが、そういう意味で言うと、来年の夏ぐらいに出てくる経済統計、経済指標を見て、日銀なり金融政策なりが十分なのかどうかということを判断したいと読みかえてよろしいでしょうか。
(答)今のは違いますね。4-6月期が統計として判断の一つの大きな材料になるということでしたので、その4-6月期にどういう影響を及ぼすために政策総動員をしていくのかということを、財政、成長戦略、あるいは金融、様々な立場から考えていくことになるということを申し上げておきたいと思います。
(問)冒頭の質問に戻って恐縮ですが、外国人の献金問題で、一般論で結構なのですけれども、もし可能ならばなのですが、前原大臣は外務大臣時代に、同じような件で御責任をとって辞任をされましたけれども、野田総理も以前、同種の問題が発覚して国会で陳謝されたり、あいまいなグレーゾーンの中で、どういう対応が望ましいかというのが、まだ非常にルールがはっきり定まっていないところがあると思います。なかなかプライバシーの問題もあって防ぐというのは難しいと思うのですが、一般論として、こうした問題に関して外国人からの献金をどのように対処するのが望ましいか、今の時点でもしお考えがあればお願いします。
(答)私の問題の後に、私個人でありますけれども、過去のいただいた献金については総チェックをし、そして、まだ分かっている範囲ではありますけれども、国会で取り上げられた以外にも外国人からの献金があったということは去年の代表選挙に出るときに明らかにした上で代表選挙に出たわけでありますけれども、とにかく法律でございますので、しっかりそれぞれの議員が自ら受けた献金についてチェックをするということが大事なことではないかと思っております。その上で、一般論ではなかなか語れないと私は思っておりますので、その個別個別で判断をすべきだと思いますし、今回の田中法務大臣の件については、私は詳細を存じ上げておりませんので、個別の問題に関わるコメントは控えさせていただきたいと考えております。

(以上)